8 DOREI品評会
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[舞台にも響くネイサンの声。 女は表情を変えない。
奴隷を買ってどのように扱うかは、 人それぞれだと聞いている。 性奴とはいえ、人によってその嗜好は違うのだから、扱いも色々で。 結局最後には壊してしまう主人も多いのだと聞いた。
自分で壊すことはないといえる。そも、暴力的なことはあまり好まない。 女としての優しさというより、弱さというべきだろう。 それでも、誰か別のものが壊すというならそれは別で、奴隷が壊されてもそこには何の感慨もなかった。
今までは]
(187) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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向いてない、って……散々言われたし、分かってる。
でも、僕に価値なんて……。
――っ く
[自分を否定し続けたら、魅力がなくなってしまうと。テッドに言われた言葉を頼りに、嗚咽を堪える。 冷や汗がじわりと鼻梁の横を掠めて、唇に溶けた。]
(188) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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……っ、
優しい主人は見つからなくても、 優しい 人 はいた。こんな地獄の中でも。
[「奴隷」ではなく、「人」と言った。 包む手の優しさ、熱さ、力強さが、少女のなけなしの勇気を奮い立たせる。 知らず、眦頭から溢れるのは、汗とは違う塩辛い雫。 着飾っていた全ての虚飾と鎧を無防備に剥がれるこの場で、どこまでも誠実な人柄に触れれば、それは兄のように慕う感情に似て。]
(189) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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No.2に700入りました!!
波乱万丈ですね、どうなってしまうのでしょうか!? 定刻は間もなくですよー!
(190) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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[客席に入ってきた姿に、一度目を向けて、思わず扇子を取り落としそうになった。 平静を装い、何事もなかったように彼を見る]
居なさいと言ったのに。
仕方ないわ。 こちらに来て、傍にいて。
[声は舞台まで届くか。それでも誰が来たのかは見えないだろう。もっとも、該当するのは一人しかいないのだけど]
(191) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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No.4に700ポイントです!
ふふふ、ドキドキしますか? しますね? ふふふふふふ……。
(192) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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長老の孫 マーゴは、良家の娘 グロリアの声に入ってきたらしい人物を悟って目を伏せた
2010/04/11(Sun) 23時半頃
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うるせェよ…、悪趣味野郎が。
[たらし、と言ってくる灰青に、きっと鋭く金を向ける。
売られている立場。 それでも、まだ、自分を捨て切れずに保ち続けているのは意地でも矜持でもあった。]
―――… 俺の事は 忘れろ。 買われれば、覚えてるだけ 辛い。
優しくなんて… ねェよ。 俺は酷い男だ。
[それでも、少女が離さない限り――握る手は離さないまま]
(193) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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定刻です!!
おや困りましたね。同点が二人ですネ。 困りませんか。二人ともお買い上げいただきましょう!
NO.2とNo.4がともに700ポイントずつです!!
[道化は狂ったように木槌を打ち鳴らす。]
(194) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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――― ッ、 …
[嬉しそうに話す道化師が、この上なくむかついた。 表情が読めないペイント。 苛立ちと、嫌悪を 視線として一度向けた。]
(195) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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おお恐い。睨まれてしまいましたか? けれど道化師は笑っているものです。いつも、ネ。
[これが仕事だから、とは言わずおどけてみせる。]
(196) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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どうして、イアンもテッドも、 僕に忘れろって言うんだ。
[忘れられるはずないのに。握った手に僅か、力が篭り。]
酷いなんて、思ってもないこと言わないでよ。 僕なんか、あちら側に立っていたら 同じようなことをしたかも知れないけれど……
テッドは違う。
[ふるり、一度頭を振って。もう一度優しいよ、と囁いた。]
(197) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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辛くならないように配慮してくれる人を、 酷いとは言わないんだよ。
(198) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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―――… 茶番だ。
[おどけた道化師から視線を外して、少女へ向ける。 どうやら2人ともお買い上げされたようだ。
――― 誰が買ったかは 知らないけれど。]
おい、この椅子から下ろしてはくれねぇのか?
