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だからね、めがねさんはもうこわくないよー。
[言葉を付け足したのは、分かりづらいと思うのに、それでも朝顔の説明をしっかりと聞いてくれているみたいで、そのことがとても嬉しかったから。
とはいっても、そんなの気がついてもらえるとは思えないけれど。
そして、その顔にかすかに浮かんだ笑み
めがねさん、いまちょっとわらったきがするー。
[彼が患っていた症状はわからなかったけれど、雰囲気が柔らかくなったことと関係あるのかな。と考えて、声を上げて笑った。
雰囲気が柔らかくなったのは、治療法が見つかって、症状が改善されてきた喜びからかもしれなかったけれど。]
ねっ、イチゴおいしーよね。
わけっこすると、たのしいのもわけられるから、うれしいの。
[差し出した苺を、ディーンが口に運ぶのを見れば、少しだけませた口調でそんなことを言う。
玩具や絵本を友達と共有する時に、幼稚園の先生が教えてくれた言葉なのだけれど、なんだかぴったりな気がして。
そうして暫くオレンジジュースとパフェを交互に口に運んだ後、両方の容器が空っぽになれば『ごちそうさまでした』と手を合わせ]
[お腹がいっぱいになり、新しい友達ができたところで思い出したのは、猫の縫いぐるみと約束したと『探検』のこと。
眠たくなる前に病院中を探索しなくちゃ、と椅子から降り立つ。]
あさがおはこれから
にゃーにゃとたんけんにいってくるね。
めがねさんもいっしょにくる?
[カウンターに返却するために、空の器を積み重ねながら問いかける。
大人の人が探検をするのかはわからないけれど、いつも新しい遊びをする時には友達や姉にそう声をかけていたから。
ディーンの返答はどうだっただろうか。]
【人】 猫の集会 クシャミ[信用するか否かの問いでクシャミは既にキリシマの胸ぐらを掴み、立ち上がらせて居た。右手は変に力を入れたせいで再出血をし、力など殆ど入っていなかったが持ち上げる事が出来たのはキリシマの足の力が大きいだろう] (15) 2014/07/01(Tue) 18時頃 |
【人】 猫の集会 クシャミ病気については何も知らない。でも、もうすぐ死ぬ事だけはわかるんだ (16) 2014/07/01(Tue) 18時頃 |
……あ、ああ。
そうだな。
[ませた口調
――にゃーにゃ?
[何の事だと思わず聞き返すが、少女の抱えた猫のぬいぐるみが目に入れば、合点がいったという様に首肯いた。ぬいぐるみをまるで生物(正しくは友達だろうか?)の様に扱うのは、ディーンからしたら奇異に見えたが、彼女にとっては当然なのだろう]
……いや、私はいい。
少し疲れた。部屋に帰る。
[最初こそ院内を散策するつもりだったけれど、彼女と会話していたら比喩で無く疲れてしまった。子供相手はやはり変に気を遣う。……それでも不快ではなかったのは、自分自身でも不思議だったが]
片付けは私がやっておく。
さっさと行ってこい。
[少女が重ねた器を自分の方に寄せて、しっしと手を動かす。別に急かすつもりは無いのだけれど。気遣いというのはかくも難しいものだ。
彼女がそれを諾としたならば、特に見送る事はせずに食器をカウンターに返して、その足で自らの病室へと帰るだろう]
【人】 青い鳥 デメテル[暫く他愛もない会話をしていれば、不意に彼が立ち上がった。 (17) 2014/07/01(Tue) 19時頃 |
【人】 研修生 キリシマ[胸ぐらを掴まれても、特に抵抗せず。彼が自分を立たせようとするのならそれに従っただろう。 (18) 2014/07/01(Tue) 19時半頃 |
【人】 研修生 キリシマ……、 (19) 2014/07/01(Tue) 19時半頃 |
[朝顔と別れて病室に帰れば、一通の手紙が机の上に置かれていた。恐らく看護師の誰かが置いて行ったのだろう。勝手に部屋に入られた事へは苛立ったが、誰に文句を言えば良いかも分からない。お節介をしてくれやがって。
裏返して差出人を見る。そこに猫耳を付けた青年の名前を見つければ、おや、と片眉を上げた。
てっきり父母のお小言が書かれた手紙かと思えば、どうやら違ったらしい。ディーンに手紙を出すなんて、奇特な者も居たものだ。
……それにしても、妙に分厚いのは何故だろうか。触り心地も変だ。
何かおかしな物でも入れてないだろうな、と。恐る恐る封を切る。
出てきたのは手紙と……見知った万年筆だった]
あいつ……。
[失くしたと思っていた万年筆を手の上で弄びながら、憎々しげに言葉を吐き出す。手癖の悪い奴だ。尤も、人の酒を一緒に呑んだディーンも、人の事は言えないのかもしれないが]
……何だあいつ。
こんな事言う為に態々手紙を出したのか?
