126 生贄と救済の果てに〜雨尽きぬ廃村・ノア〜
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[彼女が生贄にされ、発動した魔法は雷。
――光と音を伴う放電。
彼女は、雷の力を宿した矢尻を使っていたけれど。
私は、それだけが理由とは思えなかった。
光を失い、音によって生かされていた彼女。
そんな彼女の彼女の最期の魔法が雷だったことは。
きっと
偶然なのだろうけれど。]
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― 回想・狼の背 ―
[初めてヴェラの背に乗せて貰ったのは、自分が魔法使いになってまだ経験が浅い頃だった。 けれどそれはとても楽しむ余裕はなく、必要に迫られての事。
戦闘中、拘束の能力を持つ魔物に捕まり。 抵抗も出来ずに足を傷つけられて、動けなくなった。
一人で敵の群れの中に突っ込み過ぎた。 未熟ゆえの浅はかな行動。
―今まで任務中にやった失態の中でも五指に入る部類だ。]
(123) 2013/06/18(Tue) 22時半頃
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[戦闘が終わった後、簡単な処置を受けてからヴェラの背に乗せられ、戦地から離脱する道すがら。
周りをもっとよく見ろとか、自分の力量を把握して行動しろとか、色々と説教を食らった。 痛みと失血でくらくらとする頭でそれを聞きながら、
―あぁ、あったかい。
背から伝わってくる心地よい体温に触れて、いつの間にか説教中に寝入ってしまった。 年の離れた弟と別れ、育てられた孤児院との縁も途切れて。 誰かの温もりに触れたのは、久しぶりだったから。]
(124) 2013/06/18(Tue) 22時半頃
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[次に一緒に任務に臨んだ時、狼となったヴェラの背に触れても彼は怒らなかった。 掌から伝わってくる温かな体温は、自分を安堵させてくれて。
以来、ヴェラから仕掛けられる犬パンチを左腕を上げて受け止めたり、彼の世話を焼く姿は周囲から「仲がいい」と評価されるもので。 それをヴェラに否定されない事は嬉しかった。
寄りかかるのでなく、背中を預ける相手。 ―言葉で表すならば、「戦友」か。 自分の方が弱いから、彼の背を追いかける側だったけれど。 だから‘片腕’と称された時は、とても誇らしかったのだ。*]
(126) 2013/06/18(Tue) 22時半頃
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― 頭と両腕 ―
[ヴェラやヴェスパタインと任務に臨んだ回数は、他の人間と組むよりも多かった。
―最初はヴェスパタインの事を近寄りがたい人だと思っていた。 けれど彼はじゃれるヴェラを振り払う事は無かったし、自分にも多くの助言を与えてくれた。 語る言葉は少ないけれど、悪い人ではないのだ、と。
或る任務で魔物の所為で極寒の地となった場所に向かい、洞窟で一夜を明かす事になった。 焚き火では追い付かずに狼姿となったヴェラに暖を借り。 自分達から少し離れた場所に座ったヴェスパタインは焚き火だけで十分だと言ったが、きっとその身体は酷く冷えていて。
―だから自分は彼の腕を引っ張り、強引に自分の隣に寄せた。]
(129) 2013/06/18(Tue) 22時半頃
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[…… 一つ、昔話をしよう。
長くて、それでいて、つまらない話だ。]
[彼女が、魔法使いになった頃だから
十数年前になるか。
彼女は、一人の魔法使いと出会った。
とある要請で同行するようにと言われた
所謂、相棒、と言う奴だ。
その魔法使いは、彼女より少し年上で
彼女より少し、長く魔法使いをしていた。]
[本名を忘れた、と。
彼女が告げた時、ならばと相棒が呼び名を与えた。
ツェツィーリヤ。
それは。その相棒の名を、
彼女が生まれたとされる国での呼び名に変えたもの。
相棒ならば同じ名が良いだろう、と。
笑う相棒に、彼女は小さな笑みと頷きを返した。
それ以来彼女は、相棒と行動をする時
ツェツィーリヤと名乗るようになった。]
[昔から、彼女は魔法使いであろうとしていた。
彼女は相棒にもそれを求め、相棒はそれに頷いた。
どちらかが、瀕死になったのなら
迷わず『生贄』にすると。
何度共に要請に当たったのだろう。
自然と過ごす時間が多くなる。
互いにそれを苦とも思わなかった。
心地の好い関係だった。]
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あんたはリーダーなんだから、いざって時に動けなくなったらダメだろ。
[余計な世話だ、と言われる事を覚悟していた。
けれど僅かに目を瞬かせたヴェスパタインは、それも然りだと提案を受け入れた。 成人となる年頃の男が揃って身を寄せ合う姿は、必要とは言え、傍目から見たらきっと苦笑を誘うものだったろうが。 任務をこなした後は、笑い話の一つとなった。
それから自分は、彼の事をヴェスさん、と呼ぶようになった。 初めてそう呼んだ時に彼は瞠目したが、やめろ、とは言わなくて。
感情で突っ走りがちな自分にとって、冷静に任務をこなすヴェスパタインは目標で。 やがて頭と両腕と称されるようになっても、彼のようになりたいと、そう思っていた。*]
