人狼議事


223 豊葦原の花祭

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【人】 手妻師 華月斎

─淡墨桜─

[ゆるゆると登った半月は、もう直ぐてっぺんになる。
その時、その巨木の近くには誰か居ただろうか。鳥居の反対側、木の根元に佇む男の傍には、少なくとも人の気配は無い。]

世の中に たえて桜の──…

[錆のある声が低く詩って、手のひらが硬い樹皮を撫ぜる。
額を寄せて、押し付けた。沁み入るみたいに注ぐ月光に、うん、矢張り頃合いだ。独りごちた声が、温んだ空気に混じって溶けた。

うすずみさま=B幹の反対側だろうか、樹医の少女の急く声。耳に届けば、男はふ、と苦笑する。]

(0) 2015/04/20(Mon) 01時頃

【人】 手妻師 華月斎

はいはい、只今。

[呟いて、枝の隙間から空を見上げる。
手を伸ばして、十分過ぎるほどに膨らんだ蕾に触れた。指の軌跡を辿って、ふわりと光の蝶が枝に留まる。

その瞬間──桜にしては濃い桃色の蕾が、淡い燐光を帯びて綻んだ。 ]

さて、皆の衆。
一差し、舞に付き合ってくれ。

[くるり、男と蝶が舞う。
一輪開いた真っ白なひとひらから、呼応するみたいに淡い光が広まっていく。
下弓張りの半月が、ちょうど真上に登り切る。その頃には、燐光は巨木全体を覆って────]*

(1) 2015/04/20(Mon) 01時頃

手妻師 華月斎は、メモを貼った。

2015/04/20(Mon) 02時頃


手妻師 華月斎は、メモを貼った。

2015/04/20(Mon) 15時頃


手妻師 華月斎は、メモを貼った。

2015/04/20(Mon) 15時半頃


【人】 手妻師 華月斎

[じっとりと肌に汗が滲む。足を動かしくるりと回る度、手にした扇子が風を巻いて、遠心力に振られた髪が頬へ張り付いた。
玉を結んで落ちた汗が、地面へと吸い込まれる。男は動きを止めると、手の甲でぐいと額を拭った。

荒い息を整えながら宵闇の空を見上げる。暗い色の瞳に映り込んだ半月は、まるきりおもんにやった飾り櫛のようだ。

と、視界の端にころころと転がり込む赤い何か。>>38
爪先にぶつかって止まったそれを、屈んでひょいと拾い上げる。赤い手毬。これは。]

あんたのかい?お嬢ちゃん。

[転がってきた方を見れば、紅い着物の幼子の姿。>>39
手毬を受け取りながらも、ぽかんと惚けたみたいにこちらを見上げて、小さな唇だけがはくりはくりと何度か動く。

小首を傾げてみると、懸命に押し出された声が言った。『あなたはこの地の人ですか』。聞き覚えのある音色に、おや、と思う。今朝の。]

(47) 2015/04/20(Mon) 23時頃

【人】 手妻師 華月斎

ああ、そうさ。
お嬢ちゃんは外神だろ?今朝、小鈴と一緒に居た。

[問えば幼子は小さく頷いた気がする。うすずみさま、白いんですね。ぼんやりした表情のまま、疎通が危うい問いが返る。

それには答えず、すたすたとその紅の目の前まで歩み寄った。
しゃがみ込んで、同じ高さの視線。にんまり笑えば、その表情は動いてくれるだろうか。ついでとばかりに切り揃えられたおかっぱを、ぐりぐりと撫でてみる。]

そんなに怖がんなくても大丈夫。
俺もお嬢ちゃんも、多分大して変わらない。
ほんのすこぅし、呼ばれる名前が違うだけさ。

[曖昧な物言いは、果たして幼子に通じたかどうか。
それはもしかしたら、神、とか、あやかし、だとか。そういう事を言っているのかもしれない。]

(48) 2015/04/20(Mon) 23時頃

手妻師 華月斎は、メモを貼った。

2015/04/20(Mon) 23時頃


【人】 手妻師 華月斎

慕う人の数?

[幼子の物言い>>51に、きょとりと瞳を瞬いて。その内で光る半月みたいに、男の眦が弓を引く。]

っははは…!
お嬢ちゃん、そうじゃない。
確かに信仰は力だ、だけど数なんてそんなに重要じゃあ、ないさ。

[呵呵と笑って、子供じみた仕草で膨れた頬を柔く揉んでみる。
何かとても難しい表情で黙り込む彼女は、なにを、誰を想っていたのだろう。]

……かみさま≠ヘ、其処彼処に在る=B
それを知るのがたった一人でも。

[秘め事のように囁いその瞳が、ほんの少しだけ揺らいだ。堀の中で見せたのと同じ、遠くの約束を思い出すような色。>>1:86

目の前の幼子が口を開く。少しの逡巡の後、お願いがあります、続いた言葉にまた小首を傾げて見せて。]

