153 unblest blood
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[>>102ちぃと疲れた、とシーシャが零す。
――そう言う人はね、とっても疲れているものだよ。
ゆっくりと休んで欲しいと思うけれど、ここで休息を取れるかというと。 >>117サミュエルが彼に向かって声を掛け、顔を僅かに歪ませたシーシャがしゃがみ込む>>124のを、女は黙って見守っていた。]
――…格好悪くなんてないさ。
[そう、ぽつりと零して唇を噛み締める。
グロリアの命が奪われたと知った時、殺してやる、と荒れる心の儘に叫んだ。 家族を奪った男と同じように、この手で殺してやろうと。
けれど友人たちの敵は目の前の二人の手によって討たれ。 女には結局、何も為せなかった。]
(129) 蒼生 2013/12/09(Mon) 22時半頃
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[泣いてたら殴る、の宣言の通り>>80、小柄な女性が同類の額を殴る様>>111を見つめ、その顛末を見守る。
ふと、長年の疑問の答えが二人の姿から得られた気がする。 何故、吸血鬼にとって人間なんて糧でしかないのに子を成すまで愛してしまうのだろう。 何故、生まれてくる者は自分を殺しにくると知っているのに、安易に産み落としてしまうのだろう]
どちらかがどちらかを殺さなきゃいけないような間柄でも…… 分かりあえちまうんだなァ
俺たち、似てるようで全然違ってて…… そのくせ、全然違うようでよく似てるんだ
…………アンタも
だから俺を産んだの
[母さん]
(130) シノ 2013/12/09(Mon) 22時半頃
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[>>101自分の掛けた言葉にサミュエルが目を瞬かせ、首を振る。 彼の浮かべていた表情が情けないものだとは思わない。 サミュエルもこれまでに色々な事を経験し、…きっとこの場でも何かを得、そして失ったのだろう。
一呼吸すれば、苦味は消えて見慣れた無表情が浮かび。 彼は血溜まりから立ち上がる。]
……本当、だ。
[彼の言葉に窓の方に視線をやれば、風雨は落ち着いてきていた。 海が凪いだら、やがて迎えの船が来るかもしれない。
女がジリヤの不在>>101に気付くのも、もう少し後。]
(131) 蒼生 2013/12/09(Mon) 22時半頃
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[>>118サミュエルの、小さく口角を上げて向けられた言葉。]
…そう。 それなら良かったよ。
[女は応じるように、小さく笑みを口元にだけ浮かべてみせる。 すぐに無表情に戻ったのは少しだけ惜しく思えた。]
うん。 ボクもそう思う。 この中にはダンピールはもういない。
[三人はいないだろう、というのには素直に賛成出来た。 もしもう一人仲間がいるのであれば、それはサイラスを殺したシーシャでは有り得ず。 また、こうして話している暇などない筈で。
リビングに入る前のやり取りから、ジリヤもまた同族だと、確信めいた思いを持っていた。]
(132) 蒼生 2013/12/09(Mon) 22時半頃
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[さすがに鈍いフィリップでも、この場に自分が相応しくないのは分かる。
ふと、よく見えなかった自分の死体でも見に行こうかと踵を返せば、呼ぶ声>>109が聞こえて肩を震わせる。 続くマドカの言葉>>120には頭を抱えて]
……余計な事言わなくていいっての……
[その姿はもうサイラスの目に映っていたのか。 同類の姿に振り返る]
よう、2人っきりの「オナカマ」だってのに俺より女が先なの 妬けるね、ダンナ
[にやりと笑うその仕草には彼をからかう色を含ませて。
……自分はこんなにも言葉少ない性格だったのか。 特に話題も見当たらず、クラリッサに寄り添うマドカの姿を眺めていた*]
(133) シノ 2013/12/09(Mon) 22時半頃
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[クラリッサの労いの声>>128が聞こえた。]
労い、ありがと。 ……キミも、疲れただろ。
[近しいグロリアという存在を失った彼女にそう返す。 奪われる事は心を疲弊させると知る。 しゃがみこみ俯いた後、ぽつと落ちた言葉>>129に ピク、と指先が微か動く。]
――――…ン。
[慰めを受け取るように、一音漏らす。
嵐が去ってゆくのを知らぬまま、 足元まで広がる血色を見詰めていた。]
(134) helmut 2013/12/09(Mon) 23時頃
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…え、其処にいるんじゃないのかい?
