308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[ わたしはノーリーンの眼前に、
自らの左腕を勢いよく突き出した。
ああ、少しかっこつけちゃったわ。
みっともなく腕は震えていたんだもの。
ノーリーンがそれに、
素早く崩れかけた顔を寄せるのと、
ジャーディンが何かを叫びながら、
千切れそうな勢いでわたしの腕を引くのと。
たぶん、ほとんど同時だったわ。
わたしの体はふたりで半分こできないし、
つまり、わたしは彼女に噛まれた。]
[ こんな皺くちゃでまずそうなお肉で、
なんだかちょっと悪いわねえ、ノーリーン。
もちろんその瞬間のわたしに、
そんな余裕なんてこれっぽっちもなくて、
わたしは喉が張り裂けんばかりに叫んだ。
お隣のご主人、
よくクーパーに噛まれて堪えたわよね。
わたしなんてもう半狂乱になっちゃって、
ジャーディンが一瞬怯んで力を弱めたくらいよ。
ひいひいとわたしはあえいでいたわ。
痛くて痛くて泣いちゃいそうなくらい。
でもね、わたしの顔を覗き込むあの子が、
あまりに痛々しい顔をしているから、
ほら、Nanaとしては泣いてられないでしょ。]
[ ノーリーンはまだわたしに夢中だった。
わたしという肉に。今がチャンスだった。
一向に動く気配のないジャーディンに、
わたしは声を詰まらせながらも言ったわ。]
……行くのよ、ジャーディン。
どこか、どこか遠くまで……、
そうね……、西がいいわ。
ずうっと西へ……どこまでも……
それが、わたしの最後のお願いよ……
[ いつもお願いを聞いてくれたじゃない。
とうとう涙をこぼしだしたジャーディンに、
わたしは何と言ってやればいいのかしらね。
ねえ、これがわたしの最後の役目だとしたら、
わたし、本当に光栄よ。信じてくれるかしら。]
[ けどね、わたしも人間だから、
最後に少し欲が出ちゃったのね。
お別れを惜しんでいる暇はないというのに、
最後にどうしてもこの手であの子に触れたかった。
痛みで全身がひきつけでも起こしてるみたいに、
無事の右手を伸ばすのも一苦労だった。
今日はちゃんと撫でさせてくれるのね。
少し固い髪も、丸みの減った滑らかな頬も、
全部全部、わたしの宝物だったわ。
わたしがいなくなっても、わたしの宝物を、
この広い世界を漂う見知らぬ誰かが、
守ってくれますように。愛してくれますように。]
……あなたはとても素敵な子だもの。
きっと助けになってくれる人がいるわ。
愛してるわ、ジャーディン。
あなたのことが大好きよ。
……だからどうか、生きて。
あなたが生きていることが、
わたしにとっての幸せなの。
[ ……ようやく決心がついたように、
ジャーディンはゆらりと立ち上がったわ。
あんまり痛いやら悲しいやらで、
もうこれ以上目を開けてたら、
とめどなく涙が出てきそうだったの。
だからわたしは目を閉じたのね。
わたしが泣いたらやさしいあの子は、
心配して戻ってきちゃいそうでしょう。]
[ 足音が遠ざかっていくのを、
暗闇の中で懸命に聞いていたわ。
少し離れたところで、
あの子がウィレムとゾーイを呼んだわ。
ずいぶん焦った声で何か言ってる。
ああ、オッドもいたのね。よかった。
ぱたぱたといくつかの足音が遠のいてく。
ねえ、ノーリーン。
安心してね、あの子やさしいの。
一人っ子なのに面倒見がよくってね。]
[ ……ああ、ジャーディン。
もうやさしくなんてなくたっていい。
お利口になんてしなくていいのよ。
だからお願い、生きて。どうか生き抜いて。]
[ ……でもね、わたし本当は、
やさしくて利口なあなたが好きよ。]
[ けたたましい音が響いたわ。
何かしらねえ。もうよくわからないの。
人の声もするわ。
お隣のご主人かしら。それとも息子さん?
