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─ 神社近辺 ─
[見えるのか、という言葉
押し黙る様子に、きょと、と不思議そうに瞬いた]
……ああ。
[続いた言葉にようやく合点が行って、浮かべたのは、苦笑]
なんで、お前まで謝るかなあ、もう……。
[困ったようにいいながら、手を伸ばす。
頭に届けば、ぽふ、と撫でて]
謝る必要なんて、ないだろ。
多分、言い出したら、きり、ないぞ?
【人】 説法師 法泉― 通り ― (19) 2014/02/21(Fri) 22時半頃 |
― 神社付近 ―
[ぽふ、と、触れた感触はなくとも、撫でられたことはわかる。
きりがない、という言葉には頷いて]
わかってる。
どうしようもないこととか、多すぎて……でも……。
[ぎゅ、と、胸元を押さえるようにして目を瞑り、俯く]
なんか、悔しいよ。こんなの。
[風の力を宿しはしたものの、何かを為せたという実感もないまま、それは闇に呑み込まれ。
仕方ないと思いつつも、後悔だけは今も燻る]
それに明にいには、二回も助けてもらって――
[その力も今は消えてしまい、凍り付いた身がどうなるかはわからない。
そう思った、刹那]
あ…………!?
[
すぐに意識が戻るまではいかないものの、肉体の鼓動は力強さを増し、氷の温度となりかけた身は再び熱を取り戻しつつあった]
今、誰かが……。
[自宅の、自身の肉体が寝かされた方向を振り返る。
先に擦れ違った坊主の姿は、視線の先にはなかったが――
今この里で動けるのは、闇の星宿す者だけであるのだから。
その内の誰かが、身に力を送ってくれたことはわかった]
メモを貼った。
─ 神社近辺 ─
……悔しい、か。
それは、俺も同じ。
力はあっても、上手く使えなくて、結局、望むものは掴めなくて。
[悔しい、という日向
伸ばした方とは反対側の手を、握る。
『時』を刻む気配は、ほとんど感じられない]
『風』の力受け取ったのに、結局、使えなかったしな、俺も。
……結局、なにも、まもれなかった。
[自嘲を込めて呟いた直後、日向の上げた声
誰かが、って、でも。
[現の『時』刻む光の力は、感じられない。
だから、ここに在るのは、闇の力の主だけのはずなのに]
……一体、誰が。
【人】 説法師 法泉それにしても、無理をしておるな。ともあれ、一度、そこへ荷を降ろせ。 (27) 2014/02/21(Fri) 23時頃 |
[自身と狸の状況を認識してしまえば何とかなるもので。
狸側
繰られる側てこないな感覚なんやろか…。
[繰る側に居た男は場違いにそんなことを考えつつ。
法泉が移動するようだったからとひとまずそれについていくことにする]
[それを感じたのはどの辺りだったか。
不意に両の頬に温もりを感じて
傍に誰かが居るわけではない。
けれど確かに温もりを感じた。
小さな小さな手が、頬に触れる感覚を]
────………
[訳が分からないままにするりと右手で頬と顎を撫でる。
今の感覚が齎すものについては、今は分からぬまま]
― 神社近辺 ―
[明之進
……でも。
[銀の星宿す者が、同じ力持つ者にそう言っていいものか。
迷いつつも、口を開いて]
一にいは、心の底まで闇に染まった訳じゃない。
闇を祓うことは出来なくても……一にいが、一にいであることを守ったのは、明にいじゃ、ないかな……?
