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そういや、刷衛様に刀の礼できへんかったなぁ。
[恨むには遠い言の葉を紡ぐ。
歪な双花――腕の中の片割れが、
先程、憎の念に悩んでいたとは識らず。
全て重ならぬからこそ、高嶺の花になれたのか。
乾の憎に対する言に、心裡で密かに蝶は同意を示す。
刷衛の口から華月の名が出れば、微かに浮かべる苦笑。
抱き寄せたままの鵠は、どんな反応をしていたか。
どのようであっても、抱きとめたまま離さずに。
次に狭間の世界の音を拾えば、苔色は夜光の姿を映す。]
メモを貼った。
[ロビンと乾と、言葉交わすようなら
生前と変わらぬ微笑をだけを挨拶に向けた。
苔色は、狭間の世界と生者の世界を、静かに見詰める。]
メモを貼った。
[蝶が笑むをきょとんと瞬きひとつ。
主に促されて身を離し、乱れた裾を直す]
うん。
そりゃそうだ。
あの方は、手加減なかったでしょう。
[手は繋がったまま、半歩下がって首を傾いだ。
二人の会話に割り入って良いものか、訪ねる風]
[夜光を見て、そしてあちらを見る]
貴方が、縋りたかった方の無事を、願っております。
[祈るとは、口にせず。
けれども。
もし獣がここを出るときには、獣でないものはすべて死してしまうのだろうかとも思い]
獣、なのに?
私にとって、ロビンは花。
それ以外にはなにもなく。
獣であったか人であったかなど、意味を持たぬ。
……、――そう か。
そうだな、…己がいきているうち、
聞けなかった――朧様の“理由” は
[伏せていた眼を、苔色に合す]
――…己の相棒になれるのも、
…胡蝶、だけだ。
[囁く。並び、咲くと願ったのに
半ばで散った愚かな生贄――だが。]
…ありが、 とう
[俯いて、本当に消え入りそうなくらいの声で謂う。
掠めるような口付けに、紫苑色を一度薄く開いた。]
[
一つ、瞬いた。
裡なる想い。かなしい。――哀しい。]
…嗚呼、
[物思うように眼をまた伏せた。
ロビンの、呟きもまた――耳に入り。
かなしい、… か。
…そう、だな。
[瞑目する。かなしげな、くるしげな――]
此処は、何処なのですか。
彼岸とはこういう場所なのですか。
[法泉を見て小さく問う。
法師ならば知っているだろうかと]
恨んでも憎んでもいいと言われた。
当たり前だ。僕は主様の傍に居たかった。
ようやく。みつけたのに。
[ロビンへと戻る怨みの視線。羽織の上からぐっと胸を掴む]
[
僧が、答える。静かな、
悟りを開いたような薄い笑みが見えた。
対する鵠はくるしげな表情を浮かべ]
憎めないなら…
なん、なのだ。
[片手、顔を覆って。
現世の言葉が聞こえる。朧月の言葉が己の想いと重なる。]
――… …かなしい のか、
[相手への問いかけのようで居て、
自分の内側への問いでもあったか。
――あらたなこえが在る。常世へ迷う魂が。
顔を其方へ向けて、覆っていた手を下へずらした。]
……夜光……
――…、…わからない
[首を横に振る。
――りん。鈴が鳴る。
己を殺した刷衛へ抱く思いも、
人狼でありながら情を強く見せる
本郷や、ロビンや――霞月夜。
微笑み浮かべる胡蝶とは対照的か。
全てが重ならない故に双花足りえる。
胡蝶の衣の裾を、く、と握った。]
さて。
ここは、あちらと死した世界を結ぶ場所、なのかもしれません。
場所は同じであるのに。
あちらに此方の姿は見えず、声は聞こえず。
ああ、でも。
二人には聞こえているようですね。
[いずこかを見る。
そしてまた夜光の方を向いた]
憎めといわれたのなら、憎むと良いでしょう。
けれど、それで何が変わるわけでもなく。
憎むことは、己の醜さを表に出すこと。
それが悪いことだとは思いませんけれど、ね。
[夜光の視線を受けて、冬色を細める。
主が応えるなら口を挟む事はしない]
[邦夜の無事を願う言葉に、怨の念は幾らか薄れ]
獣であっても、変らぬと。
[獣に裂かれた人の言葉なれば、それは深く心に響く。
迷うように、ロビンへと法泉へと視線が彷徨う]
見えず、聞こえず。
…二人?
[法泉の視線を追いかける。
此岸にいる人々。誰を指しているのかは分からず]
[傍らの花、握る手を強くして]
解らないのなら、解らぬままでも良いのではありませんか。
それとも、解るので考えるのか。
――ここに後どれほどいられるのかわからぬ。
考えるには、時間はあまりに短く。
ここにこのまま留まれるのなら、どれほど良いか。
[あの、二つの花のように。けれども、あの花たちもいつまで]
私は、人を獣をと考えるよりも。
今傍にある花と――。
メモを貼った。
[主の許可出るまでは、二人の間に口を挟まない。
其の様は飼い慣らされた狗のようでもある。
握られた手に力が篭ると、瞬きを一つ。
見上げ、切なげに眉を寄せた。
瞳を伏せる]
[胡蝶は、正確には華月は、
誰かを怨みつらみする感情が希薄だった。
それは、初めが主に共の死を求められ、添えれなかったが故。
怨まれはすれど、怨むことはできない、と。]
わからんくても、えぇんやない?