あんまり騒がしいから、
ノーリーンがわたしを食べるのをやめて、
そちらへ向かうことにしたみたい。
ああ、床に転がっていると、
木戸を打つ音がよく体に響くの。
もうきっとだめねえ。
じきにここもまた騒がしくなるわ。]
[ べろりと何かが頬を舐めた。
やあねえ、くすぐったいわ。
そこにいるのは誰かしら。
犬たちの吠える声は、
今はてんでばらばらに聞こえるわ。
ごめんなさいね、こんな飼い主で。
あなたたちのことを守ってやれなくて。
わたしの一番にしてあげられなくって。
もう、逃げてもいいのよ。
こんなこと言って、
わたしは本当にひどい人間ね。]
[ 雑多に音が響く世界で、
わたしは静かに耳を澄ませて、
そのときを待って呼吸をしていた。]
[ ……ああ、よかった。
かすかに、エンジン の、音が──、**]
[遠くで何かが崩れる音がした。
ショッピングモールの元噴水広場で
子供たちとサッカーをしていた俺は
びくりと背を震わせて騒音の方を見る。
何してんの、とか、
もう耐えられない、とか、
そんな声が聞こえた気がして、
すっかり得物になってしまった金属バットを構えた。]
[ 最後に見渡した電子の世界は、
それでも綺麗事に満ちていた。
もう一度私は、私の中の毒を投稿しようとして。]
あれ───
[ 投稿画面ボタンを押したまま画面が止まる。
ローディング中のまま、何秒経っただろう。
「投稿に失敗しました」
無機質なメッセージが画面に表示されて気づいた。
携帯が圏外になっていた。]
ああ───もう。
[ 私の怒りは届かない。
恐らく近くの基地局がやられたのか、
そもそもインフラが死んだのか。
いずれにせよもう私の怒りは世界に届かない。]
―― とある非人間の日常 ――
[ヴゥン、ヴヴゥン。
鄙びた雑居ビルの一室で、
空調が低い唸り声を上げている。
――いいや、違った。
ボロボロのスーツ姿の男が喉を鳴らして
奇妙な呻き声を漏らしているのだ。
壁の配管に手錠で繋がれた男は
ギョロ、ギョロと作り物の人形のように
充血した眼球を時折動かしている]
[ひとだったものを殺すことにすっかり慣れてしまった。
それでも、虫の知らせというか
嫌な予感には背筋が震えた。
駆け込んできたダンス部のJK――菜々緒が叫ぶ。]
「榎本さんが外に出て……
だめ、バリケード、崩されちゃった。
ゾンビたちが来るよ!」
――、
……ああ。とうとうかぁ……
[悲痛な叫び声だった。
子供たちは悲鳴をあげて各々、
母親や父親と思いつく限りの隠れ場所へと向かう。
元帥、と、俺は噴水の傍で
うたたねしていたそいつを揺さぶって
寝ぼけ眼に悪い知らせを叩きつけてやった。]
ま、ま……まるとく じょうほ……
れれれれれれいばんの
さんぐぐぐらす
げ、げ……ていにじゅううよ、よじかん
とっ……………か、ににににせんよんひゃ……
えん おとく で
くくくくくくりっく
[けたけた。けたけた。
かつて人間だったものは愉快に繰り返す。
人間の声音とはかけ離れたそれは、
まるで壊れたレコードのようだった]
[偽物のサングラスの入った
段ボールに囲まれて
男は仮初の命を享受する。
時折、血に飢えたかのように
自らの腕を齧る。
白い骨が、めくれた皮膚の合間から
見え隠れしていた]
[痛みもない。苦しみもない。
ただただ、楽しくて。
仲間を増やさなきゃ。
なんだかおなかが空いたし。
この手錠、邪魔だな。外れない。
腕を捥いじゃおうかな。
今はやめとこう。
ああ、おもしろい。しあわせ]
「食料が尽きるかバリケードが崩れるか
どっちが先に来るかって話だったな」
ねーえ、元帥。その通りだけどさ、
おまえさん達観しすぎでない?
「政府からの物資も届かなくなったし
おまえだってわかってたんだろ? ジリ貧だってよ
……さて」
[元帥はあたりを一瞥する。
逃げ惑う子供たち。
ひとまず歳の小さいものの命を
優先しようとする女たち。
我関せずとありったけの食糧を持っていこうとする
だらしのない男たち。]
「今俺達の目の前には選択肢が二つあるわけだ。
逃げるか、戦って死ぬか」
[どうする? と元帥が死んだ目を向けてくる。
すっかり血の滲んだバットを肩にかけて
俺は力なくにっと笑って、
栄養不足気味の痩せた体で胸を張って
格好をつけてみせた。]
サイコーにカッコいい三択目。
戦って生き残る、に決まってんでしょ。
[男子よ、最期まで英雄たれ。
そう格好つけて言い放った直後。
ショッピングモールの入り口付近のバリケードが
大きな音を立てて崩落するのが聞こえた。]*
[ 頭をぐしゃぐしゃとかきむしり、
血に濡れた布団をベッドから蹴り飛ばす。
──アーサーがそうしていたように、
私はベッドの上に横たわり、そのまま丸まった。
"あいつら"が来たらどうしよう。
ちらりとよぎった思考は、すぐに溶けていった。]
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