[>>119てっきり、リビングの扉の所にいるとばかり思っていたが。 確かめる為にか、サミュエルが入口の扉の方へ歩いていく。
―けれど戻った彼が持って来たのは二輪の花>>92だけ。 彼女の荷物は、置かれたままの場所にあって。]
……何処、行っちゃったんだろう。
[女も気配を探ったが、屋敷の中には感じられず、困惑に眉を下げる。
まだ雨風が止んだわけではないのに。 ……風邪を引いたりはしないだろうけど。]
(135) 蒼生 2013/12/09(Mon) 23時頃
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[サミュエルの口からジリヤの名が紡がれて 血色を見詰めていた柘榴は瞬く。]
…………。
[ジリヤ。 海に還りたそうにしていた彼女。 死にたがりだと思った相手。 手向けの花を手にする飾り気のない優しさもつ――。
海に還ってしまったのかもしれない、と 思うと同時に、 自ら死を選ぶことはしない、と そんな風にも思えるから不思議で。]
(136) helmut 2013/12/09(Mon) 23時半頃
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…ボクは…、
…ん、…そうだね。
[>>134シーシャから君も、と返って来たのに驚いて。大丈夫、と言おうとして、言葉に詰まり。 確かに重くのしかかるものは感じていたが、疲れた、というのとはちょっと違う気がして。 けれど上手い表現が思い浮かばずに、女は同意するだけに留める。
そして視線を落としてぽつりと呟いた。]
――ボクは、また…。
[そこで女は口を閉ざし、拳を握りしめる。 近しい者を奪われる苦しみをまた味わった。 けれど敵を討てたのであれば、時間が経てばゆっくりと薄れていくだろう。 女は経験上、それを知っている。]
(137) 蒼生 2013/12/09(Mon) 23時半頃
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……。
[耳に届いた、自分の零した言葉を受け取るような音に女は目を伏せた。
自分の足で立たなければ。 もう、温かく照らしてくれる光はないのだから。
グロリアを失い、自分がどれだけ彼女に寄り掛かって生きていたかという事を知らされた。 こうして生き残ったのならば、自分は生きなければならない。 どうすればいいかは、まだ分からないけれど。]
(138) 蒼生 2013/12/09(Mon) 23時半頃
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[見逃した知己の女吸血鬼の子もまた フィリップやサイラスのように正直に生きて 親から子へと受け継がれた業に苦しんでいるのだろうか。 親殺しの性を、心許した者さえ、愛した者さえ 否でも応でも呪詛を齎すその性質に悩んでいるのだろうか。]
――……っ、
[苦しむ前に終わらせれば良かったと思う反面、 苦しんでも生きていて欲しいとも思う。 知己である彼女は子を望んでいた。 愛ゆえに優しい母でもあれただろうと思う。 彼女が愛した存在に生き抜いて欲しいと思いながらも サイラスの顔を、言葉を、思い出して、悔いる。]
(139) helmut 2013/12/09(Mon) 23時半頃
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―в последующие годы―
『おばーちゃーん!荷物届いているよー!』 『はいはい………』 『開けてもいーい?!』 『はいはい………』
[若い娘が祖母宛に届いた包みを粗雑に開封する。 孫の様子を優しい眼で見る老女は椅子にかけ直した。 編み物の途中だったのか、もう1度それを手に取る。 テーブルにはこれから生まれてくるひ孫のセーターのデザインが綺麗なイラストで描かれていた。]
『おばあちゃん、これ私のために用意してくれたの?』 『はいはい……ん…?何のことだい……?』 『だって、これ……ほら……』
[包みから出てきたのは、純白のドレス。]
(140) mituki_ka 2013/12/09(Mon) 23時半頃
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『……………。』 『え?!おばあちゃん、泣いてるの?!どうしたの?!』 『あなたのために……用意してくれたのかもねぇ……』
[差出人も手紙も何もないそれに老女は涙を流す。 若い女は慌てた様子でハンカチを老女へと手渡した。 どこか遠くを見る祖母を怪訝そう孫は見るが。]
『……?あれ、誰か窓のところいた気がしたけど…?』
[窓の近くまでいくも誰の姿もなく。 不思議そうな顔をして若い娘は窓をしめた。]
(141) mituki_ka 2013/12/09(Mon) 23時半頃
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[赤いフードを被った女が雪降る道を歩く。 歩く途中でぶつかった男に特に詫びることもせず。 次はどこに行こうかと考えたところで絡まれた。]
………のど、かわいたわね。 貴方、身体で支払ってくださる……?
