人狼議事


179 仮想現実人狼―Avalon―

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[    浮かぶ
             堕ちる
                    堕ちる
  
      浮かぶ  
              浮かぶ 
           
                          堕ち る  ]


[ 消滅と再生の狭間に
  少年は 揺蕩う
 
  深い井戸の底で
  光射さぬ天を 見上げながら **]


 ─ 回想 ─

[己の喉をかっさばいた男が、耳許に囁きを吹き込んでくる。
吹き出す血を押さえつけながら、苦痛に満ちた喘鳴と共に肩を上下させるリンダは、力なく一度だけ視線をクシャミに向けた。

終わらない。
彼はそう言った。

その意味を問いただそうにも、声を出す事は既に不可能で。
だからこその囁きかと気づけば、囁き主に唾棄してやりたい衝動が湧いた。
叶わない事だけど。

そうしてリンダは、フランシスカを避ける様にして広間から出ようと最期の時を足掻く*]


 ─ そうして、今 ─

[足元が覚束無い感触。
というより、立っているのか浮いているのかも曖昧で。

世界から切り離されている様な、そんな感覚を覚えていた。]

[痛みは感じない。つまり、今己だと思っているそれは、既に身体から離れた存在なのだろうと。
そう、納得した。]


 身体からも不要品扱いか。なんて、アバターに対して言ってもおかしな感じだけど。

[淡々と、そしてどこかに毒を隠す口調。
それはリンダを操作していた青年の口調だった。

うみたくなかった。
一緒にはなりたくなかった。

そんな言葉を聞いて育ち、幼ない頃から不要品なのだなと理解して。
身体の痛みを麻痺させる程度には、少年の頃にはどこかが壊れた存在だった。

それが、リンダの向こう側の人の下らない話。]


[アヴァロンというゲームの中で、自分は求めてもらえていたと思う。

意味の判らない愛を囁いて、淋しい人に寄生して、可愛がって、かわいがってもらって。そんなリアルの生活よりもずっと、必要とされていたと。

そう思えたからこそハマリ込んだ仮想現実。

そんな世界で消滅出来たら素敵だと願い。

その願いは、ハマリ込んだ要因である存在によって、かき消されてしまった。]

 ……無事ならいいな。

[慕ったアバターに名付けられたそれを胸のうちで呟き、頭痛を覚えつらそうにしていた綺麗な人におもいを馳せた。]


クシャミの喉嗄れを感じた気がするが何も出来ないと気づいた。


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