162 絶望と後悔と懺悔と
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/17(Mon) 00時頃
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[安吾と絢矢の姿に、彼らが黒百合を倒したのだと思った。 だが、始祖との打ち合いの隙間に微かに流れて来た声に、 驚いて目を瞬く。>>0
『可愛い娘』が意味するところはリカルダではあるまい。 つまり、真弓が黒百合を殺した事になる。 ――今は、考えている暇はない。
放っておけば人間達が討たれるだけだ。 特に絢矢は見るからに深手を負っている。 なすべきは、かの始祖から絢矢を引き離す事と定めた]
(6) 2014/02/17(Mon) 00時半頃
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やっぱり――もう、居ないんだね。
[空の懐を撫でる。 父と娘を称して歩いていた背中の片方は、もうない。 父と呼ばれた者は、そこに家族の思いを抱くのだろうか。
注視するのは安吾と共にいる絢矢の動向。>>8 彼女が始祖に切りかかるようなら、間に割って入り その刃を止めるつもりで、戦場に踏み込んだ]
(12) 2014/02/17(Mon) 00時半頃
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[始祖の狙いが安吾に定まっている、今しかない>>15]
キャロ君ッ。
[傍らに掛けられる声は名前だけ。 この一瞬だけは、置き去りにする速度を出すしかない。
切っ先を交える二人を回り込んで、飛ぶが如くの力を 小柄な体に込めようとする矢を――
肩に手を伸ばし、掴んで、攫う>>16]
(19) 2014/02/17(Mon) 01時頃
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明之進は、キャロライナへと次に視線が示すのは、退路。
2014/02/17(Mon) 01時頃
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……くっ――
[突き飛ばされた勢いも借りて、退くように受け止める。>>20 どんなに小柄だろうが重いは重い。
かの始祖には、こちらの姿が見えていてもおかしくない。 殺気の出端を挫かれた少女を捕え、連れ去ろうとする姿が]
(25) 2014/02/17(Mon) 01時頃
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――――……
[かかる声に振り返る。>>27 瞼を伏しがちにする表情は静穏で]
代わりがあるものを、僕は、家族とは呼びません。
[暗赤色の眼は、名に言霊を負う通り、意思を刺す、視線。]
[気付くだろうか。 畏怖に声も発しなかった、今は亡き"娘"の眷属が。]
(32) 2014/02/17(Mon) 01時頃
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[縋る手は血の気を失って蒼白になっていても、 少なくとも自分よりは温かいように思えた。>>33 姿形の歳は、昔より随分近付いた気がする]
……もう痛くないよ。
[そして、憤りを宿す。 こんな風になるまで、絢矢を止めなかった者達へと]
(37) 2014/02/17(Mon) 01時半頃
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[始祖の声が明かす涼平の死に、一度は目を伏せる。>>36 だが、それだけだ。 キャロライナの行く先が退路を示しているから、 絢矢を抱いたままでそちらに向けて跳び、走った。
――涼平と同じように絢矢をも殺すか。
安吾やジャニスには、あるいはキャロライナにも、 そう取られてもおかしくはない動きだった]
(38) 2014/02/17(Mon) 01時半頃
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―退路へ―
[キャロライナの誘導で、開けた戦場から退却する。>>41 基地内には火が放たれた建物も少なくないが、 まだ無事な建物、恐らくは倉庫か何かに入った。
意識を失い、縋る力も失った体はより重く。>>40 その身を横たえると、しばらく整息に時間を費やした]
……本当の事だよ。
[それは、去り際に告げられた涼平の死について]
始祖様や、主様に命令されたからでもない。
[出陣前に黒百合が携えていた刀は躊躇なく折られた。>>36 これで、彼女の形見は何も残らないように思える]
(48) 2014/02/17(Mon) 02時頃
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"こっち"を選んで欲しいのも………… きっと、どこかで本心なんだ。
[人と鬼に分かれたままでは共にいられないと知り。
そして、どれだけの苦しみを伴うかを知りながら、 それでも、一緒に居ることを選んでくれる期待を。]
それで、恨まれたって良いんだ。 きっと恨む方が辛いけど……
そうじゃなかったら、忘れられたって良いから、 傷つかないで、笑ってくれたら、それで。
(51) 2014/02/17(Mon) 02時半頃
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[眠っている間だけは、痛みが遠のくだろうか。 いつかのように、絢矢の額に掌を置いた。>>44]
――これが絢矢の意志だとしても、 こんな風になる前に、どうして誰も止めないの。
[それが許せない。 まるで勝つために使い潰すみたいで許せない。
この基地を攻めるために嗾けられた捨て駒の吸血鬼達。 明之進はその真相を知らなかったが、少なくとも もう、あの白い外套を彼女に纏わせてはいけないと、強く**]
(52) 2014/02/17(Mon) 02時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/17(Mon) 02時半頃
― in the distant past ―
まあ、素敵。
それでは、お茶会としましょう。
[案内されたのは、瀟洒な宮殿の一室。
調度品も主の趣味が伺えるものが揃っており。
血のお茶会を愉しみながら。
先ほどの言葉を思い出していた。]
普段退屈してらっしゃるんですか?
