124 Acta est fabula.
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[まどろみから目覚めるように意識が浮上する。
眠りではなく死からの目覚めというのも妙な話。
伏せていた眸がはたりと瞬き世界を映す。]
――――。
[死んだら終わり。
そう思っていたのに己の存在を未だに感じる。
在る、と思う自分さえも思い込みの産物だろうか。
わからないまま背を撫でる。
刃が貫いた跡はない。
生前と変わらぬ姿のまま――]
ああ。
[けれど物に触れられない。
これまでとの違いの一つを理解して納得する。]
[雨の中、埋葬する生存者たち。
濡れてしまった彼女彼らを見詰め困ったように笑う。]
風邪、ひいちゃうよ。
[ベネットは無実ではあるが。
自分に其処までする必要はないと思う、けれど――]
ありがと。
形だけでもサイラスの傍にあれるのは
……うれしいよ。
[平和で穏やかで幸せだった日々。
三人並んであったあの頃を思い出し
素直な感謝の言葉が漏れた。]
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髪の毛の手触りとは違うから……。 たぶん。
[人狼のもの、と言う言葉に頷いて、差し出されたチールーの手に持っていたものを乗せる]
最初は、私だと思ったのよ。 ……この光景を、見た気がしたから。
でも違った。 私が見た光景は、シビルさんが倒れたところじゃなくて、母さんが倒れていたものだった。
似ていたから。
(68) 2013/06/07(Fri) 23時頃
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[雨は等しく降り注いでいる。
けれどミルフィは雨に濡れない。
死者は触れられない。]
はやく。
雨、止めばいいのに。
[一緒に村を出るはずだった幼馴染が
村を出てから何処に行くつもりだったか。
何処で何をしようと考えていたのか。
それさえも聞いていなかった。
聞けぬまま、ベネットは命を奪われてしまった。
サイラスは最期何を思っていたのだろう。
知りたいと思う事は、今となっては知れぬ事ばかり。]
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……怪我をしたら? 怪我をして、それでもまだ目覚めないとか、あるのかしら。
[シメオンの提案にどうしようかとブローリンの方を見る。 シメオンが目を向けたのはこの二人だったから]
手は困るけど、足、なら?
[長いワンピースを捲れば脹脛が見える]
あ、でも腱まで傷つくと歩くのが大変か。 どこが、良い?
[両手は怪我をして細かな作業が出来なくなってしまったらおしまいだ。それだけは守るつもりで]
(73) 2013/06/07(Fri) 23時半頃
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わからないのよ。 母さんも同じように腹を食われてた。
倒れてた場所は違うけど。
[でも、本当に見たのかも知れない。 自分が人狼であるのなら、ここで殺された方が良い。そう考えるのに、生きたいという気持ちも確かにある。
ブローリンの言葉に首を傾げて]
それは、確かにそうだけど。 みんなで怪我させ合ったら、人狼の思うつぼじゃないの。 みんなが手負いになったら、きっと狼の方が強いわ。
(79) 2013/06/07(Fri) 23時半頃
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[閉じられている眼窩とは別に、眼前の光景を知覚する。
伏した己の体を見るのは不思議な気分だったが、
靄がかかったような意識からか、悲観も忌避も感じなかった。
死してなお生者の姿を見ているのは、
この村の最期を見届けろということだろうか。
それが先に死した者の定めかと、
物言わぬ“五人目”としてその場に佇む。]
……早く、止むといいのにね。
[死者の耳に雨音は生前よりも強く響き。
呟いた言葉は、奇しくも雨中のミルフィと同じものだった。]
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シメオン、違うなら殺されても良いなんて、言わないで。
[シメオンがそのナイフを差し出すのが目に入る]
再生力を見るだけなら、深く傷つけなくても良いんじゃないの。
[シメオンを信じると決めた以上、死に近づけるようなことをさせたくは無かった]
(83) 2013/06/08(Sat) 00時頃
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だめじゃ、ないわ。 私は、私を人間だと思いたい。
狼でないのなら生きたいって、思うもの。
[それは、確かだ。死に憧れないわけではないけれど]
(86) 2013/06/08(Sat) 00時頃
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