259 ―シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア―
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クシャミは……
[ 歯切れの悪い返答。 もちろん、その原因は先日のバグジュース事件であり。]
クシャミは、そろそろ料理禁止にしたほうが、 みんなの身のためじゃないかなって思います……
こ、この間、自分の、そう、 自分で作ったもので、倒れてたし……
[ そろそろ、厨房立入禁止か、 誰かの監視下で── いや、監視できる人材が足りない。
グロリアさんはそういうところあてにならないんだ。 バグジュース騒動はエリアスをひとつ賢くしてくれた。]
(68) nabe 2016/12/11(Sun) 22時半頃
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[ しかし、褒められるっていうのは、嬉しいものだね!]
名、名菓子職人だなんて……ふふ
[ お世辞なんて知らないエリアス、 今度またクッキーだかスコーンでも焼いた日には、 サイモン先生の分も包むことに決めました。
クリスマスケーキやクッキー作りにも、精が出るってもんです。]
ふ、ふふ、ここの人たち、 あんまりクリスマスで盛り上がらないの、 そういう、そういう理由なんですかね、ふふふ
(69) nabe 2016/12/11(Sun) 22時半頃
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で、でも、懐かしい って感じで、楽しみ です クリスマスツリーも、準備しますから、 サイモン先生も、降りてきてくださいね!
[ うふふ てれてれ ぱたぱた。
浮かれた足取りで、エリアスは立ち去ってゆきます。
近々、サイモン先生の新刊が発売されたなら、 きっと、また手書きのながーいお手紙と、 それから、ちょっとしたお菓子かなにかが、
今度は、ドアの取っ手に下がっていることでしょう。
匿名の意味がない? エリアスの自己顕示欲を馬鹿にしてはならないよ!*]
(70) nabe 2016/12/11(Sun) 22時半頃
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["父親"の口端が引き締まるのに反して、女の口角は三日月に上がる。 口にはせずとも咎むような視線に怯じる様子も欠片もない。 腕に抱えた"何か"を抱え直す様な動作をひとつ、それから近付き、]
ローストでなくとも構わぬぞ?
[と言うのはそういう話ではない。 シーシャの視線が包みに動くのに、それから不自然に外されるのを、愉快げに目を細めて眺めるが、問には答えず、ただ悪趣味な笑みを浮かべているばかり。
あと別に見てるのに気付いてもお金は取りませんので安心していただきたい。ただ、次の日にはその話が尾鰭ついてシェアハウスに知れ渡っているというだけで。]
主の抱えている仔が、喰えぬのならば仕方ないのう。
[不自然な沈黙の後、大仰な溜息をついて、その中身に暖かさを与えているだろう、お包み代わりの布を乱暴に引き剥がす。
その下には。その下には当然ながら焦茶の、リボンをつけた円な瞳のくまの縫いぐるみ。であるが果たしてそれを見たシーシャにとっては。]*
(71) ameya 2016/12/11(Sun) 23時頃
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食い方が問題なんじゃねぇ、 です [>>71 グロリア様のかんばせを飾るパーツが三日月弓なり きらびやかに笑みを作ります。 シーシャはむっすりしてますが、視線は合わないですけど、 あわせないつもりだったのですけど、答えはすぐに返ってきませんから ちらっと視線を戻します。あっ ため息をつかれました。ちょっとそわっとします。 逃げたほうがいいかな? 逃げたほうがいいのかな?そんな顔をしています、けれど]
(72) ghoti 2016/12/11(Sun) 23時半頃
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―― !
[ばさりと暴かれたストールの中身。 それこそ ふわふわの ぬいぐるみ。 シーシャの頭の中にエリアスが一瞬浮かびました。ゆるふわめるへんさいこな吸血鬼の力が 赤子を これに …… ?]
…… はっ えっ? これ エリアス …… ? [グロリア様には伝わらないでしょうけれど、 だって、シーシャも、大いなる混乱のまっただなかですもの。 でもちょっと、グロリア様とくまって、かわいい組み合わせだななんて頭のどこかで思いつつ。 でもエイダは だーっ!ってなんだかとてもうれしそうな声を上げていましたよ。 あっ 声を上げたからですね、お口から砂糖菓子がぽろんと転がります。]
(73) ghoti 2016/12/11(Sun) 23時半頃
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[食べ方が問題でないとの言葉には不服そうにも不平そうにも唇尖らせ。まあどうあっても食卓に上らせる気はないとの不退転の決意はよくわかる。 最も、分かっていなかった訳でもないから、こうして柔らかい綿でできた人形を抱えている訳なのだが。
あらわにされたくまのぬいぐるみ。その時は多少得意気な顔をしていただろう。
その相手の口から漏れたのは、エリアスという同胞の名。]
主がその名をつけたいというならそれで良いが。 ああ、もうこれ、早速に汚そうとするな。
[些か憮然とばかりに答えて。 ぬいぐるみにと身を乗り出したエイダの口元からぽろり砂糖菓子が溢れるのを咎むと、避けるばかりにくまを持ち上げる。 それからもう一度、今度はエイダの手の届くところ、鼻を突き合わせんばかりのところへ近付けて。]
食卓には上らさぬのであろう? であれば、友が居らねば寂しかろうて。な?
