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― 夜の居間 ―
[血やもろもろで汚れた服は着替えていた。
居間に入れば、ノックスと、トレイル、ニコラがいて。
ためらうように足を止める。
ソファに座っている二人を見ないようにして、炊事場へと向かおうと思えばノックス
ノックスさん……
いまは、痛み止めきいてるから……
[謝罪に、眉をさげる。
トレイルにちらりと視線を向けて、フランシスへというのにはゆるりと首を振った。
熱の発散はしたけれど、怪我による発熱はまだある。
どこかぼんやりと、危機感がないのはそのせいで]
――っ
[近づくフロスティブルーの瞳に、琥珀がゆれる。
ざわり、ざわつくものはやはり感じて、視線をそらした]
[冷たい水を受け取り。
小さな声で告げられる言葉
ノックスへと感じる衝動は、どういった気持ちからなのか、よくわからなくなっていて]
――いや、俺が、不用意に近づきすぎたせい、だと思うから……
[許せはしないけれど、声高に非難するつもりもなくて。
わずかに赤みが残る頬に触れられて、眉を寄せる。
痛みがあるから、と拒否すればなおさら、確認しないとと言われて逃げられず]
――ちょ、ノックス、さん……っ
[抱きしめられて、びくりと震えた。
触れる手に、ぞわりとうごめくものがある。
発散したばかりだというのに、ざわめくのは、血の味を覚えたからか]
……だから、こういう、のは……
[やめてほしい、と逃げようとするけれど。
まわされた腕ははなれず、背を撫でなれて吐息をこぼす]
あ……っ、――だめ……
[悪戯な手
その、白い喉に噛み付いてしまわぬよう、耐えることに神経が向かって。
彼の思惑には、気づかない*]
メモを貼った。
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メモを貼った。
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[
生きている誰かの幸せは、わざわざディーンが願う程では無い。
自分の唯一である彼の幸せは願うものではなく、寄り添って共に見るものだ。
だから、ディーンが幸せを願う対象は、シメオンの他にない。
それともまた、彼の道も変えようの無いものだったのだろうか。
考えたところで詮無いことだ。
記された物語は頁を巻き戻すことは出来ても、もう書きかえることは出来ない。――自分は、魔法使いでは無いのだ。]
[
名前を呼ばれる度に、むず痒い心地がしていた昔を思い出した。
いつの間にか、そばにいることが当たり前になっていた『弟』の手を離したのは他でもない、ディーン自身だ。]
――…………ありがとう、シメオン。
僕は、君が居てくれて、幸せだった。
[置き忘れていたものは後悔でも無く、謝罪でも無かった。
伝えるべき最後の言葉を置いて、ディーンはシメオンに背を向ける。このままここにいれば、また身勝手な後悔と謝罪を、彼に押し付けてしまいそうだったから。]
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[熱の解放。 (13) 2014/11/21(Fri) 22時頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[特別、と紡ぐフランシス>>14に頷く。 (18) 2014/11/21(Fri) 22時半頃 |
メモを貼った。
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[甘く耳朶を擽るフランシスの澄んだ声音。 (27) 2014/11/21(Fri) 23時頃 |
[そうして瞬きをした次の瞬間。
ディーンの姿は、
空っぽになっていた片目にも、元と同じ藍鉄色が嵌っている。
ディーンは宝石箱の中に収まる自分の眼球を見て、ニコラの唇がディーンについて紡ぐのを聞く。
彼の唇は、果たして何度名前を呼んでくれるのだろう。
宝石箱の中にある眼球は、いつまで腐らずに形を保つことが出来るだろう。
食われて、彼と同じものになって、それでおしまいだと思っていた。しかし、まだここにひとかけら残っている。
彼の目は、それに気付かない。]
――…………ニコラ。
[はやく気付いて。はやく慰めて。はやく触れて。はやく――。
ディーンは何かを堪えるように眉を寄せ、その場にうずくまる。
胸に刺さる棘が、痛い。**]
メモを貼った。
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[跳ねる身体を抱きしめその背を撫でる。 (42) 2014/11/22(Sat) 00時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[舌に残るはフランシスの肌の味。 (49) 2014/11/22(Sat) 00時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[最愛の人を食べたくなる。 (52) 2014/11/22(Sat) 01時頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[眠るフランシスの身体を濡れた布で拭い、 (65) 2014/11/22(Sat) 01時半頃 |
うん
……うん
[幸せだった、そう言って貰えるだけで
嬉しくて、涙が毀れそうで――それでも笑った。
笑って、見送って
彼が消える前に、天井を仰ぎ、そのまま後ろに倒れた]
[ベッドは柔らかく弾んだ。
目を閉じて、それでも足りなくて手の甲で瞼を覆う]
……ふ、ぇ
[呻きに似た啜り泣きが、命の気配がない部屋に響いた。
流れる水が耳に入って気持ち悪いし、
頭の奥の方が熱くて、重くて
止めたいのに、五月蝿いと思うのに]
な、んだよ ……もう
[あれだけ落としてきた記憶が、
涙が流れるのと同時に帰ってくる。
傷からの発熱で、旅に出てすぐ熱を出したこと。
触れないように髪を撫でてくれた手を振り払ってしまったこと。
何もすることがなくて、文字も読めなくて
仕方なく、宿の女将から繕い方を習ったこと。
春に、なったら―――]
[いつしか啜り泣きは止み、少しずつ、息を整えていく。
濡れた瞳はぼんやりと天井を見上げ、閉じた窓に向けられた。
―――春は、遠い。
暖かい日差しが、もう浴びることの出来ない太陽が
どうしようもなく、恋しかった**]
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[眠るドナルドの眉根がきつく寄せられる。] (68) 2014/11/22(Sat) 02時頃 |
メモを貼った。
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド―― 三階/個室 ―― (82) 2014/11/22(Sat) 02時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[部屋をゆると見渡す。 (87) 2014/11/22(Sat) 02時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[怪我を負っていたラルフの不在。 (93) 2014/11/22(Sat) 02時半頃 |
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― に至る前―
――っぁ、……く、う……
[ノックス
与えられた口付けに翻弄されて、気づいたときにはノックスに咥えられていた。
やんわりとした刺激に身を震わせて、喘ぎを押し殺す。
色素の薄い髪が、低い位置にある。
そこから聞こえる、濡れた音に、ぞくりと、震えが走る]
……は、……ん、ノックスさ、ん……
[ふる、と頭を振る。
強い刺激に足が震えて崩れ落ちそうになり。
けれど、支える手が、足に触れて。
誰も触ったことのない箇所を解されて、期待と不安に怯え]
あっ……ん、ん……っ
[もうすぐ、というところで離されて、物欲しげな色が無意識に浮かぶ。
濡れた音に煽られながら、ほかの事は考えられず。
ソファから見えていることすら、意識できなかった]
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