88 吸血鬼の城 殲滅篇
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[ドナルドを映していた鏡は大広間の光景を映し出す。
ラルフを呼ぶジェフの声が
鏡を通じて地下聖堂に響いた]
――…仲間思いね
もっと冷たい人なのかと思ってた
[見えなかった一面が垣間見えた気がした]
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―貯蔵庫― [ポーチの中の薬品類は、元々激しい戦闘に巻き込まれることを想定して割れないように対策を講じてあったお陰か、幸運なことに失われてはいなかった。
だが、彼ひとりではヒューに抗する術がない。 今や吸血鬼に出会う前に彼に殺される公算が大きい。 やはり、一度どうにかして討伐隊のメンバーと合流する必要がある。]
……仕方ありませんね。
[もう一本の能力上昇の賦活剤。 飲めば、次は――おそらく。 しかし賭ける他はない。]
(107) 2012/05/01(Tue) 22時頃
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[樽に縋りながら立ち上がった。 足を踏み出せばよろけてしまいそうだが、先ほどよりは幾分かましになったと感じる。 扉を僅かに開いて、外の様子を確認すると、思い切って一息に滑り出た。
恐れていたようなあの騎士の襲撃はなかった。 だが、油断はできない。彼はまだ大広間にいる可能性が高い。 警戒しながらも、おぼつかない足取りで大広間へと歩き出した。]
(112) 2012/05/01(Tue) 22時半頃
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[仕切りのカーテンの側がもっとも緊張しただろうか。 息を止め、耳を澄まし、気配を探る。 待ち受ける騎士の息遣いや気配を感じぬかと……だが聞こえてきたのは複数の話し声。]
(116) 2012/05/01(Tue) 22時半頃
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そこに居るのは、修道士さんですか?
[いつでも服用できるように試験管を握り締め、壁に背を付け声を掛ける。]
(118) 2012/05/01(Tue) 22時半頃
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[ドクン、と。
脈打つ感覚に女は目を瞠る。
驚きに半ば開かれたくちびるが震えた]
――…ッ
[中庭で流れた血が
城に滲み女へと流れ込むを感じる]
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―大広間― [カーテンの端から覗いて確かめたふたりの様子から見て、大丈夫のようだと判断し、ゆっくりと大広間に入る。 かなり酷い姿に見えるだろうと、口の端に苦笑いが浮かんだ。]
無事とは言いかねますが、何とか生きていますよ。 さきほど降りてきたのはあなた方だったのですか? あの騎士はどうしました?
[壁を伝い歩きながら、ゆっくりと近付く。]
(128) 2012/05/01(Tue) 23時頃
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[血と共に伝うは騎士の心]
……ぃ、ヤ…
[女は騎士が血を流す事を望まない。
厭うべき事態が起こっているのだと感じ取り
子供が愚図るようにふるふると頭を左右に振った]
ヒュー
[鏡には映らぬ景色を想い
女の眦から一滴の涙が零れ落ちる]
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―大広間― [未だ炎を上げる大テーブルの手前で一度足を止めた。]
……ラルフさんが。 そうですか。私の身代わりになったようなものだ……
[錬金術師の顔に沈痛な表情が浮かんだ。]
治療薬を使いました。 ですから、これ以上の治療は必要ありません。
[そこで、ふたりが自分を警戒しているのを見てとり、当たり前とは思いつつも困惑にも苦笑いにも似た複雑な顔つきになってしまう。]
私はまだ吸血鬼にはなっていませんよ。
(141) 2012/05/01(Tue) 23時半頃
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首筋以外でも吸血はできますけれども、ね。
[ムパムピスが首筋を見せた>>138のを見て、小さく息を吐いた。]
こうすれば、信じますか?
[彼の持っている聖別された杖の方に手を伸ばした。]
(143) 2012/05/01(Tue) 23時半頃
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>>147 私があの騎士に殺されそうになった時に誰か階段を下りてきた人がいたのですよ。 そのお陰で何とか逃げることができたのですが……
[目を伏せ、首を振る。]
エリアスさんは行方不明なんですか。 無事ならよいですが……
[考え込むように唇に拳を当てた。]
(154) 2012/05/01(Tue) 23時半頃
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[ふと思いついて腰のベルトに挟んだ見取り図の束を広げて見ようとしたが、半分ほど焼け焦げてしまっていた。 残念そうに溜息が零れる。]
……まあ、私の頭の中には概ね入っていますけれども。
(156) 2012/05/02(Wed) 00時頃
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[羊皮紙の束から顔を上げ、]
ところで、あの騎士がいないのなら、今のうちに……
[と、口を開きかけたところで、はっと息を呑む。 振り返ればそこに、『彼』がいた。]
(159) 2012/05/02(Wed) 00時頃
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[『彼』は当たり前のように部屋を過ぎり、階段に向かって歩いてゆく。
恐れることなく堂々と、 人間たちには、僅か一瞥だけをくれて。
ごくりと唾を飲み下す。 決意は既に固まっていた。]
(160) 2012/05/02(Wed) 00時頃
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[ジェフリーとムパムピスとの距離を測り、さり気なく移動する。 おそらくは、ふたりも『彼』に対して何らかの行動を起こすはず、と踏んで。]
(161) 2012/05/02(Wed) 00時頃
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