162 絶望と後悔と懺悔と
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アヤワスカは馬飼い キャロライナに投票した。
リッキィは馬飼い キャロライナに投票した。
トルドヴィンは馬飼い キャロライナに投票した。
キャロライナは消防隊長 トルドヴィンに投票した。
ジャニスは消防隊長 トルドヴィンに投票した。
明之進は消防隊長 トルドヴィンに投票した。
トレイルは馬飼い キャロライナに投票した。
キャロライナは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
現在の生存者は、アヤワスカ、リッキィ、トルドヴィン、ジャニス、明之進、トレイルの6名。
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[何故人間を殺すのかと消える意識の中で問われ>>8:125 彼らがあげる悲鳴や命乞いや呪詛が愉しいからだと 答えれば、ジャニスはどんな顔をするだろう。
酷く歪んだ顔を見せてくれる筈だ。
それが残念だと、また口元を歪めた……つもりだ**]
(0) 2014/02/22(Sat) 04時半頃
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―曙光を過ぎて―
[三日月に心臓を刺し貫かれた望月を、 見届けて、その場に膝をついた。
駆け出すを止めるものはない。
喪われる者に共にと冀う背中を、 救われた者の傍にと疾る背中を、
――見送って、数度の瞬きの後、瞼を下ろす*]
(1) 2014/02/22(Sat) 04時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/22(Sat) 04時半頃
……甘、いの、
[なら、チビたちも食べてくれた。花の形で喜んでくれる子もいたからそれにしよう。花の形にした後の残りは刻んで蒸しパンにしても良いよな。
風呂は皆で入るのも楽しかったけど、沸かす手伝いも楽しかったよな。でもさ、]
薪、割り、で、
[また怪我して倒れないでくれよ。あれそういえば、もう血が大丈夫になったんだ?良かった、今倒れられたら運べないし。
でも今はなんだか疲れたみたいで動けないんだ。チビたち寝付かせる役目、今日は勘弁してくれな。
起きたらいっぱい話したいことがあるんだ。また聞いてくれよ。昔みたいに。]
[昔に戻ったみたいで嬉しくて。
零留に答えたいのに声が出ない。
何も変わっていない。
自分より少し年上の兄。何も変わっていない。]
…… 、
[切れ切れに口から漏れるのは、音になる前の息。
誕生日祝い。渡すもの。
いつも持ち歩いてて、いつ再会しても渡せるようにと思っていたのに。
上着を絢矢にかけてやったから、持っていない。]
[縛らず、鬼に掴まれた髪はぐしゃぐしゃに乱れている。
でも今は関係ない。奪われた家族が戻ってきた。もう二度と離さない。
力の入らない手で、それでもぎゅっと服と握り締める。
零留が何か言っている>>。
けれど、自分に対してではない。
額に何か当たる感触に、うっすらとまた目を開ける。
近すぎて、顔は見えないけれど。
でも確かに此処にいる。]
れい、る……。
[掠れて、それでも微かに空気を震わすことができた声で、家族の名を呼ぶ。
呼べたことに満足して、また目を閉じた。]
[零留の手が首に触れるのを感じる。
ねぇ、零留。僕はね。]
…… 。
[首に何か食い込むのを感じる。
閉じた目から、暖かい涙が零れている。
痛くない。家族が傍にいてくれる。
それが嬉しくて。
最期まで微笑んでいた。**]
[リカルダの首に掛けられた鬼の手が動く。
けれど、――あと数歩が届かない。
喪失の恐怖に小さく揺れる眸に
次の瞬間、ずるり、小さな体が地面に落ちる様が映った]
[曙光を受けてジャニスの振るう三日月が、黄金の鬼を討った。
その隙に獣は地を蹴り手を伸ばし、
リカルダの小さな身体を掻き抱こうとする。
もし、――彼女を取り戻すことが叶うなら。
やがて黎明に消え行く星の輝きを、視界の端に収めながら身を翻し。
斃れた黄金の鬼と人間達の双方から距離を取りつつ、リカルダを庇うように身構える]
[獣に身を窶してまで抗っても、
結局この爪は黄金の鬼に届くことはなかった。
それでも、呪縛が解ければ、きっと仲間――家族は救われるはずだ。
とうとう願いは叶ったけれど。
敵を討つことなく、生き永らえた自分はどうすればいい?