(132) 2013/06/18(Tue) 23時頃
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[二人で挑んだ、とある要請。
苦戦した。
魔法が尽きかけ、一つは壊れた。
そして、彼女の相棒は魔物の攻撃を受け、死に瀕した。
相棒は、約束通り、『生贄』になることを望む。
――しかし、その約束は破られた。]
[禁術を用い、彼女は相棒である魔法使いを救済する。
彼女の左目が最後に写したのは
相棒の、顔。
助けられた相棒は
代償を負った彼女を庇うように。
辛うじて魔物を倒した。
どうやってなのか、分からない。
ただ、相棒は必死だった。]
[その日の夜。
相棒は彼女に問うた。
どうして、救済したのか。
と。
其れに対し、
わからない。
と、彼女は答えた。]
[其れを聞いた相棒は、
謝罪の言葉を繰り返す彼女の手を握り
感謝の言葉を繰り返した。
彼女の左目が光を失った時の話だ。]
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― 人間と魔物の狭間で ―
[弟を右腕に宿した瞬間は掟の存在を憎んでも、自分のやった事は魔法使いとして正しい事だったのだと、そう思おうとした。 そうでなければやっていけなかったから。
けれど一人で臨んだ任務で、魔物となった人間の遺品に取りすがって泣く家族の姿を見て。 一度魔物となった人間を救う手段は、‘生贄’にする以外はないのかと。 救済を実行すれば、術者は大きな犠牲を払う。 それ故の掟だと断じるには、自分にとって弟の存在は大きすぎて。
押さえこんでいたアヴァロンの掟への疑問と憎しみはじわじわと深まっていった。]
(138) 2013/06/18(Tue) 23時頃
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[そして後れを取らぬはずの任務で命を落としかけ。 力を望む代わりに杯に捧げた代償は、自らの身体の成長。
だから自分の肉体は魔物になった瞬間から変わらない。 どんなに身体を鍛えても実を結ばないから、後は魂を右手に宿すか、技量を磨くしかなかった。 仮にもっと時が経てば、払った代償は隠しようもなかっただろう。
魔物になって初めてヴェラと同じ任務を割り当てられた時、鼻の利く彼に自分の変化が悟られやしないかと身体を強張らせた。 けれどそれは幸いにも杞憂に終わり、ほっとしたものだ。
―まだ自分は、彼らと共にいられるのだと。]
(140) 2013/06/18(Tue) 23時頃
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[任務の合間に人間や魔物の命をかすめ取り、ひっそりと墓を築く日々。 罪悪感もいつしか消えていって、自分はいつか心さえも魔物になるのだと思い知らされた。
そうなる前にアヴァロンに反旗を翻さなければ、自分は何も為せないままに魔物として狩られてしまう。 けれどそれを果たすには、まだ自分には力が足りず。
だから力を求めた。 不条理だと感じた掟をねじ伏せる程の強い力を。 ―もっともっと、と貪欲に。 焦って頻度が増したそれが、アヴァロンに勘づかれる切っ掛けとなったのかもしれないが。
―ノアに向かう道すがら、御者を右手に宿さなかったのは、任務を控えていたからだ。 魂を右手に宿せば、それに伴う昂揚感で我を失う危険があったから。*]
(142) 2013/06/18(Tue) 23時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2013/06/18(Tue) 23時頃
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[>>135此方を射抜くように見据えるヴェラの視線。 それに怯む事なく、自分は彼に向かって突っ込む。
そして雷が落ちる刹那。 フォシャールを、魔法を発動した彼の元へ振り下ろす。
―その身よりもヴェラに近い金属製の得物は、>>136毛皮を使った魔法を発動させるヴェラの身を切り裂く事は出来ずとも、天から落ちてくる雷を彼にも寄せ。
そして雷を浴びた魔物は、叫び声をあげて背中をのけぞらせた。>>122]
(144) 2013/06/18(Tue) 23時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2013/06/18(Tue) 23時半頃
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[>>146ヴェラにも雷が及んだ事に気付く余裕はなく。 雷をその身に受けたその身体は、人間のものに変わる。 あちこちが焼け焦げたそれは、狼の背中で受け止められた。 即死に至らなかったのは、魔物だったからか。]
…ヴェラさ…。
[ヴェスさん、ツェツィーリヤさん。 と自分が生きる為に襲いかかった人の名前が続く。 同族の名前は人の声では紡がない。]
……。 ジョー、ジ。
[目を閉じる前に紡いだのは、弟の名前。 その右手に宿しても言葉を交わす事の叶わなかった彼とは、会えるだろうか。*]
(149) 2013/06/19(Wed) 00時頃
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