246 朱桜散華
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
雷門が無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、志乃、辰次、日向、亀吉、丁助、置壱、華月斎の7名。
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─ 深夜 ─
[村の誰もが床に就く闇の刻。 静寂の支配する丘の上では花びらがハラリハラリと舞い落ちて、咲かぬはずの桜の樹はゆっくりとその身を薄朱く染めあげていく。 ただ一人宮司が異変を感じとり桜の樹を見にやってきたが、桜の樹を前にして不意に背後から声を掛けられた。]
よう、おっさん。 あんたも声が聞こえたのかい?
[壮年の宮司に語りかけるのは確かに丁助であった。 だが宮司にはそれが彼だとは認識できないでいた。 不思議なことに顔も姿も声も丁助だというのにまるで知らぬ誰かがそこに居るかのような錯覚。]
その様子だと……違うのか。 もしかしたら俺にしか聞こえなかったのか?
[丁助の妖しげな雰囲気にのまれ宮司が一歩二歩と後ずさりする。そして三歩目で背が桜の幹に触れた……もう逃げ場は無い。 いつしか舞い落ちる花びらがまるで雪のように大地を覆っていく。]
(0) 2016/04/23(Sat) 00時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 00時半頃
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なぁ、教えてくれよ。 彼女はどうして死ななきゃいけなかったんだ? ただ想い人を追って行きたかっただけなんだろ? それが許されないってのはどういう了見だよ。
[一瞬だけ宮司の目には確かに丁助の声だとわかる。 以前からしきたりや決まり事に悉く反発していた若者の声。 だが丁助が一歩踏み出すたびに地面に落ちた桜の花びらがふわりと舞い、宮司の顔が恐怖に支配されていく。 丁助の顔をには笑みが浮かんでいた。]
ま、今となっては昔のことだ。 今更それを責めるつもりはねぇさ。
ただよ……彼女はずっと……長い間ずっと願っていたんだとさ。
[ダンと強く地面を踏みつける。]
……生きて想いを遂げたいってな!!
(1) 2016/04/23(Sat) 00時半頃
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───ドシュッ!!
[丁助の手から投げ放たれたそれは疾く鋭く、まるで槍の様に宮司の胸を貫いていた。 宮司は口からヒューヒューと声にならない何かを発しながらゆっくりと倒れていく。 丁助はそれを冷めた目で見つめていた。]
別に恨みはねぇよ、あんたにもこの村の人間にも。 ただ花を咲かせるためには命が必要なんだとよ。
[見上げた先には桜の花。]
ただ……それだけだ。
[右足で宮司の腹を踏みつけると胸に突き刺さったそれ──桜の枝を一気に引き抜いた。 朱い命の源が宮司の身体から大地へと染み込んでいく。]
ホラ……最期にいいものが見れるぜ。
[死にゆく男の目にそれが映ったは定かではないが、そこには満開となった桜の樹が誇らしげに佇んでいた。]*
(2) 2016/04/23(Sat) 00時半頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 00時半頃
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[ 名前を呼ばれて、視線を彼女のほうに向ける。>>1:114 へにゃりと弱い笑みを浮かべる彼女に見上げられれば、 どんな顔をすればいいのかわからないとでも言いたげな、 微かに困惑した顔が見えただろうか。]
[ 長の家に帰りたくない日はあるかと、 そう問われれば、こくこくと何度も頷く。
あそこは、長の屋敷は本当は好きではない。 婆様が死んでからずっと、 お世話になっていることには違いないけれど。]
……、 ……ぅ。
[ 一晩過ごせるようなところと言われて。 思い当たるような場所は、ひとつしかなかった。]
(3) 2016/04/23(Sat) 01時頃
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─ 川沿い→自宅 ─
[どれだけそうしていたか。 顔を上げた志乃はゆっくりと立ち上がり、自宅への道を歩む。 纏まらない思考に時間を取られたため、もう陽が傾く時分になっていた]
[自宅へと戻り、日が暮れた後。 夕飯を済ませ自室へと入ると、また伯父達の話し声が漏れ聞こえて来た。 綾崎への支払いは祭りが終わるまでは待ってもらえるだろう、それまでに用立てれば良い、などの声。 志乃の話は今のところ出ていないようだが、床の用意をしながら小さく溜息をついた]
[床に入る時分になり、部屋の片隅へと目をやる。 いつもはある物がそこに無い。 一抹の寂しさを抱きながら、それを押さえ込むように目を瞑った]
[夜半に起きたことなど知る由も無い*]
(4) 2016/04/23(Sat) 01時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 01時頃
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……。
[ 小さく手招きをすると、促すように前を歩く。 途中、彼女がついてきているかを、何度か後ろをむいて確認して]
…。
[ ふと、何かに気づいたような顔をすると、それまで足早だった歩を彼女の歩幅に合わせるようにしてゆっくり進める。 そうして、村外れにある一軒家>>1:46まで彼女を連れていくだろうか。*]
(5) 2016/04/23(Sat) 01時頃
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肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 01時頃
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―昨晩・道端―
ごめんな?置壱を困らせるつもりじゃないんだよ。
[ 困惑の色が返れば、小さく笑って>>3 年の頃で言えば、それこそ十近く離れていたはず。 自分が大人で、置壱は子どもと言っていいはずなのに こうして道端で会った置壱に、頼ってしまうほど 心境は困窮していたのだと、己の思いを知る。]
そぉ……
[ 帰りたくないこと。 頷きに、同調までは出来ないかもしれないが、僅か目を細め]
……帰りたくない家に、帰るのは、いやだよね。 たまには家出していいんだ。子どもはそういうもんだよ。
(6) 2016/04/23(Sat) 01時頃
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─ 祭り前日/村外れの丘 ─
[長と別れ、しばし桜を眺めた後。 ここにいても、と踵返して家路につく]
……ま、今年すぐに、とかはねぇだろーけど。
[語り部の務めは、巫女の伝承を諳んじて語る事。 去年までは当然の如く、当代である父が務めているのだが]
……とりあえず、帰って読み返しはしとかんとなぁ。
[なんてぼやきをおとしながら家へと戻り、夜半近くまで書物と向きあって。
深夜の出来事などは知る由もないまま──次の夜明けを迎えて]
(7) 2016/04/23(Sat) 01時頃
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─ 祭り当日/自宅 ─
……へ?
[目覚めを呼びこんだのは、早朝の来訪者の声。 長は来ていないか、という怒鳴るような問いに、父が応対しているのが聞こえ、寝ぼけ眼を擦って起き出した]
どしたんよ、親父。 ……雷門小父が?
[日が暮れてから唐突に家を出た長が、夜が明けても戻らぬのだと。 もたらされた報せに、両親が不安げな顔を見合わせる]
……わかった、俺も探すの手伝うわ。
[一晩戻らぬというのは、尋常ではない。 が、他の者は祭事の準備に手を取られているのだろう、というのは察しもつくから迷う事無くそう告げて。 身支度を整えると、報せに来た者と連れ立って外へと駆けだした。*]
(8) 2016/04/23(Sat) 01時頃
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[ 予想外に、置壱はその場所に心当たりがあるようで、手招きされれば素直についていく。 身長の違いで、少し後ろをついて歩くのに苦労していれば、それに気づいてくれた様子で>>5、歩幅が緩んだ置壱に微笑んで。
やがてたどり着いた一軒家は、置壱にとって思い入れのある場所なのだろうか。ゆる、と室内を見回し、風も凌げそうだと、置壱の案内に礼を告げた。]
そういえば昼間、置壱のこと、探してたんだけどね。 もしも悪いことをして、誰かを怖がらせたのなら、 めっ。をしようかって。 でも、今こうして、いいこともしてくれたから、 おあいこで、なんにもなしだ。
[ 目の前の相手を"おにご"と呼び>>1:42 戸惑いを浮かべた親子には、自分から軽く話をしよう。]
(9) 2016/04/23(Sat) 01時頃
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[ふふ、と含んだように笑って、そっと置壱の手を握ろうと、腕を伸ばし。――傷があれば、指先でそれを撫で]
怪我をしても、舐めちゃいけない。ちゃんと水で洗うんだよ?
[ 拒まれなければ、ぎゅっと手を握った後、 帰りたくない家でも、帰るというのなら、それを見送ろう*]
(10) 2016/04/23(Sat) 01時頃
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喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 01時頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 01時半頃
子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 01時半頃
喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 01時半頃
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[今日も朝から太公望。 祭りの当日、その準備とは違う慌ただしさをみせる村を他所に丁助は今日も川縁で竿を立てる。]
騒々しいねぇ。
[これからもっと騒々しくなっていくであろうこの先を思うと気が沈んでいく思いだった。 だがその思いとは裏腹にその顔はここ最近では見られないほどの上機嫌が張り付いている。]
祭りはいいねぇ。 賑やかなのはきらいじゃあない。
[水面に垂れた糸を花びらが避けて流れていく。]**
(11) 2016/04/23(Sat) 01時半頃
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―― 昨晩・道端 ――
[ 困らせるつもりじゃないと>>6 小さく笑っていう日向に首を横に振る。
困っているわけではなくて、 心配だったり寂しそうだと思った相手に どんな顔をしたらいいのかわからなかったのだけど。 うまく伝わる気がしなくて、途中で諦めた。]
……?
[ 帰りたくないと何度も頷く様子に目を細めるのが見えれば 僅かに首を傾げる。 怒られるかもしれないと、本当は思っていた。 でも、帰りたくないと思っているのも事実だった。
あそこのおとなたちは皆、用事のないときは、 己を居ないものとして扱おうとしてくるから。]
(12) 2016/04/23(Sat) 01時半頃
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[昼間のうちに掃除をちゃんとしておけばよかったと、ところどころ埃が落ちている家の中を見て少しばかり後悔する。 少しため息に似た音が、彼女にも伝わっただろうか。 確かに雨露が凌げる場所であることには、変わらないのだが。
彼女に礼を言われれば、首を横に振る。 ひとりでだいじょうぶか、と首を傾げてみせたがそれより先に昼間の親子の話をされて>>9]
………、 …………。
[ ものすごく、気まずそうに視線を逸らす。 何かやらかしてしまったというのはおそらく彼女にも伝わっただろう。 だが、続いた言葉には思わず顔を上げて目を瞬かせた。]
……?
[ 悪いことをしたら、怒られるのが普通だと思っていたから。 なんだかふわふわと落ち着きない気持ちになって、いいのか、と自分より小さな彼女を見下ろして首を傾げた。]
(13) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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[ 伸ばされた手に特に抵抗することなくされるままになる。 指先で傷を撫でられれば、びく、と微かに身体をこわばらせた。>>10]
……、……ん。
[――傷を舐めるな、水でちゃんと洗え。 かつて目の前の彼女と一緒に暮らしていた女も同じことを言っていた。 彼女――おもんがいなくなってからは、そのいいつけも守らなくなっていったけど。 不思議と目の前の彼女が、あのときのおもんに重なって。 気がつけば、こくん、と小さく頷いていた。]
[心配じゃない、と言えば嘘になるけれど。 門限までに帰らないと、長やおとなたちにまた怒られるから。 小さく、彼女に手を振って、屋敷のほうへ戻った。*]
(14) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 02時頃
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─ 祭り当日早朝 ─
[心細さは眠りでも解消されず、志乃はいつもより随分早くに目が覚めた。 身支度を整え、伯父達を起こさないようにそっと表に出る。 祭事が始まる前であれば琴に触れることも出来るだろうと考えてのことだった]
(15) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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[まだ起きて出歩く者も少なく、辺りはしんと静まり返っている。 風がそよぐ音や川の流れる音を耳にしながら、志乃は村外れの丘へと向かった]
…………ぁれ?
[その途中、丘へと目を向けた時、木々の間に鮮やかな色を見た。 いつもならば目にするはずも無い、あるはずの無い薄紅]
─────、
[息を呑み、志乃は緩やかだった足取りを速めた]
(16) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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─ 村外れの丘・桜の下 ─
[坂を駆け上がり、息を切らせて上った丘の上。 立派な神楽舞台の脇にある演奏台が目的地だったにも関わらず、志乃の目は上方へと向けられていた]
────── うそ、
[大木が湛える満開の桜。 咲くことの無い桜の樹に花が付いている。 それに異常を抱くよりも先に、見事な枝ぶりに目を奪われた]
きれい ───……
[里でも、里の外でもこれ程の桜は見たことが無い。 志乃は桜に目を釘付けにされたまま、その幹に触れようと近付いて行く]
(17) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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……─── っ ?
[手を伸ばし、指先が触れんとしたその時、爪先が何かにぶつかった。 手はつんのめる身体を支えるために幹へと触れる。 その状態で足元へと視線を落とせば、人の腕が先ず目に入った。 次いで顔がある方へと視線を動かす]
………長?
[志乃が居る逆の方へと顔が向けられていたが、それは正しく里長だった。 見開いた目、歪んだ表情が異常さを志乃に伝えてくる。 ぇ、と思った時にはもう遅かった]
[移ろう瞳は里長の胸に空いた大穴を捉える]
(18) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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──── ひぃっ!?
[ようやく認識した異常事態に引き攣った声しか出てこなかった。 桜の樹の幹を押すようにして倒れる里長から後退る。 里長に満たされていただろう赤色は、全て地面に吸い込まれているように見えた]
だっ 誰か ─── っ!!
[ようやく出た大声で人を呼びながら丘を下る道へと駆ける。 縺れる足に体勢を崩しながらの、転げるような走り方だった*]
(19) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 02時頃
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―祭り当日―
[ 置壱から案内された家屋で一夜を明かし 身なりを整え外へ出ると、花曇りといった風の天気。 この一軒家は丘に近く、屋根にでも登れば それこそ人の行き来くらいは見えるのだろう。
うんっ、と軽く伸びをし、 今日の祭りが佳いものになればいいと、そう思う。
「辛い時は一晩眠りな」 それもおもんがくれた言葉だ。落ち込んだ時でも、眠ってしまえば気が晴れることは多いのだと。
―――宮司の命が現にないことは知らぬまま、 気ままに、祭りの会場に近い万屋の朝準備でも覗こうか。]
(20) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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[ なんだろう。 丘の上に行きたくないと、そう叫ぶ細胞が在る。
何の杞憂かと、万屋で朝準備の様子を見つつ 櫻子に祭りまで一緒に行かないかと誘ってみたが 彼女は仕事が思いのほか立て込んでいると
断られてしまった。]
(21) 2016/04/23(Sat) 02時頃
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[ 万屋でぷぅ、と頬を膨らませていたら 声がした。>>19]
……今、何か
[ 櫻子は忙しそうで気づいていない様子だったから お邪魔しました、と短く言って、万屋の外。
丘の上、何があったのだろうか。 誰かの声は、悲鳴にも、似ていて。]
(22) 2016/04/23(Sat) 02時半頃
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─ 祭り当日/丘への道 ─
[姿の見えぬ長を探して駆け回る中、ふと、足が向いたのは村外れの丘の方。 昨日の、桜を見やる表情の険しさが不意に思い出されたから、だったのだが]
……っ!?