[手紙にざっと目を通して、ふ、と。呼気を洩らす。
泥棒だなんて奴だけには言われたく無いし、その他にも腹の立つ事は沢山書かれていたけれど。
……けれど最後に付け足された祝いの言葉を見れば、許してやるかという気持ちになってしまう。(これが無ければ、破り捨てていたかもしれないが)]
ーーやれやれ、遠くに居ても騒々しい奴だ。
[気が向いたら、返事を出してやるのも良いかもしれない。
そんな事を考えながら、万年筆と共に手紙を机の引き出しにしまった]
メモを貼った。
[降り注ぐ陽気の中。道行く人々を眺めながら、病院の外の道を歩く。
身に付けたままの白衣は鬱陶しくはあったけれど、戻った時にまた部屋に取りに行くのも面倒で。結局はそのまま出てきてしまったのだ。
火のついた煙草を片手に、その逆の先には小振りのバスケットがひとつ。中には"お見舞い"の定番であるメロンが鎮座し、他にも桃と林檎と葡萄が各一つ。
そして隣に下げた紙袋の中には、本屋で適当に買った本が二冊。取り敢えず入り口に積んであったものだけれど。
結局あの時、何が好きか答えては貰えなかったから――ナイフで傷を負わせながら問うたのだから、それも当然なのだろうが]
…昼食抜いていましたね、そう言えば。
[仄かに漂う果物の香りに、バタバタして昼食を取っていなかった事を今更ながらに思い出す。一度自覚してしまえば、その後は煩い程に主張してくる空っぽの胃袋に嘆息しながら、手にした煙草を口へと運び。
少しは空腹が紛れてくれる事を期待して、その煙を肺へと送り込む。
――見舞いに行ったら一口分けて貰おうか。
そんな不躾な事を考えながら、見えてきた病院の門に視線を向けた]
部屋は…何処でしたっけ。
[病院に戻り、真っ直ぐに病室のあるフロアへと向かう。しかし彼の部屋番号など知る訳もない為に、まずはナースステーションへ。
名を名乗り部屋を尋ねて見れば、どうやら話は通っているらしくあっさりと教えて貰う事が出来た。
後程行く事になるであろう他の患者達の部屋番号もついでに聞いておき、それを記したメモを受け取り胸のポケットへとしまい込む。
此方の手にした果物を見て怪訝そうに首を傾げる看護師には、笑顔で一言"お見舞いも兼ねて"と伝えておきながら]
…あ、ここですか。不在でなければいいんですけど。
[エレベーターを使い、長い廊下を奥へと進み。先程聞いた番号を頼りに病室のプレートを確かめながら歩いて行けば、漸く目当ての番号が見つかる。
部屋の扉の横にあるネームプレートに記された、"ディーン・アンリ・ダレット"の文字を確認すれば、その部屋の前で立ち止まった]
[さぁ、"約束"を果たそうか。
手当の後、絶対に来るなと言われたような気はするけれど…まぁ特に気にする必要も無いだろう。
――一体どんな顔を見せてくれるんでしょうね。
カルテによれば、症状は幾分か改善しているようだから。小さく口端を持ち上げながら、そう独りごちる]
入りますよ。
[ノックの代わりに一言そう声をかけながら、病室の扉へと手を掛ける。
部屋に鍵でもかかっていない限り、医者はそのまま部屋の中へと入って行っただろう]
[オスカーは自室のベッドの上にいた。]
うう……
[部屋へ案内されて暫くに、看護師が訪れて再び診察室へ連れて行かれると新薬だか何だかの注射を打たれた。
別に抵抗するつもりも無かったのだが、それからの倦怠感が半端なものではなかった。
部屋に着くなりベッドへ倒れこみ、呻き声を上げている今に至る]
[頭痛が酷い。脳の、身の柔い部分を徐々に崩していくグチグチとした鈍い痛み。
刺すというよりも腐りかけた果肉を潰していく様な、じんわりとした痛みが波打って響く。
身体の怠さも伴ってろくに動けず、もぞもぞと雑ながらも白いシーツの中に潜り込んだ。
身を丸めてジッと息を…と、それは熱を帯びて少々荒いものでいて、しんとした室内での呼吸音はオスカー自身に煩く感じられて]
[現状を想像すれば、これは以前と何が変わったのかとぼんやりとした頭で思考する。
人の多い病院では部屋の外に出るのがやっとだ。こちらでもまた閉塞的な生活が始まるのか、病気が治ると信じてこの様だ。
何処にも押しつけようもない憎しさがジワジワと増して眉根を寄せてはシーツを痛くなるほど握り、耐え。
そうして虚ろな意識を手放すように眠りについた]
メモを貼った。
メモを貼った。
――は?
