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―新宿―
いや、違うんスよ。
まあ、ちょっと……このところ、カラスに目つけられてるっつーか。こっちをつけられてるっつーか。
なんなんスかねえ、全く…
[視線でちらちらと上空の様子をうかがう。カラスらしき影はない。]
まあ、鈴里さんが気にしてないならいいんっスけどね。
多分、何かあるとは思うんっスけどね、あの部屋……
[彼女がどこに行くかという事は少し気になったが、そちらの件は彼女の仕事だ。自分の件とはまた違う話だろう]
そっちの物件は事故っつってももう少し違う案件なんでしょう?
……まあ、気つけてくださいよ。
[鈴里には、そんなように告げておいた]
[パパが出てきたのはそれから30分くらいしたあとだった。
安心したような表情でビルから出てくる。
それから、腕時計を見て足早にどこかに向かおうとして、通りがかったタクシーを止めてしまった]
「○○病院まで、急いで」
[病院の名前は良く聞き取れなくて、タクシーのドアが閉まってしまう。
タクシーは、北に向けて走り出し排気ガスの向こうに消えていく]
[それを見送って、それから私は又当てもなく新宿駅前まで戻っていた]
駅、入れるかな?
[電車で家まで移動してみよう、と思ったけど。聞こえてきた音楽にびくっとして振り向く
怖い、と思った。何か、得体の知れないものがいる。
よく見れば、テレビで見た気がするような、その姿。
怖くて、思わず柱の陰に隠れた]
さて……
[鈴里と話をしていたのはどのくらいだったろうか。
別れて、どこか診療所か、せめて薬局を探して歩きだす。
歩き出して、どこかの横断歩道に出た時。]
「危ない!!」
[どこからか声が聞こえた。はっと辺りを振り返る。聞こえるのはその声の他には雑踏と、行きかう車の音と、タイヤの擦れる…]
………え?
[振り返った時には、トラックがこちらに向けて突っ込んできていた。反射的に飛びのいたのか。それとも吹き飛ばされたのか。目の前が暗くなる感覚と……それから地面に叩きつけられたか、背中に衝撃が走って。]
なに、が……あ、いつは……
[息ができなくなるほど背中を地面に叩きつけられた。人が集まってくる。右足に激痛がはしっていた。人が騒ぐ声。他にも負傷者がいるらしい。電柱にぶつかって前方が大きくひしゃげたトラックの運転席側の窓から、1羽の大カラスが飛び立った。
ハンドルを取られたせいでこちらに向けて突っ込んできたのだろうか。
……意識を失う前、病院の救急病棟で目を覚ます前に新宿の交差点で見た光景で、覚えているのはそこまでだった**]
メモを貼った。
[それは消えた、ようにみえた。ううん、ただの幻覚だったのかも知れない。
一瞬だったし、何も、なかったように]
「こわい」
[右手の子が小さく呟いた]
うん、怖い。ね。あの人、大丈夫、かな……。
[襲われそうになった女の子は私と同じくらい?
どちらにしてもこちらに気づく事なんてないから、私はその怖い場所から離れようとした。
さっき見た人と同じ顔が見えて足が止まる]
……?
[でもあの人は怖くない、と思う。同じ顔なのに。
それでも、柱から出ると、離れるように駅の中へと入った。
家に帰ろうと思ったけど、少し怖くて、右手に引かれながら駅の中を*歩く*]
メモを貼った。
【人】 トレーサー キルロイ― 夕方:新宿駅周辺 喫茶室 ― (85) 2016/10/03(Mon) 15時半頃 |
【人】 トレーサー キルロイ――――――――――――――― (86) 2016/10/03(Mon) 15時半頃 |
【人】 トレーサー キルロイ[宮城の実家は、神社である。 (87) 2016/10/03(Mon) 15時半頃 |
【人】 トレーサー キルロイ[続いて、ノートPCからのメールを確認すれば不動産会社からメール(>>3:258)が届いていた。 (88) 2016/10/03(Mon) 15時半頃 |
【人】 トレーサー キルロイ出目さん。 (89) 2016/10/03(Mon) 15時半頃 |
【人】 トレーサー キルロイ……俺が書いたものに見えますか、やっぱり。 (104) 2016/10/03(Mon) 19時頃 |
【人】 トレーサー キルロイ書いてる時間なんて無かったんですよ。 (106) 2016/10/03(Mon) 19時頃 |
ねぇ、ここはどこ?
新宿駅、だよね。
[怖くはないと思うのに、右手に引かれていく先はよく知らない場所になっていた。
新宿駅は何度も来ている。小さい頃からすればずいぶん変わりもしたと思うけれど、大きくなってからは入っているテナントが変わったとか、広告の配置だとか、細かくは変わっても、駅の構造そのものは少なくともここ数日で変わるものじゃない]
「カエリミチ、知ってるから、だいじょうぶ」
知ってるって、でも、どこに……。
[駅の中、たくさんいた人達の存在が希薄になっていく。
何だっけ、こんな話、知ってたような気がする。友達とのたわいない会話、その中で耳にしたような、都市伝説]
[それとも、全く別の場所だろうか。
だって、今の私は少なくとも「生身」じゃないことを知ってる。
新宿に来たのだって、どうやって来たのかも思い出せない。
何より、今私は――――にいるのだから]
どこかの、駅?
[返事はないけれど、右手を引く存在は少し楽しそうに見えた]
ねえ、楽しいの? どうして?
