64 色取月の神隠し
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[>>7薄茶色の眸を向け、日向が鵺に問うのに] 己が呼ぶとしたら、か。 神さん、と呼ぶのも違う気がするしなぁ……。
そうだなぁ。 ――いっそ、あやかし(同胞)と呼ぼうか。
[揶揄う色のない、真面目な面で答えた]
(13) 2011/09/19(Mon) 22時頃
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えっと……じゃあ……
九百九十……?
[志乃の言葉を頭の中で掛け算し、目を丸くする]
そっか……眠って……
でも、それにしたって、千年近い時を超えて来てるのは確かなんでしょう?
[恥ずかしげな彼女に柔らかな眼差しを向けつつ首を傾げ]
故郷……か……。
じゃあ、志乃がここに来たのは、まるっきり偶然ではなかったんだね。
[そんな風に感想を漏らす。
同胞の声に関しては、夢半分に聞いていたこともあり、そんな話もあったのかと余計に顔を赤らめるのだけれど]
そ……んな……
私だって別に、お行儀良い、訳じゃあ……。
[志乃の言葉を小声で否定しつつ]
ん……でも……
それでも、聞かせて欲しいよ、志乃のこと。
多分それが、「あやかし」としての志乃を知るってことでもあると思うから。
……怒ったりなんて、しないよ。
[だから安心してというように、真っ直ぐ志乃を見詰める]
あ……あれは……
[聴こえて来た音色に振り向けば]
あの時の、笛の、音……。
[龍笛の澄んだ音が、箏に重なり響いた]
こっち……来たんだね。
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ええっと、そのいっぺいたって子は、神様じゃなくて、あやかしに連れて行かれて。 他のみんなを連れ去ったのも、あやかしで。
で、ひなたは、あやかしの手から、いっぺいたを取り戻すって、言うのかい? 現世と、隠世の、道を開いて――
[半信半疑といった声を掛けながら、少女の手の中で色を変える櫛を覗き込む。 恐れよりも、警戒よりも、いま勝るのは興味]
(14) 2011/09/19(Mon) 22時頃
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[笛の音が聞こえる少し前。
こちらに来ていた気配までは、娘には感じる事は出来なかった。
だが、飛んで行く火の姿を遠くに見付け]
あの……あれ、は?
[志乃か、近くにいた誰かにそう尋ねた]
団子屋 たまこは、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 22時頃
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[そうして、見知らぬ少年の姿が、目の前に現れれば]
…………へえ。
[しばし、ぽかあんと口を開け、その様を眺めていた]
(15) 2011/09/19(Mon) 22時頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2011/09/19(Mon) 22時頃
あかん! けしゃらんあかんよ!
[沙耶が見つけた火の姿を目にした瞬間、はっとして叫ぶ。
兆候は感じていた。あの隠世の理からもはずれる神隠しの神隠し
気をつぶさに追えば、その歪みも感じてはいた。
いたというのに、朧気すぎて追うこともできずただ密かに手をこまねいていただけの自身に、思わず歯がみする]
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その子がいっぺいたかい。 ねえ、そうなんだろ?
[椅子に腰掛けたまま、上半身を乗り出して]
凄いよ、あはは、こりゃあ凄いねえ。 祭りで軽業も、手妻も見たけどさ、今のが一番凄い見物だよう。 ねえひなた、あんた凄いよ。
[目を輝かせて手を叩く]
(16) 2011/09/19(Mon) 22時頃
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けしゃらん……?
[志乃の叫びに、娘は首を傾げる。
聞き覚えがないのは当然で、娘は明之進の正体を知らなかったのだから――
だが娘は、傾けていた首をはっと垂直に戻す]
けさらんぱさらん……なの?
[口にして、自分でも疑問を覚えたように口を押さえ眉を顰める。
それでも、思い直したように]
このままじゃ、だめ……よね。
追い掛けなくちゃ……。
[健脚とは言えない足を、必死に動かし駆け出した]
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『……そりゃあ、普通は無理に決まってるさ。
けど、鈴の音のせいで、己がたまこを獲り損ねたのも事実だし たまこと日向の繋がりで、隠れた筈の一平太も戻ってきちまったしなぁ』 [>>12芙蓉の囁きに、難しい顔で呟いた]
(17) 2011/09/19(Mon) 22時半頃
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あやかしの一人が我を忘れておるんよ。
[焦燥感を滲ませて、飛んでいく火の姿を睨み付ける。
理由はあの不可解な出来事なのだろうが、見たわけでも知っているわけでもないので説明のしようがない。
女とて、詳細を知るところではないのだ。
ただ、あの火が怒りと悲しみを纏っているのは、少しでも妖しの気を理解できれば、おそらくは感じることも可能だろうか?]
