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―緑国・国境付近―
四葉のクローバーはー、ハッピーラッキーの印ー…だっけー?
[枝の上にのんびり寝そべりながら、緑の制服を身に纏った軍人は小声で歌を口ずさむ。いい天気だった。緑と赤、両国間が一触即発状態になろうが、爽やかな風が吹いて空は青くて、鳥が可愛らしい声で囀っている]
こーんな平和なのに、戦争とかやる奴の気がしれないねー。
[軍人らしくない戯言を独りごちて、木の上から地上へと下りた。そこは、国境付近に建てられた緑国軍の駐屯地。]
でー。フィリスちゃん、まだ帰ってきてないのー?
簡単な任務だったって話だったのにー。
[緑軍の女兵士が任務に出かけて、既に一昼夜以上経っていた。彼女が行った廃墟とは距離があるとはいえ、時間がかかりすぎている。軍人は寂しいー、と口を尖らせて。]
何もないって考えられる奴がいたらそいつはさすがにボケてるよなー。……んー。
フィリスの監視が必要なのでついていく。公子殿下もついて来そうだった。
[鼻血と泥に塗れた顔で、連れ立ってやってきたフィリスと軍人を見た。
その顔は旧友との再会の喜びに溢れていて、先程までの気まずそうな色は無い]
おー、やっぱフィリスじゃねーか! ひっさしぶりー!
お前相変わらず胸ないなー!!
[ばんばん、と、その背中を強く叩こうとする]
俺ー? 今帰るとこ。
まだあっちにいたかったんだけど、
じーちゃんがやっぱ帰って来いって言うもんだかんさー。
その途中で置いてかれちまってさー。なんつーの?ついてねーよな!
[二国間の仲が悪化し開戦も間近の今、二国を行き来する者など滅多にいない。軍人は青年を怪しむだろうか。]
ちょいと、あっちの方偵察行ってきます。
[上官にさらっと言った時には、既に軍服を脱いでラフな格好に着替え、準備万端だった。赤国とも緑国ともつかぬ、独特な洋服。一般市民のふりをするつもりらしい。上着の内ポケットにダガーを隠している一般人はそうはいないが。]
『おいこらメディ!!!!』
大丈夫ですってー。まだ戦争起きたわけじゃないっしょ?
俺、平和主義者だから面倒事は起こしませんし。
まあ、三日経って何の連絡もなきゃ、諦めて下さいな。
[フィリスは、新米兵一人、切り捨てられると考えていたようだが。
先輩にバカが一人、居たのである。
お前まで死んだらどうする、いや俺死んだ所で戦力欠けることにはなりませんよ それより未来ある女の子死ぬ方がまずいです、拷問受けたら情報吐くだろ、いやたいした情報持ってないですしー、とのらくらした問答の後。他の者を巻き込まない、万一の際でも救助は要らないという約束で、偵察に行く許可をもぎ取ったのだった]
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[歓喜に溢れた挨拶と共に背中をばんばんと叩かれ、片足を痛めているためよろめいた。]
ちょ、待てセディ!
な、なんだと!僕は単に着やせするタイプなだけでない訳じゃな…
[セドリックのペースに乗せられかけて、括られた手で思わず頭を抱えた]
それは、まあそれとして!
…そっか、じいさんが。で、置いて行かれた、と。
…相変わらず、うっかりしてるなあ。どうするんだよ、村まで。
[括られた手で、器用にハンカチを出してセドリックの鼻血を拭いながら、心配そうに聞いた]
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わ、ごめん……!
お前怪我してんの気づかなかったんだ。ごめんな!
[よろめくフィリスを見て手を離した。
明らかに足を庇っている様子なのに気づかない。しかし、こんなことは青年の周辺にいれば日常茶飯事で。
鼻血を拭われながら、んー?と首を傾げる。]
えー。お前この人らと一緒にいるんだろ?
俺も一緒に乗っけてってよー。
……って、そういやフィリスは何やってんだ。
ん? ……あれ?
もしかして……捕虜ってやつ?
[そういえば一緒にいるのは軍だった。
ようやく思い出して、青年の顔からさあっと血の気が引いていく。]
【人】 飾り職 ミッシェル[突きつけられる現実。受け入れたくない真実。] (12) 2011/07/03(Sun) 02時頃 |
軍人の後ろ、ついてきている身なりの良い男には気づかない。
―草原―
さって。まずは聞き込みか?
とはいえ、あの廃墟にはいたとしても野党くらいだろーけどー。
[近くの村で借りてきた馬に跨り、遠目に見える、フィリスの向かった砦を眺めていた。
まさか同じ草原に、目的の人物がいるとは思いもよらず**]
[鼻血のついたハンカチを丸めて再びポケットにねじ込みながら、眉根を寄せて悩む。]
仮にOKが出ても、行き先は赤国なんだよなぁ。
[青年の血の引く様子と、自分の拘束された手首を交互にみて、ああ、と言った]
捕虜のような、一応客人のような…
[手首を拘束される客人、を想像して]
うん、やっぱ、捕虜かな。
でも僕のことは大丈夫だから、気にしなくて良い。
セディ、一度街まで引き返してもう一度馬車を頼んだら?