まあ、分からなくもないですけど。
[永遠の時を生きる存在。
だからこそ、密度は薄くなっていく。
彼女の知る純血の中にも退屈に飽きて消滅を望んだものさえ居た。]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/17(Mon) 18時半頃
― in the distant past ―
素敵な考え方ですね。
……その先に、何があるかですか。
[闇に目を向けてその先に何を見出すのか。
それを自分も知りたいと思った。
だから、お茶会の終わりに彼に問いかけていた。]
ふふ、決めました。
良かったらしばらくの間。
この城で仕えさせてくださいませ。
[その言葉に目の前の真祖はなんと答えるのだろうか。
尤も、断られてもついていく心算ではいたのだった。]
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……それはやめてよ。 そんな事をするために、生き残ったんじゃない。
[共に死ぬかと言われれば、苦笑して否定する。>>74 自分だって、5年、忘れられなかった。]
……それが理由?
――あんな目に遭ったのに、その上こんな場所まで来て。 本当に……
[名を呼ぶ声は、吸血鬼の耳には微かに届く。>>78 不意に、入口に顔を向けた。]
(79) 2014/02/17(Mon) 22時半頃
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― in the distant past ―
では、そうさせていただきましょう。
これからよろしくお願いしますわ。
[この時点では、飽きればいつか宮殿を去って行く。
そのつもりでホリーは居たし、トルドヴィンも同じだったであろう。
好きなだけ留まると良いと言われた彼女。
いつしか、以前からこの場所に居たかのような錯覚を周囲も覚えて居たのだった。]
知っていますわ、お父様。
[いつの間にか、呼び方が“お父様”へと変わっていた。
その事を嫌がる吸血鬼も勿論居たが。
トルドヴィンが認めている事と、面と向かって文句を言った吸血鬼が殺されてからは咎める者も居なくなっていた。]
『日本』ですか。
文化にも興味はありましたし、是非とも行くとしましょう。
楽しみですわね。
[日本と言う国にて、戦いは苛烈だった。
こちらに対しても、武器を持ち。
或いは、集団を率いて襲い掛かってくる物たち。
幾多の仲間が散って行った。
その戦いのさなかにトルドヴィンの片腕まで落とされたのだ。]
ふふ、そうでしょうね。
これだけの戦いが出来る連中に出会えたのですもの。
もっと多くを知りたいと思われるのは当然ですわ。
[トルドヴィンと共に、数多の戦場を巡ってきた。
これほどに高揚している事も珍しいと思いながら。]
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ふっ。
[冗談に、つい笑ってしまう。 その裏側で、ちゃんと解っている。 まともなあの世になんて、行ける訳じゃない事]
……誰か、呼んでる。
(82) 2014/02/17(Mon) 23時頃
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[獣は鬼も人も、等しくその爪にかけながら、
金色の王ただ一人を求めて戦場を彷徨う。
周――、と名を呼ぶ声が耳に落ちた。
片目を歪に眇めた獣は首を廻らせ、黒衣の友の姿を見つける]
『殺せ――』
[脳裏に響き、獣を支配しようとする抗えない声に、唸り、呻き、
蹲り地に幾度も額を打ちつけ、サミュエルを――友をこの爪で引き裂きたいと、理性を捻じ伏せようとする衝動に抗いながら]
サミュエル……。
俺は……、もう、お前と一緒に帰れねえんだ。
すまねえ。――すま、ねえ。
[もう、戻れないことを。
いつかの言葉を守れなかったことを。
戦いの中、離れていく友の背に、幾度も――幾度も詫びた]
[跪き、苦悶する獣の姿を見かねたか、耳朶に柔らかな声が落とされる>>*32]
――なにが、だ。
お前が俺に、何を詫びる必要がある?
[その場にいない少女に、問う]
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……っ、?