植え付けられた憎悪と怒りは、決して消えないというのに]
どこまでも、好き勝手しやがって。
……くそが。
[鬼の王の遺す言葉>>*33に眸を眇め、
裡に燻る衝動を持て余すように、地を蹴った**]
サミュエルと真弓の亡骸を縫いとめる刃に、視線を向けて
[折り重なるサミュエルと真弓の亡骸。
二人を縫いとめる刃が『夜刀』であることに気付き、薄明の空を仰ぐ]
……なあ、サミュエル。
お前と真弓がこんなことになっちまったのは、俺のせいだよな。
[あのときサミュエルの声に応え、
立ち上がることが出来ていたなら、その後も共に戦い続け、
少なくとも彼一人を死なせることはなかった筈だ。
それなのに鬼と成り果て、獣にまで身を落とし、
挙句、金色の鬼を討つ事が出来なかった自分が、
おめおめと生き残ってしまった]
――……すまねえ。
[『夜刀』に貫かれた二人の亡骸は、
まるで自分の無力さを責めているようで。
零れそうになる涙を堪え、今は亡き友に力なく詫びる**]
[マユミはいう。
周は抗い続けているのだと、
それは、あの時、周を救けられなかった自分のせいだ。
マユミが獣となったと告げたので、
だから、周を探す。
あちらからは見えぬとも、
その存在、こちらが感じれば、
ともすると言葉は伝わるだろうか]
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[対峙する始祖とジャニスの視界に 他のものは添え物のように映っているのだろうか。
見つめ合う二人はあたかも恋人同士のようで、
けれど── 熱を持たないそれを、人は愛とは呼ばない。]
(2) 2014/02/22(Sat) 09時頃
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[そして、自身の遺体の前、空を仰ぐ獣を見つけた時、
傍に躊躇いもなく寄って、
その背に手を置くと、
それが周だとわかったから]
――……だがら、おまーはあやまんな、っていっでるだ。
謝るのはおでのほうだで。
ごめんな。
おまーを死んででも連れでかえればよかっただ。
ごめんな。
おでは、全然役にたたなかっただよ。
[そして、思う。
悔しかった]
[もちろん、言葉が周に通じているかないかはわからない。
周はこちらの存在など全く気がついていないかもしれない。
だから、これは、ただの独白だ。
でも、信じてた周に、かけていた負担も今考えれば大きく思って、
そして、友人として、どうしても、言葉かけずにはいられなかった]
――……周、ごめんな。
おで、お前にいっぱい負担かけてたと思うべ。
お前を信じていだがら、なんでいえば聞こえはええだがな。
結局はお前に甘えてたんだべ。
だがら、お前がいなぐなって、
本当に、辛かっただ。
お前は、そういう存在だっだだよ。
本当に、本当に、
お前はすごいやつだっだんだ…。
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[リカルダの首に絡む始祖の指。 近づけは折ると、その瞳が語る。
だから、絢矢は──]
───…
[──ジャニスが始祖へと歩み寄り 斧を突き刺す予備動作に入った瞬間、 膝が軋む音を立てるほど強くアスファルトを蹴り、 ジャニスの躯によって出来た始祖の死角から駆けた。]
(3) 2014/02/22(Sat) 09時頃
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[訪れない機を待って潰えた者のいかに多いことか。 冷酷な鬼を相手に、待つは愚か。
待てど進めど、 失う可能性の同じならば、絢矢は走る。
二度と、後悔はしたくないから。]
(4) 2014/02/22(Sat) 09時頃
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でも、だがら、苦しみも、きっど、おでなんかよりすごがっただよな。
お前はそれでも、前を向いて、
今も、抗い続けてるっできいただ。
[背においた手、きゅっと力を入れるけれど、伝わるかどうかわからない]
周。
きっど、お前は、それでも始祖を討とうときっと思っているんだど思う。
わがる。だっで、5年、もちろん、その前から一緒にいただ。
きっどそれで、また、苦しんでいるんだど思う。
でも、きっど、もう、いいだよ。
お前も、仲間を信じていいだよ。
きっど、絢矢やキャロライナやマドカや涼平を信じていいだよ。
だっで、お前をみて、おでらは、
強くなっだんだがら。
ありがどな。
もう、楽になっでぐれないがか?
