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![]() | 【人】 道案内 ノックス――っ……!! (6) 2011/05/21(Sat) 00時頃 |
[初めは、そっと重ねる程度。
そのうちにもう少し、もっと、とばかりに深めていった。
……暫くしてから、唇を離して]
ん、……疲れてると、嫌な夢も見る。
[対して、自分が見た夢は呑気なものだった。
淡い薔薇が色づく優しくて穏やかで暖かい夢。
その中で、まるで貴族の子息みたいに、召使に傅かれて夕食の用意だとか言われて……]
……あれ?
[夢だったのか、うつつだったのか、急によく解らなくなって。
瞬いて、ふいに扉の方を向いた。]
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![]() | 【人】 道案内 ノックス[文から伸ばされた腕は、ぎりぎりのところでかわした。 (11) 2011/05/21(Sat) 00時半頃 |
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![]() | 【人】 道案内 ノックス―自室前― (16) 2011/05/21(Sat) 00時半頃 |
![]() | 【人】 道案内 ノックス大丈夫。 (19) 2011/05/21(Sat) 00時半頃 |
[求め合ったのは、どちらが積極的だったか。離れようとすれば、離さないとばかりもっと、と深く。お互いそうして、絡み合う。
離れるまでは、何度そうして触れ合ったのか、もうわからなくなっていた。]
[くちづけにぼうっとする思考のどこかで、あれ、と声を聞いた気がした。]
――どうした?
[視線を向ける先、同じく視線を向けながら。掛ける声は、先程の夢のあとよりも落ち着いて、常ごろの響きを取り戻し始めていた。]
![]() | 【人】 道案内 ノックス[手が繋がっていないのを見て、安堵した。 (25) 2011/05/21(Sat) 00時半頃 |
や、なんか……。
[つい先ほどまでの恍惚も抜けた顔。
最初はどこかきょとりとした様子でもあったが、いつも通りの哲人の声を聞いて、少ししゃんとし始めてもいた。]
ばんごはんー、とか呼ばれてたような。
確か、いつか、えっと……。
[その記憶の中の声の声色を思い出せない。
思い出せないが故に、ある一つの考えに至った。
居なくなっていた誰かが来たのでは、と。]
……皆、居る。
行こ、テツ。
![]() | 【人】 道案内 ノックスや。それはだめ。 (29) 2011/05/21(Sat) 01時頃 |
呼ばれてた?
[まるきり記憶になくて、こちらもきょとんと疑問符をつけて繰り返す。
けれど、それが本当なら、ありがたいとも思えた。腹は減っていたし、何より誰かいる確証。
艶めいた時間よりもそれを優先しまうのは、色気のないことではあったが重要なことにも思えて。]
行ってみっか。
![]() | 【人】 道案内 ノックスへーき。 (33) 2011/05/21(Sat) 01時頃 |
―― おそらくは、元の自室に近い部屋 ――
……ん、……?
[やわらかな布が、首筋を擽っていく感触。
優しくてこそばゆいそれに、ふ、と目を開ける]
『おめざめに なられましたか』
[表情の無い顔。清潔感のある、質素に整えられた髪と服装。
問う間も、丁寧な手つきは止まらず。
ぼろぼろになって、赤い染みの散らばる自分のシャツが、丁寧に畳まれているのを見つければ、彼女が傷口を清めてくれているのだと、気づく]
![]() | 【人】 道案内 ノックス……傷、だらけ? (36) 2011/05/21(Sat) 01時頃 |
……もしかして、日向の同僚?
[喉が掠れて、うまく声が出せない。
当たり前か。雨の中、2度も力尽きるまで外でうろうろしていたのだから。
普段の自己管理はしっかりしているとはいえ、風邪のひとつやふたつ、ひいても仕方が無い]
『ここでの すべての おせわを。
どうか ごゆるりと おまちください』
[お待ち下さい?