[くくと、何時かの廊下の言葉をなぞる魔女は性が悪い。]*
(74) ameya 2016/12/12(Mon) 00時頃
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[……さて。 気落ちした猫と別れ、どれ程経ったか。 自室に引き上げるでもなく、 廊下の窓から、ぼんやりと外を見ていた。
蘇るのは、言いかけて止めた問いの記憶>>2:-9。
アレは、口にしなくて良かったのだと思う。 その答えがもし男の予想したものだったなら、 きっと男は、未練も無く眠りにつけてしまうのだろうから。
……だから、知らなくて良かった。 少なくとも、眠るな等と言ってくる輩が居る内は]
……この生活に飽きるまで、どれだけかかるかな。
[飽きる日など、来るのだろうか。 繕うように浮かべる苦笑は、本心からのものではない。 静寂を求める癖、この騒々しさも愛しているのだと、 素直に認めるのは少々癪だもんで]
(75) めのこ 2016/12/12(Mon) 00時頃
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[恐らくもう一生口にする事の無い問いを胸に秘めたまま。
開け放った窓から香る陽の匂いに、ぱたりと窓を閉じて 部屋へと戻るその足取りは、殊更軽やかなもの。
そうして、止まぬ喧騒を求め、極々短い眠りにつくのだ*]
(76) めのこ 2016/12/12(Mon) 00時頃
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[ る らら るら ら
すっかり機嫌を直したエリアス、 新入りくんの運命なぞ露知らず、 ご機嫌に、城内を彷徨って、彷徨って、
お菓子作り── は、まだ少しクッキーが残っているし、 それに、今日のグロリア様といったら! をお茶会に誘える空気じゃないよね。
はてさて、ならばどうしましょうか。 足取り軽く、食堂の扉に手をかけて──、]
(77) nabe 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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[ 臆病で気の小さな吸血鬼・エリアスと、 東洋からはるばるやってきた下半身食いモンスター……否、 冬の魔物・KOTATSUとの対峙、そして、和解、
さらにさらに、きらきら素敵な砂糖菓子との邂逅や、 先行き不安なクリスマスパーティーの行く末、 かわいいエイダの輝かしい未来については、
また、別の機会に語るとして────、
つづ く?**]
(78) nabe 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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[こげ茶色のクラシックテディベア。 その上には、誇らかにお顔を輝かせるグロリア様>>74
エイダはもう黒々お目目にたくさんの星をきらめかせ、 一度上に逃げたくまさんを小さな手で追います。 くっつきそうなほど近づいたくまさんの目。もうきゃっきゃと笑っています。 きゅうと ちいさな五指もテディベアの毛並みに埋もれてしまうでしょう。
そんななかでシーシャだけ、ついていけないとの表情を隠すこともできません。 ぎりぎりで捕まえた砂糖菓子が、べたっとシーシャの手を汚しています。]
いや、 …… あんなへなちょこの名前はつけたく、ねェん、だけど あいつは関係ないのね、 関係ないか、 ならいいや てっきりエリアスが赤ん坊をぬいぐるみにしたのかと思った……
[ほっとした様子を隠せません。 中に腸でもつめてないのなら、もうなにもいうことはありません。喜びしかないです。]
(79) ghoti 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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[シーシャは、おっと、むぐと口をつぐみました。 だって覚えていますもの。あの時の、楽しそうなグロリア様のお顔も、あの時の自分の顔のあつさも! ねえ、だって、“さびしい”のって、さびしくなるのって、 ねえ。ねえ。]
――…… んだよ そりゃ、……ありがたい……つか、うれしい、です けど
[もにゅっと口をつぐみつつ……いいえ、いいえ。 別のことを話しましょう、だってそのほうが淀みなく話せますもの]
でも なんもかえせねーよ グロリアに返せるもん ない、です 電気ケトルが一番の目玉商品、あれ以上の、もうねェもん
[なのに、もらっちゃって、いいんですかって顔です*]
(80) ghoti 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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[ベッドでごろごろしながら相棒はぼんやり天井を眺めている。 どうやら、ここ数日のことを考えているようだ。 俺は相棒の近くに降り立ち、伸びてきた腕の中に収まった。よしよししてやろう。色々と大変だったな…]
ぴ、ピーちゃん…!慰めてくれてるの? ありがとう…ありがとうぴーちゃん…!