[突然開かれた扉と、聞き覚えのある声
な、なん、
……何で、お前が、
[此処に、と。狼狽しきった声音で尋ねて、また一歩後ずさった。無意識の内に右手が顎の傷に伸び、未だ治りきらないそこがじくりと痛んだ気がして、眉を寄せる。
ちらと彼の後ろにある扉を見て、どうにか逃げられないかと考えてみる。(そもそも逃げる、という発想が出てしまう時点で酷く屈辱的なのだが)けれど此処から出る為には、どうあっても彼の横を通らなければならない。一瞬窓からとも考えてみたが、そんなのただの投身自殺に他ならないだろう。
であれば、逃亡という選択肢は消えてしまった。逃げようというのに自分から向かっていってどうする。振り解けるなら話は別だが、ディーンにそんな事が出来る筈も無い]
く、来るなと、言っただろう。
[律儀にも見舞いの品を持ってきたらしい彼に、鋭い声で言う。不審と、警戒と。その両方を孕んだ瞳でもって睨みつけて、ともすれば震えそうな体を叱咤した。
目の前の彼からしたら、ディーンの虚勢を見破るなんて容易い事だろうけれど]
【人】 水商売 ローズマリーー食堂 (20) 2014/07/01(Tue) 23時半頃 |
【人】 猫の集会 クシャミ[冷静にも殴れという医者に少しばかり驚いたが、それで冷静になる事は出来ず、その頬を力いっぱい右の拳で殴った (21) 2014/07/02(Wed) 00時頃 |
【人】 青い鳥 デメテル……!っろーずまりぃ、っ (22) 2014/07/02(Wed) 00時頃 |
【人】 水商売 ローズマリー[自分の声を耳にするなりからん とそのスプーンを投げ捨ててこちらに振り返る>>22少女の、機関銃の様な言葉は途中で切れて。どんな言葉が続くのか、それは彼女の想像に容易だった。 (23) 2014/07/02(Wed) 03時頃 |
【人】 少年探偵団 ガーディ[振り払って強制的に退かせた腕が落ちて、背中から他人の体温が失せたのだけは確りと、頭の端っこで認識する。 (24) 2014/07/02(Wed) 04時半頃 |
【人】 少年探偵団 ガーディ――…や、め、っ、 (25) 2014/07/02(Wed) 04時半頃 |
見舞いに来ると言ったでしょう。
……あぁ、それから。
今日から転勤になりました――"ここ"に。
[面白いくらいに狼狽える相手
意地の悪い笑みと共に告げた最後の一言は、彼を余計に狼狽えさせただろうか。
逃亡を画策しているのか、背後の扉へ、奥の窓へと視線を泳がせる様子に、至極愉快そうにクスクスと肩を震わせる。
"何をそんなに怯えているんです、別に取って食ったりしませんよ"、なんて。
そうして無意識なのかそうで無いのか。顎の傷へと伸びた相手の手に気付くと、知らずのうちに自然と顔が綻ぶ。
――嗚呼。どうやら自分の思惑通り、ちゃんとその傷に"苛まれて"いてくれたらしい]
どうぞ、お土産です。
結局何が欲しいか聞けませんでしたので、適当ですけど。
[すこぶる上機嫌に、まるでこの再会を心から喜んでいるかのような声音で。
ジリジリと後ずさる彼を嘲笑うかのように距離を詰め、近くの机へとフルーツの入ったバスケットを置いた。そしてもう一つの紙袋――書籍の入った紙袋を相手へと差し出す。
彼がそれを受け取るのであればよし、受け取らないのであれば肩を竦め、果物の隣へと置いたであろう]
……それにしても、驚きました。
本当に回復しているんですね。
[鋭い声を寄越し、必死に虚勢を張るその姿に――何とも愉快なその姿に、浮かべた笑みを強めながら向き直る。
しかし彼の"眉根が寄っている"事に気付けば、細めた目を見開いて大層驚いたように見つめてみせた。
揶揄るでもなく、嘲るでもなく。純粋に興味深そうな表情をその顔へと乗せ、感嘆の息をひとつ。
ここで見る彼の顔は、どうにも自分の知る"仏頂面"とは、明らかに違っているように見えてしまって。寄せられた眉も、瞬かれた瞼も。それらは正しく初めて見るもので、実に新鮮だった。
僅かに高揚した気分のまま、睨みつける視線を受け流し、先日まではピクリとも動かなかった筈のその顔へとおもむろに手を伸ばす。
伸ばされた手は、恐らく彼によって振り払われるであろうが――もしも万が一、振り払われなかったのであれば。その手のひらでそっと相手の頬へと触れたであろう]
林檎でも剥きましょうか。
……座っては?
