人狼議事


8 DOREI品評会

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メモを貼った。


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[少女が部屋を覗けば、開け放たれた扉の中。
 幾重にも垂らされる薄布の向こう、寝そべる男と近く座る女のシルエットが見えるだろう。
 細い青煙が漂い苦味ある香りの中そこに暴力的な空気は無く、薫るのはゆったりとした時間と空気と薔薇の其れ。]

[しゃらり、衣擦れの音。
 くすくす笑う、甘い声。

 男は鎖の音に気づいたけれど、声を掛けることはせず。
 肘を着き半身を起こした形で寝そべった侭、
  ふ、と炉を吹いて、酒精と青煙を其方へと漂わせた。]

(72) 2010/04/06(Tue) 12時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/04/06(Tue) 12時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 っふ…

[指の股を這う舌に彼女の央に寄る眉に、肌を掠める息に、男の薄く濡れた口唇の間からも微かな吐息が漏れる。]


 そう、良く出来たね。

[きれいに舐め取られた足の親指を手前へと動かして彼女の顔を自身の方へと向けると、肘を着いたと逆の手を伸ばしてたっぷりとしたブルネットをくいと引くのは、寄れと言う指示。
 女の頬に手を当て親指で顎の黒子撫で、ほっそりとした長い人差し指と中指を咥内へと滑りこませる。
 歯列の裏をなぞり舌を挟み、蠢く指は頬裏を背でそっと押し]


 君は何処の出? 血統書はあるのかい?

[尋ねる言葉と共に指を長い髪がかかる自身の貌へと引き戻すと、ゆったりとした動作でペロと舐めた。酒精と薔薇の香りが混じり、酷く甘い其れが広がる。
 入り口に、気配が、ひとつ。
 気づかない振りをして囁く声は甘く掠れ、女の耳に息の温度ごと忍び込ませた。]

(76) 2010/04/06(Tue) 12時半頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/04/06(Tue) 12時半頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 嗚呼、聞いたことはあるなァ。
 一番最初に買われなかった事は、やっぱり、屈辱?

[くすくすと笑いながら顔を寄せると至近距離、髪の隙間から鬱な暗い色に彼女の瞳を写し込み、薫る薔薇を楽しむ風に暫しの瞑目。それから不意に体重を預けていた肘を倒して横に、彼女の膝へと頭を乗せた。

 見上げると、黒いレースのガウンの中、柔らかな乳房の下緋色の縄がすぐ近く。指を伸ばし、緋色と肌の隙間にねじ込んで、くいと引くと丁度その時、部屋の入り口付近から小さな鎖の音と共に気配が去るのを感じて、そのまま眼だけを薄布の向こうへ]


 おや…
 其処にも別の気配があったのに、行っちゃった。
 ボク嫌われ者だからなァ。

[くすくす笑いながら、手遊びはそのまま続く。緋色の下から指を抜き腹へと這わせ、乳房の外側を指の腹でなぞる。濡れた指の触れた痕が伸び、手指吸い付く女の肌質を愉しむ様子。]

(88) 2010/04/06(Tue) 13時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 そういう表情も、教えられたモノ?
 どこからが、君の意思なの?


[高価で美しい美術品が思う侭の反応を返してくれる事に、男は満足でもあり不満でもあり。
 指はそのまま乳房の周りをねっとりと這い、脇下のくびれたラインを降りては上がり もう片方の手は陶器を脇に避け、流れるブルネットをくるりと指に巻きつけては離しを繰り返していた。]

(91) 2010/04/06(Tue) 13時半頃

―地下室―

───…ッ……

[モニタリングされているなんてまさか思いはせず。
かと言って、声を上げるわけではない。
神経を支配する熱に抗うように、
首を時折緩く横に振った。喉が震える]

(──苦し、い)

[無理矢理飲み込まされた細い杭は、
馴れない体を、狭い蕾をゆっくりと嬲る。
苦しくて、熱い。体が自分のものではないようで、
それが堪らなく気持ち悪くて仕方がない。
薄く滲んだ汗は蜜を浮かせてゆっくりゆっくりと流す。
性は本当に僅かに反応を見せるにすぎなかった]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 でも、仕込まれたモノ…なんでしょう?
 本能の底が見られるのは…買ってから、なのかな?


