3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[蒼い蝶は何も知らず
分かたれた虚ろな少女の言葉を
翅を震わせ告げるだけ]
――……ッ だめ、やめて
[聞こえる ひいろ に、俯く面を上げれば、
凍てついた つめたい 滴 が 流れ散る]
貴方がほしい ドナルドもほしい
――寂しいの
――――寂しいの
[人の形をした闇に向かって 希い願うように]
─もう、戻れやしないのだから。
[さざめくは闇。囁くは闇。責めるように、蝕むように。
殺してしまった者。
壊れてしまった者。
守れなかった者。
救われなかった者。
変わってしまった者。
抗えなかった者。
届かなかった者。
掴めなかった者。
踏み躙った者。
拒絶された者。]
諦めてしまえばいい。…割れた硝子は元になど戻らない。
[密やかに沁み透る闇は、ざわめく様に笑った。]
だから、このまま身を委ねて。
…堕ちて染まって、その先でひとつになろう?
[腕の中で感じる気配へ、甘く囁いた。]
……――ッ、ぁ…
[足元、そう認識した場所から、絡みつく。
魂を侵す 闇 の 心地よい苦痛。
闇の胎に溶け出そうとする意識、
沈んで より ふかく 落ちても
届かなかった白い糸、
一筋の光のよう]
[砕けた魂の残留思念か、ビー玉に託された思いか]
(お前の手の中にある限り、温めてやる―、だから―)
[希薄な気配は呟きも残せず
思いを漂わせる]
……そうだね。
割れたガラスの皹は消えない。
けれど、殺したっていいんだ。堕ちたっていいんだ。
変わったっていいんだ。戻らなくたっていいんだ。
綺麗なものを、綺麗だと思えればそれでいいんだ。
[闇のざわめきが聞こえる。
そのざわめきの中に、ぽつりと呟いた]
楽にはなれないよ
まだ捨てられない、わたしの形
だからきっと沈んでも楽にはなれない…
[ あかい こえ が きこえる から ]
ずっと沈んでしまいたかったのに、
どうして最期になって、
どうしてこんなときに、
気付いてしまうのかな…
[ ひとつひとつは ほんの些細な 想いの欠片に ]
[ あかい こえ が きこえる ]
―――……、……
[冷たい滴は、流れる傍から、氷の粒に変じて、
手首の痕から流れ続ける、黒い砂と混ざり合う。
ざわめきの中の呟きに、
一度だけ目をやった]
こんなことに巻き込んだケイトを許しているか?
―― 許せない
自分を殺した鬼を、フィリップを許しているか?
―― 許せない
ゲームに乗ったミッシェルや、オスカーたちをどう思う?
―― 残念に思う
でも、別にいいんだ。そんなこととは関係ないんだ。
まだ間に合うんだ。
どんなに闇に染まって、絶望にあがいて、醜く汚れたって。きっとその先には綺麗なものが待ってるんだと思う。
―― それに気がつけばいいのに
[闇に抗って抗って、何とか最後の形を保つのは、もう一度だけこの世の外の綺麗な光を見たいから]
[最後に渡されたピンクのビー玉の周囲を、闇と同化しつつある腕がぎゅっと握った**]
[人の形をした闇に拒絶されれば ふらふらと]
――さみしいの
――――さみしいの
誰でもいいから 私を求めて
貴方がほしい
私をあげる
[ただ自分の手を取る誰かを求めて その手を伸ばす]
【RP】
◆学校の記憶
図書館に学校に関する資料戸棚があります。
みなさん、これまでも何度も見てこられたでしょう。
その校舎改築に関する事項に、
建築会社の記載もありました。
その建築会社選定に関して、競合の結果
当時の生物教師の縁故にあたる会社に頼んだという記録が残っています。
そう、よく見れば気づくでしょう。
印刷室の床は高くて、2年生の教室の天井は少し、低い。
(#8) 2010/03/08(Mon) 18時半頃
それが何を意味するのか。
(#9) 2010/03/08(Mon) 18時半頃
用務員 バーナバスへと手を伸ばし 届けば その獣を 抱き締める**
闇の中に泣く声が聞こえる
『あーん あーん』
あれは…冷たい金属の扉の向こう
『あーん あーん あーん あーん』
赤ん坊の声がする
あれはあたし? それともまた別の子
ゴメンね あたし亡霊だから助けてあげれない
もうすぐ…闇が覆えばきっと怖くないから
闇に溶けてしまえば
きっと 泣く事もないから…
[抱きしめられると、大人しく、その身を摺り寄せていた。]
あ---っ
[……無骨な指に触れられた気がして]
少女は口元をほころばせる**
[少年は靴から水色のビー玉を取り出す。
隻眼の男から、涙のようだと思われたとは知らない。
そして、片割れへと囁く。
その声が、届こうと届くまいが構いはしない。]
ミシェ…、ごめんね。
勝手なのは分かってる。
でも。
今はまだ、こっちに来ちゃダメだよ。
[もしミッシェルの影が変じて少年の姿をとるのなら、
少し困ったような笑みを浮かべた姿となるだろう**]
(先生、ごめんな。)
[なんか謝らなきゃいけない気がした。]
[ずぶり、ずぶりと思考は塗りつぶされていく。
見上げる葡萄色だけがまるで己の世界の全てのようで。
色が変わったあのビー玉のように、自身の鳶色も葡萄色に染まればいいとすら願い]
ばかかな、わたし
なんかしあわせかも?
[おどけて目を細める。笑い声はもう響かない。
どこかで遠吠えが聞こえた、気がした。]
[闇が、残滓が、
最後の仕事と言わんばかりに中身のない体を動かす
顛末を見届けさそうと
感じる魂は砕けて散ってしまったというのに]
(フィリップは)
(なんであんなに……)
[グロリアにだけ聴こえるだろうか。]
(フィリップ)
(――……)
[それはどちらも、護りたかった者たちで…。]
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