129 【DOCOKANO-town】
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― 床彼大学・音楽講堂(5d回想後半) ―
[ アラートと共に現れたのは、黒豹ジェームズ。
場の空気が一瞬にして変わる。
立ち姿だけでも流れ出るオーラ、
相当に強いのだろう。
何の前触れもなく話しかけられれば、
こちらも挨拶なしに会話を投げる。 ]
……そうだな、芙蓉はそういう人だ。
[ 舞台に上がってくるジェームズ。
それでも動かずに、続ける。 ]
守れてないけどな。
自分でもどうしてああなったのか分からない…
紅に移れば彼女と戦うこともあるかもしれないと
最初は思っていたくらいだし。
[ 紅に移れば、の部分の意味は、
ラルフを白寄りと思っているであろうJMSには
通じていないかもしれない ]
でも、俺は所詮人間だ……
このラルフは……中身のない、戦闘人形のラルフじゃない。
ログアウト出来ないこのロクヨンで、
戦うことの意味もわからないまま流されて
仲間を失いたくなかった。
[ 今はっきり、芙蓉のことを『仲間』と呼んだ。
ジェームズを取り巻く空気が一気に変わる。
叩かれた鍵盤は戦闘開始の合図か――、
舞台袖から飛び出してきたバイクを、
モップを軸にして飛び、躱した ]
[ バイクの轟音が音楽講堂に鳴り響く。
隙をついて黒豹に変化したジェームズの咆哮が
ステージの上で反響して、
まるでミュージカルのようだった ]
――、あんたは、やるしかないよね。
運営だか何だかに、紅とバラされているのだから。
[ 完全に味方と信用できる相手以外は――
戦っていくしか、ないのだろう ]
炎上乱撃…っ!!
[ 喉元に飛び込もうとしてきた黒豹を、
ギリギリのところで躱して炎のモップで滅多打ちにする。
黒豹の毛並みは黒く輝き、燃えることもない。
火の粉を払いながら再び向かってくる。
もしここでやられたら―――どうなるのだろう? ]
[ いつの間にか客席にはセシルがいた。
どうせなら、ピアノの観客として来てほしいよな。
などと、呑気な事を思いついて
迫りくる黒豹の眼を見た瞬間、
――――喉元に、齧りつかれた。
ぱっと赤い血が散って、目の前が紅に染まる ]
[ 手にしていたモップで黒豹の眼を一撃するくらいなら
おそらく出来ただろう。
が、それはしなかった。
喰いつかれた体がよろけて、黒豹ごとピアノに寄りかかり
大きな不協和音を奏でる。
震える手がいくつかの鍵盤を不規則に鳴らして――、 ]
[ 白と黒の鍵盤を、紅の血で染めつつ
意識は途切れていく。
音楽講堂の崩れるアラームが鳴り響いて。 ]
[ 喉元を離れる黒豹に、手を伸ばしたが、
届くことはなくパタリと力を失った。
ステージ13:床彼大学・音楽講堂が
*崩れ落ちていく。* ]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2013/07/11(Thu) 21時頃
明之進は、ナユタ……とうわごと。目を覚ますかもしれない。
2013/07/11(Thu) 21時頃
―・3―
[ 気が付くとそこは、元の町――――
――――……の筈もなく、
ロクヨン内の床彼町のどこか、だった。 ]
………
[ 起き上がり、周りを見回して、自分を見た。
掃除屋さんラルフのままだった。 ]
……死んでねーし。
てか……観戦モードだな。
ここは……明之進のホームか。
― 床彼城址公園 ―
[ふわりと降り立ったところは城跡公園。
きょろりと周囲を見渡す]
……ここは、お城、か……
[首をかしげて周囲を見やり。
ふと、騒がしい声に気づいて]
誰か、いる?
[ゆっくりとそちらに近づきながら声をかける]
――あれ、ダーラ?
[見えた姿に一つ瞬き。
その姿に驚いたようにまじまじと視線をむけ]
そんな格好で……ってことは、こっちにきてないのかな。
[不思議そうにみやり。
相手に気づかれればさらに驚いて]
え、あれ。
こっちのことがみえるの?
誰もいないのか…。
[ モップをひゅんひゅん回してみたが、戦闘するわけではなく
肉体の状態を確認しただけだった。
特に問題ないと判断して、社の中を歩きだす。
移動メニューも普通に開ける。
が、自分の居場所は光点として表示されていなかった。
時々、おーい、と誰かを呼んでみながら、
しばらくメニューをいじりつつ社を探索。** ]
[オスカーをじっと見る。睨んだりしたらきっと逃げてしまうから、笑む形のまま]
そんなに怖がらないでってば。
なんでも良いから情報が欲しいの。
[一歩後退るオスカーを詰めることはせずに]
それとも、オスカーはここに、自分と同じような人たちが増えて欲しいの?
……私は。誰とも知らない人たちに身体を使われるのは嫌だ。
これで死んでしまうかも知れないって事よりも、いやだ。
だから、終わるまえに何とかしたい。
すいません痴女じゃないです通報しないで!!
……って、ダーラ?
[呼びかけられたのは、「俺」じゃない。
振り向いて見えた顔にも覚えがあって、ありすぎて、]
え。レイヤーさん?