[やめろ!俺の柔らかいお腹にすりすりするな! ……けど、きっと疲れてるからな、今だけ許してやろう]
あーー癒される。 吸血鬼って、なるのも大変だしなってからも大変なんだなあ。 けど、先輩たちみんな楽しそうだよね。ピーちゃんは今の生活楽しい?
(81) ymdhrk 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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俺はねぇ、実はとっても楽しいんだなあ。 だって、こんな毎日普通の人は想像出来ないでしょ?うんうん。
ピーちゃんだって、いつかはずっと一緒にいられるようにしてあげる、君が望めばだけどね。
[そう言って笑う相棒の口元には立派な牙がついていた。
まだまだコイツは吸血鬼にしちゃ半人前いや、半鬼前か…? 先輩に毎日叱られて遊ばれているがきっと時間をかけて少しずつ成長しているんだろうな。
…うん、コイツが立派になるまでやっぱり俺様がいてやらんと! それまではどれだけ時間がかかるかわからないし……仕方がないな、もう暫く一緒にいてやるか。]*
(82) ymdhrk 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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[イルマはあのあと、シーシャに暫く冷たかったりだとか でもエイダにはでれでれだったり、 フィリップの相棒のピーちゃんと仲良くなったり、
クリスマスには、珍しく皆が食堂に集まったから KOTATSUは隅っこに押しやられたかな。
いろんなことがあるけれど、それはいつもの日常で。 夜に生き、昼には眠り、繰り返し繰り返し、
時々、一人の女性の様子を見に行った。]
メリークリスマスですよ、オーレリアさん。
[いつかに雑貨屋さんで見つけたペンダントを そっと彼女の柩の中に置いておこう。
サンタクロースなんて烏滸がましいけれど 毎年毎年、一つずつプレゼントを増やしていこうかな?]
(83) bloody 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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―何年も何年も、何十年も先―
メーデー!メーデー! 降りっ、れない!だーれーかー!!
[イルマは屋根の上で叫ぶ。 これはもう、定例行事のようなもので 陽が登るまでには、助かると知っている。]
……、あっ!!
[迎えに来てくれるのは、大好きな、大好きな あの人だ。]
(84) bloody 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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オーレリア、さぁぁん!!わーーーん!!
[甘えているだとか色々と文句を言われるかもしれないけれど、 私は、あなたといっしょにいられて、幸せなんです。 わざと甘えてしまいたくなっちゃうんです。
今日もディーンの安眠妨害をしたかもだし、 サイモンの執筆活動の邪魔にもなっているだろうし
でも、でも。 おかしな形だけど、みんなへの愛情表現だと思ってもらえれば、 それはとっても嬉しいな。**]
(85) bloody 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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[寧ろ何故エリアスが関係あるのかとでも言いたげな顔。
グロリアにとってはエリアスは、あの気の弱さが難なものの、育ちよく礼儀正しい坊やである。 …確かに少しばかり、何処ぞを向いているかわからない時があるが。
歯切れ悪い父親をよそに、そうか、気に入ったか、とくまの鼻先をエイダのそれに擦り付ける、その様子は先程までその赤子をオーブンに放り込もうかと言ったと同じ人物とは思えぬ程。いや。女にとっては喰うも愛でるも、"どちらも同じこと"なのかもしれぬ。人を捕食する身でありながら、滅んでまた生きる、人の営みを愛するように。
寂しい。その言葉で口ごもる様子を、当を得たようににんまり笑って。少しの間。受け取るのを躊躇うような様子に、]