[呟きながらゆっくりと這わせる手指は未だ女の尖りに触れる事は無く、ただその周りや脇の肌を指腹でなぞり背を滑らせる。
 しっとりと湿り気を帯びてくる肌から薫る薔薇は好ましいらしく、うすらと笑みを浮かべた。

 寝そべった侭の柔らかい布に包まれた男の体は薄く、片膝を立てた侭の足の付け根に変調も、今は一切見当たらない。
 ついと髪を手で掬い、その指で脇に置いた陶器を差し]


 飲ませて?

[笑みを添えるお強請り。]
 

(95) 2010/04/06(Tue) 14時半頃

メモを貼った。


[とうに薬は身体中を侵しているだろうに。
其れでも反応の薄い中心を長め]

 ふぅん。

[男は更に時間をおいて、地下を訪れた]

 ……やあ、Jade
 気分は如何?

[天井から吊るされた手枷で拘束されている彼を眺めながら
白濁の散らない床を見下ろすと、のんびり口を開いた]

 随分我慢するね。
 それとも刺激が足りないのかな?


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[こくり]
[喉が鳴る音。
 丁度良い冷たさと温もりの酒精が口に広がる。
 ブルネットを巻いた指を引き、くるくると更に絡めながら根元へと手を伸ばし、辿り着いた首筋をつと撫でる。
 舌を伸ばし彼女の舌に絡めると、口唇の端から自分の頬を薄まった白がついと流れた。]


 …、ん、

[もう一度、喉を鳴らす。
 絡めた舌を自身の咥内へと招き、吸い、なぞり、柔らかく噛み、そのまま

 ――歯を、ゆっくりと彼女の舌中央へと、埋めて行く。]

(98) 2010/04/06(Tue) 15時頃

……っ…

[喉が小さく震える。
どれくらい時間が経ったのか数えることもない。
正確にはそんな余裕がない。
ただ、自分の神経を宥めるのに必死だった]
……、…?

[扉の開く音がした。
濡れて、それでもなお視線は男を睨む]

『……最悪、だ』

[機嫌がいいはずなんてない。
続いた問い掛けにも答えないまま、
視線を逸らした]


 ……辛そうだね?

[睨みつけてきた翡翠に、男はしかし満足そうに哂った。
靴音をさせ、彼の元へと近づき
恐らくはもう痺れて感覚が無いだろう腕に手を伸ばす。
枷と鎖を繋ぐ連結は緩んでおらず、彼はどれほど力が抜けようと座ることは許されない]

 して欲しい事があれば聞いてやっても良いよ。
 俺はいま気分が良い。

[薄暗く冷たい石造りの部屋には、彼へ嵌めた貞操帯から振動音がもれ聞こえている。
節ばった指先で、汗で流れる蜜を掬い
僅かに反応を示した彼のペニスの先にこすり付けながら]

 お願いしますご主人様、って言ってご覧?
 そうしたらひとつ願い事をかなえてあげるから。

[くすくすと見下すように哂った]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[こくり、また喉が鳴った。
 口の中の酒精に混じる、 鼻をつく鉄錆のような香り。
 こくり、また喉を鳴らすと口の中は紅が濃くなり、
 男の暗い色の瞳に、愉楽の影がゆらり浮いた。

 僅かに身を引く様子に、這っていた手が細い首を掴む。
 こくり、飲む――みちり、音がして上下の歯がふれる感触。]


 …――ん、ん…

[僅かに顎を引けば孔は広がり赤は更にどくり、沸く。
 何度も何度も喉を鳴らして吸ったあと、ようやく顎を開けて歯を抜いた。どくり、また、赤が、沸く。

 その後も存分に自身の舌で彼女の舌を舐ぶり弄り、漸く口唇を開放した男は少し熔けた表情を浮かべ、近い彼女の顔をじっと見詰めた。]