[未だ立ったままの相手に肩を竦めてそう勧めると(勧めるも何も彼の部屋なのだけれど)、キョロキョロと"何か"を探すように部屋を見回す。
林檎を剥くにしても、皿なり何なりの用意が必要であろう。しかしどうした事か、近くの棚を漁り紙皿は用意出来たものの、果物ナイフが見つからない。
仕方が無い、と溜息をひとつ。
ポケットから携帯用のナイフを――彼のその傷を抉ったナイフを取り出すと、部屋に備え付けられた洗面台でナイフと手を綺麗に洗い、バスケットの中から真っ赤な林檎を取り出す。
そうして椅子へと腰掛けて足を組み、スルスルと林檎の皮を剥き始めた]
【人】 研修生 キリシマ――ッ、 (26) 2014/07/02(Wed) 08時半頃 |
【人】 研修生 キリシマ……死にませんよ。 (27) 2014/07/02(Wed) 08時半頃 |
転勤?
笑えない冗談だな。
[そうであってくれと、半ば願う様な気持ちで言った。此方を追い詰める様に笑う相手を見れば、それが冗談ではないだろうとは分かっていたけれど]
こんな物要らん。
全部持って帰れ。
[差し出された紙袋を、これ以上無いくらい明確に拒絶する。
――ただの嫌がらせにしては、随分と豪勢な見舞いの品だ。もしこれが本性を出す前の彼であれば、拒絶したりはしなかったのだろうけれど。とはいえ、あのまま騙されていたかったわけでもないが。
結局受け取らなかった紙袋を、机の上に置く彼をぼんやりと見る。渋々ながらもそれは受け取っても良いから、せめてこのまま帰ってはくれないだろうか。転勤したてというのならば、一人の患者にかかずらっている場合ではあるまい]
……っ、
さわる、な……!
[そんな事を考えていたからだろうか、近付いてくる彼に反応するのが遅れる。
気付けば彼は手の届く距離に居て。再び距離をとろうとした時には既に、頬に手が伸ばされていた。びくりと体が震えて、一瞬振り払う事すら忘れる。触れるその手のひらに、怯えた様な瞳を向けて――すぐに我に返れば、ようやくその手を振り払った]
[触れられた頬に上書きする様に己の手のひらを添える。彼の残した体温が酷く不快で、その瞬間だけは怯えを忘れ、強く強く目の前の相手を睨み付ける]
……もう、見舞いは済んだだろ。
いい加減帰れよ。
[彼が何をしてくるか分からない。そう思うと、素直に座る事も出来ず。
会話も、何もかもを拒絶する様にその場に立ち尽くした。
どうせ言っても帰らないとは分かっていたけれど、淡々と皮むきの準備を始める相手にため息を一つ。けれど彼がポケットから取り出したナイフを見れば、ひゅ、と。息を詰めた。
――人を刺したナイフで林檎の皮むきだなんて、どういう神経してるんだこいつは。
呼吸が浅くなっていくのが、自分でもよく分かる。意識して深くしようとしても、震える喉は言う事を聞いてはくれない。青褪めた顔で口元を覆う様は、酷く滑稽に映っただろう。
彼が椅子に座り、林檎を剥き出すのを見れば、詰めていた息が漸く正常を取り戻して行く。
とはいえ、いつその切っ先が此方を向くかと思えば、安心する事は出来なかったけれど]
【人】 猫の集会 クシャミ[しばらくキリシマの胸ぐらを掴んだままだったが、落ち着くと手を離し、静かにその場から離れた] (28) 2014/07/02(Wed) 10時半頃 |
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