[駆ける最中、目に入ったのは丘の上で揺れる薄紅。 その美しさに目を奪われたのは数瞬、上から響いた声>>19にはっと我に返って道を駆けあがる]
あれは……お志乃? どーした、何があった!
[転げるような足取りで駆けてくる姿に呼びかけた。*]
(23) 2016/04/23(Sat) 02時半頃
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――っ
[ 何度かひとを呼ぶ声があり 気づいた人もいたようだ。>>23 己もまた、志乃の姿を見止めた]
志乃ちゃん? どうしたの、落ち着、いて!
[ 舌が縺れそうになるが、取り乱した彼女の前で 少しでも頼れるお姉さんぶりたいだなんて場違いな思考。]
なにがあって……?何かを見た?
[ 志乃はおそらく、その存在を誰かに知らせる意味で ひとを呼んだのだろうから。
向き合う形か、志乃は膝をついたかもしれないが 両肩を手で支え、彼女の呼吸が整うまでそばにつき。 具体的か、断片的か、短い情報は得られただろう。]
(24) 2016/04/23(Sat) 02時半頃
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辰次! 桜の木! 見に行って!
私は志乃ちゃんについてる!
[ 志乃の示すものへ向かうつもりだったが さすがにこの状態の志乃を置いていくのは忍びないと どこか休める場所を探しながら、 声に気づいた人々には丘の上を指し示し]
……これって?
[ ひら、ひらり。 上から風にのって流れてくるのは、
淡い朱色の、花弁。**]
(25) 2016/04/23(Sat) 02時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 02時半頃
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[呼びかけに応じた声がいくつか>>23 >>24。 こちらへと来る人の姿を見た途端、足から力が抜けた。 転ぶような形で坂の中頃に座り込む]
お 、 長が
桜 、 下で 倒れて
[呼吸を整えぬままに紡いだ言葉は断片的。 日向に肩を支えられ、荒い呼吸のままに続ける]
むね 穴、が
[そこまで言って息を詰まらせた。 右手で口を覆い吐き気を堪える。 まだ飯を口にしていなかったため、出すものが無いのは幸いだったかもしれない]
(26) 2016/04/23(Sat) 02時半頃
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[あまりの出来事に琴がどうなっているかなどの心配は頭から消えていた。 日向が傍に居る>>25ことも、気にしてなどいられない。 それだけの光景が目に焼き付いている]
なに 、 おきて
[桜が咲き、その下で里長が命を落とした。 伝承に重なると皆が気付くまで、そう時間はかからないだろう]
ひなた さ 、
わたし、だいじょう ぶ
みなに つたえ
[呼吸を整えながら、志乃は日向に他にすべきことを示唆する。 休める場所へと促されるなら、坂の下まで付き添ってもらい、腰掛けられそうな岩を見つけて一時休むことにした**]
(27) 2016/04/23(Sat) 02時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 03時頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 03時頃
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[声に気付いたのは自分だけではなく、駆け付けた先には日向の姿もあった。 座り込んだ志乃を支えるのは日向に任せ、断片的に綴られる言葉>>26を聞く]
長……小父が、桜の下で……? 穴、って……。
[聞き返そうとした言葉は、息詰まらせる仕種に途切れる。 き、と見上げた丘の上には微かに揺れるいろ]
……わかった。お志乃の事、頼むぜ。
[日向の言葉>>25に頷きひとつ返し、坂を駆けあがる。 通い慣れた道の先、そこにあったのは初めて目の当たりにする薄紅]
(28) 2016/04/23(Sat) 03時頃
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……桜。
[咲かぬはずのその枝には、淡い薄紅がふわりと揺れて]
…………なん、で。
[掠れた声で呟いた後、視線を梢から下へと下げる。 そこにあるのは、倒れた長の姿]
っ! 雷門小父!
[名を呼んで駆け寄るものの、答えはない。 傍らに膝をついて覗き込めば、恐怖に強張った顔と、胸に穿たれた穴が嫌でも目に入る]
(29) 2016/04/23(Sat) 03時頃
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……咲かずの桜は、封じの桜。 贄の血得し時、封は解ける。
桜咲かすは……。
[口をつくのは、そこだけ頭に強く残っていた、伝承の一端]
……桜咲かすは、巫女の『依り代』。 人の身に在りて人ならざるもの。 戻る叶わぬ、魔の眷属。
…………桜の下に紅散りて、朱桜開く事あらば。 『依り代』滅して、穢れを祓え……。
[覚えた所までを諳んじた後、苛立たし気な手つきで頭を掻きむしる]
(30) 2016/04/23(Sat) 03時頃
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……〜〜〜っ!
なんなんだよ、なんなんだよ。 なにがどーして、こうなったんだよ!
なんで……死んでんだよ、雷門小父。
[こんな時、一番正しい道を選べるであろうひと。 村のまとめ役でもある長が命を失ったこと。 それらがもたらす混乱、それをなんとか振り払いたくて、ぶん、と大きく首を横に振った。**]
(31) 2016/04/23(Sat) 03時頃
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喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 03時頃
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━━前日━━
[丘にあがり休憩する父を見つけると肩から提げた革袋を見せて隣に座る。 大変に驚いた顔を見せたあと、喜び歓迎する父から祭りにかける情熱、母との苦労話などを聞く。]
[次に桜の話になった。伝承では悲しき話の中に咲かせたと聞く、しかし元々この村の者では無い父が深く知ることもなく、逆に祭りが盛り上がるから咲いたところを見てみたいなどそんな話で会話は進む。]
(32) 2016/04/23(Sat) 09時頃
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[ふと桜を間近で見たくなり、巨木の下へ向かう。
父の言うとおり、確かに花を咲かせたなら見事なものだろう。
父が背中で僕に言う。「この桜のように例え咲かなくても、立派にそこにいてくれればいい。曰く付きだっていてくれるだけで父も母も安心なんだ」と。
黙って見上げ、心配する母を思い出すと、父に別れを告げて家へと帰る。 少し暖かい春の1日]
(33) 2016/04/23(Sat) 09時頃
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|
━━前日 家━━ [家に戻り、母を見ればただいまと伝え、部屋に戻る。
疲れた足を揉みほぐし、去る時間を持て余していると耳元に声が聴こえる。]
……? 母上、なんですか?
[しかし母からの返事は無い。 しばらくしてまた小さきものがまとまって囁くような声が耳に聴こえる。
また母に聞くと母は何も言っていないと言い、軽く流される。
澄まして聴こえる声に耳を傾ければ、父の部屋から僕を呼ぶ声。 誘われるままに向かって居間に飾られた父の刀の前に座ると刀が僕に話かけてくる。
小さく囁く声は
少しずつはっきりと
僕に刀を抜けと語りかけてくる。]
(34) 2016/04/23(Sat) 09時半頃
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|
[母が刀の前に座る僕に気づき、話かけてくる。
反応しない自分。
なぜか母の姿がやけに小さく見えて語りかけてくるその言葉がわからない。
ざわざわと耳元が囁く声で五月蝿くなると、僕は…その刀で母の首を刃を突いた。]
(35) 2016/04/23(Sat) 09時半頃
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|
何をしてるんだろう…… [ついさっきまで元気に家事をしていた母が、あっけなく床に斃れ、鮮血があたりに飛び散る。]
……なんて綺麗なんだろう…。
[朦朧とした意識はまるで何か幻想的なものを見ているよう。
囁く声が自分を褒めるようなそんな風に聴こえて、でもその中の大きな声が勿体無いと僕に囁く。]
……?なぜ?
[脳裏に浮かぶ景色に桜の巨木が見えて、そこに血飛沫が舞ったならどれだけ綺麗だろう。]
……ほんとだ…勿体無い…
[囁く声の言ってる意味がわかって僕は後悔する。
桜の下でしなきゃ意味がないんだ……
(36) 2016/04/23(Sat) 09時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 09時半頃
|
―― 祭り前日・夜 ――
[ 日向を産婆の家に連れていったあと、長の屋敷にこっそり戻る。
裏口からそっと忍び込むように戻ると、屋敷の中がなんだか騒がしい。 それを不思議に思わないことはなかったけれど、下手に手を出すと怒られると思ったから。 特に何か聞くこともなく、そっといつも自分が寝起きしている納屋のほうへと歩いていく。]
……、……。
[ 握られた手は温かかった。>>10 昔、小さな頃に婆様が手を握ってくれたときのことを思い出して。 少し、心の臓のあたりがふわふわ温かくなる。 明かりのない納屋を手探りで進んで寝床に辿り着くと、 そのままうつらうつらと櫓を漕ぎ始めた。]
(37) 2016/04/23(Sat) 11時半頃
|
|
―― 祭り当日・早朝 ――
[ ――声が、聞こえた。
「役目を果たせ」と、 聞き覚えのない、だけど懐かしい声。]
……、……?
[ うっすら目を開ける。 手に違和感を感じて其方を見れば、いつのまに取り出したのか真っ赤な珊瑚の簪が握られていて、小さく首を傾げる。
懐に簪をしまい直して、目を擦りつつ外を見れば、既に空は白みはじめていた。
……何か、夢を見ていたような気がする。 「役目を果たせ」と言われたような気がする。 何をどうすれば良いのかは、よくわからないけど。]
(38) 2016/04/23(Sat) 11時半頃
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|
[ 小さい頃、婆様にも同じことを言われたことがある。 「お前の母親も、そのために村にやってきたのだ」と。 「だからお役目のためにも、お前は生きろ」と。
「婆に何かあったら里長の指示を仰げ」とも言われたから 里長にお仕えするのが、己の『役目』を果たすということなのかと思っていた。 だから、どんなに帰りたくなくてもお屋敷に戻ったし、 日々を繋ぐために里長に仕えて飯と雨露を凌ぐ場を貰って今迄生きてきた。 ……婆様に言われたことを、ちゃんと果たすために。]
(39) 2016/04/23(Sat) 11時半頃
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……。
[ 昨日からずっと、左肩に違和感がある。 ぞわぞわと皮膚の内側から擽られるような、突き上げられるような、そんな違和感。 「役目を果たせ」という夢の中の声と相まって、なんだか酷く落ち着かない。]
[ 何はともあれ、まずは起きて仕事をしないと。 とはいえ今日はお祭りだから、最低限の仕事がすめばあとは自由にしていいことになっている。
日向は、あれからどうしただろうか? あれから、特に何もなければよいのだけど。 馬たちの世話が終わったら、婆様の家に様子を見に行ってみよう。 そう思いながら、納屋を出て外に出る。*]
(40) 2016/04/23(Sat) 11時半頃
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―― 祭り当日・朝 ――
[ 馬たちの世話を終えて、婆様の家に向かう。 厨からこっそり竹筒を拝借して裏手の井戸で水を汲む。 ついでに屋敷の裏手の森に回るとそこで野苺を摘んだ。 綾崎の家は裕福だから、もしかしたら彼女にとっては美味しいものではないかもしれないけど。]
[ 村外れまで駆けていく途中、誰かの悲鳴を聞いたような気がした>>19 驚いてぱちぱちと目を瞬いたあと、嫌な予感に駆られて駆け出す。]
……、……っ!
[既に辰次が駆け出したあとだったか>>28 血の気の引いた志乃を日向が支えているのが見えた>>25>>27]
(41) 2016/04/23(Sat) 11時半頃
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……。 ……?
[ これはどういうことだろう、と首を巡らせれば。 鼻先を薄紅の花弁がよぎっていった。 ――桜が、咲いている。 咲かずと言われたはずの、桜の花が。]
[ いや、今はそれよりも。]
…。
[ 志乃と日向に近づくと、何か手伝えることはないかと身振りで訴える。 彼女たちが休めそうな場所を見つけて落ち着いたなら、 そっと水の入った竹筒を志乃に差し出した。**]
(42) 2016/04/23(Sat) 11時半頃
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肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 11時半頃
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[ 志乃からだいじょうぶ、と言われても、 とてもそうは思えなくて >>27 彼女が伝えようとするものに耳を澄ませれば]
……長、が ……穴?
[ 胸に、穴? それは人間の体として不自然すぎる表現。
考えて。
志乃の取り乱し方と、ぽつりと漏らされた長の様子を思案し "死" を意味しているのだろう、と 結論づけるまで、時間がかかった。]
(43) 2016/04/23(Sat) 15時半頃
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[ 離れるべきか否か。 志乃がいくらか落ち着いて、 櫻子でもいればそれこそ託せるのだけれど。
そんな風に考えていれば、近づいてくる足音に>>42]
置壱!
[ ふっと弱い安堵が浮かぶ。 はらり、目の前をよぎる花弁。 時折、視界に入り込んでくる。]
(44) 2016/04/23(Sat) 15時半頃
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これ……桜の、花……だよ、ね。 咲いたんだ。
……つまり、その
長が、……死んだ、から?
[ 置壱に、"死"という認識をさせるのは抵抗があったけれど そのうち、わかることなのだろうから。]
(45) 2016/04/23(Sat) 15時半頃
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|
……まだわからなくて、実感、のようなものが、ない。 ごめん、見に行ってくる。
[ 志乃が声を上げてから、様子を見に来る人は増えた。 置壱か、あるいは置壱ももし付いてくるようならば 通りかかる婦人に志乃を頼み、坂を登っていく。**]
(46) 2016/04/23(Sat) 15時半頃
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日向は、志乃の方を、一度だけ心配げに、振り向いてから
2016/04/23(Sat) 15時半頃
日向は、置壱に視線を移し、少し不安げに瞬きを、ひとつ。*
2016/04/23(Sat) 15時半頃
子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 16時頃
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[近付いて来た置壱の巨躯が影を作り、志乃は思わずびくりとする。 日向が何事も無く接するのを横目にしながら、瞳だけで遠慮がちに置壱を見上げた。 置壱の身振り>>42が何を示すのかを理解するには時間を要した。 岩へと腰掛け、置壱に対して緩く首を横に振ると、今度は竹筒を差し出される。 一つ、二つと瞬いてから置壱を見上げ]
…… あり、がと ……
[意外そうな、呆けるような顔つきで感謝を紡ぎ、両手でそっと竹筒を受け取った]
(47) 2016/04/23(Sat) 16時半頃
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|
………長が、死んだから……、 咲いた ?