妙な言葉だと思ったけれど、問い返すために喉を振り絞る気力が、眠気と共に消えていき]
…… 日向。 まってる、から。
[呟いたのは、どちらの名か。
拭われる優しさに誘われるまま、また目蓋を閉じた*]
[うん、と哲人に頷いて、ゆっくりとベッドから下りた。
それから、彼の手にそっと片手を差し出して。
そして、廊下への扉を開けると――知らない人がいた。]
えっ
[待ち伏せのようにも見えて、ぎょっとした。
もしかしたら、一度呼んでからずっとここで待っていたのかもしれない。]
あ……えっと、すみま、せん。
おどろいて、しまって。
[召使然とした人――といっても召使さんは雇ったことなかったから、実際どうなのかは良く解らないけれど――はただ、大広間で夕食の用意ができている旨を述べて、案内するように歩き始めた。
まるで自分たちを客人のように扱っているような感じを受けた。]
……テツ。
今の人、見た覚え、ある?
[彼にだけ聞こえるように、囁いた。
自分でもいつだったか、屋敷のお手伝いさんの姿は見かけた覚えがあったのだが、その人物とは別人に見えたのだった。]
![]() | 【人】 道案内 ノックス……。 (43) 2011/05/21(Sat) 01時頃 |
[差し出された手を、迷わずとる。つい先程まで立場が逆だったように思えて、口角だけで笑った。]
――っ、わ、
[けれど、その笑みも扉を開けた先の人物を見て、消えた。
目を丸くして、一歩後ずさる。]
[うまく言葉を口にできないでいれば、目の前の人物は夕食の支度ができているのだと、そう恭しく告げて、先導するように歩き出す。]
行、くか?
[隣の蓮端にそう伺った。]
[返ったのは、おそらくYesだったか。追いながら、問われたなら首を振った。
知ってるやつなら驚いたりしない。知らないやつだからこそ、案内に従うかどうかまで決めあぐねたのだ。]
![]() | 【人】 道案内 ノックス[聞いた話を合わせる。 (53) 2011/05/21(Sat) 01時半頃 |
[促される先。歩いていく道のりも、別荘と変わらない。
階段を下りて、大広間に向かっていく。
ただ、一番違う、のは。]
――大須!
[そこにいた、人物。]
![]() | 【人】 道案内 ノックス[もたもたしているうちに外に出ていた面々が戻ってきてしまった。 (60) 2011/05/21(Sat) 01時半頃 |
[突然のその人物の登場に、色々と頭が真っ白になっていたらしい。
その時の哲人の反応に気を配れていれば、問うまでもない問いを掛けることはなかっただろう。]
…………。
[哲人
それから此方の問いに、彼が首を振るのが見えれば。
……かいだん。ゆうれい。頭の中に浮かぶ単語。]
だいじょうぶ。たぶん。たぶ、ん。
[手を握る力を強めながら、大広間の方へと促した。]
![]() | 【人】 道案内 ノックス[タオルが受け取られてほっとする。 (65) 2011/05/21(Sat) 01時半頃 |
[それから、辿り着いた先で、その人の姿を見ることとなった。]
カツくん! ……良かった、居た。
[哲人が彼の名を呼んだ後、続けるように、声を掛けた。
そして、いま一度広間の中を見渡して……]
……他の皆、は?
[別の部屋に傷を負った楓馬の姿があることに気づくこともなく。
克希からの返答は、わからない、というものだっただろう。]
![]() |
[他の皆、に対して、わからない、という返答。
嫌な予感、がする。
目の前の行方不明者の発見にも、素直に喜ぶことはできない。]
それでも、お前がいて、よかった。
いなくなったって、大騒ぎしてたから。早めに戻れよ。
何か、知ってるか。
[そう聞けば、大須は首を振るばかりだろう。
口を開いたなら、ここから出ることができないこと、自分も気づいたらここにいた、などと、話してくれたか。]
どう、いう、ことだよ。
[気づいたらここにいた、出られない。嫌な予感がはっきりとした形を成してくる気がして、声が少し、震えた。
目の前には、夕食が奇麗にセッティングされて、並べられている。それが、一年生の作った夕食でないことは、見て取れて。]
ここ、おかしくねえか……
![]() | 【人】 道案内 ノックス―回想・悠里が部屋を出ていく前― (74) 2011/05/21(Sat) 02時頃 |
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