(101) 2010/04/06(Tue) 15時半頃

『…ッ』

[腕に伸びてきた手に、避けようとすれば鎖が鳴いた。
硬翠は睨んだまま。ただ、声なんて出すまいと。
相手の望むようになんかなってやらないと]
『触るな…!』

[肌をなぞる指先に唇を噛む。
男の指が塗り込める仕草に、拒否を示すように首を横に振った。
その間にも後ろは玩具によって蹂躙され続ける。
細い喉が幾らか震えたけれど、それでも喘ぎは欠片も零さなかった。
言葉を信じるには、余りに印象が悪過ぎたし]

『断る』

[買われたからと言って、そう簡単に折れるつもりも更々なかった]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 うふふ…ふふふふふ。

[わらう。
 陰鬱を絵に描いたような瞳元は弧に曲がり、
 舌舐めずりをしかねない程の、仄暗さ。]


 嗚呼…傷はルール違反だった、かな…?

[上体を起こし、半眼の上目女の鼻先から見上げる。
 竦めた肩からさらさらと零れる髪が、薄布越しの光を浴びてきらきらと白銀へ墨色へと忙しない。]


 見えない所だから大丈夫…かなァ。
 君が言わなければ、ね。

[言うなんて、思っても居ない事を口にしつつ、
 赤に濡れた口唇から歯型のついた舌がチロと見せられれば体を伸ばして貌を寄せ、薄く開いた口唇でそっと食む。また、味と臭いがあたりに広がり、ぽたり、顎を伝って女の腿に落ちた赤は、花弁のよう。]

(105) 2010/04/06(Tue) 16時頃

[拒絶を聞いたところで指は止まる事はない。
腕からなぞるように頬へ手をかける。

芯に絡めた指は、先端へ蜜を塗りつけていく。
とろりとしたそれが滑りを助けてくれる。
震わせた喉元に男は唇を寄せ、軽く歯を立てた]

 困ったね。
 そう言われると他の方法では御前を解放する気が無くなった。

 Jadeは一生このままで居るつもりかい?
 後ろに道具挿れられた惨めな格好で
 鎖に繋がれたまま此処で干からびたい?

[Yesと言われたなら本当にそのまま永遠に放置するような口ぶり。
顔を上げ視線を合わせた男の褐色の瞳は笑っていなかった]


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/04/06(Tue) 16時半頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

  嗚呼――「イイ」ね。

[血まで、薔薇の香りがする。
 男は満足げに彼女の顎を垂れる血液を指で掬い口に含み、
 口唇を彩る赤から頬に舌這わせ眼球をチロと先で味わった。
 ほっそりとした手を伸ばして引き寄せると、
 黒いガウンの上から括れた腰を這わせ尻たぶを撫で、
 緋色の紐を辿る様にして乳房へと向かい、
 一度だけその先端に触れ撫でた。]

(109) 2010/04/06(Tue) 17時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[女が甘い喘ぎを漏らし注意が逸れた隙、
 何時何処からか手にしていたのは一本の小さな瓶。
 彼女の背で片手で蓋を捻り口に含み、
 髪を梳き酷く優しげな仕草で、女へと口移す。

 それは、飲用に適さない程酷く度数の高いアルコール。
 今出来たばかりの傷口には、きっと火がついたかのよう。]


 良いというまで、飲み込んじゃ駄目だよ?

[どんな動きも踊りも邪魔せぬよう彼女から離れ立ち上がり、
 笑みを漏らしながら もう半歩、下がる。
 天井から吊るした薄布が肩にふれ、ふわり、揺れた。

 開け放たれたままの扉からは、香と酒と薔薇と、
 ――微かに鉄錆の臭いも、控え室まで届いて居た――*]

(110) 2010/04/06(Tue) 17時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/04/06(Tue) 17時半頃


『触るな、と、言った、はずだ』

[頬に寄せられる指先が嫌で、首を横に振る。
蜜の甘い匂いは、指が塗り込めるたびに感じられる。
絡める指と、薬の効果は確実に、少しずつ性の形を変えていった。
気分が悪くて、耐えられない。けれど思い通りになんかなりたくない。
喉に重なる歯の感覚に、微かに体が震えた]