[ムパムピスやベネットに彼のことを聞かれたならば、同郷の友人で民間人と応えるだろう。
相変わらずのセドリックの様子に心配になる半面、数日張りつめていた神経が解れ、溜息と一緒に笑みが浮かぶのを感じた**]
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[フィリスの返答にぽかん、と口を開け。
なぜか、げらげらと笑いだす]
ひー! お前、俺がいない3年間で随分冗談のセンス磨いたじゃん!
こんな客人がどこの世界にいるんだよ! ありえねー!!
[バンバン、と膝を叩きながら笑う。
ひとしきり笑い終えた後、馬車を提案されれば、思い切り首を振った]
無理無理、馬車とれるような金ねーもん。
さっきの馬車だって必死にあちこち連絡しまくって、すんげー値段払ったんだぜ?
それなのにさあ、あの御者のモーロクじじいめが……。
[ぶつぶつぶつと39秒ほど愚痴を語り続けただろうか。]
つかさー、そもそも俺金ねーんだった。
財布もかばんもぜーんぶ馬車の中!
ローゼスブルグまで戻れたらどうにかなるかもしんねーけどなー。
[青年が口に出したのは赤の国の首都、大公が居城を構える街。
この控えめに言ってアホにしか見えない青年が、赤国一の名門大学・ローゼスブルグ大学の名前を出せば、軍人たちはどんな顔をするだろうか]
まーなんでもいいや!
取り敢えずあれだ、俺も連れてってよ、おにーさん!
[そこでようやく、フィリスの側に立っていた軍人たちの顔を*見た*]
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【人】 飾り職 ミッシェル[横たわる彼の望むことはわかっていた。 (14) 2011/07/03(Sun) 02時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク
(15) 2011/07/03(Sun) 03時頃 |
【人】 飾り職 ミッシェル あぁ。参謀殿には傷一つつけないよ。 (16) 2011/07/03(Sun) 03時頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク
(17) 2011/07/03(Sun) 03時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク[砦へと着けば、そのまま安置所へと向かう。 (18) 2011/07/03(Sun) 03時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク
(19) 2011/07/03(Sun) 03時半頃 |
【人】 飾り職 ミッシェル
(20) 2011/07/03(Sun) 03時半頃 |
【人】 飾り職 ミッシェル[彼を静かに見送った後、女は女性に静かに話しかけた。] (21) 2011/07/03(Sun) 04時頃 |
【人】 御者 バーナバス[>>1ヤニク殿の咆哮と>>0駆けつけた女騎士に、何もいえず見ているだけで。] (22) 2011/07/03(Sun) 05時頃 |
【人】 御者 バーナバス― 砦・中庭 ― (24) 2011/07/03(Sun) 05時頃 |
【人】 御者 バーナバス 立て続けに色々あったもんなぁ。 (25) 2011/07/03(Sun) 05時頃 |
【人】 御者 バーナバス[自身が戻り手数が増え、仕事は大いに進んだだろう。運搬・搬送の類を多少なり騎士も手伝ってくれているかもしれない。] (26) 2011/07/03(Sun) 05時頃 |
【人】 御者 バーナバス― 倉庫 ― (27) 2011/07/03(Sun) 05時半頃 |
【人】 御者 バーナバス[混濁する意識の中で、思うは先ほどの光景。ヤニクと副団長と、後ろに付き、中で会話される参謀に混じり、会話を受け答えしたその時。] (28) 2011/07/03(Sun) 05時半頃 |
―廃墟と化した砦―
げ。ありゃ…赤国の軍じゃねーの?
[フィリスが探索を命じられていた砦の前に来た時。まだ遠くだが、隊列を成す人と馬の集まりが見えた。赤い衣服は、草原の中に置いても目立って見えて]
うーわー……フィリスちゃん、ひょっとして大当たりだったんじゃ……
さすがに俺一人じゃ助けらんねーよ、あれ…
[嫌な予感が胸をよぎる。望遠鏡を出しかけ…レンズが太陽の光に反射して、相手に見つかってしまう危険に気づく。がしがしと頭をかいた。少しの迷いのあと]
……ちっ。今の俺は、ただの旅の歴史家、歴史家…
見つかった所で、痛くもかゆくもねえ!
[自分に言い聞かせ、望遠鏡を覗き込んだ。何よりも大事なのは、彼女が本当に捕らわれているかどうかということ。そして、緑の衣服が望遠鏡に映り込み]
…………やな予感ほど当たるもんだよな。
どうすっかなあ。
[万一自分達が戻らなければ、赤の軍がこの近辺にいる事が自国に伝わるだろう。だが、生きて帰る為にはどうするか。望遠鏡で肩を叩き、しばし思案にくれた**]
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― 草原 ―
[……両手を繋がれた客人? 酷い冗談だよ本当に]
…………
[拘束なんか要らないと言ったのに、小隊の上官は頑と譲らなかった。
僕に此処まで意見できるのはある意味イイ度胸……とは思うけど、言ってる事やってる事の筋は通してるから何を言うことも出来ず]
―ん? 人の声…?
[誰かの叫び声。声の方向を見渡すと、馬車が緑国の方へ走っている。
そして、叫び声はその遥か後方から]
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