周が一人で戦っているのは、
哀しすぎてみだぐねぇ。
そでより、おでと一緒に帰ろ?
[それは、死霊の誘いにも聞こえてしまうだろうか。
死への誘いに聞こえるだろうか。
でも、精一杯の周への懺悔であり、
そして、周をその地獄から救いたいと、今度こそと思うから**]
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[斬撃は音もなく──。
三日月の鋭い尖端が始祖の胸に埋まるより早く、 リカルダを掴んでいた始祖の腕が、 その肩先からずれて落ちる。
何かが、肉を貫く音を聴きながら、 幼い躯を抱き締めて、始祖の背後へと駆け抜けた。]
(5) 2014/02/22(Sat) 09時頃
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[>>8:112聞き知らぬ名を呼ぶ、 聞き憶えのある誰かの声。
声の方へ振り向いて──]
零──…
───…… 明ちゃん!!
[柔らかな胡桃色に吐息の緩むより、 明之進が膝を屈するのを見て 燕のとって返すように、再び地を駆けて戻る方が先。]
(6) 2014/02/22(Sat) 10時半頃
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[強く、固い地面を踏み締めるたびに 鮮血が灰色を赤く染める。
戦闘で温まった躯から、 血は止まることなく零れ落ちる。]
…──、 ごめん明ちゃん、耐えて。
[小太刀を鞘に納め 眼を瞑る明之進の肩を抱くと、 太腿から抜いたくないで躊躇なく傷口を抉る。
深く、容赦なく、くないは肉を裂き孔を広げる。 瞬く間に冷たい血の海が足元に広がり、 その中で、絢矢は明之進の頭を自らの肩口に押し付けた。]
飲んで、明ちゃん──。
[声は祈るように。]
(7) 2014/02/22(Sat) 10時半頃
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[閉じた瞼に影が降りると、>>7 いっそう血の香が濃くなった。 始祖に相対している間は意識の外にあったのに]
……? 絢矢……
[薄らと目を開けば汚れてしまった鳥羽色の袖。 もぞもぞと頭を動かせば、視界の端に切っ先を見た。
予告は一瞬]
ッッ、
――あああああぁぅう!!!
[死毒の刀傷を、潰して上書きする苦無。 深みの血肉をぎちりと抉る刃先に、抗して震えた。 噛み締める歯が砕けないのは幸運だろう。]
(8) 2014/02/22(Sat) 16時頃
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[額を肩口に押し付ける。しかし背に縋ってしまえば 彼女を裂くかも知れない腕は、固められた地面を がり、と両手で掻き毟るだけで。
身は冷たく濡れて、力が抜けていく。 頭の位置がずらされた]
な…………にを、――って、るの。
[頻回の呼吸の中で解りきった事を問う。 それは、駄目だ。絢矢が死んでしまう]
……、……
[物言わず、もぞ、と頭を揺らした。]
(9) 2014/02/22(Sat) 16時半頃
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[夢をみた。
幸せな夢だ。
孤児院で暮らしていた、昔の夢。
皆と再び暮らし始める、未来の幻。
とても幸せな夢だった。
皆、笑ってた。]
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