[日向の言葉>>45を繰り返すようにして呟く。 気が動転していて伝承をなぞっていることに気付けていなかった志乃も、その言葉から現状についてを少しずつ理解する]
伝承……巫女、の…
[大声を出していたのもあって、紡ぐ声は掠れ行く。 けほ、と一つ咳をしてから、志乃は竹筒の中身を少し口に含んだ。 渇いた喉に水が染み込んでいくのを感じる]
(48) 2016/04/23(Sat) 16時半頃
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大丈夫、行って、ください。
[心配げに振り向く日向にそう言葉を向けて、坂を上る背を見送る。 置壱はどうしていたか。 日向と共に行くと言うなら引き止めはしない。 ただその前に、竹筒を彼に返そうとした]
(49) 2016/04/23(Sat) 16時半頃
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(かかさまが、あの樹を気味が悪いと言っていた、けど…)
[今なら母が感じていたことを理解出来るような気がした。 前触れ無く咲いた薄紅。 怪異を言わずして何と言おう]
[異変を聞きつけ丘へとやってくる者達の中には焦燥する志乃に疑問を抱く者も居るだろう。 最初に里長を見つけたのが志乃である話も、次第に広まっていくはずだ。 まさか、と疑われ始めるのも、恐らく時間の問題である**]
(50) 2016/04/23(Sat) 16時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 16時半頃
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[近づいてきた己を見てか、志乃がびくりと身体を震わせるのが見えて立ち止まる。>>47 怖がらせた、と思ってそのまま志乃から距離を置きながら、彼女が腰を下ろすのを見守った。 竹筒を渡せば、意外そうな顔で礼を言われたが。]
……。
[言われなれない言葉に一、二度瞬きをしてから、それからぶんぶん首を横に振った。]
(51) 2016/04/23(Sat) 19時半頃
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[ 桜の花だよね、と問う日向の声に頷く。>>44
ためしにひらり空に舞うひと片を掴まえれば、春には見慣れたあの薄紅が、その手のうちにあった。]
…… ……。
[ 長が死んだ。>>45 手のひらの桜を見ていたときに聞こえてきた言葉に視線を下ろしたまま一度、二度と瞬く。 それから、ほうけたような顔をして日向と志乃の顔を交互に見つめただろうか。]
(52) 2016/04/23(Sat) 19時半頃
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|
[ 見に行ってくる、という日向の声に>>46 ついていこうと一歩を踏み出す。 そのままあとをついていこうとして、ふと気づいて志乃のほうを振り返るが>>49]
[ 竹筒を渡されれば、素直に受け取る。 ……心配じゃないと言えば、嘘になるけど。 それでも自分がそばにいるよりは他の人間が一緒にいたほうがいいだろう。 坂を上る日向について、桜の木の下へ。*]
(53) 2016/04/23(Sat) 19時半頃
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置壱は、日向坂を上る途中、大丈夫かとその背を見やった。
2016/04/23(Sat) 19時半頃
肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 19時半頃
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─ 桜の木の下 ─
[はら、はらり。 舞い落ちる桜の花弁は淡雪さながら、綺麗に見えるが。 それが落ちる先──もの言わぬ姿となった長と重なれば、美しさは違う感情の色に染まって見える]
…………胸、一突き、か。 でも、刃物って感じじゃねぇし……人間の仕業じゃねぇ、ってこと、か?
[伝承と状況の一致。 違うと思いたくとも、目に映るそれ等は起きている事を淡々と伝えてくる]
……もし、伝承の通りだ、ってぇんなら。
[際限なく血を求めるという、『依り代』となった者をどうにかしないとならない。 とはいえ、それが誰なのか、など、皆目見当もつかない状況で]
……どーすりゃいいんだよ。
[は、と落ちるのは苛立ち混じりのため息ひとつ]
(54) 2016/04/23(Sat) 20時半頃
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|
[ともあれ、このままではいられない。 残った主だった者と今後を相談せねばならぬだろうし、長の亡骸もこのままにはできない。 そう、気持ちを切り替えた事で、ようやく周囲に意識が向いた]
……お志乃の、言った通り、だった。 てぇか、見て、気分いいもんじゃねぇぞ。
[やって来た者たちに向ける声は固い。 長の屍を見ようとするなら押し止めはするものの、丘の上の開けた空間、完全にそれを阻む事は難しかろう。*]
(55) 2016/04/23(Sat) 20時半頃
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喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 20時半頃
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[日向は余程志乃が心配だったのか、里の人に後を頼んで行ったらしい。 置壱もこちらを気にしていたようだが、竹筒を返した後は日向を追って坂道を上っていく]
……大丈夫、少し、休めば…
[日向の代わりに残ってくれた人にも同じように言葉をかけて。 呼吸が落ち着いてくると志乃は岩から腰を浮かせた]
いえ…一人でも、戻れます。 …ほら、呼ばれてますよ。
[残ってくれた人が他の者に呼ばれていることを理由に傍から離そうとする。 志乃の蒼白な顔を見てその人は食い下がろうとしたが、再度促すと呼ばれた方へと向かって行った。 それを見送った後、志乃は人の流れに逆らい丘から離れて行く]
(56) 2016/04/23(Sat) 20時半頃
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―― 桜の木の下 ――
[ はらり、はらりと舞い散る花弁を見上げれば、 それは淡雪を思わせる儚げで美しい桜の花。>>54]
…
[ 坂を上り終わった先にあったのは、咲かずの桜と呼ばれていたはずの桜が美しい花を咲かせる光景と、散った桜の花弁に埋もれる物言わぬ長の姿だった。
坂が終わる少し手前で、日向に並行する位置から手前のほうへ歩を進める。 長の姿が見えたならば、無言で日向とのあいだに立つだろうか。 その死体が、彼女の目に入らないように。
とはいえ完全に隠し切れるものではないから、彼女自身が見ようと思えばその姿を見ることは容易だろう*]
(57) 2016/04/23(Sat) 21時頃
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─ 川沿い ─
[最初は家へと向いていた足はいつしか川沿いの道を歩む。 無意識だったらしく、我に返ったのは川縁に立つ竿を目にしてのことだった]
……すけさん……
[消え入りそうな声で呟く。 こんな時でもいつもと変わらないように見える丁助。 知らずに居るのか、知って尚この姿勢なのか。 後姿からは判別出来ない]
(58) 2016/04/23(Sat) 21時頃
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…すけさん、
桜のこと……聞いた?
[これまで避けていたのに、気付けば声をかけていた。 どんな反応をされるだろうと、胸の内に不安が膨らんでいく*]
(59) 2016/04/23(Sat) 21時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 21時頃
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志乃……か。
[水面から視線を外さず背中の声に応える。 振り返って答える顔も声色は”以前のまま”で、まるで二人の間には何も無かったかのよう。]
桜?何も聞いてねぇな。 咲かぬの桜が満開にでもなったか?
[嘘はついてはいない、何も聞いてはいないのだから。]
(60) 2016/04/23(Sat) 21時半頃
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(嗚呼、やっぱり綺麗だな)
[視線の先、志乃の顔をじっと見つめる。 少し陰が差しているように思えるのは丁助を袖にした後ろめたさからか、それとも丁助自身のバツの悪さ故か。 だけどそれによって彼女の美しさが損なわれることはないように見えた。
───想う。
あの桜の樹の下で琴を奏でる志乃の姿を。 きっとそれは綺麗に違いないと。]
(61) 2016/04/23(Sat) 22時頃
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―桜の木のそば―
[ 置壱がついてきてくれたことは、有り難くもあった。 死、という現実を、受け入れることは 易くはない。
辰次からかけられた声に>>55 逡巡するも、見ることを選ぼうと。
そう思った折、置壱が視界を遮って>>57]
……私は見ない方がいい、か。
ならこの目で確かめる代わりに 確証を頂戴。
―――里長は、本当に……死んでるん、だね……
[ 肯定を求める。]
(62) 2016/04/23(Sat) 22時頃
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|
[返る声>>60は以前と何ら変わりなく聞こえた。 向けられた表情も、以前の、”あの日”よりも前と同じで]
…………
[どうしてか、酷く安堵した]
(63) 2016/04/23(Sat) 22時頃
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うん…… 咲いた の。
凄く 凄く、 綺麗に。
[問いに頷きながら、そ、と歩を進めて丁助の近くに腰を下ろす]
─── でも、 その下で
長が ……死んでたの…
[言葉から実際に目にしたと言うのは伝わるか。 顔を俯け、瞳を伏す。 目尻から、ひとひら、ふたひら、雫が零れ落ちた]
(64) 2016/04/23(Sat) 22時頃
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─ 桜の木の下 ─
[亡骸と日向の間に立ちはだかるように動く置壱の様子>>57に、ほんの僅か、目を細める。 こんな風に気を使える所が、気性の激しい部分もあるが根は真っ直ぐなのだと伺わせて。 そんな所もまた、構いたくなる由縁の一つ]
……ああ。
[確証を求める日向>>62に返すのは、短い言葉を伴う首肯]
胸を一突き……ただ、見た感じじゃ、刃物の傷じゃない。 なんかこう……先の尖った、鋭いもんで貫いた……って、感じ、だ。
それが何か……は、さっぱりわかんねぇ、けど。
[そこまで伝えて、それから。 は、と大きく息を吐く]
(65) 2016/04/23(Sat) 22時頃
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……に、しても。 どうすりゃいいんだよ、これ……。
桜が咲いた事の意味は、わかる、し。 こうなったら、どうすりゃいいか、ってのは、伝えられてる、けど。
[それをどう成せばいいか、わからない事への困惑。 らしからぬ惑いを帯びた声には、それが確り、滲み出ていた。*]
(66) 2016/04/23(Sat) 22時頃
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そう……。
[ 辰次の説明に>>65、事実を得、小さく頷き。 死を悼むように、目を伏せた。 瞼の裏側に、幾つかの追想を。]
長は、どうして……死んだんだろう。 胸を、一突きか。 誰かに殺されたのなら、それは [ 巫女の、伝承。]
巫女の幽霊が長を殺したなんて、思えない。 手を下したのは、人間なんじゃあ、ないのかな。
御伽噺みたいな状況に陥れて ……私たちを、嘲ってるんだ。
[ "依り代"についての知識まではなかったけれど、 この不可思議な状況を、"不可思議"という言葉だけで、片付けたくない本音が小さな炎のように燻る。]
(67) 2016/04/23(Sat) 22時半頃
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……どうすればいいか、って……?
[ 伝えられている。その言葉を耳に止めれば>>66 それを促すように、辰次に視線を向けるが けど。と、止まった言葉には、訝しげな色。]
言えない? もしかしたら、これ以上被害が出るかもしれない。
―――それでも、言えない?
[ それは暗に、言って欲しい、と―― 否、もはや無表情な日向は、辰次に迫るように繰り返す。*]
(68) 2016/04/23(Sat) 22時半頃
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━━前日夜━━
[朱に染まった床に母親を寝かせて、何事もなかったかのように母の食事を食べる。
赤濡れた服は少し固まり、黒紫色の染みになりつつある頃、父が帰り何も知らないまま居間へと向かう。
背から忍び、父が悲鳴をあげて母に駆け寄り抱き上げたところで僕は刀をあげて父の肩より斬り下ろす。]
━━ザシュッ
[父は母に重なるようにして動かなくなり、僕だけの空間となった。
ゆっくりと父の背中に頭を載せて、冷えていく父の体温を感じてその日は眠る。]
(69) 2016/04/23(Sat) 22時半頃
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[人が手を下したのだと、日向は言う。>>67 己も、伝承に深く触れる前であればそう思ったかもしれない……などとふと、考えたのは刹那の事]
…………。
[繰り返し投げられる問い>>68に、幾度目か、苛立ち紛れに頭を掻いて]
……咲かずの桜は、封じの桜。 贄の血得し時、封は解ける。
桜咲かすは、巫女の『依り代』。 人の身に在りて人ならざるもの。 戻る叶わぬ、魔の眷属。
桜の下に紅散りて、朱桜開く事あらば。 『依り代』滅して、穢れを祓え。
[口にしたのは、先も紡いだ伝承の一端]
(70) 2016/04/23(Sat) 22時半頃
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……長が……宮司が死んで、桜が咲いた。 それをやったのが、巫女の『依り代』なら。
これ以上、血が流れる前に、そいつを見つけて……殺すしか、ねぇ。
[低い声でそこまで言って、また、大きく息を吐いて]
家に伝わってる伝承じゃ、そう言われてた。 ここらは、後で親父……語り部から、皆に伝えられるだろうけどさ。
その『依り代』とやら、どーやって探しゃいいんだよ……聞いて名乗り上げるとか、考えらんねぇし。
[何かしら探す術もあるのかもしれないが、少なくとも自分の手にはそれはないから。 声音には少なからぬ苛立ちの響き。*]
(71) 2016/04/23(Sat) 22時半頃
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|
そうか、死んだか。
[あれは宮司のおっさんだったのかと今更に認識する。 思えばそういえば確かにそうだったような気がしてくる。]
桜……綺麗だろうな。
[丁助は志乃の涙から目を背け川に視線を戻すと、水面には桜の花びらが浮かび流れている。 ちらりと視界の端に映る彼女の俯いた仕草に心の臓が強く脈を打つのを覚えれば、思わずその華奢な肩を抱きそうになったが、決してそうはしなかった。]
ちょいと、見てくるわ。
[立ち上がり、恐らく騒ぎになっているであろう丘の方を見やる。 きっと辰次あたりが張り切ってるだろうかと思えば気が重くなるのを感じる。 一度だけ竿に目をやればどうやら魚が掛かった様子だが、竿を手にすることもなく、志乃にもそれ以上言葉もなく丘へと向かって歩き出した。]
(72) 2016/04/23(Sat) 22時半頃
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[ 辰次が、伝承であろう言葉を紡ぐことに、 僅か目を見開いた。 力仕事の似合う辰次が、物々しい伝承を音に乗せる。 彼の家系であれば不思議ではないことだ。
読み物なんてらしくない、なんて思ったあの時に 彼はそういった知識を得ていたのだろうか。]
つまり、村の誰かが、その依り代になっている?
[ この村に余所者と言える人物はいない。 ほぼ全員が顔見知りの、この村で。]
聞いて答えないのなら……
[ 自分でもその言葉が出てくることに驚きながら けれど淡々と紡いでいた ]
疑わしきを拷問でもすれば、いいのかなぁ?