[ぽつり、と言って、明之進の顔を探るように見上げる。
悔しさはあれど、僅かながらの希望は。
力を受け取った、身の内からも感じられた]
[不思議な感覚に気を取られている間に法泉は弟── 一平太と出会っていた]
生きとったかぁ…。
[その姿に安堵を覚えると同時、背負われた明之進を目にして眉尻が下がる。
殺しきれていないと知れば、驚きと共に安堵も抱くのだが]
呑まれきっとらんかったんやな。
[それが知れただけでも僥倖と思う]
げ、おまえその腕。
なんで直ぐ処置しとらんのや。
[意識を別へと向けていたために法泉の腕のことは今気付いて。
阿呆、と呟く時には眉根が寄る。
尤も、そんな相手の繰る焔に真っ向から飛び込んだ華月斎に言われたくはないだろうが]
生意気言ってごめん。
でも、せめて……闇の星が為すこと、全部見届けないと、って思う。
[踵を返したのは、その力の主を探す意志を示してのこと。
そうして明之進に背を向けた後]
あの……明にい。
[ずっと言いたかったこと。
もう言えないと思っていたことを、意を決したように口にする]
助けてくれて、ありがとう。
こんな時になんだけど、……その。
嬉しかった、から。
[今更ながら、あの時謡った拙い楽が恥ずかしく。
そのまま足早に、闇の力のある場所目指し去っていった]
[法泉の腕が欠けたのは火傷のせいだと思っていたのだが。
灰となり散る様
おいこら。
なに身ぃ削っとんねん。
おまえがやりたいことやる奴なんは分かっとるが、そんなんなってまでやることなんか!
[べしべしべし、と法泉の頭を叩くが当然擦り抜けた。
その行動が何を齎すかを知らぬが故の言葉]
─ 神社近辺 ─
……祓えなくても。
まもれ、た?
[日向の言葉
容易く奪えたはずの命を奪わず、動かぬ身体を運んで行った一平太。
自分の願いは──うしないたくない、という想いは、届いていたのかと。
今は離れたその姿と、日向の言葉がそう、思わせてくれて]
……ん。
少なくとも、俺の知ってるあいつは……消えてない、から。
届いてたって、信じるよ。
いや、いいよ。
はっきり言ってくれる方が、俺は好きだし。
ありがとう、な。
[生意気言って、という言葉
ああ……それは、見届けないと、な。
わからないまま、終わらせる訳にはいかない。
[闇の星の向かう先は、知らぬままでは終われないから頷いて]
ん? どうした?
[背を向けながら名を呼ぶ声に、こて、とかるく首傾ぐ。
続いた言葉に、また、瞬いた]
……何だよ、改まって。
助けるのは、当然、だろ?
俺にとっては、お前も大事なんだから。
[それはごく自然な認識だから、さらり、返して。
足早に立ち去る様子がどこか慌しく思えて、また、首を傾いだ]
【人】 説法師 法泉[夕顔に案内を頼みながら、狸の人形を拾い上げる。 (42) 2014/02/21(Fri) 23時半頃 |
─ 神社近辺 ─
[取り敢えず、立ち止まってはいられぬと。
歩き出そうとするのと、それ
……っ!?
[弱々しく、いつ途切れるとも知れぬ『時』を刻んでいた身の内に、妙なる音色が響いて消える。
『時』刻むを望むよに、横たえられた身の鼓動が響きを確かにする]
…………この、感じ、って。
[小さな声で呟いた後。
踏み出したかけた足を止め、す、と手を上に差し上げる。
今は、笛も舞扇もないけれど。
動きは確かに、舞う際の、それ]
春の弥生の あけぼのに
[緩く謡うは、春の節]
四方の山辺を 見わたせば
[あわせて始まるのは、今様舞]
花ざかりかも 白雲の
[ただ、それはこれまでのもの──戦舞へ繋がるものとは異なって]
かからぬ峯こそ なかりけれ
[静かで、穏やかなる素拍子]
[明之進
彼が笑ってくれたこと
勝手に歩き始めた背中、掛けられた言葉
そうか。
……なら、いい。
[あっさりと返る答え。
首を傾ぐ仕草に、訝しがられたかとも思ったけれど、それ以上は何も言わなかった。
そうして立ち去りかけたけれど――呟き
明にい……?
[彼に笛以外の楽の素養があることを、日向は知らない。
だから彼が舞う様を、目を円くしたまま見詰め]
すごい……。きれい、だ。
[彼の身に何が起こったかはわからぬまま、素直な感想だけを呟く]
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