…っ

[聞こえる宣言に、硬翠が微かに揺れる。
其れは恐怖でしかなかった。
このまま弱い火で焙られたような感覚に耐え続けながら、
一生、このままだなんてそれこそ拷問に等しいけれど]

『お前、に…頭を、下げる、くらいなら……
耐えるほう、が、ずっと、マシだ』

[相手の瞳の気配なんか、関係ない。
硬翠は、それでもまだ睨み返すことを選ぶ]


 触るな、って言いながら
 此処は期待してるみたいだけど?

[後ろの機具は止まらないまま。
少しずつ空間に振動音の他、水音が混じり始める。
絡めた指は確実に追い詰めていった]

 怖い? まあ、そうだろうけど。
 そのまま放置されたらどうなるか、教えてあげようか?
 機具が外せないと排泄が出来ない
 張り付いた蜜で皮膚が爛れるかもしれない。
 ああ、ついでに蟲でも放置してやろうか?
 身体中を蟻が這い回り蝿が飛び交うのは耐えられるかな。
 此処は物音も光もとどかない。
 まあ、間違いなく気が触れるね。
 どれだけ御前が強情でも、24時間持てば奇蹟さ。


本屋 ベネットの喉元を歯で擽りながら、吐息交じりに残酷な未来を告げた。


───ッ

[不快感を訴えるかのように鎖が小さく鳴いた。
聞こえるのは粘質な音、それが自分の体が関わっていると解れば
余計に不快でたまらない。

耳に届くのは睦言なんてものとは程遠い不愉快な囁き。
蜂蜜は肌に塗るくらいだから心配はないが薬が入っているとなれば話は別。
排泄は、胃も空っぽだからあと二日くらいはどうにか耐えられるだろう。

虫が一番耐えられないと思った。蠅よりも蟻だ。
体を動かせば飛んでいくものとは違って這うのを落とすには労力がいる]

『……っ』

[喉元から伝わる振動に、眉をひそめたまま息を飲みこんだ。
ただでさえ薬と不快感でぼうっとする頭に、余計な事を考えさせないでほしかった]


[息を呑む気配を感じ、男は吐息を漏らした。
触れている指先には熱も伝わっていて
少しずつ思考力が曖昧になっているのは観察していればわかる。
だからこそ、脳裏に描きやすいようわざわざ声にしていた]

 どうするかい?
 此処も随分辛そうだね。

[滑る肉棒の先を爪で弾き、男は問う]

 逆らい続けるのも、悪くないけどね。
 何処かで折れる所を覚えてくれないと困るなぁ。

 一言服従すれば済む話じゃない。
 強情ばかり張っていても良い事は何もないよ?


[頭がぐらぐらする。
熱のこもった溜息が自然と零れた]

『うる、さい……ッ』

[爪ではじかれれば流石に表情が大きく歪んだ。
ゆっくりと息を吸って、どうにか思考力を取り返そうと足掻く]

『良い事、なんか、どちらに転んだって、
ありもしない、こと、くらい、わかっている』

[痺れ切った手を、握り締める。
意識のあるまま屈するのは己の矜持に反すること。
苛立ちは、掌に傷を作って赤を滲ませた]


[少しずつ相手が追い詰められているのは
指を絡めた其処の反応と、もれる吐息で感じている]

 俺だってただ虐めたいだけじゃない。
 御前にとって良い事ではないが
 少しマシな待遇は用意しているんだよ?