「タノシイ。遊ぶの、楽しい。おねぇちゃん。
今ね、ここにかくれんぼしてる人、いるよ。ダカラ、見つけて遊ぼう?」
[誰もいない駅。天井にはライトがついているのに、どこか薄ら寒さを感じる。
ひょっとして、と「ヤヘイ」の事が頭に浮かんだ。彼と遊ぶのは嫌だな、と思って足がすくむ。
右手は変わらずに私を引っ張っていくけれど]
【人】 トレーサー キルロイ[東京村に入り込んだよう、という照子の言葉にリュックの中にある『東京村』へと視線を向けた。 (126) 2016/10/03(Mon) 21時頃 |
―新宿衛生病院―
ここ、は……?
[白い天井だ。声を出そうとして、痛みに胸を押さえた。
たまたま傍に看護師が付いていたから、話は早かった。
どうやら、自分は新宿の交差点でトラックの衝突事故に巻き込まれたらしい。他にも死傷者が何人も出たそうだ。それを考えれば、頭を打ったとはいえ肋骨にひびが入ったのと、右足を骨折しただけで済んだ自分は大分幸運だったのだろう。]
とは言え、これじゃ明日の面接は無理か……
随分大きな事故らしいし、連絡入れりゃ何のことかわかるだろうが……相手さんが面接待ってくれるかどうか。
ま、ダメならしゃあないな。今更10日ぐらい入院したって大勢には変わりねーし。むしろ再就職してすぐ入院ってなるよりこっちの方がまだしもだな。
[失うものが何もないのだし、重傷でないから入院もかえってアリだ。そう開き直ってベッドに寝転ぶ。]
……ん?不在着信か、これ。
[表面がひび割れているものの、機能自体は問題なく使えるスマホに着信が
これは……鈴里さんか?
[発信相手に向けてこちらからかけ直す。不在でも問題はない。用があれば向こうからかけ直してくるだろう。そうしながら、考えるのは事故の事だ]
あのカラスが運転席から飛んでいくのを…確かに見たぞ。
運転席の窓が開いてるところに入り込んで、運転手を襲って手元を狂わせたか……無茶苦茶やりやがる。
どうすっかな……
[今となっては疑いようもない。隣室の3人とも、あのカラスが通風孔の中の何かを人の目に触れさせないために何らかの方法で殺害したのだろう。
となると、このまま戻っても、また狙われるのがオチだ。何か対策を考える必要がある。]
駆除するつもりでいかねーと、こっちがやられるな……
[幸いにもまだ10日ある。黒い鳥に状況報告と面接延期の申し出を済ませた山岸五郎は、もはや面接の行方よりもカラスへの対策に意識を集中させていた]
【人】 トレーサー キルロイメタホラーをやろうとして没にした時の名残なんですけどね。 (132) 2016/10/03(Mon) 22時頃 |
─ 出られない駅 ─
[切れてしまったスマホは、胸ポケットに入れておく。いつまた、鈴里から……もしくは他の誰かから着信があるとも限らない。そうなれば真っ先に気付く場所に仕舞っておいた。
人の声が聞けたことで、ほんの少しだけ救われたような気分がある。と同時に、次はもうないのではないかという恐ろしさもある。不安は、より大きくなったかのようにも思える。
階段を登ってみる。
少し開けた場所を左右見渡して、左を選んだ。
初めてくる場所のような気がする…いや、前も通ったか?
分からないながらも辺りを見渡し、ヒントを探る。]
『「出られない」の?』
[他にすることもなく、だから脳裏には鈴里と交わした言葉が繰り返しある。>>3:*15
出られないのだと答えはしたが、そもそも何故彼女はそんなことを言ったのだろう。そう振り返ってみれば、随分前の会話もまた思い出される。休憩室で交わした、他愛もないほどの会話が。]
[東京から帰りたくない
確かに自分はそう言った。それに対して、彼女は同情めいた口調で、いろいろねと応じてくれたものだ。
出たかったり出たくなかったり。それは確かにそうなのだとしても、「出られない」と「出たくない」では大いに違う。だからやはり今は、「出られない」のだ。]
ヤヘイも……、
[いるのかな。と、思う。
こんな迷宮にいるのだろうか。それとも彼にとっては、もうあの日常の街そのものが出られない迷宮であったのだろうか。となれば今の自分も、あるいは彼と同じものとなりつつあるのだろうか。]
[嬉しくない想像に顔を顰めながら歩く。
電池の残量を気にしながら、時折、澪音と彼女の両親への連絡は試み続けた。繋がりはしない。鈴里からの連絡もまた、途絶えたままだ。]
(澪音ちゃんに、無事と伝わっていればいいけど。)
[とはいえ余計心配をかけてしまうか。しかし年下の従妹に無事が伝われば、ともかく生きていると知れればとは思う。もっとも、この先も無事かどうかは分からないけど。]
[角を曲がれば、行き止まりだ。
そんな理不尽にも慣れてきた。ため息一つ落として踵を返し、また違う道をたどり始める。]
………え。あれ?
[その向こう。これまで人の気配も見えなかった構内に、女の子の姿
君!?待って…!
[声を張り上げて駆けだしていた。*]
メモを貼った。
【人】 トレーサー キルロイまず、昨日の朝に出目さんから東京村執筆の依頼を受けました。 (134) 2016/10/03(Mon) 22時半頃 |
【人】 トレーサー キルロイ帰宅途中に新宿駅で、ヤヘイを探している少女と出会います。 (142) 2016/10/03(Mon) 23時頃 |
【人】 トレーサー キルロイ
(145) 2016/10/03(Mon) 23時半頃 |
【人】 トレーサー キルロイその話を聞いていると徐々に一二三少年の様子がおかしくなっていき、剃刀を手に取り自傷をしようとしたので、殴って止めました。 (150) 2016/10/04(Tue) 00時頃 |
【人】 トレーサー キルロイまた一つ、繋がった……。 (159) 2016/10/04(Tue) 00時半頃 |
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