84 戀文村
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―回想:地雷原―
[敵の宿営地になるべく近づくため、出発は夜。
地理も不案内、さらに不意をつくためになるべく手薄な側からの侵入を試みるために明かりは当然持たない。
いくら夜道に慣れているとはいえ、知らない土地での暗い場所の行進は困難を極める。…――]
―回想―
[やがて…――]
ズドーン!!!
[誰かが地雷を踏んでしまった。敵からの一斉砲撃を食らう。]
走れー!
[その合図と共に皆走り出す。地雷と一斉砲撃の中、一歩でも敵に近づいてダメージを与えろというのだ。
何故皆そこまでするのか。戦地に赴く前に宿舎のような場所で、この戦争の意義、そして、自分たちかいかに重要な役割を担っているのか、延々と講義がされた。
しかし、そんなものに意味はないと、セレストの頭には全然入って来なかった。
早く終わらせたい。その気持ちしかなかった。]
ズドーーーーーーン!!!
[凄まじい爆音と圧力で吹き飛ばされた。地雷を踏んでしまった。
しかし、体の爆弾は爆破せず、足がなくなったのか動かなくなったのかで立つこともできない。ただ、足が、熱かった。]
……っく…
[なんとか腰についている手榴弾を手に取り、ピンをくわえる。
これを引いたら確実に死ぬ。
本能的な死の恐怖が一瞬、手を、ピンをくわえる歯を震わせる。それでも、ここで倒れていても助かることはまずない。
で、あれば]
……んぐっ……
[ピンを抜き、手榴弾を胸に抱え込む。
5,4,3…――]
ヨーラ!!、ダーラ!!!!
[呼び求めたのは母ではなく、最後に一緒にいてくれた、
二人の、“姉”]
[セレストが叫んだ直後、ひときわ大きな爆音と、
土煙がたちのぼる。
彼女の体は、文字通り、敵地に…――散った。]
―村はずれ―
[自分の最期を思い出し、あまりの恐怖に]
ううっ…うわぁああああ……
[ガタガタと震えて力が抜け、へたり込む。
苦しくもないと直後は思っていた、が、やはり思い出してしまうと全身を恐怖が駆け巡り、頭をかかえてうずくまった]
…怖かったよー…
[子供のように泣きじゃくる。もう安心なのだというのが、
セレストを子供に戻していた**]
―村はずれ―
[どれくらいうずくまっていただろうか]
…もう大丈夫。
村は…どうなってるの?
…見にいかない?
[ヨーランダを促して村の中に入る]
[セレストの家を片付ける人がいれば、彼女の机に
こんな言葉が書いてある紙を見つけるだろう]
人はみな寂しがり屋だ
だから人は 一人ぼっちじゃ歩けない
でもそれはきっと、
一緒に歩いていける人がいれば
どこまでも歩いていける
ということだと思う
[一人は怖い。でも、待ってくれている人がいるというだけで、強くなれた。
そして…こうして、一緒に歩いていける人が隣にいる今、
自分は誰よりも、幸せなのだと…
つかの間の別れを経た今だからこそ、
強く、強く思う。]
女主人 ダーラは、メモを貼った。
2012/03/28(Wed) 22時頃
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あら、おはようエリアス。
………………。
[酒場出た所で出会ったエリアスの思わぬ言葉に、顔が強張った
――また、来たという赤紙]
ヨーランダは、ええ。…………ええ。
[言葉少なに頷く、狭い村だ 情報が早くても怪しまれることは無いだろう 何よりエリアスは訝しむような子でもない]
(104) 2012/03/28(Wed) 22時半頃
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そうね。でも、アタシは最後まで皆が帰ってくるのを待つわ。 だから、エリアス。 貴方も春までには帰ってきなさい。
[叶わないことはわかっている、それでも待つというしか それしか掛ける言葉は持っていない 去る背中を見送って、その足は本屋へ]
(105) 2012/03/28(Wed) 22時半頃
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―本屋への道―
[いつもとどこか雰囲気が違う店の扉の前 郵便屋の背中が見える]
あら、ウェーズリーさん。 お届け物?
……ベネット、居る?