[娘のために白いドレスを作った手を赤く染める。 生きるための手段は人に残酷ではあり。 死ぬために生きる女は本能のまま血を啜る。]
………残念ね。 元々は人間だったといっても、私は化け物だから。
ごちそうさまでした。
[化け物――――。 口元を赤く濡らした女は娘に過去言われた言葉を思い出す。]
(142) mituki_ka 2013/12/09(Mon) 23時半頃
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………ふふ、元気でね…。
[もう2度と、会うこともないだろうが――――。 大切な人への思いを口にして。
女は闇へと姿を消した。**]
(143) mituki_ka 2013/12/09(Mon) 23時半頃
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[クラリッサの声の響き>>137に しゃがみこんだまま、男はぐっと拳を握る。]
痛みは時間がたてば薄れる。 ――…けど、薄れるだけで、消えはしない。 ふと思い出して、また痛む。 古傷みたいなもんだよなぁ。
[ぽつり、ぽつりと零れる言葉。 下手な慰めはせず、形ばかりの言葉は其処になかった。]
(144) helmut 2013/12/10(Tue) 00時頃
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[正直、不器用、とサイラスのことを評する様>>121には、彼への親しみが滲んでいるようにさえ思えた。 それはこの時の苦い顔からも感じられたことで――。 同意からの溜息を零しながら、けれど上手く伝えられる言葉はないままだった。]
………あ、
[小さく声を上げたのは、シーシャが続けた言葉によって、己が秘密を零してしまったことに気付いたから。 その緊張の所為で、力のことにも、フィリップのことにも、直ぐにはうんと頷けなかったのだが]
(145) sakanoka 2013/12/10(Tue) 00時頃
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[サミュエルが「力」のことを報せた相手は、この場の面々を除けば、あとは永遠に死した者しかいない。 それ以外の他の誰にも言えぬまま抱えていた秘密だったから。 シーシャ>>122がこの時話したように、クラリッサが労わりの言葉掛けてくれたように、その思いを推し量られることも、これまで無かった。]
ああ、色々と、な。
[判ってしまった苦痛も。 判らなければという責任も。 判ったが故の安堵や、そこから進んで得られた繋がりも。 そしてその相手さえも失ってしまうのではという不安も――。 ふっと伏せそうになった黒い目は、感謝の言葉が続いたことで瞬いた。]
そ、っか。 だったら……どう致しましてってとこ、か。
[この時、シーシャのことを信じ切れるだけの強さはなかったが。 彼の言葉そのものは、確かに、心の内に響いていた。]
(146) sakanoka 2013/12/10(Tue) 00時頃
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[それからのシーシャ>>124の態度から、本当に、疲弊は身体の方では無くて心の方にあるのだと思った。]
ああ、だろうな――。 正直言って、格好悪いわ。
[今度は呆れたように溜息ひとつ零してみせながら。 けれど黒い瞳は、確かにこの時少しだけ、常よりは緩みのある色を見せていた。 そこに一瞬映った柘榴色の揺らぎに気付くも、しゃがんで俯かれてしまえばもう捉えられない。 今度こそ大げさに溜息を零して、その様を見下ろした。]
…………後悔、か。
[そうひとりごちたところで、クラリッサ>>129が零した言葉が聞こえた。 彼女がくちびるを噛み締めた訳を、はっきりと推し量ることはできないでいたが。 少なくとも自分の言葉よりは慰めになっているような気はして。 ほんの少しだけ、眩しげな視線を彼女の元へと向けた。]
(147) sakanoka 2013/12/10(Tue) 00時頃
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[生への執着や未練が死者を蘇らせ吸血鬼を生む。 その吸血鬼が生むダンピールは―― そんな執着や未練を断ち切る諸刃の剣。 どちらにせよ、傷つくのだと思えば どちらが正解とも言い切れぬだろう。
思いが吸血鬼を生み出した。 思いがダンピールを生み出した。
どちらが善ともどちらが悪とも 論じるだけ不毛なことだと思い、息を吐き出す。]
(148) helmut 2013/12/10(Tue) 00時頃
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―死後・マドカと―
[「ただの食事くらいなら」と言うマドカ>>110に、返す言葉もない。
マドカに歯を立てた時の面影はもうなく、 すっかりとしょぼくれていただろう。
同じ吸血鬼であったなら、あのような無作法は、 ……………多分、しなかった。
言い切れないのは、 吸血鬼の衝動が自身のそれと全く同じかはわからないから。]
おあいこ? いいや、……すまなかった。 女相手に、あれは……
ホントに、……あぁぁぁぁ………。
とにかく、すまなかった!!
(149) ぶんちゃん 2013/12/10(Tue) 00時頃
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[「傷付いたのは一緒」と語るマドカ。
必死の抵抗を、叫びを思い出しては頭を抱え、 くせ毛をぐしゃぐしゃと乱して頭を下げ、謝罪する。
頭を下げたまま、マドカが言葉を紡ぐのを聴いた>>111。 それから彼女の腕が伸びてくるのが見えて、顔を上げる。
視界にマドカの顔が映る、 先程よりも、近い距離に彼女はあって――、
だから、腕の動きは全く見えていなくて。]
(150) ぶんちゃん 2013/12/10(Tue) 00時頃
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―――い゛っ!!!!