(73) 2016/04/23(Sat) 23時頃
|
|
[丁助の声>>72に驚きの色は無い。 元々祭事や桜の伝承に良い思いを抱いていないようだったが、それにしても淡白に感じた]
───…… ぅん
[見てくる、と立ち上がる丁助に俯いたまま、長めの間を空けて是を返す。 それ以上かけられる言葉は無い。 志乃もまた、ふつりと切れた感情の糸を縒り戻すことが出来ず、座り込んだまま丁助に縋る手を伸ばすことが出来なかった。 突き放してしまったのに今更そんなことは出来ないと言う意識もあってのこと]
(74) 2016/04/23(Sat) 23時頃
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…………─────
[顔を上げることが出来たのは、丁助が丘へと向かってしばらくしてから。 袖の端で目端を押さえるようにして雫を拭う。 川を見遣れば、ひとつ、ふたつと桜の花びらが志乃の前を横切った。 竿に掛かっていた魚がどうなったかは…志乃の目では判断出来ず。 しばらくはぼんやりと、流れる花びらと揺れる竿を眺めていた]
(75) 2016/04/23(Sat) 23時頃
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[ 言ってすぐに馬鹿馬鹿しくなった。]
疑わしきなんて、そんな簡単に見つからないか。
[ は、とため息一つ。*]
(76) 2016/04/23(Sat) 23時頃
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[伝承を諳んじる、などというのが普段の己とかけ離れているのはわかっているが。 今は、それが思わせる事に意識回す余裕もなく]
……ああ……そうでなきゃ、なんで。 誰に、雷門小父をこんなにする理由があるんだよ。
[個々の感情までは計り知れぬが、こんな殺め方をするほどのものがあるとは思えず。 故に、誰かが『依り代』に、という言葉>>73にこう返して]
…………。
[さらりと上げられた拷問、という言葉に絶句する事数瞬]
…………ああ。 だから、どーすりゃいいんだよ、ってなるんだよ。
[ため息と共に落ちた言葉>>76に頷いて、こちらも小さく息を吐いた。*]
(77) 2016/04/23(Sat) 23時頃
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|
━━当日 朝━━
[朝を迎え、冷たい父母の傍らで起きて寒くならないように布団を二人にかける。]
寒かったら…言ってね…
[そう語りかけると、水で血のついた身体を洗い、着替えて手入れした刀を布で覆った。]
お祭りに行ってくるよ…夕方には戻るから…
[布で巻いた刀を杖代わりに家を出て、向かうのは丘の上、ずっと頭には囁く声が聴こえる。 僕を呼ぶ優しい声。 懐かしいような…切ないような…悲しさを訴えているようにも聴こえる不思議な声]
(78) 2016/04/23(Sat) 23時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 23時頃
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―桜の木のそば―
[確証、と言われると>>62少し困ったような顔をするが 辰次が変わって状況を説明してくれた。>>65 それを肯定するよう日向のほうに向き直って頷く。]
……、……。
[悼むように目を伏せる日向の顔をじっと見つめる。 こういうとき、どんな顔をすればいいのかわからない。 ……婆様が死んだとき、己はどうしたのだったか。]
(79) 2016/04/23(Sat) 23時頃
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|
[巫女の伝承。 それはこの場にいた二人も同じことを考えていたらしい>>66>>67 困惑したような辰次の声と、どこか表情の読めない顔をした日向の声が交互に響く。 二人を交互に見つめていれば、やがて>>70>>71]
……。
[『依り代』を見つけて、殺す。 それはつまり、里の『誰か』が長を殺したということで。 そしてその『誰か』を、見つけて殺さないといけない。
……でも、その『依り代』を探す手段がわからない。 む、と眉根を寄せて俯く。 心なしか左肩の違和感が少し大きくなったような気がして 無意識のうちに右手で肩をさすっていた。*]
(80) 2016/04/23(Sat) 23時頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 23時頃
肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/23(Sat) 23時頃
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[息吐いた後、ふと、置壱の身じろぐ様子が目に留まる。>>80]
……どした? 痛むとこでも、あんのか?
[そんな問いを投げてしまうのは、いつもの癖。 この場に置いては、現実逃避的な側面も多々あるが。*]
(81) 2016/04/23(Sat) 23時頃
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|
[ 考える。考える。 考えていないと恐ろしい感情が襲ってくる。 頭を回せと、訴えるのは理性か本能か。
拷問と告げた瞬間に固まった彼も見ていた。 それすら怖じるのかと一瞬だけ、唇を噛み 結論を出せぬ辰次に歩み寄ると>>77]
なぁ、辰。
[ 昔の呼び名で、軽く呼んだ声色は、 次第に重く、低く]
依り代が誰なのかなんて、わからないけれど 探す前から諦めちゃあ、だめだよぉ。
(82) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
|
|
[むぅ、と左肩をさすりながら暫く思案したような顔をしていたが、 声をかけられればきょとと瞬いたあと、首を横に振る。>>81 それから、何か思いついたか辰次の袖をちょんちょんと引っ張って。]
……ぉ、……。
[片方の手のひらを上に向けて、 反対側の手をその手のひらの上でひらりひらりと左右に動かす。 昔のこと、もっと言うならば以前巫女を封じたときの伝承を調べればわかるのではないかと訴えるが、果たして意味は通じるだろうか。*]
(83) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
|
|
長を殺した、依り代は 桜を咲かせて満足するわけじゃないんだよね? また血を流すのかな?誰の?それは村の人?――私?
[ 頭がぐつぐつと煮え立つようだ。 それはこの場にいる辰次や置壱に対してではない。 死という事象に対する畏怖と、 もう一つは言葉にならぬもの。]
……置壱、だいじょうぶ?
[ 肩をさする置壱に>>80、心配そうな視線を向けるが 次第、人を気にかける余裕すら失われそうで、 ごめん。と短い謝罪をつぶやき、 桜の木に背を向け駆け出した*]
(84) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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|
━━川沿い━━
[そんなに早くない足で丘に向かう。 昨日と違い胸が少し締まる苦しさを感じるものの…身体に支障はない。
薬を飲み忘れてしまったのが原因か生憎と薬も一緒に持ってなく、仕方ないのでそのまま向かう。
やがて川に差し掛かれば遠くに佇む>>75の志乃の姿。竿があるところを見れば釣りのように見えるが、違和感を感じて話しかけてみる。]
…? 演奏は?今日じゃなかったっけ?
(85) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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― 祭り前日:深夜―
[翌日もまた然程変わり映えのせぬ一日を過ごし。 明日はとうとう祭りの当日、という夜に、 ふと、微睡みから目覚める。]
…… …
[なぁんでこんな時間に目が開いたかな、と肩を掻き、 やけに熱を持った手を冷やそうと 囲炉裏の傍の水桶に近づき、杓子を取った。
―――刹那、からからと聞きなれた音が静寂を破る。 何の前触れもなく始まった「それ」に、杓子を持ったまま背は凍り付く。 手妻に使った道具、もう使うことのない欠けた茶碗、 薄く埃が積もりかけた瓦落多を集めた雑箱の中に 放り込んだままになっていた風車が一斉に羽根を回し始めて]
(86) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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|
……嗚呼、 そういうことかよ。
[水を汲む気にもなれず、杓子を投げ捨てる。 木と木がぶつかる音が不穏に響き、水桶の水面は乱れた波紋を描いている。
今宵は吹き込む風がいやに生暖かいとは思っていた。 いつ“それ”を察知する覚悟もあった。 毎年、祭りが近づくにつれ、高台から咲かずの桜を眺める日が増えるのも、過去幾度か橘を苛んだ業の血が再び囁き出すのを警戒してのことだったのだが] ……っ、くそ。
[眠りは深い方で、浅いまどろみの中で見た夢すらも、 朝になれば呆れるほどすっきりと忘れている己が、 今日に限っては夢に出てきた者の顔すらも明瞭に記憶している。 つまりそれは、予兆。]
(87) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
|
|
……親父は何っつってたか。
『惹かれた』者が出てしまえばまずもって危険なのは、 影響力の強い一族………とすりゃ、 無意識下でもまずあいつが出てくるのは 強ち的外れではない、が。
[死の淵にあった父から聞き取った断片を 記憶からひとつひとつ引き出してゆくに、 今日、夢が示した娘は、
桜に惹かれた者ではない ということだろう。]
(88) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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|
… でも、 親父よ。 俺ァ、やっぱり出来損ないじゃねえのか。
[適当な羽織を肩に引っ下げ急ぎ足で家を出る。 山々の間を縫う宵闇の中に、空白む気配を見た。 小高くなった場所から丘を振り仰げば、]
間に合ってねぇよ。
[枝を広げているのは 咲かぬはずの 桜。*]
(89) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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……へ?
[向けられたのは、懐かしい呼び名。>>82 それに呆けた声を上げている間に綴られた言葉に数度瞬く]
……ひな、姉。
[何が彼女にそれを言わせているのか、そこまで気を回す余裕はない。 けれど、綴られる言葉は、正論で。 惑うばかりで動けていない己が在り方に、かなりきつく、刺さった。 無意識、こちらも昔の呼び名を口にして。 それから、後ろ頭を掻いた]
(90) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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|
……わぁってる、よ。
伝承の通りなら、ここで諦めたら……やられる、だけ、だ。
[伝承の通りであれば、『依り代』は更に力を求め、巫女の解放を求めるだろうから。 そのために、血が流れるのは止めなければ、と。 完全に吹っ切れてはいないが、一先ず、そう思い定める事はできて]
これ以上、死なせねぇためにも。 ……やれる事、やらねぇと、な。
[そう、告げた言葉は日向にはどう響いたか。 置壱に案ずる言葉を向けた後、駆けだした彼女に戸惑い、呼び止めようとするより先、ちょんちょん、と袖が引かれて。>>83]
(91) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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……お?
[手と手の動きに、首を傾げる]
ん、なんだ? ここより、前?
[仕種から、辛うじて読み取れたのはそんな感じの事で。 あってるか? という感じで首を傾げた。*]
(92) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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― 祭りの日 朝:村外れの丘 ―
……雷門の長が亡くなったそうだな。 [見事な枝振り、舞う薄紅の花弁。 聳える桜を見上げながら丘を上り、 だれともなく上に居た者に声をかける。 次々と駆けつける村の者らにも目で会釈を。 見たこともない風景に在って、表情はいつになく厳しい。]
成程、確かに酷ェ。 思ったより血が広がって見えないのは…
[着衣の状況から、凶器は刃ではないようで。>>54 それだけでも十分に異様さは伝わるがゆえに、 「血が桜に吸われているようだ」とは続けずに、 必要以上に触れぬようにした上で手を合わせた]
(93) 2016/04/23(Sat) 23時半頃
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─ 川沿い ─
[ぼんやりしていたところに掛かる声>>85。 はっとした様子で振り返る]
かめにぃ……
…演奏、どころじゃなくなったの。
[一度は亀吉に向けた瞳を緩やかに伏せて、問いに答え]
……丘の、 咲かないはずの桜が 咲いて
その下で 長が、死んでたの。
[見てきたことを亀吉にも伝えた]
(94) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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ひなたさんは、桜の下で長が死んだから、 桜が咲いたんじゃないか、って。
桜の伝承に そんな話があったよね?
[確認するように亀吉へと問いかける]
(95) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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[>>84心配そうな視線と声に。]
……、……。
[ふるふると小さく首を横に振る。 とはいえ気まずそうに視線を逸らすその姿は、 昨日あの家で叱られそうになったときと同じもので。
ごめん、と短い謝罪と共に彼女が駆け出していったのを うまく引き止められずに見送った。
仕方がないので辰次になんとか説明しようと試みるが]
……ぅ
[意図したことの半分か、下手をしたら それよりももっと通じていないかもしれない。 それでも、「ここより前」という意味ではある意味合っているので迷った末にこく、と頷いた。*]
(96) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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『依り代』滅して、穢れを祓え……
[早朝に家を出た癖、現場に到着するまでに間は空いた。 丘に到着したのは辰次が伝承>>30を諳んじた頃。 口中で同じ言葉をなぞり、頷く。]
仕様がねえだろうな。
[恐らくは代々の宮司の家系に伝わる文面であろうか、詳細を聞くのは初めてだが。 慄くでもなく、諦観でもなく、心得ているといった風な表情でそれを容れるのは、何も知らぬ村人としては異に映るやもしれぬとまでは考え及ばない。 周囲を囲む村人らに咎めるように睥睨されて漸く、苦く笑った。]
……と、気をつけろよ!
[置壱を気遣うようにしていた日向が、行き違いのように急に駆け出したのには、転ばぬようにとその背に声を投げる。 状況が状況だ、無理もないであろうし、また、 今朝方夢に現れた彼女に対しては別段の懸念を抱いていなかったゆえに、その声は自然と親身なものにはなっていた。]
(97) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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[むぅ、と唇を噛んでいると、視界の端に見覚えのある姿>>93]
……、
[ちょいちょい、と辰次の手を引っ張って、 香月が長の亡骸に手を合わせる姿に視線を送った。*]
(98) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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[問いに返るのは、頷きひとつ。>>96 迷う仕種も見えたそれに、ありゃ、と思いはしたものの]
……ここより前……ってぇと。 あー……古い記録、って事か?
[この場で関わりありそうな事は何かと考えて、どうにかそこに思い至り、それから]
あ、そうか。 前はどうやってたか、調べるって手もあったか!
[むしろ、それが語り部の家の正しい在り方なのではないか、とか。 そんな事には思い至ってはいないのは、素の性格故の事。*]
(99) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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[どーやって探しゃいいんだよ、との辰次の声>>71が届けば 双眸は逡巡するように下方を彷徨う。]
さあて、―――
[自身は父親や曽祖父とは違う。 未然に疑わしきを始末することも出来ず、 桜はこの通り、薄紅の花を見事に咲かせてしまい。 名乗り上げて、どうなるというのか。 この有事にあって、如何ようにするのが得策か?]
…案があるみたいな感じだな?
[言葉にならぬ何かを吐き出し、心ここにあらずを隠すよう、 促すような見守りだけ、置いて。 置壱>>83の仕草と、意図を読み取ろうとする辰次とに注視していた。]
(100) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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>>94>>95…桜が?
そっか…、"志乃は"今辛いんだね…
[僕ではない誰かがやったのか、死んだときいて辛いよりも叶えてくれた安堵の気持ちと自分がそれを叶えられなかった寂しい気持ちに包まれる。]
伝承は少し知ってる。でも…そのためにあの木は存在したんじゃないかな…?
