189 とある結社の手記:8
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……………………………………お嬢さん
[霧のように静かなぼそぼそ声で、声をかける。横たわるホリーがこちらを見る事も無い。誰の鼓膜を動かす事も無い]
[苦しげなその顔へ手を当てても。触れた感触などは一切無く。
彼女もただ苦しい息に胸を上下させるだけだ]
……………。
…………………、きれい。
[長い彼女の髪を掬い上げようとした。
霧のように霞む白い指先に、彼女の髪が絡むことは無い]
………………………仕舞ってあげたかった。
[呟いた声は、生者はもちろん。死者でさえも届かないほど小さく]
[幽霊は彼女の髪に顔を埋めるように。彼女の枕元へと、静かに静かに自らの額を置いて、目を閉じた**]
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―1階 台所― [台所の隅に座り込んでスープを飲んでいた。 ゆっくりと、ぼんやりと。 1口、1口、スープを噛むように飲み込んでいく。]
……じ……おぼえる…… …………そっかぁ………
[考えたことがなかった。 勉強は学校に行かなくてもできることなんだと。 牧場の仕事ばかりで歳相応のことはしてこなかったが。 そう思うと、やはりここから出なければならいと考えるようになる。]
………………
[ワンダに書いてもらったメモと投票用紙を取り出す。 見比べるように見て、そうして1つ溜め息。]
(151) 2014/08/17(Sun) 21時半頃
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[そうして考えていたら足音が聞こえたので咄嗟に2枚の紙を背中へと隠した。 現れた姿、まず視線が向かったのは眉間だったか。]
……………… ……………………
……わかんない………けど…
[小さく呟いて、視線を床に落とす。]
…でも……なまえ……かく…よ…
[人かもしれない、バケモノかもしれない。 分からなくても名前を書くしかないから。]
(152) 2014/08/17(Sun) 21時半頃
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[去る前に聞こえた名前に首を傾げる。]
…………りー……?
[以外、ってどういうことだろう、と。 傾げたままの状態で部屋を去る背中を見送る。]
…………みえる……みた… …3人いて……ひとり……おおかみで… …うそつき……ほんもの……どっち……?
[指で数えながら考える。 ラルフが本物だったのか――――――。 それも分からない。]
(154) 2014/08/17(Sun) 22時頃
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[ここでふと考える。]
…………んー……? …なまえ…だめ……なの…
[広げたメモを見て、派手な女をまず指差す。 不思議な力を持つ人だからダメだと判断する。]
……あれ………?
[首を傾げる。 他の人はどうなんだろう?と]
(158) 2014/08/17(Sun) 22時頃
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[信じられる人を見つける。 けれど、それができないから優しくない人を考えた。 また、全員信じられないなら一番信じられない人を選ぶことも考える。]
……それで……いいのかな……
[眉を下げたまま名前の並んだメモを見る。 誰の名前を書くか、決められない。
誰を殺すのか、決められない。]
(162) 2014/08/17(Sun) 22時頃
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しは……かなしいこととは…かぎらない… …でも………さみしい……こと
[だからこそ――――重い。 あの日殺した鶏の1羽、1羽の重みも。 全部、忘れずに覚えている。
動物にとってのバケモノは自分かもしれない。 人狼にとってのバケモノも自分かもしれない。
いろいろ考えて、逃げ出したくなった。 責任とか重荷から逃れたくなった。
死は怖くないといいつつ生きようと足掻く。 何かすごく自分がみじめに感じられる。]
(182) 2014/08/17(Sun) 23時頃
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[傾げていた首を戻して立ち上がった。]
………なんていうんだっけ…… …うーん……じこ…かって………?
[窓の外には月が昇りはじめていただろうか。 見えないそれを見上げるようにして、目を閉じる。 牧場の皆は元気だろうか、そんなことを考えた。]
………きめ………た……
[自分勝手でも、なんでも――――――。 やはり、まだ死ぬわけにはいかないと。 そう意を決して、紙に名前を書く。]
(186) 2014/08/17(Sun) 23時頃
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[決めた名前は――――――。]
……………
[名前を書いたメモ。 そこに書かれた文字を1文字ずつ真似て書く。]
……ころさない……やさしさ…
[全員を殺さない、それが優しさなら。 誰かの犠牲を強いるのも優しさになる。
その意味を理解しきれないままで書き上げた紙を見た。]
(193) 2014/08/17(Sun) 23時頃
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―2階 血に汚れた部屋の前― [紙はまだ手に持ったままで。 階段を上がり血の匂いがする部屋の前で足を止める。]
………………。
[どこか虚ろな目で部屋の中を眺める。 人狼がはじめた処分、なのだろうかこれは。 生きるために動くことはどちらも変わらない。]
……そっち………うさぎ…いるかな…
[胸の前で手を組んで、祈りを捧げる。 集会所の前で彼がうさぎを逃がしていたことを思い出す。 逃がしてあげた優しさを、知っていたからこそ。 もしかして、あのうさぎがそちらに一緒にいるかも、と。
そんな風に思う自分が一番優しくないと思った。]
(210) 2014/08/17(Sun) 23時半頃
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[しばらくそこで祈りを捧げて。 それから、目を開く。]
………………
[用紙を広間へと運ぶ。 誰かを信じたいけれど、まだ誰も信じられない。 だから自分の次に優しくないと思った人の名前を書いた。]
………わたしの……ばんかな…
[そんな風に薄く笑った後。 広間に行けば、投票を済ませて部屋に戻る。 立てかけてあった箒にちらにと視線をやって。 ベッドに倒れ込むようにして、少しだけ眠りについた。]
(213) 2014/08/18(Mon) 00時頃
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