[ゴッと、鈍い音がした。
痛みと、……同時に驚きが走る。 身体を失ってしまったと思ったから、痛みを感じるなんて。
いいや、それ以上に彼女が触れた感触>>111が、 確かにあったから――。]
[「ダンピールの前にサイラスでしょ」>>112。
その言葉に、先ほどの痛みに、 彼女が続けて紡ぐ言葉たちに>>113、
全てに胸が詰まりそうになり、]
(151) ぶんちゃん 2013/12/10(Tue) 00時頃
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―――ッ、 ………マド、カっ!!
[零れ落ちる前に、マドカを腕の中に閉じ込めた。
どうせバレているだろうけれど、 最期の男の意地で、泣き顔だけは見られまいと―――。
背中を撫でられれば、 嗚咽が洩れるのは堪えきれなかっただろう。
だって、嬉しくて涙を零したのは、 サイラス・ブローバーが生まれ落ちてから、
―――初めてのことであったから。**]
(152) ぶんちゃん 2013/12/10(Tue) 00時頃
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[>>144自分が零した言葉に掛かる、シーシャの言葉を女は噛み締める。]
――そうだね…。
古傷、かぁ。 …そうかもしれない。
[その言葉で、シーシャも誰かを失った事があるのだと分かる。 長い時を生きれば色々ある、と言った相手は誰だったか。 下手に慰められるよりはずっと良かった。]
(153) 蒼生 2013/12/10(Tue) 00時頃
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―死後・フィリップを探して―
[あやされるような手>>115に一頻り甘えた後、 もう一人、会いたいと望む存在を探す。
マドカから死後の彼の様子を聞き>>120、 その思いは更に増した。]
フィリップ……いるんだろ?
[男が名を呼ぶのを聞いて、 気をきかせてくれたのか、 リビングから出て行くマドカの背中を見送る。]
(154) ぶんちゃん 2013/12/10(Tue) 00時頃
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フィーリーップ。
[二度目に呼んだ時、 マドカに向けてなにやら言っているフィリップの姿が見えた>>133。]
よぅ、「オナカマ」さん。 なんだ、妬くくれぇならさっさと姿を現せよ、ガーキ。
[からかってくるフィリップに、 にや、と笑って返した。
この邸に来てすぐ、彼に感じた危うさはもう無い。 彼も、何かから解き放たれたのならいい。
心からそんなことを思うのは、生きてきた道は違えど、 同じ業を背負い、一度きりの生を終えたからだろうか。**]
(155) ぶんちゃん 2013/12/10(Tue) 00時頃
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─もしもの話─
[やがて人の気配は消える。 本来なら華やかな笑いが包む嵐の晩になったかもしれないその邸。
窓の閉め忘れか、あるいは嵐のせいでひび割れたのか。
リビングに、少しだけ嵐の勢いを残す風が吹き。
少女の身体のまま幾許かの時を生きた吸血鬼の灰が、さらりと流される。
もしも。
もしもそこに彼女の灰が残り、彼女を灰にした呪詛を吐いた男の身体があれば。
彼女の灰は、まるで男の身体をいだく様に、さらりと──……]
[風に、吹かれたかもしれない]
(156) hisetu 2013/12/10(Tue) 00時頃
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[サミュエルが信じきれぬのは当然。 シーシャは誰かの信用を得ようとは思っていなかった。 自信家であるがゆえに己が容易く殺されはしないと思っていたから。 応え>>146聞けば受け取るように頷く。 格好悪いとの言葉>>147にはピクと肩が震えて]
――っとにな。
[伏せたまま苦笑を漏らした。 彼のひとみに宿る緩みに気づかぬまま 溜息の音色を聞く。]
嘘でもそんな事ないとか言えよ。 あー、もう、らしくねぇや。
[がり、と髪を無造作に掻いて、立ち上がる。]
(157) helmut 2013/12/10(Tue) 00時頃
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[女は手を組んで、ジリヤが望む結果を得られるように祈る。
そして。]
――ねぇ、二人とも。
皆を弔ってあげたいんだ。
手伝ってくれるかい?
[女は男達にそう声を掛ける。 彼らが手伝ってくれるなら、女は彼らと協力して死んだ者達を等しく弔った。
そして彼らの灰の一部―サイラスの身体は灰化しなかったので、彼の血を吸ったマドカの灰を―を自分の荷物に忍ばせ。 女はそれを持って島を出た。*]
(158) 蒼生 2013/12/10(Tue) 00時頃
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