[呼ぶ声は真弓のもの――だった、筈だ。>>81 一瞬、感覚が狂う。
そして、思い巡らせるのは、彼女の主の存在、 己の主の討たれた事、傍らの家族。 一度、キャロライナを見遣って意思を問う。
つと立ち上がると入口まで近付いた。姿を紛う事はない]
…………。真弓、ちゃん?
[だが、その気配に、問いたげな声が漏れるのは致し方ない。]
(86) 2014/02/17(Mon) 23時半頃
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[藤色か何かだったと思しき女学生の装いは血に染まり、 破れた袖や腹部が戦闘の激しさを物語っている。>>87 その腰に見慣れぬ短剣があった。
主の死は誰に言われるでもなく悟ったこと、 その行い手は既に始祖によって明かされたこと。
問いには、]
……――うん。
[明確な肯定。]
でも、何故。
(88) 2014/02/17(Mon) 23時半頃
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[>>*28『あなたを逃がせなかった』
真弓の端的な言葉を受けて]
……金色野郎の呪いが半端じゃねえってこと
こうなっちまって、ようやく分かった。
だから、お前が何をどうしようと、
多分、結果は変わらなかったさ。
[ああ、そうじゃねえ――呟き、言葉を探る]
俺が言いたいのは、
こうなっちまったことを、真弓が気に病む必要はねえって
――それだけさ。
[血の流れる額を押さえながら、口元を微かに吊り上げる]
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…………。
あ、いや。――驚いた。
そんな事を考えていたの?
[流石に、これには舌を巻く。>>96 唖然として、その口を落ち着くまで手で覆った。]
でも、そう……抗うつもりで、いたんだ。
[反抗的な態度を取っていたのは理依だけだと思っていたから、 それが酷く意外だった。 キャロライナが背後で動いているらしいのは感じていたが、 絢矢を案じている声に、止めるつもりはない]
納得した。一瞬、あのひとに呼ばれたのかと。
(99) 2014/02/18(Tue) 00時頃
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[ずっと抗う機会を窺っていた、と言うような弁を、 しばらく黙って聞いていた。>>104]
力を奪えば、って言ったのは……そう言う事でしょう?
[直円の名前を聞いて浮かぶ笑みには寂しさが宿る。 明之進に"思い"を教えたように、 真弓には"道"が与えられていたのだと。]
[キャロライナが横を通ろうとするのには、 どこへ向かうのかと、一言だけ問うた。>>106 手当の方法を求めての事と知れば、頷いて送り出す。]
(111) 2014/02/18(Tue) 00時半頃
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!
[表の戦火に照らされ、暗い赤の双眸は逆光にも光る。>>112 意識を戻した絢矢に振り向く]
まだ、動かないで。無理に動くと傷が……
[余りに平坦な声に返すのは問いへの答えではなく、 キャロライナが戻るまではその動きを留めようとするもの]
(114) 2014/02/18(Tue) 00時半頃
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[薄くつけられ、消えない傷。刃が放つ気配。 黒百合から託されたものだという短剣の性質を知った。 来歴は不明。銘は、主の名乗りそのもの>>118]
……真弓ちゃん――
[彼女は、言っている意味が解っている、筈だ。 かの始祖は自分以外の命の使い方を知っている、 最も愉悦と苦悶を引き出す方法で。
例えば、主の死により自由になった吸血鬼が、 鬼狩りの刃を向けた時、その前に立つのは――
始祖より前に、立ちはだかるのは誰なのか。]
(122) 2014/02/18(Tue) 01時頃
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僕は、良い。でも……
[真弓に答えきる前に、絢矢の覚醒を迎え。>>117 再度の質問を、一歩傍に寄り、膝をつく事で受けた。]
……キャロ君が戻って来るのを、待ってる。
[絢矢の体に掛けられていた軍服の上着を見遣って]
絢矢の手当をするために、戻って来る。
(124) 2014/02/18(Tue) 01時頃
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……――
[一瞬、喉から出かかった声を飲んだ。>>125 代わりに細長く息を吐いた。]
うん。……僕とリッキィの血の主は死んだ。
[血に縛られる事はもうないだろう。 真弓の声に引き寄せられる事はあるかも知れないが、 恐らく黒百合の本人よりもずっと弱い糸]
真弓ちゃんの事も、そう。
でもね、絢矢、
――それじゃあ駄目でしょう。
[そして、怒る。傷だらけの身を顧みない家族に怒って見せる]
(127) 2014/02/18(Tue) 01時頃
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