なんじゃ、気に入らぬのか。ややはこんなに気に入っておるのに、気難しい父親じゃのう。
[拗ねる様に言ってみせたが。打って変わって紡がれる言葉。 きょとりと見返し、些かの間を今度は此方が返すと、弾けるように高い笑い声をあげた。]
なんの。主から礼を取ろうなどと、かっての威勢ないとはいえ、そこまで零落れた私でないぞ。礼がないと受け取れぬと言うなら、そうじゃな。
(86) ameya 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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あの日のいじらしさを、対価としていただこうか。
[それはあの時の頬の熱さを、けして忘れずに貰い受けるということ。 気に入ったのなら受け取っておけと、赤子の腕に抱かせるように、くまを押し付けて。]
それに、な。懐の元ならディーンであるぞ。それでも気になるのなら、奴に礼を言うがよい。
[片目瞑って二重苦更に押しつける。]
それともまだ足らぬようなら、今度は主の為に何やら連れてきてやろうか。
[ああもうそれは、間に合っておるかのう、と森から引き連れた新参を、好き放題言い散らかし。
言い散らかすと、けらりけらりと楽しげに、その場を後へと。]*
(87) ameya 2016/12/12(Mon) 00時半頃
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[シーシャはグロリア様の前だとよくもごもご野郎になりますね。 手の上でコロコロされてしまうのでしょう、素直にならないから。 これで反省して、次からは素直になれればよいのですけれど、91年、シーシャにも積み重ねたものがありますから。
礼がなくても、なんて言葉に、居住まいをさりげなく正したシーシャですけれど、びっくりするのはその次の言葉、ですよね。二重三重にびっくりです]
はあ、 あ?! 忘れろ、っていうか、人に渡すもんを他人の金で買ってきてんじゃねぇよ!! 絶対嫌だ、あの金髪寝腐れ野郎に 礼なんて言わねぇからな!
[しゃーっ の威嚇の勢いです。 けれど、暖簾に腕押し柳に風、グロリアさまにシーシャの威嚇、でしょうか。 一笑に付されて終わりでしょう。
そして、吸血鬼の城ですから、フィリップが巻き起こす騒動以外にも、これからもずっと、悲鳴は上がっていくはずです。
そして、今日も。悲鳴とはまたちょっと違いますけど。]
(88) ghoti 2016/12/12(Mon) 01時頃
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――〜〜〜 ああもう、
ありがと……ざいました!
これで、もう礼も何もないからな……、 あんたから伝えるくらいなら構わねーけど 俺ァ絶対に言わないからな……!
[これだけ大きな声で言えば、きっとね。 あの金髪の600歳の吸血鬼が眠っていたとしても、きっと、届くはず、ですよね。
やっぱり吸血鬼のお城は毎日、誰かの声が聞こえるのです。 誰かが寝てしまったって、誰かが死んでしまったって、 小さな光が一つ、お城から減ってしまったって。 寂しがっている暇なんて、きっと、ないですよ*]
(89) ghoti 2016/12/12(Mon) 01時頃
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嫌じゃ。もう貰うた。貰うたものは返さぬぞ。
[噛み付くような勢いに、節回しまるで歌うような口調で返す。柳に風どころか、寧ろ延焼を煽っている。
人の財布で何か問題が?との悪びれぬ顔。欲しい物があるなら言えと言われたことだし。最も、自分の為にもストールピンを余分に強請った事まで口にはせぬが。]
ほほ、ほほほ。何故にそうも素直になれぬかのう。赤子に親の面子が立たぬぞ? おうおう、ようわかった。じっくりとっくり、伝えておいてやろうのう。しかと申し受けたぞ。
[絞り出すような礼の言葉に、上機嫌に笑い踵を返す。]
(90) ameya 2016/12/12(Mon) 01時半頃
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[ああ。再び目覚めまだ20年ぽっちであるが、やはりこの世は面白い。夜の眷属が徒党を組んで、この様に騒がしく暮らすなぞと、500年の眠りの前には想像だにしなかったぞ!
