73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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[寄せられる唇。吐息が口元にかかれば、鼻腔を擽る薔薇の甘い香り。 咄嗟に突き放そうと手を動かそうとして、自らの手に無い手袋に気付けば、触れる寸前でその手は止められる。
もういいのだろうか。もう抗わなくとも、このまま意識を薔薇に預ければ……そう逃げてしないたくなる心]
………やめ、て……ください。
[耳を塞ぎたくなるエリアスの言葉。ただひたすら揺さぶられる。 全部そうだと認めて、告げてしまえば、楽になれる。 だけど、その後……自分はどうなる?蔑まれて、笑い者にされて、傷つけられるだけ。それは許容できない。 まだ抵抗しようと、弱弱しく紡いだ言葉]
……………そんなものは、僕は、………いらないから。
[差し出された手に視線を向けて、目じりにはとうとう涙が浮かぶ。 小さく二度首を振り、エリアスの瞳からさらに逃れようと俯く]
僕は、……そんなものを望んだら、いけないから。
(230) 2011/12/31(Sat) 00時頃
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[人の気配にぼんやりと目を向け、 その人の正体と、自分たちの有様に気づいて狼狽える。
点になるほど見開かれた目。青く澄んでいた瞳。 兄が大切にしていたそれは、既に左目が内出血に赤く染まってしまっていた。]
…いく、ら……?
[咎められたのではなく、向けられた質問。 それの意味を理解するまでに、暫く時間がかかって。]
(231) 2011/12/31(Sat) 00時頃
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…違うよ。 モリスが、欲しいって言うから…
[諦めたような、観念したような、そんな表情でポツリと零す。
もう、何もかもどうでもよかった。 元会長に知られてしまえば、兄の耳に入るのも時間の問題。 弟の中の兄の存在はいつしか美化されて、清廉潔白で厳格な存在だったから、 もう軽蔑されて見放される。そんな諦めしかもう心には無かった。]
(232) 2011/12/31(Sat) 00時頃
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君には…影響もないのにね…。 停滞しようと、終わろうと。
もし薔薇が君から何かを奪おうとするなら、 それは一体なんだろう? 僕はとても興味があるんだけども。
危害を加えられたわけでもない、 自分も何も変わらない世界で、さ。
(233) 2011/12/31(Sat) 00時頃
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[言葉尻の消えてしまう、ぼそぼそと喋る子。それがフィリップという子の印象。 鳥を何故飼っているのかは知らない。寂しいからだろうと薄ぼんやり。
そのフィリップが。 『好みません』と。 『なる気もありません』>>31と、はっきりと意志を告げてきた。]
…は い?
[唖然。何を言っているのか分からなかった]
学習教材って…互いに互いのことを知り、そして自分を知るという事といえば『学習』とも言えましょうが…
[やれやれと肩を竦めた。首を振り、彼が示すのは拒絶。 話を聞いてくれそうにもない。溜息。
会話は途切れ、やがてシャワールームに向かうも。 結局、フィリップとカルヴィンはどうしただろうか。 どうなった、だろうか。 目前の2人から意識を反らしたかったのに。無理のよう]
(234) 2011/12/31(Sat) 00時頃
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いらない…相応しくない… 求めちゃ…いけない……
[イライラとした空気が香りに張り詰める]
なんで君達はそうなの。 望むくせに、自分でそれを否定して。 そこに、何が残るの。
[セレストも、エリアスもそうだった。 モリスもそういっていた。 そこだけは、薔薇には理解できないこと]
(235) 2011/12/31(Sat) 00時頃
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[金で買ったのではないのなら]
モリスくん、あなたは……。 結局、誰の為に、防音室で…。
『欲しい』と言われて差し出すなんて…
[アア、反吐が出る。昔の自分が重なるから。 冷めた眸を2人に向けた。]
ジェフくんが知ったら、さぞ嘆き悲しむでしょうね。
[金髪の男ばかり。その意味は――。ねぇ、ジェフくん。 医務室で眠る元相棒は、知らずに眠って居るに違いない。 起きていたとしたら…さて、どうしただろうか]
(236) 2011/12/31(Sat) 00時半頃
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[汚い、穢らわしい。眸が物語って居ても、口にはしない。
ただ性欲に溺れただろう2人に首を振った]
…残念、です。
[背を向け。乱暴に扉を閉めて出て行った]
(237) 2011/12/31(Sat) 00時半頃
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……レオ先輩。
[満足したような眼でレオナルドを見ると。]
(238) 2011/12/31(Sat) 00時半頃
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……いや、いい。 秘密があること自体が秘密だろうに。 変な咎めだてをしてしまっな。
[謝罪の言葉の代わりに、手を降って了解した。わかるならいいんだ。クライトンの手を握り直す様子が見えた] ふん。お前が何を願うのか知らないが、薔薇がもし願いをなんでも叶えてくれるものなら、任せてみるのもいいかもしれないか。 もし叶うなら俺の願いはそ……
[平和なフィリップに絆されるところだった。俺はそこで口籠る。誰にも安易に心を拓きたくなる、これがクソッタレ薔薇ちゃんの誘惑なのかもしれない。 俺は十字を切って、フィリップに向き直った]
なんとかしなくちゃ行けないだろう 噂が残るということは、事件に巻き込まれて還って来た者がいるといことじゃないか? もう少し調べて見る必要があるかもしれないな。
[俺はフィリップに背を向けて、中庭を*見つめた*]
(239) 2011/12/31(Sat) 00時半頃
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[これが他者に少しでも関わってしまった報いか。
もうほとんど暴かれているような気がするけれど、それを認めてしまえば、自分が終わってしまう気がした]
…………そうですね。 僕には、……誰かに奪ってもらえるほどのものなんて、何もなかった。
[全てに反論を試みることは容易い。 でも、我を通せば、通すほど、自分が傷付くだけのような気がした。 それなら、認めた方が、まだ傷は浅くて済む。 結局、最後に守ろうとするのはあくまでも自分の心。]
………僕の音が変わったと。そう聞こえたなら、間違いではないんです。 だから、自分の世界は、もう今までの世界じゃなくって。
[自分も何も変わらない世界。その認識だけは違うと、分かって欲しかった。 自分の世界は徐々に徐々に綻び始めている。 それを薔薇のせいだと逆恨みこそしないけれど、もう自分の世界が崩壊するのも時間の問題のように思えた]
(240) 2011/12/31(Sat) 00時半頃
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[扉に持たれかかる。服を握ると、雪に濡れた冷たさが感じられ。 頭を振った]
……やるべきことを、やりましょう…
(241) 2011/12/31(Sat) 00時半頃
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……気にすること無いよ、サイラス。 レオ先輩もちょっとびっくりしているだけだから。
[モリスはサイラスの手をとろうとすると。]
……大丈夫だから。 だから2人で温まっていよう。
[モリスはサイラスへと手を伸ばす。]
(242) 2011/12/31(Sat) 00時半頃
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