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……………ニコラ。君が、好きだ。
君が、僕の唯一、だから。
[ディーンの言葉は途切れ途切れに、表現を考える間が空いた。
どれだけ伝わったかが分からないもどかしさに、眉間の皺を僅かに深くしながら、どうにか寄せ集めた言葉を吐き出して、ニコラをじっと見つめる。]
メモを貼った。
【人】 小悪党 ドナルド[分かる、と言ってくれた事がうれしい。 (58) 2014/11/24(Mon) 23時頃 |
[自分だったものに語りかける姿。
いくつも口にされた名前の、どれが自分のだか判然としない]
……心配?
[いろんな人の声が聞こえた、気がした。
心配してくれたのは――誰だったっけ。
もう、いないのだろう。
だって、誰もいなくて……]
心配、されてるの
[目があった。親しみやすい、表情。
死んだことを、あっけらかんと告げる声]
心配してるんだ
[生きてて欲しい、という言葉は、とても綺麗に聞こえた]
【人】 小悪党 ドナルド[突かれた個所を気にするように (59) 2014/11/24(Mon) 23時頃 |
[歌が聞こえた。
声が、聞こえた。
顔をあげ、立ち上がる。
自分を前に、ずっとしゃがんでいた足は軋みもしないし、痛みもない。
どこからだろう。
聞こえる声、歌、旋律、なんと言葉にすればいいのか、いや、できないのか。ただ誘われるまま――ずっと目指していた場所。
外へ、
雪の中へ、
玄関の扉に、手をかけた]
[噛み砕きたい吐き出したい噛み砕きたい吐き出したい想いを。
粘土の味の飴玉みたいに、口の中で転がして。
足を動かして。
足の指を、彼の唇に触れさせて、口内へぶちこむ。
押し込んで、奥まで犯して、蹂躙して]
ディーンは、僕とキス、したい?
[ちゅぽん、と引き抜いた]
……可愛くおねだりして?
[しゃがんで、頬に触れる。
噛み砕きたい吐き出したい噛み砕きたい吐き出したい想いが、口からこぼれそう。
呑み込むのも口から出すのも出来なかった秘密の言葉。
舌に残る味は苦くて苦くて]
……願い事。
[噛み砕きたい吐き出したい噛み砕きたい吐き出したい]
叶えて。
僕のたったひとつの願い事。
[お兄ちゃんだから、子供だから、弟だから、大人だから
吐き出せない呑み込めない願い事]
ずっと、僕だけ愛して。
唯一だって、一番だって……言うなら。
……おねがい。
[扉は不思議と手ごたえがあった。
開くかはわからない。
開かないかもしれない。そう思って力を込めることが出来ないでいる。
振り返るのは、駄目だ。
さっき声をかけてくれた、生きている――フィリップ、だ。
名を覚えている。
ごめんね、と口にしたことも覚えている。
振り返らなければ、あのまま外に出ていたら
一人で静かに、終えられたのに]
メモを貼った。
メモを貼った。
――…………ッ!!
[
小さく息を吐く代わりにそれが口の中に押し込まれる。
指先から更に奥、口内に収めるには容量の大きいそれに呼吸も奪われる心地がして、ディーンの眉が苦しげに寄る。
それでも潤む双眸はそのまま、ニコラから逸らされることはない。
彼から齎される全ては受け入れなければならない。
与えられるものがあるだけで心が歓喜に震えるようだった。
ディーンの口から引き抜かれるニコラの足には、ディーンの興奮を示すかのように唾液の糸が引いた。]
――…………キス、したい。
お願いだから、もっと 僕に、触れてくれ
[自らの哀願の声は、何とも惨めに聞こえた。
可愛く出来ているかなんて、判断出来ようはずもない。
……君だけを、愛している。
今までも、これからも。
だから、僕を 君だけのものにしてくれ
[胸に刺さる棘の痛みが、彼に触れている間だけ和らぐ。
彼の傍にいる時だけ、全ての罪が許される心地がする。
ディーンは右手を伸ばし、ニコラの柔らかな金色の髪に触れる。
見える場所にいる。触れられる場所にいる。
その事実に胸が詰まるようで、また小さく、息を吐いた。]
【人】 小悪党 ドナルド[フランシスの頷きにふっと笑みが浮かぶ。] (68) 2014/11/24(Mon) 23時半頃 |
【人】 小悪党 ドナルド[変わらないようにみえるフランシス。 (75) 2014/11/25(Tue) 00時頃 |
【人】 小悪党 ドナルド ……大丈夫だって。 (77) 2014/11/25(Tue) 00時頃 |
うん、……うん。
[望んだ言葉は。
彼の口から、望む通りに与えられて。
小さく頷き、息を吐く。
吐き出せない呑み込めない想いの味が残った舌で、彼の唾液に濡れた唇を獣らしく舐めて。
触れるだけのキスをして、離れた。
甘い唾液の味で、舌の味が消えていく]
僕も、好き。
愛してる。
[もう一度、唇を重ねて]
……誰にもあげない。
[吐息に紛れて、囁いた]
[むぎゅ、とディーンの体を抱き締める。
しばらくそのまんま固まっていたが、段々小さく肩が震えてきて。
と、同時に煙のようにゆうらり、体が一瞬希薄になる。
形を取り戻したときには、なぜだか体は頭に合わせるみたいに幼くなっていて]
う、
[ひっく、としゃくりあげた]
うわああああ……ディーンのばかぁーー……。
さびしかったぁーー……。ばかぁーー……!