気分の良い夜は、凍えた夜空を飛ぶに限る。そうして白い首筋に仄青く輝く首筋から、甘く滴る血をいただこうか。折角であるから、誂えたばかりの髪飾りと揃いのストールピンで装って。
やがてまた世に倦み眠るとしても、暁の光に銀の輝きにこの身が滅ぶとしても、かって愛した都がこの胸に消えぬように、この夜を謳歌し愛さずになんとしようか。
冷たい空気を燃える肺腑に吸い込むと、2000を生きた女吸血鬼は、底の無い紺の闇の中へ、その爪先を踏み出した。]**
(91) ameya 2016/12/12(Mon) 01時半頃
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― 少し先のお話 ―
[では、クリスマスを終えた後のお話をしましょうか。 クリスマス当日のお話はきっともう語られつくした頃でしょう。 だって、あんなに楽しかったんですから。
これから話すのは、 街中にさんさんと輝いていたクリスマスの飾りつけはなくなって、 きらきら小さな雪の欠片が宙を舞っていた日の話です。
古城から、小さな、生まれたばかりの光が姿を消したのは そんな日のお日様の落ちてすぐのことでした。]
(92) ghoti 2016/12/12(Mon) 01時半頃
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[街中にある孤児院では わいわいきゃっきゃ、子供たちの声で建物内がさんざめいています。
そんな孤児院の玄関口にひとつ、影が増えました。 玄関――中には入れないので、外側に、ひとつ、大きめのバスケットがおかれています。
その中には真白い髪の毛がふわふわした赤ん坊と、 少し大柄の、しっぽの途中で曲がった黒猫が寄り添っていました。 黒猫は曲がったしっぽをぴったりと赤ん坊にくっつけて、 外はさむいですからね、赤ん坊をあっためているようです。]
(93) ghoti 2016/12/12(Mon) 01時半頃
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[『あらあらあら、なんたってこんな寒い日に……』 建物の中から女の人がかけてきます。 さっと赤ん坊を抱きあげると、安心したように、息をつきました。 赤ん坊の体温が高いことに安心したのでしょうね。
『せめて泣いてくれれば、もっと早くに気づけたのに…… そうじゃなくとも、親御さんが……いいえ……』
と女の人がため息をつきつつ、バスケットの中を改めました。
バスケットは大きくて、赤ん坊と猫以外に様々なものが押し込まれています。 一番目立つのは、こげ茶色のクラシック・テディベア。首元に添えられたグリーンチェックのリボンがおしゃれです――リボンには小さく、GLORIAと刺繍があります。隣には半透明の袋に入ったクッキー。「SHEESHA & ADA」とタグが付いていますね。それから、それから、個包装された砂糖菓子のそばには、難しそうな本がおいてありますし、おっと、本からは何かの絵ハガキでしょうか、覗いています。ほかにも小さなもの、かわいらしいものが詰め込まれていて、
そして一番下には、「ごめんなさい」と書かれた紙片がくしゃりとあります。]
[『あなたの名前は、……シーシャ?』]
(94) ghoti 2016/12/12(Mon) 01時半頃
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ナァ
[黒猫が鳴きました。 喉のちょっと潰れた、媚びを売ってもお魚を分けてもらえなそうな可愛さの猫です。
女の人は猫をみて、もう一度『シーシャ?』と呼びかけます。 ナァと猫は鳴きます。
女の人は、今度は『エイダ』と呼びました。 猫はつんと鼻をとがらせて、女の人の腕の中を見ました。 黒い首に巻かれた、シルバーのリボンが揺れます。
女の人は『アダ』と最後に呼びました。 黒猫は、ばしん!と地面を叩いて、鼻に皺を寄せました。
『そう、あなたはエイダって言うのね。女の子かしら』 女の人は小さく笑って、それから思い出したように『ごめんなさいね、ここでは猫は飼えないの』と言おうとしました。 いう必要はありません。鍵しっぽのシーシャは、もうとてとて歩き始めていました。]
(95) ghoti 2016/12/12(Mon) 01時半頃
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[女の人は歩いていく猫を少しだけ眺めましたが、 バスケットをもちあげると、建物の中に入っていきました。
突然増えた赤ん坊にわあっとはしゃぐ空気が 閉まりかかった玄関ドアから漏れて、そして閉ざされました。 孤児院の扉は、もうこの夜は開かないでしょう。 けれどきっと、明日の朝、日の高くならないうちから 玄関の扉は開いて、子供たちが駆けていくはずです。
だから、これで、いいのです。 正しいと言ってもらえたではありませんか。]
(96) ghoti 2016/12/12(Mon) 02時頃
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[とてとて歩く猫の足は止まりません。 止まったところで、きらきら瞬き始めた星たちが静かになってくれるわけではありませんし ぽつねんと夜空に浮かぶお月様が、吸血鬼を昼日中まで歩けるようにしてくれるわけではありません。
黒猫の足が止まったところで、91年間積み重なった時間が無くなるわけではありませんし、これからもっと積み重なっていく日々がなくなるわけでもありません。
だから黒猫は、次の路地をついと曲がって路地裏のほうに進んでいくでしょう。 ナァとだみ声の、かわいくない鳴き声が聞こえます。 猫ですからね、涙声とは無縁なのです。 そこで寝ていたホームレスのおじさんは、明日の朝には血の一滴もない体で誰かに見つけられるでしょう。 だってシーシャは、とっても、とても、*お腹がすいていましたから*]
(97) ghoti 2016/12/12(Mon) 02時頃
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