[よく見るとガラスが割れている、これは一体? 声をかけると、中から来客中の声が聞こえるか]
(110) 2012/03/28(Wed) 23時頃
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ミッシェル。ごめんなさいね、昨日は…… セレスとヨーランダと一緒に居たのよ。
だからお休みさせてもらったわ。 今日はあける、つもりよ?良かったらいかが。
[エリアスが往くことを知らないはずが無いだろうに だからこそ、いつも通りに今日は顔を作れた気がする ブランデーの瓶をちらりと見えるだろうか]
ベネットに、話があったんだけど。 忙しそうならいいわ。
(115) 2012/03/28(Wed) 23時頃
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ホレーショーさん…
そうやって…自分で抱え込もうとしないで…
[村の人をこの村で安らかに眠らせてあげたい。
そんな気持ちで意気投合した仲間………]
女主人 ダーラは、メモを貼った。
2012/03/28(Wed) 23時頃
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ほんと、ベネットはモテるわねぇ。 羨ましい……
[拗ねるような色を滲ませながら、届け物が本のようでほっとした]
ええ、そう言うと思った。 目一杯料理を仕込んでおくわ、明日また。 お酒も仕入れられたら、新しいものを。
[エリアスと最後の夜を過ごすのだろう その気持ちは痛いほどわかるから 翌日酒場の店主として、顔を見せるだけにする]
……ごめんなさいね。
(126) 2012/03/28(Wed) 23時頃
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って、え。アタシ昼間っから飲むつもりじゃ……
[ないわよ、という語尾は小さく消えた 飲んで、一時でも忘れてしまえたらどんなに良いかと 誘惑に負けそうな、負けていいと思ってしまった弱い心]
(132) 2012/03/28(Wed) 23時半頃
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ヤニクね、不思議な子よ。 犬みたいだったり、猫みたいだったり。 ピアノ、毎晩引いてくれるわ。
[だから、明日はいらっしゃい きっとその心に、音楽は染み入るだろう 彼が旅立ってしまわなければ、の話]
用件という程のものでもないのだけれども。 昨日、今朝かしら。 セレスが召集されて行ったのは知っているわよね?
それとは別件で、ヨーランダが遺体で発見されたの。 雪の中で眠っているようだったわ、という話。
[其処まで一気に話をしてから 何度か深呼吸、そして、少しだけ意思を強めに]
ベネット、アンタは一緒に逝きたいなんて 言い出さないわよね?
(136) 2012/03/28(Wed) 23時半頃
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広義の意味では多分そうなるわ。 セレスに対して、一番想いが強かったのがヨーランダだったから。
[先日交わした三人での会話。昨日の会話 どちらも頭には残っていて]
……良かった。 そんな迷い事言い出すならアタシがぶちのめそうと思っただけよ。
ベネット、……アンタは生きて。
(144) 2012/03/28(Wed) 23時半頃
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女主人 ダーラは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 00時頃
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昨日ね、ウチで三人で。 だからヨーランダについては驚かないんだ。 一緒に逝くことも、止めることも出来なかった。
[それだけが、心残り]
……って、相当飲んだの?
[酒豪でもないのに、飲みたくなる気持ちはわかるから 驚いてみせるだけにしておく]
死ねなんて、アタシが言えると思う? バカねえ。 アタシが招集されたら酒場も墓場も見るのよ?
(155) 2012/03/29(Thu) 00時頃
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[考え倦ねていた
この村に留めておきたいのは 誰なのかを]
…………。
[引き金になったのは、クラリッサの言葉だった 並んで眠っていたらきっと、幸せだろうと
そう思う女の心は既に壊れきっていた]
[だから]
(158) 2012/03/29(Thu) 00時頃
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ベネットはさっさとお嫁さんを貰えばいいわ。 そうすれば人手も増えて経営も楽でしょう? ついでにどんどん子供も増やしなさい。
[ハーブティのカップを有りがたく受け取る 優しい香りで、壊れた心にも染み入る 彼だけは、否彼と同志だけは手にはかけられない]
(163) 2012/03/29(Thu) 00時頃
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そうね。 生きていて、……欲しいわ。
[それが叶わないともう諦めているからこそ 手は伸びるのだけれども]
意外と飲めるのねぇ。 二日酔いには、……ああ。ヨーランダに薬草を。 どこにあるか、わからないわ。
(165) 2012/03/29(Thu) 00時半頃
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