191 忘却の箱
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――君が。幸せだったことを祈るよ。
名も忘れてしまった君の。
開花を見届けることで、僕も終わるんだ。
“忘れる”ことは、生きる為に必要なことかもしれない。
だとすれば。
この蒼い花は――僕の"次の生"に必要な、そういう何かなのかな。
[確かに、"何か"を忘れたことで、
かつてよりずっと、ずっと、心安らかにはなった。
――けれど。思わず零れるのは苦笑。]
君に幸せを押し付けたり、
忘れたことに歓喜したり、
…本当に僕は、最期まで自分に甘い。
[誰もいなくなった中庭に、夜の帳が下りる。
しんと静まり返った木々は、
一足早く旅立った”妹”のために祈るかのよう。
ふらり。ふらり。
紫のキャンバスを抱えて歩み出て。
花の咲き乱れる茂み、その傍に腰を下ろした。
そのまま柔らかな草を背に、月を仰ぎ見。]
……ほら。夕食の時間だよ。
[左手の紫を、淡い光に掲げようとして――
――もうその腕が動かない事実を、穏やかに受け止めた。]
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[共用の水道で水を飲むついでに、ばしゃばしゃと頭からも被る。 拭くものも何も持っていないけれど、顔だけ袖で拭ってふるふると頭を振った。 残った雫が流れ落ちるのには構わず、ふうと深い息をする。 酷く身体が怠いのは、ここのところマトモに食事をしていないからだろうか。]
……、上……
[振り返って、廊下の奥を睨む。 そこにあるのは上階への階段。足を引き摺るみたいに歩き出した。 今なら。今日なら。いける、だろうか。
覚束ない足取りで、階段を。上に、上に。 焦点の定まらないような目で、────ガシャン。
何か硬質の物が砕け散る破壊音に。>>82 はっとして、青年は急ぎ足で上階を目指した。]
(84) 2014/09/10(Wed) 22時頃
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…──なに、してんの?
[開け放たれた屋上のドア。 立ち尽くす男の背中に、声を掛ける。>>83 砕け散った硝子が、きらきらと陽光を乱反射する。ひらり、と。色とりどりの花びらが舞って。あっという間に風に攫われていく。]
ズリエル、…………。
[そこに居た彼は、出会った日のようにタオルを被る事も無く。 あの日の怯えた子供みたいな様子とはすこし違ってみえて。 何となく、踏み込むことが躊躇われ、青年は屋上の入り口で、立ち止まっていた。]*
(91) 2014/09/10(Wed) 22時半頃
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[最期に一つ。
名を聞かなかったことを、少し後悔した。
――彼女は、尋ねてくれたのに。]
……マーチェ、かな。
[誰のことだろう。マーチェ。
ただ、絵と聞いて浮かんだ単語を述べただけ。]
僕の名前? セシル・……――
セシル、でいいよ。可愛い妖精さん。
[やはり忘れやすいのだろうか。
…ここでの苗字は、皮肉で名乗っていただけだったから。]
[ただ、彼女の名は思い出せなかったけれど。
揺れるスイートピーが、優しく口遊まれるバラードが、
それだけが最期までずっと、脳裏にちらついて。]
―白い鳥籠の中心で―
[幸せを呼ぶ青い鳥。
…何処に?何処に、いるのだろう。
空飛ぶ青を求め、世界を旅した兄妹が
最後に辿り着いたのは――]
本当の幸せは、君のすぐ傍に。
この鳥籠の中にも、いるはずなんだ。青い鳥が。
探せばきっと、見つかるよ。
どんな悪人でも、求めずにはいられない。
――希望。幸せ。青い鳥。
それは簡単には見つからないけれど。
でもそれを手にした時、
君の瞳に映る世界は、今よりずっと輝いて見えるだろう。
贅沢は言わない。 今ある幸せを大切に。
たとえ明日、忘れてしまうのだとしても。
今日という日を。この日の出会いを、その瞬間を……
[まだ自由の利く右腕が、手帳に最期の言葉を綴る。
自分によく似た、けれど顔の無い彼が、
その手記を誰かに託すことを約束してくれた。]
たとえこの場所が、
何時か他の草木に覆われて、隠されてしまったとしても。
君ならきっと、見つけてくれるだろう。
だからその日のためにずっと、待っているよ。
忘れないで。何度でも探して。何度でも会いに来て。
名も知らぬ君が、幸せの青い鳥を見つけられますように。
この鳥籠の中にも、幸せはあるんだよ――……
[涼やかな風が一つ吹いて。
濃藍の翼が、小さく羽ばたいたっきり。]*
―朝方―
[物哀しい一夜が明けて、
また今日も、新たな希望が降り注ぐ。
新しく中庭に増えた花々に、
朝の目覚めと共に、挨拶を。]
[ふわり、ふわり。
花から花へ、想い出の甘い蜜を求めて、蝶は舞う。
――今朝生れたばかりの、新たなプシュケ。
花を求めて、庭から、窓へ、…君の元へ。]*
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『 ズリ、エル、って………何です? 』
(──── ああ、やっぱり、オマエも、 )
(98) 2014/09/10(Wed) 23時頃
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[風に嬲られた男のシャツが靡く。まごうこと無く、自分の字が書かれたシャツが。 パタパタと音を立てて、それは屋上に群れる鳩の羽音に混じって。耳の、奥に、届く。]
…──なぁ、
[じゃり。内履きの底が、屋上の割れたコンクリートを踏む。一歩。じゃり。もう一歩。
そこは、白い箱の天辺で。 ずっと。青年が、ずっと来たかった場所。結局、今の今まで来れなかった場所。]
(99) 2014/09/10(Wed) 23時頃
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[じゃり。 踏み出した足が、陰を抜けて。 夏の名残りの日差しが、肌を、視界を、灼いた。]
オマエも、どっか、いっちまうのな。
[声はもう震えない。風に煽られた髪の隙間から、紅鳶の瞳が覗いて。何度もなんども、シャッターを切る。忘れないように。忘れない為に。でも。]
────バァカ、……言ったろ、オレは、忘れねえんだよ。 オマケにしつこいし、諦めも、…すげぇ、悪い。
[視界がぐにゃぐにゃと歪む。 声は、確かに震えていなかった。けれど風に混じって水滴が舞う。舞う。コンクリートに染みを作って、また。花が咲く。]
(100) 2014/09/10(Wed) 23時頃
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…ッ忘れてやんねぇからな、ぜったい、
[踏み出す。内履きが足から外れて、何処かへ飛ぶ。 蒸されたコンクリートの熱。足の裏が、その熱を蹴る。踏み出す。踏み出す。踏み出す。割れた硝子の破片が、皮膚を破る。それでも。構わない。
伸ばした手の甲にまで白い花が群れる。 掴んだ。もう目の前にいる男の胸倉を。その、名前が記された、シャツを。心臓の、真上を。]
オマエが、オレを忘れたって。オマエがオマエを忘れたって。 忘れてやんねえからな、絶対、ッ!
[ズリエル。 叫ぶみたいに呼んだ声。 どれほど泣いたら、どれほど叫んだら、この痛みはから抜け出せるんだろう。眼前の男の後方には、滲んだ蒼。また、シャッターが下りた。]*
(106) 2014/09/10(Wed) 23時半頃
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