……沙耶捕まりぃ
[駆け出す娘の意図を受け、なれば九十九の楔を外すことが叶うこの隠世は自らの領域
疾駆し空を奔るくらいはできただろうか?
彼女の手を取り、駆ける彼女の一助となる]
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[そっと手に何が触れた。 >>6暖かいもの―。]
これは―手だ。 これは寧ろそういうアヤカシなのか?
[名を呼ぶ声と手に少し持つ疑問が。]
いや、違う。 アヤカシは僕の名前を知らないかも。 それにたぶん、たまこ姉さんのことを言うのか…?
(18) 2011/09/19(Mon) 22時半頃
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うちらのあとにこちらに帰ってきたあやかし。
けしゃらんばしゃらん……えぇと
沙耶は現で、色白でええ身なりの子を見かけてはおらんかったやろか?
名を確かあきのしん…やったと覚えてるんやけど
[彼と仲良くしていたものを考えれば、おそらく隠返りをしたのは仁右衛門の門弟だった一平太という男だろう。
龍の笛なら、その子の気配が消えた後も調べを感じることができた。
なれば、一平太と明之進の間でなにかあったか?
考えられたことはそこまで、二人に対して縁の薄かった女の身では、想像にも限度があった。
龍の笛なら自身よりわかろうかと、気配を追えど、隠世に来たばかりの彼らとは、些か離れすぎてもいただろうか?]
沙耶は、けしゃ…あきのしんと、センセのとこにいた門弟さん
何か知らへんやろか?
あやかしが……。
[志乃に頷き。
手を差し出されたなら、礼を言って彼女に捕まる]
わ……速い……
[感嘆しつつも、思うは己の呟いた言葉のこと]
けさらん……ぱさらん……。
何処、で、知った……?
[その言葉が己の記憶の何処から出て来たのかわからず、釈然としないものがあったのだ。
志乃とともに駆けながら、記憶の深く深く――潜るように探って行く]
―里への道―
[周囲の空気が変わり、しん、と静寂に包まれれば目を開く。真っ先に目に飛び込んだのは、一面の紅。咲き乱れる彼岸花の妖艶さに圧倒されて、感嘆のため息を漏らした]
ふああ、すごいです…。こんな、光景初めて見ました…。
ここが、あやかしの世界…?
[辰次に手を引かれるまま、きょろきょろと周囲を見回しながら歩く。狐火の群れが導くように里へと舞うのに感じるのは、恐怖よりも美しさ。
何処からか祭囃子が聞こえてくるのに気づいて耳を澄ませば、その中に筝の音を聴く。辰次が笛を取り出して吹き始め]
綺麗な、音…
[筝と笛の弾むような音色に目を細めて聴き入った。]
…辰次様? どうされたのですか?
[辰次がふと顔を上げて呟くのを不思議に思って問いかける。何でもないと首を振られ、手を取られれば素直に従って歩き出す。やがて楼閣が見えてくれば、それを見上げて、ふたたび目を丸くする]
ここが、あやかしの里なのですね…。
『あきのしん! おしろいあげるからちぃとお待ち!』
『龍っつぁん! 龍っつぁん!』
[沙耶と火を追いながら、妖しの気で各方へも呼びかけただろうか?
辰次へは…できれば彼の傍らに居るであろう思い人と、緩やかな刻を過ごして欲しいとも思ってはいたけれど、そうも言ってられないし、そもそも自身が気付いたのだ。同じ九十九で、自身より明之進と縁の深い彼ならば、とうの昔に察知もしているやもしれない。
……焦りの混じった酷く不規則な箏の音が隠世に鳴り響く]
―あやかしの里―
[そこかしこで狐火の提灯が明るく照らし、太鼓や祭囃子の音が聞こえてくるのに心が浮き立ち]
こちらのお祭もとっても賑やかなのですね。
辰次様、早く参りましょう。
[笑いながら、辰次の手を引いて駆け出そうとすれば何かが脇を掠めるように飛んでいって]
っ、きゃ、
[一瞬よろけるが、辰次の手に縋って何とか転ぶことは回避する]
びっくりしました…。
あれは、いったい…?