[べそ、と。
久しぶりに、声をあげて泣く。
困るかな。困るだろうな。
いいや、困ってしまえ。
そんな気持ちで、ぎゅっと抱きつく手に力を込めて。
ついでに、逃げないようにきちきち爪を立てておいた]
[歌は、一度止んで
少し間をおいて、あいのうたを、歌う。
正確に、忠実に
ただ、そこに表現される感情は
先の二つの歌ほど、流暢ではない]
[それはまるで、
愛ではなく、哀のうた]
【人】 小悪党 ドナルド[髪を気にする風なのを認めれば小さく笑う。 (82) 2014/11/25(Tue) 00時半頃 |
[
勿論、優しげに触れるキスも経験をしたことはない。
命があった時の欲は全て、本能に直結していた。
それが少しずつ変容していくのは、魂が因果を逃れたということだろうか。
触れた唇に食まれたいと望むより、むず痒いような気恥ずかしさの方が勝る。
もう一度唇が触れた時には、頭の奥が痺れるような心地がした。]
――…………ニコラ。
[いつもにも増して、言葉を探す回路が上手く働かない。
むき出しにされる独占欲と
その時、彼の身体の線がまた揺らぐ。]
[背中に触れていたはずの手が、触れていない。
驚くより早く
――…………ば、
[ばか、とは初めて言われた言葉だ。
泣き出すさまと爪を立てる動作のギャップに、ディーンはゆっくりと藍鉄色の双眸を瞬かせる。
今度は片手でニコラの背中を抱き、もう片方の手で頭を撫でた。
子供をあやしたことなどないから、動作はひどくぎこちない。]
――……ニコラ。僕は、ここにいる。
[泣かないで、というのは違う気がした。すまない、と謝るのも。
結局いつもの通りに名を呼んで、ただ事実を告げて。
胸元に顔を埋めさせるように、ニコラの頭を抱き寄せる。
甘えて良い、と言葉にする代わりの動作だ。]
[あいのうた
最後の一小節を歌い上げて
全てを嘲り笑うように
くすくすと、声を漏らす。
少女のような少年の声を知る者
ひとりは、目の前の相手以外見えておらず
ひとりは、消失に耐えられたかわからない
故に
姿のない声の主を、知る者はいない]
[そして、嘲笑が途切れ
再び流れ出す歌
ファウストの一幕
私の安らぎは去った
心も重い
二度と安らぎを見いだせない
もう二度と――――
先刻の歌とはうってかわった
嘆きのうた。
心を彷徨わせる者へ
哀愁を抱える者へ
淋しさと喪失感を胸に秘めた者へ
歌は響く**]
メモを貼った。
……満たされ過ぎて消えちゃいそう……。
[ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、呟きすりより。
ちゅ、ちゅと小さな音を立てて、彼の頬へ耳へ首へキスの雨を降らす。
撫でられるのが気持ちよくて、目を細めてもっととねだり。
ぎこちない動きに、ヘタクソ、とちょっと笑った]
ずっと、いてね。そばにいてね。
[命令、と。
彼の口元で囁いて、また幼い口付けを贈る。
触れるだけの、甘い、ぎこちないキス。
抱き寄せられて、素直に甘えて。
生きてたらアザと引っ掻き傷でひどいことになってそうな背中を、そっと撫でた]
……離れたら、ひどいことするから。
[それとも、ディーンはひどいことされるのが好きかな?]
【人】 小悪党 ドナルド[立て続けの質問にはたと瞬き (89) 2014/11/25(Tue) 01時頃 |
――……それは、困る……。
[
息を詰めるように言葉を途切れさせたのは、降ってくる唇がくすぐったかったからだ。
命令、と添えられるだけで、ここにいる大義名分が出来る。
縛りつけられることが何よりも心地良い、と口にすることは躊躇われた。
甘いキスも心地良い、けれど、それだけでは物足りなく感じるのも事実だ。かといって身体を繋げることも、望まれなければ難しい。]
――……ひどい、こと でも、君がくれるなら
[欲しい、と強請れば与えられるのだろうか。
ディーンはニコラの首筋に唇を寄せて、少し強めに噛みついた。
――飼い犬は、飼い主に反抗すれば叱られるものだ。
ニコラの反応を伺う双眸には、自然と期待するような色が乗った。**]
メモを貼った。
だぁって、未練なくなっちゃったもん。
[強くなる片手の力に、またぼやけていた体が元に戻る。
不安そうな声に、楽しくなっちゃってくすくす笑い。
未練なんてもうないし、この胸の中で消えられたら綺麗な最後だと思う。
セックスは今まで触れてこなかったから未知すぎて分からないし、キスはもうしたし。
強いていうならもう一度食べたいけども、それを叶えたら本当に消えそうだ。
涙のあとを残す顔で、彼の胸から顔を上げて]
だからさ、もっと一緒にいたいって。
ちゃんと思わせて。
[いま、残ってる欠片は、それしかない。
だから、と。
脅しにしては奇妙なセリフを、笑いに混じらせて口にした]
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