(101) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 00時頃
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[一つの事に集中すると、他が疎かになりがちなのは良く在る事で。 袖引く仕種と視線の動き、それでようやく、香月の存在に気がついた]
……っと、兄さんも来てたんか。
[見回せば、大分人も集まっている。 そりゃそうだよな、と思いつつ、向けるのは眉の下がった少し情けない表情。*]
(102) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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― 神楽舞台の裏手 ―
[ あの桜から逃れられるなら何処でもよかった。 祭りの準備が終わり、設営された神楽舞台。 その裏手で、木板に凭れ、がちがちと震え、音を刻む歯列。 噛み合わせた場所悪く、歯茎からすこしの血が滴っている。
早鐘のように打つ心音。恐ろしい、ただ恐ろしい。 両手で心臓のあたりに手を当て圧迫すれど逆効果。 落ち着くための深呼吸も、できそうにない。]
ひとが 、 死んだ
[ 日向の恐怖は、長の死だけに向いているわけではない。 二年前、消えたおもんのことを思い出すのだ。 彼女は死んだわけではないと、そう信じている、けれど]
(103) 2016/04/24(Sun) 00時頃
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……いやだ、いや、いやだ……
[ おもんが消えた朝。 家にあったのは、ぽたりぽたりと、滴ったような血の痕で、 おもんの布団に一つ。 探せば台所から外へと続いていく、血の辿り道。 生憎の雨の日で、外に続いた先はもう見えなかった。
あの時、辰次や置壱が止めてくれたから良かったけれど もし死体を、その血を見ていたら、 正気でいられなかったかもしれない。
(104) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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もぉいやだ、血はいやだ、誰かが消えるのは嫌だ。 ひとりぼっちがいやだ。 置壱も志乃ちゃんも、丁助も辰も、 みんながいるこの里が私の家なんだ。
[ 次の被害が出ない為に、己が為すべきことは]
依り代―――それの息の根を止めてしまえば
終わるの、か、な。
[ 失いたくないがために、殺意すらも燻らせてしまった。 それは、誰かを失うことなのだと、気付けぬままに*]
(105) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[丘へと向かう道すがら丁助は志乃を想う。 涙する彼女を置いて立ち去るには後ろ髪を引かれる思いがある。 だが未だこの想い断ち切れぬは自らが人であるという証拠か。]
(106) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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…もう、なにがなんだか……
[分からない、と言う様に首を横に振る。 冷静に考えるためには里長の死を目撃した際の衝撃が強すぎた。 そこへ加えての桜の怪異。 大きく揺さぶられた感情が冷静さを奪っている]
……そのために……?
[亀吉が示唆するもの>>101の意図が掴めず、伏した瞳を再び彼へと向け、首を傾いだ]
(107) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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居る、居る。 そらお前、これだけ騒ぎになっていれば。 …前後したが、長のことは、ご愁傷さんだった。 置壱にも、だな。
[置壱が長の屋敷に身を置いていることは知っている。 長の屋敷にはとんと縁がなく顔を合わせることは稀で、 「鬼子」と呼ばれ忌避される彼に対して何か行動を起こせたこともなかったのだが。 雷門の死に際し、宮司の縁戚である辰次と、そして置壱にも お悔やみのようなものをひとつ、置いて]
それで、何か妙案は出たかい?
[ふたりを見比べ、首を軽く傾けた。]
(108) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[だが丘へ近づくごとに別のことが頭の中を支配する。 内に聞こえる声が、女の声が、美しい声が響いている。
───桜を咲かせ続けよ。
だから丁助は何をすべきかを考える。 そう、この女の魂を解き放つために。]
(109) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[浮かぶは一人の男の顔。 かつては香兄と慕った手妻師の男。 橘の本流、その血筋を引く唯一の男。]
……捨て置くわけにはいかねぇよな。
[その顔には笑み。 口角を上げて笑みを浮かべていた。]
(110) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[ 香月の存在に気がつくと同時に、 周囲に人が集まり始めていたことにも気づく。>>102]
……。
[ 無駄だとはわかっているのだが、どうしても人の多い場所は苦手で。 なんとかして辰次の影に隠れようとする。]
……、……。
[ 香月に声をかけられれば、>>108 辰次の背後でおずおずと会釈する。 気がつけば無意識のうちに左肩をさすっていた。
香月が特別、嫌いなわけではない。 というより特別縁があったわけでもなく、たまに村のどこかで会ったときに挨拶するくらいだったが。 ただ、そのときに彼のあの目で見られるとぞわ、と左肩のあたりが粟立つような感覚を覚える。 それが、どうにも苦手だった。 妙案は出たかい?と首を傾げられれば、一瞬戸惑ったあとふるふると首を横に降った*]
(111) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[ ぽつ、ぽつりと 落ちるは冷たい水滴。
見上げれば、空を分厚い雲が覆っていた。
かっとしてしまっている頭を冷やしてくれればいい。 この雨で、不気味な桜の花も散らしてしまえばいい。
そんな風に希えど、侭ならぬことを知らず。 美しい桜に、果たして罪はあるのか、否か**]
(112) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 00時半頃
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[ご愁傷さん、という言葉>>108に僅かに目を伏せる]
……ああ。 ったく、こんな事になるんなら、もうちょっと真面目に色々聞いとくんだったぜ。
[冗談めかした物言いで、内心の痛みを誤魔化して。 向けられた問いに、軽く頭を掻く]
妙案ってぇか、なんてぇか。 どうやって『依り代』見つけっか、その方法がどっかにないか探すとこから、って感じかね。
[一先ず辿りついた論を口にしながら。 自分の後ろに隠れようとする置壱に気付くと、肩越しに振り返り]
……だーいじょうぶだって。
[小さな声で、それだけ告げる。 こんな状況だけに、子に向く視線には険しいものもあるやも知れないが。 それでも、不安を少しでもやわらげられれば、という意識が働いていた。*]
(113) 2016/04/24(Sun) 00時半頃
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肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時頃
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[この村では姓を持つものが少なくないため余り珍しさはないものの、山里にあって橘の家名を持つのは本来ならば奇異である。 その橘の名を持つものが今では二人。
それが丁助と香月だった。
裕福な丁助の家と貧しい香月の家ではあったが、丁助の家が傍流であり橘の本流は香月の方である。 丁助の家は傍流であることはいいことに自らの家のことだけにかまけることができた。 結果として村と外を繋ぐ役目を利用して財を成した。
だが本来、橘の家には"力"があったというが傍流である丁助にはない。 ただ口伝にて橘の力と役目が伝えられているのみである。 故に、時を経て橘本家に対する劣等感として代々受け継がれることとなった。
それは丁助も例外ではない、]
(114) 2016/04/24(Sun) 01時頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時頃
半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時頃
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[>>107ショックを受けてるのか志乃は少し参っている様子で、こちらの言葉で伏せた瞳が向いてしまうと、僕は哀しい目で彼女の顔を見て気持ちを抑える。
本当の気持ちを話してしまえば、傷つけてしまいそうで…だから僕も嘘をつく。]
……伐れば……いいんじゃないかな。
それができないなら
そのために残してるんだよきっと。 鎮めるなんて…できないから…
でも誰がしたのかわからない。
二人でそれをしよう?
最後に…琴も…長に聴かせてあげれるし…
[桜に綺麗な琴を聴かせて、彼女をその下で裂いたなら、どんな声で桜は褒めてくれるのだろう。まだ見ぬ満開の桜に想いを寄せて、静かに目の前の生贄に期待を寄せる。]
(115) 2016/04/24(Sun) 01時頃
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今は…まだ… 志乃はゆっくり心を落ち着かせておいで?
僕は先に桜を見てくるよ。
そして僕が伐るから…
君は近くで琴を奏でていて欲しい。
長だって、桜だって、何もないよりはその方が良いから。
[そう伝えて、僕は桜を目指すため背を向ける。 来てくれるなんて希望でしかないが、叶うなら桜にとってそれが良いと思った。*]
(116) 2016/04/24(Sun) 01時半頃
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今夜…桜の下で待ってるよ。
またね。
(117) 2016/04/24(Sun) 01時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時半頃
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[置壱が首を振るのにはそうかと頷いた。 顔を合わせる時々において、彼の己に対しての態度に 何処となく違和感を抱いてはいたが、然程気に留めたことはなかった。 それが、今になってふと、気にかかる。]
…依り代、か。 『人の身に在りて人ならざるもの。 戻る叶わぬ、魔の眷属――』 …だっけか。 [野次馬に群がった村人の中に丘を降りる者が目立ち始め、 辰次の論>>113に補足するよう、口を開いた。]
……眉唾だが、方法は、無いことはないぜ。 爺さんから聞いた話ではある、が、 「妖」のものを見分けることが出来る呪いのようなものがある「らしい」、と。
(118) 2016/04/24(Sun) 01時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時半頃
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見える人間がどこかにいるのか、 それとも別のナニカの所業かは知らんが、 かつて、「妖」の所業とされる大事が起きた時に用いられたんだそうだ。
籠屋の裏手の林の奥に、割と大きな泉があるだろ。 あそこにしか咲かぬ白と赤の茨草、 疑わしきは赤、そうでないものは白――― おおむね一夜に一人、名を示した半紙、或いは木板が いずれかの色の生垣に架かったものだ、と 爺さんはひい爺さんやそのまた爺さんに聞いたんだと、さ。
[――否、そんな伝承はない、と内心で苦笑する。 自身の受け継いだ血が確かなものであるという確証はなく、 しかし自身の見たものを伝えずにおくわけにもゆかず、 明け方、苦し紛れに思いついた策がそれであり。 現在は、綾崎 日向を示す木板が白色の茨草の元で揺れていることだろう。]
(119) 2016/04/24(Sun) 01時半頃
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|
繰り返すが、眉唾だ。 そういう話もあったらしい…ってな。 この村に伝わる桜の伝承よりも新しいものだから、 今回の件が過去の事例に添うかどうかは知らんが。
[言って、短く息を吐いた。 出来る限り表情を入れず「伝承」の体で話した心算だが、 己の語った方法は穴だらけで、長くは誤魔化せまい。 雷門の屍を見下ろす眉間には深い皺が寄る*]
(120) 2016/04/24(Sun) 01時半頃
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|
……伐れば、良い…?
……あぁ ───
[以前桜が咲いた時、それを鎮めたのは緋色の龍と称される存在だった。 その存在ならば再び咲いた桜を鎮められるのだろうけれど、それが何者だったのかは詳しく伝えられていない。 頼る宛が無いのであれば、桜そのものを伐れば良い。 亀吉はそれを成すと言う>>115]
琴…そうだ、まだ、置いたまま。
[伐る時に琴を奏でて欲しいと言う願い>>116。 それが鎮めとなるならば、厭う理由は無かった]
(121) 2016/04/24(Sun) 01時半頃
|
|
……今夜、
────…… うん
[亀吉の真意など知る由も無く。 促されるままに、琴を弾きたいという願いのままに、志乃は頷いていた]
(122) 2016/04/24(Sun) 01時半頃
|
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時半頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 01時半頃
|
ああ。 巫女の宿した『魔』の力。 それを受けた『依り代』……ってこと、らしい。
[らしい、がつくのは、伝承の書物を深く読み込めていないが故。 それから、香月が語る『伝承』>>118 >>119を聞く]
へぇ……そんなまじないもあるのか……いや、全くなんの手がかりもないよりは助かるぜ。
[彼が秘するものには気づかぬまま、上げるのは感嘆の声。 深く伝承に通じていたなら何かしら、違和を覚えたやも知れないが。 文字通り、俄かの語り部たる青年はそれを感じる事もなく。 故に、刻まれる皺>>120の意味する所にも気づけない]
(123) 2016/04/24(Sun) 02時頃
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……ま、それは後で確かめるとして。 まずは、雷門小父を、弔わねえと。
[言いつつ、ちら、と長に視線を向ける]
天気も崩れそうだし……このままにゃ、できねぇしな。
[言いながら、見上げた先は曇り空。 ぽつり、ぽつりと滴も落ちる。>>112 それを背に揺れる桜花は、美しいけれど。 その薄紅は、どこか禍々しいものを思わせていた。**]
(124) 2016/04/24(Sun) 02時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 02時頃
喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 02時頃
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[ポツポツと…雨が僕の肩を濡らす。 去り際に頷いた志乃の姿をみて安心し、桜に挨拶に行く。
身体は相変わらず、万全とは言えないものの、杖代わりの刀で何とか丘をあがり、満開の桜を目にすると、僕の心は囚われてしばしの間放心する。
しかし慌ただしい桜の回りの人だかりを見れば、晴れやかだった気持ちは淀み、嫌な感情が胸に過ぎる。 顔に出さぬよう感情を隠してその場は振る舞うことにした。**]
(125) 2016/04/24(Sun) 02時頃
|
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 02時頃
|
でもよ、『依り代』つうことは。 仮にそいつが見つかったとして、 そいつ自身が妖そのものかっていうと、たぶん、 ………、 すまん。 まあ、話が何かの足しになれば何よりだ。
………布が要るな。手は足りてるか?
[雷門の弔いに話が及べば、手伝いを申し出るが。 置壱はどうするだろうか、男手が十分に足りているならば 己は初動を手伝い見送る形になるだろうか。 長には「家」が世話になっていた。 弔いの後は香の一本でもあげなければなるまいと 努めて動揺を抑えた振る舞いの中で、思う。*]
(126) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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[丘にたどり着けば見える桜の花が余りにも美しく一瞬で心を奪われる。
───桜花繚乱。
かつては切り倒してしまえとまで言っていたこの木が今は丁助の心を掴んで離さない。 一本の桜の木がこれほどまでに美しく咲き乱れるというのか。 丁助はしばしの間、言葉を失っていた。]
(127) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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[呆けていたのは刹那かそれとも束の間か、いづれにせよそう長くない夢想の時を経てより桜へと近づくが、そこには既に数人の若い男女がいて何やらと話しこんでいる。 彼我の距離は未だ数間離れてはいたものの、丁助はそれをまるで近くにいたかのように耳にしていた。]
(……そういうことにしたわけか。)
[桜の樹が伝える香月の声、それが語る聞いたこともない法を聞いてなるほど眉唾だと納得する。 まさか魔と人を見分けるとは言えないのだろうと察した。 それは自らが魔に近いと告げるに等しい。]
(128) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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[そして気づく、美しく咲く桜にケチをつける存在に。 未だ幹の根元で倒れ臥す村長の遺体。 それがどうにもこの美しき光景を損なっているようで丁助は我慢ならなかった。
それが自分の仕業であったというのに。
集まった彼らに一瞥もなく苦々しげな表情で村長に歩み寄れば、花びらに埋もれるようにして眠る姿に手を合わせ黙祷を捧げる。 次の瞬間、その襟首を無造作に掴み引きずるようにして舞台準備の資材置き場へと運びそこへ乱暴に捨て置いた。 そうして振り向いて改めて桜を視界に納めればようやく納得のいく表情を浮かべた。]
(129) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
|
|
[亀吉が離れて後、座り込んだままだった志乃がゆっくりと立ち上がる。 やるべきことを見つけたためか、その足取りはしっかりとしたもの。 立てられたままの竿は結局触れずにそのままに。 降り出した雨を逃れるように、自宅への道を急いだ]
(130) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
|
|
─ 自宅 ─
[自宅へと戻ると、家の中が俄かに慌しかった。 桜と長のことは既に知られているよう。 時折それに関した言葉が漏れ聞こえて来る]
戻りました ────…… ?
[声をかけて戸を開けると、声は途端に止まり、伯父達の視線が一気に志乃へと向く。 その意味が分からず瞳を瞬かせていると、伯母が急に声を荒げ始めた]
(131) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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|
─── っ、ちが、
[お前なんだろう!と言う言葉と共に座布団が飛んでくる。 避ける間も無くぶつかってしまったが、硬いものではないため怪我はせずに済んだ。 けれど伯母の激昂は治まらない]
私が行った時には、もう、 っ !!
