114 bloody's evil Kingdom
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……。
取り殺すぞ、貴様。
[現れた青年の姿に顔を顰めて睨みつける。
もっともあちら様はこちらは見えないだろうが。]
へえ、ピッパは死の淵から蘇ったのか。
[独り、呟く。
彼はいつも独り。恐らくはこれからも独りなのかも知れない。
独り、神の椅子に座り、世界を睥睨するだけの男が声を発した。
結果として何処に届いたとしても、届かせる意図はない]
あそこではもう人間という存在が最早、肩書きに過ぎなくなっているようだ。
ピッパ。お前は
何を背負い、何の為に、何と戦う。
何の為に殺そうとして、何の為に逃げる。
[見てきた事、理解してきた事、思いつくだけの事を知りながら、なお発する]
力、力、力か。
内なる異能の力に目覚めるか。
人間の限界を目指すか。
尋常ならざる武器や凶器を欲するか。
神は何も与えぬ。
神は何も教えぬ。
神は何も関わらぬ。
あざとく生きよ、人間。
強かに生きよ、人間。
闇雲に生きよ、人間。
人の子よ。
生きることこそ、唯一の定め也。
[自死を固く禁ずる神の言葉。それは果たして神が言った言葉なのだろうか。神は信じない。けれどもそれ以上に、神を語る存在を信じない。故に神を騙る]
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じゃあ死なないでよ
[血を吐くような声でそういって、しゃがみこんだ相手に虚ろな目を向ける。 抱き上げられてもおとなしく、下ろされたシーツの肌触りに頬擦り。 針が潜り込む痛みには、びくと震えたが抵抗はやはりしなかった。 手を握り返し、顔を横にして床に視線を向ける]
……そんなことないよ
[ぽつり、零れた言葉にそう返す。 だって俺が、そんなふうな人になれるわけがない。 あり得ない冗談を聞いたように、くすくす笑いが落ちる。 じきに、薬が回って落ち着いてきたせいか、傍らの温もりのせいか、うとうとと眠りに落ちていく。 視線は最後まで、翼の生えた影のあった場所を見ていた]
(ミーナ先生の影がってことは、ミーナ先生はやっぱり、人間じゃないのかなあ。でもミーナ先生は人間って言ってるし。でも、
……いいか、どうでも)
……先生好きー。
(163) 2013/02/24(Sun) 22時半頃
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コリーン。
君は実に美しい。
[城内であれだけの苛烈な責めを身に受けながらも、今日もまた歩き続ける姿を見て、偉そうに縦に手を合わせて拍手を送る]
どれだけ侵され、冒され続けても尚、
人であり続ける。
地獄にも、此処にも相応しくない君。
今のままならば、
君は召されるといい。
[僅かな時、本当にわずかばかりの時間。彼女は家族だった。家族としての関わりは殆どしやしなかった。だからこそ彼女の輝きには、目をみはる。そしてわずかばかりの後悔]
(――――も、そうだったのかな)
[それは、もう二度と確かめようもない繰言]
ラエティア家の娘。
君が何を思おうとも、何を願おう>>=0とも、それは何時かは裏切られるだけの結果にしかならない。
[座った椅子の前で、脚を組み直す。これで酒壜の一つでもあればと思う。が、あれば次はチーズでも欲しがる事だろう。そう思えば椅子の一つでも満足すべきなのかも知れない。立ち続ける事に、疲労はなかったが]
滑稽で、酷く気の毒な女だ。
自分の中の真実にだけ、引き篭もれば束の間の幸せを手に入れられるかも知れない。
だが、それすらも、俺という、繋がりたくない先人と同じ道を歩むという痛烈な皮肉。
[一つ、ため息をつく]
悉く、不運な女だ。
ただ一つ、
手に零れた雫があるとすれば――
[アイリスの棺の前で慟哭し、別れの口付けを交わした彼女を視ながら、一度だけ目を閉じた]
(――は、此処にはいないかも、知れない)
[もしそうならば、彼女は――のだろう、そう思った]
記者 イアンは、メモを貼った。
2013/02/24(Sun) 23時頃
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―昨日、ソフィアと―
本気の相手?そんなのできないから大丈夫だよー。
[しれっと酷いことを言って、笑う。 どこかの鳥使いはすべて本気だと言ったが、こちらはすべて遊びのつもりだ。 諌められても知らんぷり]
ほんと?じゃあ今からおいでよー。
[誘いに乗った赤ずきんに、花畑の場所を指し示し ベッドの下、隠しておいた洋酒たちを並べていく]
ソフィアちゃんだめだよー。女の子はどんな相手と話しても間違いのもとになるんだから。 狼だって食べるのが仕事なんだから、こんな状況で食べられたって文句言えないよ?
[言って、お酒を勧める。王女様と遊んだし、今はあまり、食べるつもりはないけれども]
(168) 2013/02/24(Sun) 23時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2013/02/24(Sun) 23時半頃
成る程。
まぁそういう資質を持つ人間はいるというしな。
[魔法の存在を考えたら不思議ではあるまい。
フィリップの方を睨みつつ。]
……あんた一人でどうにかなる問題を
とうの昔に過ぎているよ。
其処の目の前の男も……な。
[房中術について説明しようかと口を開いた矢先。
言動が急に幼くなる。]
―――…あー。
なんというか、やはり中途半端に成功した感か。
[どうなっているのだろうな、としきりに首を捻る。]
そうか…ピッパ、君は此処と其処を繋ぐ少女となったか。
胎内に還り、世界を視、産まれに戻るか。
[彼。自身の永きに渡った独白。果てなく届かぬ声が届いている様子に、少し口元を緩めた。楽しかったのかも知れず、嬉しかったのかも知れない。あれが一部の者が知る、国を騒がせた錬金術師の遺作となったか。子として母を頼る姿もなお可笑しい]
(嘗ての三十路の処女が――か)
[そう思うととても可笑しい。あの彼女が、と嘗ての頃を思い出せば身を捩って身体が震える。嬉しさとおかしさに暫し、視る事を忘れて肩を震わせ、声を殺して笑い続ける]
[その呼称には色々言いたいことはあったが、
とりあえずぐっと飲み込んだ。]
……だめだ。
そのお兄さんはお前をさらって食べてしまうんだ。
[だからついていくなよ、と。]
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