[平静を取り戻そうとしている相手に気付くと
男は空いた手で頬を撫ぜる。
拳に滲んだ朱に気付いて片手の掌を開かせ、
指先を絡めて握りこむ]

 駄目じゃないか
 俺に無断で傷を付けちゃ。

[その間にも後ろを犯す細い機具も、
彼の中心を擦り上げる手も止まる事は無い]


[駆動音が、虫の羽音の用で酷く煩わしい。
頬に触れる手に硬翠は睨むけれど、ずっと弱くなってしまっている]

『…マシ。
よく、言う。物は言いよう、だろう。
どうなったって、そう、変わらんだろう、さ』

[吐いて捨てるかのように、言葉を作る。
あてにしてなどいない。信用もしていない。
その感情が、口元に嘲りの笑みを作る]

『…俺の体は、俺の、物だ。
誰の…指図も、受け、ない…ッ』

[大きく息を吸い込んで、吐き出す。
持て余した熱で上がる体温が、酷く気持ち悪い]


[此方へ向けられる視線が熱に侵されているのがわかる。
歪んだ口元を見遣り
男の声は甘くも冷えた音を漏らした]

 ――…先ず教えてやるよ。

[追い詰める手は止めない。
息を吸おうとする唇を塞ぐように、男は自らの薄い唇を重ねた。
強く吸い上げると同時、擦りあげていた中心を根元から握り射精に到達出来ぬように締め付ける]

 Jade
 未だ立場が理解出来ていないようだね。
 いいかい、お姫様
 御前は俺に買われて此処にいる。
 御前の身体は頭の先から爪先まで全て俺の管理下にある。
 俺の指図なしじゃ、この拘束すら解けないのさ。 


 其れでも俺が一度望みをかなえてやろうって言うのに
 ……イラナイんだね。

 なら、俺は俺の好きなようにするけど。

[顔を上げた男が先ずこの薄暗く寒い地下室で
目に付けたのは、まだ冷えた鏝]

 その生意気な口
 喋れなくしてやろうか。


[薄甘い声が、聞こえた。
追い上げてくる手に、それでも、嫌で声だけはこぼさなかった。
次に口を塞がれたのを理解する。薄くて冷たい唇。
噛みついてやろうと思ったけれど、締めつける痛みによって叶わなかった。
漸くまともに吸いこんだ酸素も、薄く鉄錆の味がした。
落とされる言葉も、声も、もう半分ぐらい理解できていない。
ただ、持て余した熱と不快感だけで視線がまた少し弱くなる]

…、……?

[問いかける言葉さえ、今は口に出すのが億劫だった。
まだ体に直接響いてくる虫の羽音に煩わしさを感じながら]

『喋れ…なく……?』

[何をする気なのだろう。
自分の位置からでは、今の視界からでは、そこに何があるのか見えない]


[男は一度彼の身から離れる。
羽虫のような音は少し威力を弱めていた。
電池の切れる時間が近い。
穏やかになった動きは逆に彼へその納まっている機具の形を感じさせる事になるだろう]

 そう、良い声で鳴かないなら
 声はいらないだろう?

[冷えた鏝を手に、再び彼の前に立つ。
見せ付けるように、威力をなくした瞳の前へ翳してやった]

 熱して御前の口に突っ込んであげる。
 折角召使に用意させてるご飯が無駄になるけど、仕方ないね。
 簡単に死なないように、点滴で栄養だけは送ってあげるから。

[褐色の瞳を細めて、鏝から伸びるコードをコンセントに差し込んだ。電源が入りじわじわと鉄が赤く色を変えていく]


 最後にもう一度だけ聞いてあげよう。
 お願いする気は、あるかい?

[男は最終宣告を突きつけた。
これでまだ折れぬなら、熱した鏝は確実に彼の咽を使い物にならなくさせる]


[伝わる響きが弱くなる。まるで、焦らされているみたいだった。
これ以上、耐えられる自信はないけれど、
けれど屈するつもりがないからこそ、余計に耐えなくてはならない]

…ッ

[声。喉を潰すのだろうか。でもどうやって。
薬や何かというわけではないように思えた。
少し霞のかかった視界に、何かが映った。
金属の塊。それで、何をするのか。
そんな事を考えているよりも先に聞こえた使い方。
硬翠の瞳には嫌悪よりも先に怯えが浮かんだ]

『何───』

[虚勢を張ろうと思ったが、もう遅かった。
歯が、小さくかちりと音を立てた。震えだと解るまで時間はかからない。
ゆっくりと赤くなっていく其の熱はもう恐怖の対象でしかない]


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