158 雪の夜に
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[そして、朦朧とする中、
とにかく胸から手紙を二通出すと、その手に押し付けるように。
どうやら、とにかく渡さねばと思ったのだろう。
そして、押し付けると、また首はゆらりと揺れて、瞼は落ちる。**]
[ヒューの瞼が、ひくひくと動いた。]
……?
[薄目をあけた。一瞬の混乱。
周囲で人間が、慌しく働いているのが分かった。
――船のなか。
嵐だろうか。
起きなければ――
それが、慣れた暮らしを思い出しただけの短い夢に過ぎないと、ただの錯覚であると、あっけなく知る。
ここは、水面に浮かんで揺れることはない、陸に建てられた診療所の一室。
働いているのは、医者達だった。]
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