(199) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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……だそうですが、いかがいたしましょう、お客様方。
ああ、後ほど二人とも、あちらの小部屋に来て下さいね。 ご主人様に引渡しますから。
[道化は何も手を下さぬまま、舞台袖へと去って行く。]
(200) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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[命令を受けた舞台の屈強な男たちが、No.4を拘束から解く。 途中、その手の拘束が緩みヘッドホンもずらされていたことは、客席に報告されることとなるが。 誰の命令かは、奴隷の知るところではない。]
(201) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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… 性分だ。
[相手に辛さを残さないのは、自分を偽善化してる行為にも思えていたから 優しいと繰り返されても、曖昧な表情を返すだけ。 握ってきた手を、きゅ、と少し力を込めて握り返す。]
―――… 家のために よく、耐えて…頑張ったな。
(202) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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僕も、服が着たいのだけれど。
[急に偉そうに客席を見回した。くしゅん、と今更思い出したように小さな嚏が一つ。]
このまま引き渡し、が買った人の趣味なら、それでもいいけどね。
(203) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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家のため、になるのかな……。 未だ分からない、本当はもう、
ただ僕が、死にたくなかっただけだもの。
[醜い本心を曝け出して、それでもテッドの手を離さない。 もう流しつくした涙は涸れていて、葡萄酒色が眩しいライトを映して潤むだけ。]
誉められるほどのこと、じゃないけど、悪い気はしない……や。 テッドにも、守りたいものが、あるんだよね。
(204) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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[四肢の拘束が緩めば、薄らと手足に残る抵抗の痕。 ずっと聞こえていた女の声が遠くなれば、安堵の息を吐いた。 部屋に来いと言われれば、了解した様子の欠片も見せずのまま 両手と左足に再び枷が付けられれる事となる。 それでも、少女が離さないなら手は繋いだまま。]
…俺も、まだ死にたくはねェさ。
客席でにやにやしてるような奴らより 先に死ぬなんて癪だからな。
[涙を拭う事も髪を撫でる事もしないように。 ただ、小声で話しかける。 守りたいもの ――― 。思い浮かんだ もの。]
… ああ。あるよ。
(205) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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[またも命令で、No.2のための服も運ばれてきた。 丈のせいか子供服が多いが、さてどれを選ぶのは彼女次第。]
(206) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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それは、確かに。
[客席の連中より、とはよく言ったものだ。 くすりと笑って頷く。 彼の、優しすぎない態度が、遺恨も残さず丁度良い按配で。 最後に一つ、繋いでいた手を引き寄せ、その甲に唇をつけると、名残惜しそうに絡めていた指を解く。]
ありがとう。 テッドなら、屈しなかったキミなら、きっと守れる。
[この先どんな運命が待ち受けているか、奴隷の身に知ることはできないけれど。着替えるために、手を離す。温もりが、遠くなる。]
パトリシアも、色々教えてくれて……ありがとう。 キミがいなかったら、僕は挫けていたと思う。
(207) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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…、…!
[手の甲に落ちた唇に、見ないように気をつけていた少女へと視線を向けてしまう。体形とか関係なく、お互い服も着ずのままなのはずっと気にしていた事。]
と、…とりあえず服着ろ。服。
[照れ隠しも出来ない口調。 けれどそれは、少女をちゃんと女性として扱っている事にもなる。 運ばれて来る子供服。俺のはねぇの?と道化師を見る。]
(208) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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…――――。
[守るべき、守りたいもの。 そのひとつを、守るために 俺はここにいる。
それだけは確かだった。 本当だったらこの場に居たのは、妹。 彼女を守るために、俺がここに居るのだから。]
…は
[乾いた息を 床に落とした。 ジャラリとまた 両手を繋ぐ鉄の鎖を 見た。]
(209) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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さて、No.4の彼の分は、命令を受けていませんから。 彼用の男装ではサイズが違いますか。
ええと……。
[許可が得られたなら、青年用の衣装も何着か用意されるだろう。 未だに女装用のドレスが混入しているのは、冗談としか思えないが。]
(210) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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若者 テッドは、小僧 カルヴィンが着替え中は見ないように視線を外す。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
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あ、はい左様でございますか。
[イヤホンから聞こえた声に、No.4にも服を与えるように、と使用人に命じた。]
(211) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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[道化の声に一瞬だけ、目を下げ、其処から涙が伝う。 しかしそれも一時だけのこと。 まだ、機会はある、と思うから。生き残るために――…]
…お願いします、命令を下さいませ、お願いします――…
[四つんばいのまま頭を下げる。 それは生き残るためなら何でもしようと言う決意]
(212) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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……僕に兄が居たら、こんな感じだったのかな。 そうすれば、そもそも僕は男のように 育てられる必要さえなかったんだけど。
[指摘されると羞恥を思い出して、くるりと背を向けた。 選ぶ衣装は皮肉なことに、また男装。 来る時と同じような――けれどそのまま喪服にもなりそうな、黒ので揃えたブラウスと夜会用コート。羽飾りのついた帽子。上質の天鵞絨は、少女が最も好む素材。 斯くして、足枷さえ除けば小さな紳士に見える姿が、使用人の手を借りて舞台上に。 本気でこれからビジネスの場に赴こうとしている風情に見えた。]
せめて、忘れるまでは。 無事を祈ってるよ、お互いに。……テッド。
(213) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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[衣服が用意されれば、ドレスが視界に嫌でも入って眉間に皺が寄った。嫌でも思い出すのは――あの異国の男の事。]
何の冗談だ。
[両手が塞がったままなので手伝いを要求しつつ、身体を簡単に拭いた後、来た時と似たような服を着た。 こつ、と革靴を履き終えれば 後は――― 買われた身は、小部屋に向かうだけ。
ライトが眩しい舞台を眺める事もせずに 歩いていく。]
(214) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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若者 テッドは、話し掛けられても、返事はせずに ―――無言で去りゆく。**
2010/04/12(Mon) 00時半頃
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お礼を言われる程ではないわよ。
"God Bless You"……と言うべきか否か、いささか悩むけれども。
(215) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
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[ともすれば、少年にしか見えない漆黒のスーツ姿で、テッドと対峙する。 もう、彼に跨がってあられもない声をあげていた少女とは、似ても似つかぬ。けれど。 ここに連れて来られた当初に比べ、確実にその顔つきに、眼差しに、男を知り情欲を秘めた女の艶が見え隠れして、妖しい魅力となる。――男とも女とも、性別不祥の影。]
じゃあ。もうこの先会わない方が、お互い幸せかな。 同じ客に買われたのなら、笑ってしまうけれどね。
[金の瞳を、眩しそうに一度仰ぎ見て。少女は運命の待ち受ける舞台袖へと踏み出す。 非現実的なゆったりとした歩みにあわせて、長い黒の羽飾りが揺れた。]
(216) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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小僧 カルヴィンは、子守り パティに、大丈夫、と言う代わりに不器用なウィンクを一つ残した。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
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