(61) 2015/04/21(Tue) 00時半頃

【人】 手妻師 華月斎

『ぎゅってして、いいですか』

[続いた内容に、今度はこちらが呆気に取られる番。
すぐさま浮かんだにんまり顔は、何故かは分からないが、常よりも目尻が下がった気がした。]

お安い御用だ。
そんなの、お願いのうちにもはいらねぇって。

[久し振り、お嬢ちゃん。
言って両の腕を広げた。幼子が飛び込んでくるなら、ささやかなその重みをしっかりと受け止められるように、と。]

(62) 2015/04/21(Tue) 00時半頃

手妻師 華月斎は、メモを貼った。

2015/04/21(Tue) 00時半頃


【人】 手妻師 華月斎

[腕の中で肩口に顔を押し付けて泣く幼子>>91の背を、あやすように撫でる。
『ごめんなさい』、『ありがとう』。嗚咽混じりの謝罪と感謝の、合間にあった言葉はなんだったろう。

それはきっと、積み上げられた小さな約束のひとつだ。
満開の桜木の下で、咲いては散っていく花を見上げて、誰もがいとも容易く口にする、他愛も無い、約束。

抱擁を解いた娘が、名を告げる。>>93その涙で濡れた頬を覗き込む男の表情は、ひどく、ひどく、やさしいものだった。

もうすぐ名前を失うと、そう言った彼女の紅色の着物に織り込まれた筈の夕顔は、ふうわり掠れて消えかけている。よくよく見ればその紅も、裾の方から淡く滲んで薄れていた。

また会いに来ると、久し振りといって欲しいと、涙混じりの笑みで強請られる。
男も笑って小指を差し出した。そうしてまた、小さな約束を積み上げる。何度でも。何度でも。]

(106) 2015/04/21(Tue) 15時頃

【人】 手妻師 華月斎

指切りしよう。
次も、その次も、綺麗に咲くからさ。
また、…会いに来て。

[小さな指を絡められる。
奇しくもそれは、少し前に何処かであったような光景>>95で。
揺れた袖から舞った蝶が、繋がった指を辿って夕顔に纏い付く。透明な青や薄桃や薄紫色の燐光は、しかし今度は消えずに色が抜けて白くなった彼女の袖や裾に焼き付いた。
淡く光る糸を縫い込んだような、艶やかな蝶の柄。]

目印。

[ひひ、と悪戯に笑って、幼子の髪をもう一度撫でた。
ホラ、行きな。軽く背中を押す。手毬を抱えた少女はすんなり歩き出してくれただろうか。]

祭りはまだ終わって無えだろ?
美味いもん食って、誰かと話して、楽しい気分でじゃあ、またね≠セ。
その後のことは、その時考えりゃいいさ。

(108) 2015/04/21(Tue) 15時半頃

【人】 手妻師 華月斎

[裾を揺らして遠ざかる小さな背中。
見送った表情が少し寂しげなのは、登った月がやがて落ち始めるから。

目を伏せ、耳を澄ます。
広場に集まった者たちが、無意識に積み上げていく。

来年も。
来年も。
いつかまた。
また。]

────ああ。約束、だ。

[気付かぬうちに積み重ねられた、再会の。]**

(110) 2015/04/21(Tue) 15時半頃

手妻師 華月斎は、メモを貼った。

2015/04/21(Tue) 15時半頃


手妻師 華月斎は、メモを貼った。

2015/04/21(Tue) 22時頃


【人】 手妻師 華月斎

―淡墨桜・枝の上―

[下から数えて四番目。
ひときわ太い枝に腰かけて、男は片膝に乗せた包みを漁る。今朝は固い蕾だった枝々も、今ではここが花霞だ。]

炒飯に箸って。鬼かよ。

[気が利かねえんだよなぁ。軽口叩いて手の内でくるりと箸が回転する。再びその手に収まった時、箸は木製の匙に変わっていた。]

こんな手品もあと数刻か。
まったく、さみしいねぇ。────ン、うま。

[もしゃもしゃと包みの中身を咀嚼する。遠くの木の上で、猫が地面のほうを見詰めているのが見えた。>>119随分高い枝だ。
大丈夫かなぁ。うっそりとした呟きは、地にも月にも届かない。

神様、なんて御大層な呼び名は、未だに尻がむず痒くなる。
沢山の人や、けものや、あやかしなんかが、きらきらした瞳でこちらを見上げてくるのは、とても、とても好きなのだけれど。

大勢が立ち入ると根が傷むから、と幹の周囲に張られた縄は、まるで向こうとこちらを隔てるようで。
下の喧騒を見詰める男の表情は、どうにも不満げであった。]

(144) 2015/04/21(Tue) 23時頃

【人】 手妻師 華月斎

ああ、────好い夜だ。


[逆巻いて吹いたぬるい風に、白い桜が揺れる。さわり。さわり。今にも枝から引きはがされそうに震えて。]


咲くにも、散るにも。…いい、夜だ。


[見上げた宵闇の瞳に、少し傾いだ半月が揺らいで――]**

(169) 2015/04/22(Wed) 01時頃

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