[弁明しようとすると、今度は湯呑が飛んできた。 顔の横を通り過ぎ、後ろの板戸へとぶつかり、割れる。 出て行け!と喚く伯母を伯父が宥めようとしていたが、伯父もまたどこか疑う目でこちらを見ていた]
──〜〜〜〜、
[部屋に行ってなさい、と伯父に言われ、大人しく部屋の奥へと引っ込む]
(132) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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(………出よう……)
[もうここには居られない、そう思うには十分な出来事。 亀吉との約束を果たしたらそのまま里を出ようと考え、志乃は密かに荷造りを始めた。 今夜外に出るために、防寒と雨除けに使える肩掛けも用意し、琴に関する道具も全て纏める]
[それなりの荷物となってしまったが、一人で運べない量でもない。 雨が零れてきてはいるが、未だ明るい時分。 家を出るのも日が暮れてからと考え、今しばらくは部屋で大人しくしておくことに**]
(133) 2016/04/24(Sun) 02時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 03時頃
|
[弔いの言葉に呼応するよう、村の男らは準備に動き始めた。 殆どの村の者は状況を把握し終えたのか、丘を登る姿は先刻より減り、目立つ。 木に近づく中にふと、よく見知った男の姿を捉えた。 異様な事態の最中。遠縁とはいえど縁者の姿はどこか安堵を呼ぶのか、呼び止めようと試みたが、彼は声に反応を示す様子なく、長に触れ、黙祷し、そして――>>129]
丁助――― お前、何を。 ……っ、おい!!
[声を荒げる。己が目を疑う光景に。 どよめきとも怒声ともつかぬ漣が取り巻く。 祭を待つ華やかな彩りの資材の中に打ち捨てられた長の身体はとても正視できぬほど無残な躯を晒しており。]
どういう心算だ、丁助。
[次々と駆け寄る村人の姿、村長の姿。 舌打ちひとつ、桜に向き直る丁助に近づいて、肩口に掴みかからんばかりに吼えた。**]
(134) 2016/04/24(Sun) 03時頃
|
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 03時半頃
|
離せよ香兄。
[肩を掴むその手を払うと呆れを浮かべた視線で香月を刺す。 二呼吸の後、足元の宮司だったモノを指差して口を開く。]
アンタは”コレ”が魔物じゃないって言えるってのか?
[クイっと顎で桜の木を差す。]
こいつが桜の封印を破ったわけじゃないと、なんで言えるんだ?。
[もう一度、遺体へと視線を移す。]
(135) 2016/04/24(Sun) 05時頃
|
|
こいつだけじゃねぇさ。 俺やあんたや……村中の誰だって信用できねぇ。
この中の誰が魔物だっておかしくねぇんだ。
[もう一度香月を射抜く視線には強い弾劾の意を込める。 お前にも人に言えない秘密があるだろうと。]
そうだろ?
───橘 香月。
(136) 2016/04/24(Sun) 05時頃
|
|
―自宅―
……ただい ま、
[ 今でも期待してしまう。 彼女の飄々とした声が、己を迎えてくれることを。 そして返ってこないとわかったときに、 脆く散っていく期待の欠片が、胸を刺す痛みは消えない。]
なんで、……思い出すかなぁ。
[ おもんのいない日常に、少しずつ慣れ始めていたのに。 ひとが死んだ日に限って、曖昧な輪郭で彼女の影が瞼によぎる。
自分が抱く感情の名前を知らない。 彼女から与えられたものが何だったのかもわからない。
ただ、心地が良かった。離れたくないと願った。 繋いだ手を、いっときも放さなければ 離別なんてもの、訪れなかっただろうか。]
(137) 2016/04/24(Sun) 07時半頃
|
|
―回想・日向と―
「桜の巫女はねぇ。きっと、寂しかったんだろうさ」
[ 日常のひとかけら、口を吐いた言葉に 日向は首を傾いでいた。]
「あんたとおんなじだ」
[ 湯呑を手の中で揺らし、正面に座る日向に 軽い笑み、ひとつ。 ]
私と同じ?
[ 意図を問いかける日向に、一つ頷いた。]
「そうでなきゃぁ、旅人なんかに縋ることもないだろう? ……旅人も一人ぼっちの娘を、 放っておけなかったのかもしれないね」
(138) 2016/04/24(Sun) 07時半頃
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[ じっと見つめてくる視線には、ひらひらと手を振って ]
「あたしの顔に何かついてるかい?」
[ 躱そうとしたけれど、日向は動じずに言葉を紡ぐ ]
おもん姉さま。 旅人は、同情や憐憫で巫女のそばにいたのかな。
最終的に巫女を自害に追い詰めてしまうような、 そんな軽薄な優しさなんて、巫女は求めていなかったと思う。 旅人の、ただの傲慢なんじゃ、ないかな。
[ 真っ直ぐに眸を見て、真剣に語る日向の貌には少々驚いた。湯呑を口元に近づけることで、動揺を隠すことは出来ただろうか ]
(139) 2016/04/24(Sun) 07時半頃
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[一拍、二拍、置いてから ]
「……それでも旅人は、巫女が好きだったんだろうさ」
[ そう告げるのが精一杯。]
「なぁ日向。あんたは本当に、鈍いねぇ」
[ きょとりと眼を瞬かせる日向に、 揶揄うようにけらけらと笑った。 よくわからないと不貞腐れる、 そんな今の日向には、わからなくていい。
いつかその意味を理解する日が来るのなら ――もうそばには、いないのかもしれないね。*]
(140) 2016/04/24(Sun) 07時半頃
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―現在・自宅―
[ ふらりと座布団に膝を下ろし、 この正面におもんがいた、あの時のことを思い出す。]
旅人は、巫女が、好きだった……
[ おもんが告げた言葉が蘇る。 いくつか桜に纏わる話をした、 彼女の言葉に何か得られるものはないかと、記憶を探る。]
私が、鈍い? ……なんだ、それぇ。
[ 泣きそうなのに、自分の言い方が可笑しくて笑う。]
(141) 2016/04/24(Sun) 07時半頃
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[ 笑う、わらう。 虚しい思いではなく 彼女が笑ってくれるように、 ―――ふと]
…………、姉さま?
[ 「あんたとおんなじ」 「旅人も一人ぼっちの娘を、放っておけなかった」 ]
……なんで、あんなこと
[ 弾かれるように立ち上がり、縁側へ急ぐ。 りん、りぃん、と涼しい音を鳴らす風鈴に手を伸ばし そっと手のひらに包み込んで、目を凝らす。
唯一、おもんが残したその風鈴には この村の、古い細工屋の印が、確かに刻まれていた。]
(142) 2016/04/24(Sun) 07時半頃
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旅人は、巫女に…… おもん姉さまは、私に、……?
[ 「好きだったんだろうさ」 ]
……なら、どうして なんで!!!
[ まだ確信ではないけれど、 おもんがもし、伝承の旅人と何か関係があるのなら ]
私は巫女でも、なんでもない、 おもん姉さまだって伝承の旅人のわけがない、 けど、だけど
模倣でもしているつもりなのなら、 そんなのっ……!
[ 同じ罪を繰り返しているだけではないか、と 風鈴を抱いて、慟哭に堕ちて、 **]
(143) 2016/04/24(Sun) 07時半頃
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[言い争う二人が見えて固唾を見守る。出てきた丁助の魔物の言葉がやけに頭に残り引っかかる。]
(魔物…?長が…? 違う…これはただのモノ…
これを選んだ者も違う…
魔物と言うのもおかしい。だってこれは桜なんだから…
でも綺麗だけど、まだ何か物足りない…
もっと僕なら綺麗に咲かせられるから。
次は僕がやろう…彼女ならきっと…)
[間近で見て、桜がまだまだ足りないと言ってるような気がして、決意を固める。 美しいあの志乃なら相応しい気がして。]
(144) 2016/04/24(Sun) 09時半頃
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[その背に隠れようとする己にかけられる小さな声。>>113 顔を上げれば、肩越しに振り返る辰次の顔が見えただろうか。]
……、
[周囲のおとなたちの視線が、肌に刺さる。 『どうしてお前が此処にいる』と 無言のうちに責められているようで、酷く居心地が悪い。 それでも、安心させようとする彼の気持ちは伝わって。 息苦しい心地が、少しだけ楽になった。]
[『依り代』を探す呪いがある、という香月の言>>118>>119 己よりずっと年長のこの男のことだから、 何もかもをその目で見透かしてくるのではないかと思ったが どうやらそうではないらしい。
そうだと言われても、きっと信じた気がするのだが。 長の亡骸を見下ろす眉間の皺>>120、 その心の機微までは己はきっと読み取れない。]
(145) 2016/04/24(Sun) 09時半頃
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[長を弔わなければ、と言われれば>>124 こく、と頷く。
そうして空を見上げれば、 曇った空とぽつり、ぽつりと鼻と頬を打ち始める滴。
(……あめ。)
さっき駆け去った日向の事も気がかりではあるけれど。 それでも雨が降りそうな中、長の亡骸を放っておくこともできなくて。
何か、己に手伝えることはあるだろうか? 辰次の袖を引いて首を傾げる。 何か手伝えそうならその指示に従おうとし、 特に何もないようなら香月と一緒に初動だけ手伝ってから、 日向を探しに行こうとする。]
(146) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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[その場を立ち去ろうとしたとき、 丁度此方にやってくる亀吉の姿が見えた。>>125]
……、……。
[少しぎこちなく、会釈をする。 優しげな彼の面を見るたびに感じてきた、 ぐるぐるした、形容し難い己の心の内を隠すように。]
……?
[頭を下げたところで、不思議そうに首を傾げる。 いつも彼が使っている杖と、少し形が違うような。 とはいえ刀など見る機会もそうないのですぐにおいそれとわかることもないだろうが*]
(147) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 10時頃
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― 過去から現在 ―
[遡ること十代前、この村に移り住んだ一族が居た。 姓は橘、されど起源は語られず。どこからか逃げるように移り住んで来たその一族は、遠方に伝わる古きまじないや神事に関する知識を持っていた。 だが、彼らにとって新天地となるこの村には、桜の伝承など古くからの土着のしきたりが存在している。 余所者が村に馴染む術としてそれらに倣い、大衆の物差しに適応するように長い時間をかけて一族の在り方を変容させて行ったことは自然の成り行きと言えよう。
橘姓に属する者は、彼ら独自の知識を代々本流傍系の境なく血脈の者に口伝で伝えてきたが、代変わりの度にそれらは形骸化し、ほとんど「伝承」「昔話」として聞き育つだけとなっている。 香月や丁助の代には既にそのようであった。]
(148) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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[一方、橘の受け継ぐ『夢見』だけは、唯一知覚可能な能力の名残として、現在もなお本流の血脈に発現し続けており。 これもまた縁者にのみ語り継がれ、文字としての記録は皆無である。]
[橘の丁助とは、幼き頃から懇意であった。 香月の方が六つばかり年が上であるゆえ何かと兄貴ぶることが多かったが、橘傍流が交易により興盛を極め財力で橘本流を大きく引き離していることなど気にも留めることなく、 垣根なしに遊び戯れ、時に喧嘩をした仲であった。]
「――― お袋が居なくなったのは、 親父の夢見の結果だったそうだ」
[その彼を相手に、一度だけ橘の力について零した。 里に戻り病床の父親を看取ってから随分経過した、 ここ一年ほどの間に、ふらりと丁助を訪ねたのだ。]
(149) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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「母親は出ていったと聞かされていた。 行きずりの旅の男に道ならぬ恋情を抱いて、 追うようにしてそのまま里を抜けたのだと。 だが、本当のところは少し違ったんだよ。 …――親父はお袋を埋めている」
[妖しに魅入られてしまったのだと、 桜の伝承になぞらえてか、父は語った。]
(150) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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「親父は母親を「妖」と判じて断罪したらしい。 だが、同じ頃俺の夢に出て来たお袋は、 決して妖じゃあなかった」
[受け継いだとされる己の能力が贋物でないとすれば、 父親が嘘を吐いている―――つまりは夢見の結果ではなく、 橘の力とは無関係の伝承を傘にし、他の男に心を向けた妻を個人的な愛憎から手にかけたということで。
己はといえば母親に対する感情>>0:95よりも父への同情が勝り、嘘と罪を歎く訳ではないが。 系譜遡れば、真偽交々似たようなことは幾度か起きているらしいことが懸念材料として残ること。 呪われているんじゃないかとさえも、珍しく自嘲気味に丁助へと零した。]
(151) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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「………なァ、丁助。 想いというのは、愛情ってのは、何なんだろうな。 魅入られたのはどちらだったのか。 魔物と言うなら、俺らのこんな血筋だって 十分魔に近いんじゃねぇのか」
[片親の不在を埋めたくて、 彼の存在に救いを求めた童の頃のように。 緑匂い立つ背の高い草を手慰みに千切りながら殆ど一方的に吐露し、やがて、丁助の顔をはたと見て、苦笑する。] 「……、悪い。 急に来て何言うんだと、自分でも思わあな。 でも、お前にしか話せないんだ、これは」
[咲かずの桜を遠目に見遣る。そうして、ふと。]
(152) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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「だからというわけじゃないが、 少し前、境奈の志乃が戻ってきたろう。 お前、ひょっとして、―――」
[口元をにやりと笑みに崩して、胸の前で両の腕を組む。 年長者の勘と言い、覗き込んだ丁助の表情はどうであったか、果たして。]
「……ふっ、くく。答えんでいいぜ。 俺は俺の血筋を厭うているけど、厭うなりに 橘の業を背負うと決め、女とは別れて来た。 でも、お前が好いた女とどうにか上手く幸せになれりゃ、 杯の酒が少ぅし旨くなるんだけどな」
[十代の盛りを離れて過ごしたゆえの距離感も影響し、 彼が橘本流の力に劣等感を抱いている>>114ことは知る由もない。 ただ、持つ者が持たざる者を時として羨むこともある。 愚痴聴きの礼と共にほんの僅かな後押しなどもしたが、 丁助の太公望たる今を思えば、それは凶と出たのやも知れず、 ほんの僅かな引け目と後悔を抱いてもいる*]
(153) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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― 村外れの丘 ―
…… …長が封印を破った魔などと、莫迦なことを。 朱桜の開花が村の滅びに繋がると、 伝承やしきたりを伝えてきたのは他でもない、長だ。
[同様の理由で辰次も疑念からは少し遠くはあるが、確証を持てぬことは口に出来ない。 魔とは理屈では渡り合えぬこと、重々言い聞かされてきた。 振り払われた手を音なく下ろして、視線は村の者らに守られた雷門の遺骸と、新たに加わった顔>>125へ。]
それでも、何も今、死人を辱める必要はねぇだろう。 “『依り代』滅して、穢れを祓え” ――しきたり通りなら、そうでなくとも、 これからまだ死者が出るだろうてぇのに。
[死者、という部分は声をごく落とす。]
(154) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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[丁助の視線を受けた双眸は細まる。 正論なのだ。この場の誰しもが魔でない確証はない。 公言出来ぬ力を発現させた己自身でさえ、魔物であることを否定出来ない。 遅かれ早かれ疑心の漣は村を覆うだろう。
だが、長を除けたのは本当に彼の語る理由からであったろうか。雷門を無造作に扱った直後、向き直ったあの目、彼の興味は別の所にあるかのようではなかったか。 立て続けの騒動の中、違和感の正体が上手く纏められずに歯噛みする。
そして、丁助の「意図」を孕んだ物言いは。 まるで血脈の皮肉を逆手に取って念を押すような―――]
(155) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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丁助。 俺は、 ……出来りゃ、 身内を疑うのは後回しにしたいと思っているんだが。
[互いにしか通じぬ「意図」を、 抑えた低音に紛れ込ませ、目の前の男に向ける。**]
(156) 2016/04/24(Sun) 10時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 10時半頃
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ちげぇねぇ、兄ぃの言う通りだ。 確かに死人を辱める必要はなかったな、すまねぇ。
[だが口に謝意を含んだ丁助の目を香月は見ることができただろうか。 雷門の亡骸に視線を移した彼を見る丁助の目に炎が宿ったことに気づいただろうか。
───身内。
親しみの篭るその言葉を幾度屈辱の思いで聞いたことか。 それは何世代にも渡り積み重ねられた劣等感。 いくら財をなしても埋めらぬ得られぬ人を超えた力。 それが今この手に得られたという確証、いや己が力が既に香月を超越していることへの優越感がもたらした昏い炎。]
ちょっと頭を冷やして来るわ。
[そういうと手をひらひらとさせて本格的に降りだした雨の中を歩き始める。 少し俯いたその顔には満足げな笑みを湛えて。]
(157) 2016/04/24(Sun) 10時半頃
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[丘を下るその足に自然と呟きが零れる。]
香兄は甘すぎる。
[それや彼の優しさ。 思い出されるのは幼少より面倒を見てくれた兄のような香月の姿。 優しくて力強く頼りがいがあり、そして何よりそれが妬ましかった。 自覚すらなかった己の昏い感情も今となっては幼き頃の通り記憶と同じ。]
選ばれたのは俺だ。 橘 香月ではなく俺が橘 助乃進が選ばれたんだ。
(158) 2016/04/24(Sun) 11時頃
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[雨落ちる天を見上げて目を閉じる。]
───橘の血が見捨てた傍流の俺を。
───志乃が選ぶことのなかった俺を。
───確かに桜の巫女はこの俺を選んだ。
[腹に溜まったドス黒い血が全身に染み渡る感覚。 それはもはや丁助にとっては快感以外何物でもなくなっていた。]
(159) 2016/04/24(Sun) 11時頃
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[『依り代』が妖そのものか、との言葉に僅かに視線が揺れる。 それを考えてしまうと動けない──と。 滲んだ思いは気取られたか、その話題はそこで途切れて。
自身が発した弔い、という言葉に周囲が動き出した矢先に起きた出来事>>129に、目を丸くした]
って、おま、何をっ!
