158 雪の夜に
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ハナがいねえだと?
[あの時、確か赤い旅人は、そういった。>>*2
人懐こい旅人に肩を竦めて、男もまた小さな子どもを捜すことにした。
いつしか短い陽は落ちて、人は影ばかりの姿となった]
おーい?いないなら置いて帰るぞー?
[やや間抜けな呼びかけをしたのは何度目か、物音に振り返る。
闇に、赤を見た気がした。夜の闇の中不思議なほど鮮やかに。
翻る。飛沫く己の血だと、男は思った───*]
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おい! 大丈夫か……っ、
[最初に視界に飛び込んだのは目立つ色――赤だ。 そして大人が二人がかりで子供を押さえ付けているようにも。
だが良く見れば、ヒューは力なく項垂れており、 獣のように唸るセレストが捕えている子供の姿は。]
――危ないぞ、離れろ!!
(100) 2013/12/27(Fri) 22時頃
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[町で人狼が暴れていると、町長がきく]
それはいいひっとらえろ。
[しかし、それが子供だとわかると、声色は変わる]
子どもはいかんな。
しかも少女?
それはいけない。
生け捕りにしろ。
[そして、町長は笑む]
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って、ここでジリ貧してりゃ二進も三進も……っ
[流石に手は離さない女の反応に、顔を顰めた。
自警団の人間も聞きつけて来たようだ。 男達が武器を手に輪を作っている。]
くそ! ――貸せッ!!
[舌打ちをひとつ。 野次馬だか自警団だか、邪魔者を押しのけて、 悲鳴と共に暴れる子供に腕を広げた。]
(109) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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まぁ、狼少女というものはいい。
それは、いい見世物になる。
[町長はいやな笑いを見せる。
だが、ハナが死ねば、少し不機嫌になるだけ]
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てめぇらも自警団っつーなら、先に怪我人何とかしやがれ!
[吼えて、力の抜ける女から、小さな人狼の体を引き剥がす。 内に囲うようにして、背中に腕を回した。 近付く誰かの手を肩で押し返す。 爪が身を裂いたかも知れない。牙が穿ったかも。]
大丈夫だ、っ
[周囲の声に反応する余裕などまるでなかったが、 ハナの頭に頬を押し付けた。]
友達だろ。 ……――――――
[微かに囁く言葉に、どれ程の意味がなせたかは知れぬ事で]
(118) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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[ただ、
無情に、子供の腕に見知らぬ誰かの手が届いた。 大勢の手が、それを思うままにしようとして、 ハナの怯えを知る者から引き離そうとしている。
目を見開く。 誰かが棒のようなものを振りかざすのが見えて、 喉を潰すような制止の声があって、
甲高い悲鳴が空に刺さった。]
(119) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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[人狼の子供の身が離され、打撃によってか完全に力を失う。
――すると旅人は、そこで、するりと腕から力を抜いた。
周囲の、奇妙な熱気の篭るどよめきの中で、深呼吸をする。]
(123) 2013/12/28(Sat) 00時半頃
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……おい、あんたは怪我ないか?
[悲鳴を上げるセレストへ。
人狼が倒れて暴れる者がいなくなった所で、 改めて状況を見てみれば、酷い有様だ。 一番の重傷は間違いなくヒューだろう。]
診療所っ。
[今も血を流している男の手当が必要な筈だと叱咤する。]
(126) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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[集団とは狂熱するものだ。
人狼を庇い立てたと、この二人が思われたなら、 周囲がどんな視線を向けるかは。]
(129) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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