65 In Vitro Veritas
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/10/05(Wed) 02時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/10/05(Wed) 18時頃
―当直室―
あ、よかった。僕の声、聞こえる?
[見えた影が此方に気づいたようなので、ほっとして話しかける。
しかし、この男。何処かで見たことがある気がするのは気のせいだろうか?]
出口を探してるんだけど、知らない?
[丁度死角だったようで、自身とネクの遺体はすぐには見えなかった。
まるで生きている時のように変わらず話す青年の姿は、どう思われただろう?]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/10/05(Wed) 22時半頃
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―非常階段付近― [地に倒れ伏す牧野の亡骸の前にある。 確認するまでもなく、死んでいるのだろう、 ああ、と小さくため息を零した]
……残念だ。
[牧野の顔を覗くようにしゃがみこむ]
あなたは償うべきだった、 楽にする気など、なかったのに。 本当に、……残念だ。
[薄く笑んだ唇が、音を漏らし始める。 小さく乾いた笑いが、おかしくもないのに、零れて]
(88) 2011/10/05(Wed) 23時頃
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……ああ、
[笑いが収まれば、また思考だけが鮮明に巡り始める。 移植医である彼女の父は、娘を失ってクローンが残された、 それを知った時、どうするのだろう。]
親子の情のようなものはあるのか。 あるいはそれが娘と同じ存在であっても、 クローンはクローンとして扱うのか。
全てを知っていて尚、移植医として生きる罪深い人間は、 あるいはそれが正しいことだと、信じているのだろうか]
(90) 2011/10/05(Wed) 23時頃
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[そこまで考えて、ふと思い出す。 “彼女”はどこにいるのだろう]
……無責任だね、 君のオリジナルは罪を悔いていた、 なのにそれを贖うことなく、逃げたんだ。
[まだ動かぬ転移装置を確認した後、 上に戻ろうと歩いていればその姿は見出せるか]
リーネ。
[覚束ない足取り、何事か呟きながら歩く彼女に呼びかける]
(92) 2011/10/05(Wed) 23時頃
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[>>83「こわして」と訴えかける言葉に、 ゆるく首を振る――先ほど過ぎった問いの答えが、 無性に知りたかった。
そう望むことが、、 彼女を“彼女”として見ていないということに、 もしかしたら、気付いていたかもしれない。]
結局、牧野さんは最初から最後まで、 君から……君達から、逃げただけだ。
彼女を追うのはもうやめるんだ。
[それだけ言い残せば、彼女の願いを叶えることなく、 立ち去ることになるだろう]
(97) 2011/10/05(Wed) 23時半頃
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[覚えのある声に顔を上げると、そこにいたのは果たして知った顔。髪の長さからも、オリジナルの方だろう。よォ、と片手を挙げて。]
おゥ、聞こえるし見える。探してたんだぜェ。
[彼の様子には気づかず、参るよな、と苦りきった顔で返事をした。]
出口ィ? ンなモン、今更だろが。
ソレとも何か、こうなっちまってから、壁でも抜けて外に出られねェか試してるっつゥコト?
……あれ、アンタ。古本屋サン……だよなァ?
[何やら正体不明の違和感を感じて、漸く言葉を切った。
確かめるように恐る恐る、二つの遺体を振り返る。間違いなくそこには同じ背格好が倒れている。再び散花に視線を戻すと、訝しげに見つめ返した。]
セシルは、聴こえた呟きに一度、振り返った。
2011/10/06(Thu) 00時頃
[探してた?
首を横にこてりと傾けた]
ええと、やっぱりどこかで会ったことあるのかな…?
ごめん、夢の中なのに忘れちゃってて。
…?
うん、古本屋、だけ、ど…?
[何を言っているのだろう。そりゃあ、夢の中の登場人物が唐突に謎の発言をするとかよくあることだけど。
でもそれは大抵、起きてから気づくもので、夢の中では何故か受け入れていることも多いのに。
……そもそも、夢の中でこんなに意識がはっきりしているのは、よく考えたらおかしい、ような……]
[ドナルドが振り返った先を、一歩前に出てドナルドの横から覗き込むようにして見てみる。
そこには――]
ひっ――!!!
[折り重なる二つの死体。
片方は自分だ。髪型と服装でわかる。もう、片方は……]
ね、く?
[さっきまで一緒に手をつないで歩いた相手。
階段の先に進むのを拒んだ相手。
その死体がそこにあった。
なんで、なんで、どうして?
頭の中のぼんやりした霧が、突然晴れたような気がした]
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[振り返る刹那、 長い前髪の隙間から頬を伝い落ちる涙を見た。
ほつれたこころに、憐れみは浮かぶ。 “彼女”は確かにクローンという存在を知る、 ひとつのきっかけであったから]
……そう。 わかったよ、ちがうんだね。
[否定はしない、ただ一つうなづきを返し、 適うなら、一度その髪を撫でただろう。 けれど、その望みを適えることはないままに、 震える声を聞いていた]
(102) 2011/10/06(Thu) 00時頃
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自分が死んだことや今までの出来事を全部思い出して硬直している。
[赤毛のオリジナル。探していた?私たちは死んでるのに、こっちが見えていることにぞわりと鳥肌が立ち。
そうして、遺体を目の当たりにして硬直するベネディクトの姿]
ベネディクト……
大丈夫?
[全てを思い出しているとも思わず、その肩に手を置いて顔を覗き込む。
大丈夫?覚えてないよね?
その表情はとても不安そうで、身を案じるようにしか見えないだろうが――]
─ 少し前の当直室 ─
ちょ……俺も行きます!
[独りにだけはなりたくない。
その一心で、岩瀬の後を追って当直室の壁を抜けると、そこには───]
…………!!
[その光景には、声を出す事ができなかったが。
すぐ傍らに見えたのは、自分───いや、自分のクローンであるニック。]
おいっ!!
お前、何してやがんだ!!
[ニックを岩瀬のクローンから引き剥がそうと手を伸ばす。
が、当然のように擦り抜ける。]
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君には仲間がいるよ。
クローンの仲間を壊されたことに憤って、 あるいは仲間を壊されないように――、って、 その為にオリジナルという敵を殺せる仲間がね。
きっと守ってくれる。
[彼女の孤独を、クローンの孤独を、 オリジナルである雨宮セシルには、 本質的には理解出来ないのだろう。
ましてや、リーネが牧野を手にかけたなどとは、 想像すら出来ないこと。
口から零れるのは、的外れな慰めだけだ。 それでも縋る言葉を受け止めて、嘆願を聞き続けていた*]
(105) 2011/10/06(Thu) 00時半頃
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ン、俺だって、俺。
[記憶力の悪い己が覚えているのに、散花が自分を忘れているなど考えがたい。首を捻った。]
へ、夢ン中……ァ?
そりゃァ、俺も一瞬考えたが……、
[訝しげな表情は益々深まるばかり。]
オイ、大丈夫かよ、ンなモン見るから――!
[死体を見て悲鳴を上げる彼に駆け寄ろうと。]
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