[食ってかかるより先、香月が吼える。>>134 言葉交わす二人の間にある張りつめた空気は、他者の干渉を拒むようで。 結局、袖を引いた置壱>>146に手伝いを頼み、村の者が用意してきた布で亡骸を丁寧に包んだ]
(160) 2016/04/24(Sun) 15時頃
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……とりあえず、小父は家に連れてくか。 こうなったら、祭りどころじゃねぇもんな……。
[天気的にも、それどころではないだろう。 雨はますます強くなり、薄紅が大きく揺れて、零れ落ちる。 それでも、散り果てる事はないんだろうな、とぼんやり思った。 伝承の通りであれば、この桜が再び散るのは──『依り代』が滅された時]
…………。
[ふるり、と首を横に振る。 今は、今出きる事を、と思考を切り替えて]
(161) 2016/04/24(Sun) 15時頃
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……天気、荒れそうだし。 あんまり、遅くなるなよ?
こんな時だから、特に、気ぃつけてな。
[どこかへ行きたそうな置壱>>146に声をかけてから、他の男衆と共に長を家へと運ぶ。 長の家には、既に主だった者が集まり、今後の事を話し合っていた。 とはいえ、突然の出来事に、すぐに結論が出る様子もなく。 家に戻っていろ、という父の言葉に頷いて、一先ず帰途についた。**]
(162) 2016/04/24(Sun) 15時頃
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喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 15時頃
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―― 桜の木の下 ――
[手伝おうとした矢先に、それは起きた>>129 周囲のおとなたちがどよめく。 目の前にいた辰次が声を荒らげるより早く>>134 香月が反応した>>134 肩口に掴みかからんばかりの様子は、周りの干渉を拒む何かがあった。
「村中の誰だって信用できねぇ。」 「この中の誰が魔物だっておかしくねぇんだ。」
丁助の言葉>>136が、刺さる。 肩に触れていた掌を握り締めて、目を逸らした。 それから、気持ちを切り替えるように辰次の袖を引いて 長の亡骸を村人が持ってきた布で包むのを手伝った。]
(163) 2016/04/24(Sun) 16時半頃
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[気ぃつけてな、という声に頷いてから丘を下る>>162
志乃はもう、家に戻ったのだろうか? さっき彼女が腰を下ろしていた場所にその姿は見えなかった。]
……。
[まさかあの娘が、と遠巻きに聞こえてくる声に首を傾げる。>>50 最初に長の死体を見たのが、志乃だったから? でも、あの死体に空いた穴は志乃みたいな若い娘にできるようなものじゃない。 そのくらい、己にだってわかる。]
(164) 2016/04/24(Sun) 16時半頃
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……、…………。
[――…ぽつぽつ、と雨が降る。 雨宿りをしようと立ち寄ったのは 丘からそれほど離れていない産婆の家。
戸を開けて中に入った頃には、雨足はどれほどになっていたか。 ふるふると頭を振って水滴を振るい落とす。 雨具はないかときょろきょろ家の中を探しているうちに、 見つけたのは婆様が書き残していた紙束。 物心ついた頃、よく文机に向かって何か書いたことを思い出す。 何を書いていたのか、己は文字が読めないからさっぱりわからないけれど。
あの話――巫女の伝承と母にまつわる話を聞かされたのも、ちょうどそんな書き物のついで、だったような気がする。]
(165) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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―― むかしむかしの話 ――
[一人の旅人がいた。 旅をしていたその旅人は、あるとき訪れた村で一人の娘と出会った。
娘はその村の巫女だった。 白い百合のような愛らしい娘だったと伝え聞いている。 それは真実そうであったのかもしれないし、 或いは恋に溺れた者の欲目もあったかもしれない。
ひとつだけ確かなことは、 巫女が旅人に思い焦がれたのと同じように 旅人もまた、巫女のことを想っていたのだということ。]
(166) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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[ 村を出るとき、二人は再会の約束を交わしたと伝え聞いている。 別れ際、巫女は旅人の身体に『印』をつけた。 「どうか無事に自分の元に戻ってきますように」と そう、祈りを込めてつけられた『印』。
――…だが、旅人は、戻らなかった。 否、戻れなかったといったほうが正しいか。
旅人にとっても、巫女にとっても不幸だったのは、 旅人がとある名のある家の、その跡取であったこと。
一度は家を捨てて巫女の元に戻ろうとしたものの、 自害しようとする母を振り切ることができず、 結局、旅人は巫女の元へは戻れなかった。]
(167) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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[旅人が巫女の元へ出した手紙の悉くは、 父母や家の者たちによって阻まれ、巫女の元に届くことはなかった。 やがて歳月は流れ……巫女が自ら命を絶ったと風の噂に聞くことになった。
それから、旅人は妻を娶り、そうして二人のあいだには子が生まれた。 ――…旅人と同じ『印』をその身に宿して。
我が子に刻まれた『印』を見て、旅人は想った。 「今生は叶わずとも、いつか、遠い遠い我が子が その身に刻まれた印とともに彼女の元に戻る日が来るかもしれない」と。]
(168) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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[やがて、長い歳月が流れ、 十五年前、一人の娘がこの村にやってきた。 ――…それがお前の母だと、婆様は言っていた。
この左肩に刻まれた『印』、 それと同じものをお前の母も持っていたのだ、とも。
そうして、母の形見として渡された簪も 元は旅人の持ち物だったのだとそのとき聞かされた。 かつて再会を約束した折、彼女に会ったときに渡したいと買い求めた簪。 それが代々母から娘へと受け継がれ、 そうして最後に受け継いだのがお前の母だった、と。]
(169) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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[「だから役目を果たせ」とも言われた。>>39 お前たちが村や宮司の一族に仕えることが巫女への慰めに、償いになるのだと。 少なくとも、婆様はそう信じていたみたいだった。 だから、己もそれを信じて婆様が亡くなった後宮司の家で手伝いをしてきた。
……だけど、思う。 本当に、それが巫女の救いになるのか? 現に、『依り代』と呼ばれるものたちが現れて長は死に、 咲くはずのない、咲くべきではない桜が咲いた。 母や自分がしてきたことは、巫女にとって望むことではなかったのか?]
……、……。
[「役目を果たせ」と、夢の中の声は言っていた。>>38 鬼子の自分に何を望まれているのかは、わからない。 でもこのままにしていたら辰次や日向が殺されてしまう。 ――…それだけは、嫌だった。**]
(170) 2016/04/24(Sun) 17時頃
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… あぁ。
[丘は緊迫し剣呑な雰囲気に包まれている。 だから、場を立ち去る丁助を止めはしない。 頭を冷やすと言い置いて歩く彼を眉寄せた顔で見詰めるも、その表情は読み取れない。]
……どうしちまったんだ、あいつ。
[少し前。振り向きざまに一瞬目に映った彼の瞳が、 仄昏い力を宿して見えたのは気の所為であろうか。 事件で気が立っているのかとも考える。 脊髄反射で咎めに行った己の行動が聊か過剰だったかとも。
雨を割りゆくその背がまるで知らぬ男のようだ。 かぶりを振って目を伏せる。]
(171) 2016/04/24(Sun) 20時半頃
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騒ぎを起こして、悪かったな。
[丁助の姿が見えなくなった頃、 長の亡骸への扱いに対し短く謝意を示す。 丁助の忠告に気付かされるところもあるゆえに、 辰次や置壱らに対する態度は先刻よりは少々固い。
必要あれば雷門の搬送準備に手を貸し、運ばれてゆくのを見守る。]
(172) 2016/04/24(Sun) 20時半頃
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[丁助に告げた言葉、半分は紛れもなく本心だ。 そして、半分は殆ど反応見のハッタリであったのだが。]
………、 どうするか。
[空の涙は桜の散るを早めると言う。 しかし、一向に活力失わぬ枝ぶりはどうだ。 暫くは物憂うように艶花咲かす枝を見上げていたが、 やがて村の方向へと踵を返した。**]
(173) 2016/04/24(Sun) 20時半頃
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置壱は、華月斎雨宿りしながら香月の言葉を思い出していた。
2016/04/24(Sun) 21時頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 21時頃
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……―――。
[ 家を出て、ゆっくりと畦道を歩く。 指先に引っ掛けた風鈴が、ちりんちりんと 足を進める度、音を鳴らしている。
何もかもが、わからない。 どうしたら、あの桜の呪縛はこの村から去るのだろう。
人の血を啜り朱に染まった桜の花。 妖し、現し世、置き去りの想い。]
繰り返すだけなのなら、
[ 一つの理由を絶ったとして、 巫女の"依り代"とやらの存在が この世から消えようと
次の、また次の依り代が 生み出されるなら、意味がない。]
(174) 2016/04/24(Sun) 21時頃
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なぁ、……
[ 鈍色に問いかける。 誰も持たぬ答えを求め、空を見上げて眉を下げた。 ]
死ぬのかなぁ。
[ もしもまた、里の者が死ぬのなら、 誰かが死ぬのなら、 ]
……っ、
[ ―――ほんの刹那、よぎった。 酷く冷淡な考えに、ぞっとして頭を振る。 ]
(175) 2016/04/24(Sun) 21時頃
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[ 振り払っても、一度根付いた考えは消えてはくれない。
この村の誰かに、死が訪れるならば
身体の弱い、あの青年の死ならば、 自分はそう、傷つきやしないと
――――――思ってしまった。]
(176) 2016/04/24(Sun) 21時頃
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[ 雨粒は空の涙。 恵みも災いも齎す、自然の気まぐれ。
人間の自分勝手な歓喜も哀愁も、 空にはなぁんも関係ない。
鈍く刺さる冷たさも 己の受ける、感情の次第だと そんな人間の難解さを思う。
畦道で足を止め、空を見上げて、 再度歩を進めるまで、少しの時間を要した。**]
(177) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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……あ、そーだ。
[雨の降りしきる中、家へと急ぐその途中。 ふと、思い出して行く手を変えた。 桜の木の下で香月から教えられた事>>119を確かめておこう、と思ったのだ]
えーと、多分、こっちの方のっと……。
[さして広く無い村の中、子供の頃から走り回って遊び場となり得る場所は大体わかっている。 教えられた泉も、そんな元遊び場のひとつだ。 辿りついたその場所、そこには教えられたとおりの木板が揺れていて]
(178) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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……ひな姉は、違う、か。
[零れた声音に宿るのは、安堵のいろ。 色々と、複雑な思いを抱く相手ではあるが一先ずは考えなくてもよい、という事になる。 もっとも、それも香月の言葉を信じるなら──という前提が付くが]
…………。
[軽く、唇を噛む。 桜の木の下で丁助が言っていた事。>>136 誰が『依り代』でも、おかしくはない──それが正論なのは、わからなくもないが]
(179) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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だからって……何でもかんでも疑ってたら。 それこそ、魔に付け入られちまうだろーが。
[雨音に紛れさせるように、ぽつ、と呟く。 そう言いたくなった感情の一端には、丁助への反発心が根強いが。 生来気質に由る所が大きいのも否めない。 良くも悪しくも、青年は単純明快な気質をしていたから]
……魔とか、そういうもんは、心の弱さに滑り込むもの。 って、言ってたよな、雷門小父。
[だからお前は意思を強く持て、と。 書物の読み解けぬところを聞きに行った時に言われた言葉がふと過って、消える。 思えば、あれが長と交わした最後のやり取りだった、と。 そう思うと少しだけ、息苦しいような心地がした]
(180) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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……さて、と。 いつまでも寄り道してっと、お袋が心配しちまうな。
[戻るか、と。 そう思いながら、林を出る。 そのまま家路に、と思って歩き出して間もなく、村の入り口近くで話し合う数人の村人に気がついた]
……おっちゃんたち、どーしたん?