いや見えるも何も、そこにいるじゃん。
うわレベルたけえ、まんまミルフィ……
………………あ?
[ものごっつい違和感に、首を傾げた。]
………………すいません。
俺いま、すっげー混乱してんだけど。
もしご存知なら、今の状況を優しく三行にまとめてください……
[困ったときはこう言うといいって、ネットの誰かが言ってた。
違和感が頭痛みたいで、頭抱えてしゃがみ込む。]
[じりじりと時間だけが過ぎるのを、そろそろ何とかしたいと考え始める]
……そろそろ疲れない?
こうやって向かい合ってるのも。
そうだ、ねえ、私と一緒にサンタワールドで遊ばない?
[つい自分の欲望が口をついて出た。
オスカーは、
1.「一人で行けば」と言ってどこかへと消える
2.「どうせまた僕をいじめるんでしょ?」と言って消える
3.「遊び疲れたから行かない」と言って駆けだし消える
4.「ここでなら話をしても良いよ」と言って懐柔成功
5.無言のまま消える
6.「それより2のステージが良いな」と言ってそこに移動。
取った行動は3]
え? え?
[ダーラの叫びに驚いて瞬き。
見えるといっているのに、理解していない様子に首をかしげ。
続く言葉になるほど、と頷いた]
そっか……混乱してるってことは、中の人か……
――あたしもよくわかってないけど。
ロクヨンの中に閉じ込められて、しんじゃって、観戦モードになった。
[端的に告げるとすごく短かった。しかも優しくない]
ダーラも、あたしが見えるってことは観戦モードになったみたい。
――大丈夫?
[しゃがみこんだ様子にダーラのそばによって顔を覗き込んだ]
[さっき見つけたのはミューズホール、そして南口ロータリー。
ひょっとしてオスカーはランダム移動じゃなく、順に回ってるんだろうか、とちょっと思う。
とはいえ、私が順に回ってもいたからそうとも限らないのだけど]
なら、それで行くと次はサンタワールドなんだけど、今遊ばない?っていった場所に逃げるかなぁ?
[少し考えながら、消えてしまった跡を見る]
まさかの一行だよ……!
[わかりやすそうに見えて恐ろしくトンデモだ。
泣いた。いやまだ泣いてない。]
ロクヨンって、だってゲームで、
しんだら観戦モード、えーと当たり前、なんだけど、
……そうだよ、ミルフィ……おちた、って。
セシルが…… っ、
フィリップ、
[頭痛。
膝の力が抜けて、しゃがんだ姿勢から尻もちついて。]
おれ……しんだ、のか……?
[胸を押さえる。
穴が空いてるように見えるこれは、触っても何もないんだけど。]
っ、は、っ……
[息苦しさを、思い出す。
大丈夫の一言が言えず、背中を丸めた。]
ご、ごめん……
[ダーラの様子に申し訳無さそうに謝り]
ちょ、大丈夫?!
[ダーラがしりもちをついたのにあわててその傍らにちかより]
ええっと……
わたしも死んだと思ったらこうなってたから……
ダーラも、あっちでしんだと思う。
[丸まった背中へと手を伸ばして、宥めるようになでる]
―床彼サンタワールド―
[降り立った場所には、人が増えていた。
もっとも、こちらは見えることはないのでそう問題でもないのだけど]
……ここに隠れられると見つかりにくいな。
にゃんこみたいにサーチできれば良いのに
[上へと浮かんで見つけるのは上空から。
どれくらいまで浮けるのかと試したことがある。
その時のコンディションにも寄るけど、最高でも20+10メートル位まで。
観戦モードでの高度は試したことはなかった]
―― 公営床彼競馬場 ――
あれ ?
[待って と 言われた気がした。]
―― ……
[公営床彼競馬場、そこに佇む姿は一人きり]
[高度を上げようとしたところで、メリーゴーランド近くに人の姿]
……わんこと、沙耶ちゃん?
白と紅じゃなかったっけ? どういうこと?
[二人の関係は知らなかったから、その様子をちょっとだけ眺めて]
と、時間なかったんだ。
[オスカー探しを再開する]
は……、っは、ぁ、
[一気に思い出す光景に、潰されそうだ。
胸は斬られるわ腕は撃たれるわ足も斬られたし撃たれたし、最期は焼けて、やけて、やけて、]
っっ………
[背中に触れられて、びくっとした。
いろんな感情が、震えるのをすぐには止めてくれない。
けど、優しい手に撫でられていれば、恐慌も次第に落ち着いていった。]
…… アラ ?
[誰もいない傍らに向けて、小さく呟いた。
何度見ても誰もいない。]
いやいやいや でも
別の場所探したほうが 効率的かもしれない しネ
オスカーくんもオカマより 女の子一人にに会えた方が
喜ぶカモだし、
大丈夫 計画通りだわ大丈夫
[ほんのちょっとの罪悪感を胸に抱えながらも
とりあえずエリア内の探索開始。けどオスカーはいません。]
ご、め。
ありが、と……。
いま……
いまのこれって、死後の世界ってやつ……?
[なんとか息を整えて、恐る恐る聞く。
人はいないし、でもまだ俺はダーラ様だし。]
もはや転生待機みたいな……?
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