[りん――鳴る鈴の音。袖引くに気がついて、ポツリと返す。]
感情いうんは、変わるもんでもあるしなぁ。
見て、聴いて、識って、
それでも変わらんかったら怨めばええんよ。
[鵠に返しながら、夜光にも重ねる言の葉。]
わては頭かしこないから、むずかし考えとったら頭壊れるわ。
どんな答えだしても、鵠は鵠や。
多分、わてが鵠好きや謂う気持ちはかわらへん思うしなぁ。
メモを貼った。
…恨んで憎んで、苦しんだ人を知ってます。
醜く、何も変らない。
[時には直接身にも受けた。
落花は苦しくてもそうせずに生きられなかった]
……悪いことではなくても。
[法泉の視線から逃れるように顔を背け。
双花の姿にも気がついた]
鵠殿。華月殿。
[華月がどう散ったのかはまだ知れてない。
けれど鵠は。そう。獣に寄らず散らされたのだ]
人も、人を、殺す…。
[花の様子にくつりと笑い]
ロビン、言いたいことがあるのでしたら、言って構わないのですよ。
[人には人の、獣には獣の言い分があろうと、花を見る視線は柔らかく注ぐ]
[夜光が眸に宿す怨のいろ、それがゆらり、ゆらりと変わり往くのに己の紫苑色を重ねる。]
…分からぬままでも、…よい、…?
[法泉と、――胡蝶の言葉と、
重なる。鈴が鳴る。]
――…、――
己は、知らぬこと、多く
見て聞いて、そして、惑っている。
……にくめたら、楽なのに
[零した胸のうち。
憎みきれないのだと、そういう。]
…否、胡蝶は、……――凝り固まった己より、余程…、…ッ
[好き、と聞こえた所為か。紅くなった。]
手妻師 華月斎の言葉に、微笑を一つ見せた
[華月の言葉に考える。
邦夜は違うと知っているけれど。若し。
若しも彼が獣で。獣であっても同じに温もりをくれたなら。
自分は、恨むことが、憎むことが出来たのか?
感情は変るもの。再び視線はロビンへ。
あれだけ拒絶されたのに、其方から声を掛けてくれた]
……頭が痛い。
[蟀谷を押さえて首を振った。
華月の言葉は頭でなく別の場所で分かる気がした]
[柔かな主の視線に促されて、口を開く]
憎み、嫉み
幾ら向けても構わぬのに。
……道天満月の彼も
同じ道を辿らせる手筈がしくじった様子
二度同じ手は、あるかどうか。
[人食いの花が聞く言の葉は
現世と狭間と、もうひとつ]
まだ、痛みがあるんだ?
……そうだね、色々まだ此処は感じる事が出来る。
彼岸にたどり着いたなら、消えてしまうかな
[冬色の瞳が夜光を見遣り、気遣わしげに揺れた。
拒絶が無いだけで随分印象が変わる]
そう、ですね。
[夜光の言葉に頷いて]
そも、人の生き死にには獣より人が多く関るもの。
縁あるものを屠られれば、人であろうと獣であろうとあまり良い感情は浮かばぬでしょう。
…。
獣を恐ろしいというのなら、人はもっと恐ろしい。
けれど、だからこそ、どちらも恐ろしいものではない。
[おそらくは、乾がロビンを獣でなく花と見ることに、
どうあっても鵠は鵠と思うのは似ているのかもしれない。
乾の微笑にそのようなものを感じ、胡蝶もまた微笑む。]
人も人を殺す。
わても、朧様に殺されたけど、感謝こそすれ怨む気はおきへん。
ま、人それぞれやろ。想いも事情も。
あんま、考えこんだら、頭莫迦になんで?
考えるより感じろ!……とか謂うてみよか。
[光夜に己が死の原因を告げ、傷むという頭を心配した。]
門下生 一平太が痛がる様子に首を傾けた
……憎めたらええのに、ってのが答えな気ぃもするけどな。
裏返せば、憎みたくないってことやろ。
わては、鵠のそういうとこ、好きやよ。
[そして、好きという言葉に反応した鵠に、
重なるようにまた好きという言葉を向けた。]
なんや、かあいらしいなぁ……――
[紅く染まった頬を突いてみたり。]
……あれを初心と謂うんでしょうね。
幾らか見習った方が良いでしょうか。
[生まれながらに艶ごとは知っている。
経験こそなくても媚態を取るのは人食花
白い鳥が紅く染まっているのをふと見て呟いた]
【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン[幾ら喰おうと、満ち足りぬ。 (138) 2010/08/08(Sun) 23時半頃 |
なっ!
[同じ道をといわれれば、憎しみ浮かばぬわけがなく。
されど冬の瞳は気遣わしげで、以前のそれとはまるで違う]
…変るんだね。
人も。獣も。同じように。
[ほぅと息を吐いて、法泉の言葉に頷いた]
ロビン、私は造られたものはあまり好ましく思っておりませんので。
お前はお前のまま、傍に在るといい。
[花の言葉に僅か目を細めて、白鳥を見やり、また視線を戻す]
【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン[使いの言葉に目を伏せて、 (139) 2010/08/08(Sun) 23時半頃 |
[同じ道をと言っても昨夜の話。
それ以上は告げず]
利用して謀る気で近づいたのに
主さまがあまりに心深くいらっしゃるから。
[同じように変わるのか
己の変化については頷いた]
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