[しばらく呆然と、炎の飛んでいった方角を見つめていたが、炎を追いかけるように空を駆けていく志乃と、彼女に掴まる沙耶の姿を見つけ]
志乃様、 え、それにあれは…、沙耶…様!?
[驚いて声を掛けるが、届くかどうか]
あきのしん……
あ、その子なら、知ってる……!
[志乃の言葉に顔を上げる。
色白で身形の良い――と、特徴も合致した]
けさらんぱさらん……あの子、そう、だったんだ。
[思い出すのは、外見の割に幼い言動のことで、あやかしとまでは気付いていなかった。
夢で聞いた会話を注意深く思い出していれば、察しがついたのかもしれないが]
門弟……一平太さん?
でも、あの二人の事は……仲がいいな、としか。
[役に立つようなことは記憶にない。
力無く首を振る。
そして志乃が、隠世に箏の音を送るのを聞いた]
[火が揺らめくたび、己が意思も燃えてゆく。
一つ、また一つ、記憶も燃える。
祭りの記憶、友ができたという記憶。
そして忘れていた、と思いこんでいた記憶も。]
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>>6:89
[日向が、たまこの話を反芻するように文字に連ねてゆく 少しずつ、飲み込んでゆく様子に、こくり、とひとつひとつ頷きを返した]
[しばらく沈黙が訪れた後、日向の手がすっと枝を動かし地面をなぞった]
…! 日向ちゃん… う、うん。わたしに、出来ることなら。
[まだ迷う風であったたまこの頬がさっと青ざめて 覚悟を決めたように、手を組んで祈るように日向のほうへ向いた
(19) 2011/09/19(Mon) 22時半頃
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[柘植の櫛の色が変わる それは、いつかの夜の半月のように白い光]
[息を吸い、目を閉じる日向に合わせ 祈りをこめて、そっと目を伏せた 心の中で願うのは、ただ、幼馴染の少年の無事を]
>>3 [藤之助が日向に語りかける声が聞こえるけれど 今はなにも、考えることはできない ただ、日向を信じるのだ、と自分にいい聞かせて―――]
(20) 2011/09/19(Mon) 22時半頃
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ああ、違うよ、仕掛けがあるって言いたいわけじゃないんだ。 軽業も、手妻も、仕掛けや鍛錬でできるようだけど、結局は人の力さ。
でも今のは、ねえ、どう見たって違うよねえ。
[楽しげに、嬉しげに、座った足をばたつかせ]
(21) 2011/09/19(Mon) 23時頃
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ひなたもさあ、たまこもさ。 いっぺいた、あんたもたまこを護ったってんならさ。
[先ほど鵺に囁いたこと、人の子たちへ声に出す]
たとえもともとは、神様の加護ってやつだったとしても。 あやかしの力を凌いで、現世と隠世の境を越えて。 見たり聞いたり、挙げ句の果てには奪い返すことができるってんなら、 それほどの力を身に宿したってんなら、それは、
[そこで言葉を切ってから、すい、と視線を藤之助へ流す。 答えはもう、彼が口にしたと言わんばかりに>>13]
(22) 2011/09/19(Mon) 23時頃
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[沙耶が一瞬振り返れば、驚いた表情のままこちらを見る巫女の姿
傍らに龍の笛も見えただろうか?]
……!
[二人には離れ行く火を指さし示し、手を招いてみたけれど、その意図は届いただろうか?]
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[そのまま手は、自分を何かに連れて行くように引っ張っていく。]
この感じ。 さっきと同じような―。
[何故か引っ張る手の先から、慣れた空気が流れてきた。]
あ、わ、あ、ちょっと、まっ。
[咄嗟過ぎて、反応できず。明之進に何かを言いたい、言わないといけない気持ちが、しかし時間が残せず。
そのまま、また何かを抜けていく―。]
(23) 2011/09/19(Mon) 23時頃
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[ 志乃の合図を見れば、自分達を呼んでいることが分かった。沙耶がこの世界に来ていることを知らなかった巫女は、沙耶のことも気がかりで]
辰次様、追いかけましょう!
[辰次の手を握りなおすと、志乃達が飛んでいく方向へ駆け出した]
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― 菊屋屋台 ―
え?
[周囲をきょろきょろ向いた。 引っ張られていたためか、尻餅をついてつきながら。
知り行く顔、知らぬ顔、その中で、立ち上がる。 漏れるは現状を知らず。]
どういうこと―?
[>>16見たことの無い女性に問われるには、ああはいそうですと、ほうけながら答え。]
(24) 2011/09/19(Mon) 23時頃
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