[声をかければ、里と外を繋ぐ山道の途中で、石が崩れていた、という話をされる。 このまま天気が荒れれば、崩れるかもしれぬ……との言葉に眉が寄った]
……でぇ、こんな時に、かよ。 とはいえ、どうする事もできねぇしなぁ……。
[崖が崩れて道が閉ざされれば、逃げる事も叶わない。 もしそうなったら……というくらい考えは一時、振り払い。 荒れる前に戻ろう、と互いに声をかけ合い、足早に家へと駆けだした。*]
(181) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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─ 自宅 ─
[雨音続く部屋の中。 その音に負けず漏れ聞こえて来る伯父達の声を聞かないようにしながら、志乃は縁側から外を眺めていた]
─── 咲いてはならぬ、 起きてはならぬ
緑の内にて ゆるり眠れ……
[口ずさむのは祭りで吟じられる詩。 咲かぬのが当たり前、咲かせてはならぬ。 皆それが当然であるとして、桜の樹そのものをどうこうしようとする者は居ない]
どうして、残して……
[亀吉との会話を思い起こして、今更ながらに疑問に思う]
(182) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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咲いてはならぬ (咲かせてはならぬ)
起きてはならぬ (起こしてはならぬ)
花を (想いを)
[呟くごとに重なるもの。 はらりと雨とは異なる雫が落ちる]
…あぁ、もう ────
[今更だ、と小さく呟いた]
(183) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 21時半頃
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―― 村外れの家 ――
[探していた雨具を見つけたものの、なんとなく懐かしくて 見つけた紙束>>165をぱらぱら捲ってみるが、残念ながら文字は読めないので内容はわからない。 ただ、あのとき聞いた昔話も、こんなふうに書いてあったりするんだろうか、とぼんやり考える。]
[辰次みたいに、文字が読めたらよかったのにと思う。 婆様は教えてくれるつもりだったみたいだが、その前に死んでしまった。]
……、…………。
[気がつくと、空もだいぶ暗くなってきた。 片付けないと思ったが、元々この家に訪れる者などなく。 また、今度来たときに片付ければいいかと考えてしまう。 それよりも、雨がこれよりひどくなる前に行かないと。 見つけた雨具を身につけて、外へと駆け出す。*]
(184) 2016/04/24(Sun) 21時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 22時頃
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―― 綾崎の家から外へ ――
[雨降るなか、畦道を人影を探してきょろきょろと視線を巡らせる。 あれから綾崎の家のほうへ日向を探しにいったが、結局彼女には会えずじまいだった。]
[むぅとひとしきり思案していたが、懐から笹の葉に包んだ野苺を取り出すと、できるだけ雨の当たらない場所を選んでそっと置く。 日向が外から帰ってきたら、気づいてもらえるように。
腹が減ると、気持ちはどんどん弱っていくから。 帰ったら、少しでも気持ち、紛れたらいい。 勿論、ちゃんと見つけられるのが本当は一番いいけど。
それから、一度家を振り返る。 あの人も、おもんもここで暮らしてたのだと思うと少し不思議な気持ちになる。]
……、……。
[探そう。 もう一度笠を被り直すと、雨降る外に駆けていく。*]
(185) 2016/04/24(Sun) 22時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 23時頃
肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 23時頃
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[空は厚い雲に覆われて雨が降りしきる。 時折、遠くの稲光が雨戸の隙間から入り込んでくる。
刻は、夜を迎えただろうか。
片膝をついた丁助は微動だにせず、ただじっと外を見つめる。 誰もいない家に、しかし丁助以外の気配が一つ。 だが、それに気づく者などいないまま。]
(186) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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[>>147 すれ違いに会釈をされて、軽く頭を垂れる。 さほど気にもかけない存在ではあったが、 置壱の汚らしい風貌はこの桜の美を穢す。刀の錆にも似つかわしくないなどとそんな風に思いながら彼から視線を外した。]
(187) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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─ 自宅 ─
「あの子が来るまでは何も起きなかったのよ」 「言いたいことは分かるが……」
[雨音に紛れて聞こえる声。 聞かないようにしても耳に届く。 痛みに耐えられず纏めた荷物に手を伸ばした]
[荷を胸に抱え、肩掛けを頭から被って縁側から表へと飛び出す。 雨雲のために経過が分かり辛いが、陽は既に沈んだようだ。 灯りの少ない暗闇の中、薄紅を目指し駆ける]
(188) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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─ 日暮後/村外れの丘 ─
[雨足強まる中、志乃は変わらず咲き誇る桜の下へと歩み寄る。 雨を受けても花を落とさぬ桜の下は雨を凌ぐに丁度良い。 持ち出した荷を一度桜の根元に置くと、今度は神楽舞台へと駆け寄る。 脇にある演奏台から琴を持ち出すと、布に包んで再び桜の下へと戻った]
早かったかな……
[肩掛けを外し、水気と払いながら周囲を見遣る。 亀吉の姿はあったかどうか。 予定が変わったとしても志乃はここに留まることにした。 戻る家などもう無いのだから]
(189) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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……ずっと、待ってるの?
[桜を見上げながら呟く。 咲いてはならぬとされた桜。 伐られることなく残されてきた桜。 その理由を考えて、思い至ったのはそんなこと]
待ってる人が来たから、起きたの?
[伝承では人の血が流れた時にこうして花が咲くと言う。 確かに桜の下で里長は死んだ。 そのために咲いたのかもしれないけれど、それも真偽は定かではなく。 志乃にしてみれば、こう考える方が自然のように思えた]
(190) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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私は……ずっと、眠らせたままだわ。 起こしちゃいけないと、思い込んでいたの。
…きっと、もう、取り返しのつかないことなのね。
[見上げていた顔が、す、と落ちる。 寂しげな顔が滑り落ちた髪に隠れた]
………さむ、
[強い雨足は冷えを齎し、志乃は水気を払った肩掛けで再び身を包む。 時折響く雷鳴に幾度か身を竦めたりもした]
(191) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 23時頃
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―畦道―
[ から、り、 りん。
風鈴が、少しだけ壊れ始めていることは知っていた。 それでも傍にありたいから、持ち歩こうと思った。
音は、小さな歪みを伴って。]
……
[ 答えの出ない問題ばかり。 おもんはとんでもないものを残して行ってくれたものだ。]
(192) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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[ ぱしゃぱしゃと、雨の中に駆ける誰かの足音に振り向いて ]
あれ……置壱?
[ 自分を探していたとは露知らず、不思議そうに瞬いた>>185。 そこでふっと、視界がぐらついて 蹈鞴を踏んでしまう。]
なんだろ……、おかしいな。
[ 指にかけたままの風鈴は、繊細な細工ゆえ、 引っ掛け糸が、すぐにも切れてしまいそうだ。 ]
(193) 2016/04/24(Sun) 23時頃
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へへ……少し無茶をしたかなぁ。
[ ずっと考えていた。 頭を働かせないと恐ろしくて、 疑問に解を求め続けた。 ]
……置壱。
[ 風鈴を手に絡め、ちり、ちり。と短く触れ合う音。 拒まれなければ、その大きな躯体に抱きつこうとする。
疲れたよ。と。 一つ弱音を、こぼして。*]
(194) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 23時半頃
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……?
[ふと、それは瞳かそれとも脳裏か。 視界の闇に溶け込むようにして映るものがある。 雨の中に聳える桜の側に一人の女が立っている。]
……志乃?
[理解が追いつかないまま丁助の頭の中には疑問だけが浮かぶ。 なぜ?なぜこんなものが見える?誰が見せている? 雨の寒空の中で志乃は誰を待っているのか。]
……お前が見せているのか?
[問いかけた先は丁助に寄り添う気配の影か、それとも雨に打たれてなお花を開かせている桜の大木か。 いや、その二つに違いなどあるのだろうか。]
(195) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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[長が運ばれ皆が帰る。 手伝うわけでも遠目にその光景を見て、人が離れるのを待つ。
話しかけられても気のない返事を相手に届けるばかりで気味が悪かったかもしれない。
しばらくし、降り出す雨は衣を濡らし至るところで滴り落ちる雨水が身体を覆うけれどさほど苦にならない。
なぜなら声が聴こえるから…
桜に近づくほどに囁きは増して、僕の心を奪っていく。
誰もいなくなった夕闇の頃、僕は刀を抜いて自分の腕に当てて刀身を滑らせる。
雨とともに流れた血が桜の根を伝うと、桜の下で跪き、あふれる生命の華やかさに身を委ねた。]
(196) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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─ 村の通り ─
[何とか家に帰ろう、と思ったものの、強くなる雨脚は雨具なしでのそれを難しくして。 已む無く、通りのよろず屋の軒先に飛びこんだ]
……あー、すまん、ちょっと軒先借りるわ。 ついでに、笠かなんかも貸してもらえるとありがてぇんだけど……。
[水気を拭っている所に、何事か、と顔を出した看板娘に済まなそうにこう告げる。 ほどなく、手拭一本と、使いこまれた笠が一つ、手渡された]
わりぃな、後で返しにくっから。 って……ああ、うん。
[二言三言、交わす言葉は桜にまつわるもの。 看板娘が不安滲ませる様子に、僅かに眉が下がるが]
(197) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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んな顔すんなって。 だいじょーぶ、だよ。
[根拠なんて全くないが、そう告げる。 そうしないと、自分も折れそうだから……というのは口にはせず]
とりあえず、今夜は荒れそうだから、戸締りしっかりなー。 俺? ああ、ちゃんとかえっから心配すんな。
[大丈夫なのか、と案ずる言葉に軽く返し。 娘が戻ればまた、雨の帳を見やる]
…………。 なんつか、嫌な雨だな。
[ぽつり、小さく呟いて。 借りた手拭を頭に乗せて、走り出す期を伺った。*]
(198) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/04/24(Sun) 23時半頃
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━━日暮れ━━
刀を巻いた布で手で縛り、神楽舞台の裏側へと向かうと。設営のための道具箱を見つける。
閂や木槌、鋸などが詰められ、大工の使うものの中から、斧を手に取る。
彼女は頷いた。数刻後にきっと現れる。
せめて苦しまないようにと願いをこめて、桜の木の下で志乃が来るのを待った。]
(199) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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―― 畦道 ――
[ぱしゃぱしゃ、道をかけていると>>192]
…!
[雨の中、りん、と澄んだ音が微かに聞こえた。 この音には覚えがあった。
どこから、聞こえてきたのかと慌ててあたりを振り返れば]
「あれ……置壱?」
[不思議そうに響く、探し人の声。>>193 蹈鞴を踏む様子にわたわたと駆け寄れば、その手に絡む風鈴に目がいった。]
[彼女がこちらに抱きつくようならば、そのまま抱きとめて]
(200) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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……ぁ、
[戸惑うような、微かな声が零れる。 それでも、疲れたという声が聞こえれば]
…………。
[日向の頭に、それまで被っていた笠を被せる。 それから彼女の手に絡んだ風鈴を壊さぬよう注意を払いながら、その身体を抱き上げて彼女の家まで運ぼうとする。*]
(201) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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亀吉?
[確かに亀吉の姿が見えた。 彼の視線の先には志乃がいる。
───そういうことか。
と、一瞬納得しかけたその時。 丁助は亀吉の目に宿る妖しの気配に気づく。 あの目、あの気配は自分と同じモノだと。
その刹那、丁助は弾かれるように駆け出した。 間に合えと間に合うはずだと念じ、それを信じ込むように。
クスリと、どこかで女の嗤う声が聞こえたような気がした。]
(202) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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途中…腕に巻いた布が血で染まり、洗うために木を離れる。
志乃が来たのはその後か、少し離れて置かれたnに溜まった水で布を洗うと、人の気配がする。]
志乃…? いや…あれは丁助か…
[桜の方へと向かう彼を見て。ちっと舌を鳴らす。
見られたなら面倒だと殺す気も起きたが、静かに後をつけて、彼を追う。]
(203) 2016/04/24(Sun) 23時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/04/25(Mon) 00時頃
半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/25(Mon) 00時頃
肥代取り 置壱は、メモを貼った。
2016/04/25(Mon) 00時頃
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[ 抱きとめてもらえて>>201、じわりと湧いた安堵感。 笠を被せてもらって、身体を抱き上げられて 少しだけ驚きながらも、その優しさに甘え、目を伏せて。
妙に頭が熱く、先ほど蹈鞴を踏んだのも目眩だろう。 当然だ。この雨の中、笠もなく彷徨い歩いていたのだから。
ふ、と 置壱に抱き抱えられている時に 懐かしい匂いがした。
その匂いが、二年前に姿を消した 彼女と似たものだと、思い当たる。
そんな思案をぼんやりしていれば、自宅まで運ばれていて]
(204) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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……ありがとう。
[ 下ろしてもらえば、どうぞ。と促し、置壱を中に招こうと。]
ん?これ……
[ 入ってすぐ、笹に包まれたものを見つけ>>185 そっと笹を開けば、あの桜とは違う赤色。 置壱を一度見上げれば、相好を崩し 一緒に食べようと、手招いた。]
(205) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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[ 今は、布団を仕舞っているから、 その分広々としたスペースで、ここが寝間だとわかるだろう。
障子の向こうに縁側がある。 天気の良い昼間には、 ぽかぽかと心地よい日差しが射すが 悪天候の悪い宵には、どこか不気味な雷鳴のシルエット。]
[ かんら、と指にかけていた風鈴を置壱に差し出し どこか高いところにかけて欲しい意を示す。 単純に身長が高い置壱に頼もうと、そう思っただけだが
―――気づくだろうか。
風鈴にある刻印は>>142 置壱の肩にある痣と、ほぼ一致することに*]
(206) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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[少し歩んだその先で不意に彼の姿が消える。]
!!!
[雨に長くうたれて見えた幻か…それとも 桜が見せたのか…
回りを見てもやはりいない。 不気味なものを感じたものの、人が来ては面倒だとことを急ぐ。
桜の木へと戻れば志乃が見え…
周りに誰かいないか神経が尖る。]
……誰もいないみたいだ…
[ほっとして志乃の元へと静かに進む。
(207) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2016/04/25(Mon) 00時頃
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─ 日暮後/桜の下 ─
かめにぃ、
[桜の下にやってきた亀吉の姿>>207にほっとしたように息を吐く。 しかし直ぐに志乃の瞳には翳りが宿り、言いにくそうに口を開いた]
…あの、ね。
桜、伐るのは、やめにしない…?
[申し訳なさそうな声色。 家に居る間、沢山、沢山考えて、導き出したこと]
やっぱり、伐っちゃいけないと、思うの。
[残さなければいけない樹なのではないかと、そう思ったから]
(208) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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─ 村の通り ─
……ん?
[そろそろ行った方がいいか、と。 変わらぬ雨脚に腹をくくろうとした時、駆けていく姿が目に入った。>>202]
なんだ、どした???
[それが誰か、気付いたのは声を上げてからの事。 声自体、届くかどうかは、定かではないが。 気づいてから、あ、と思ったのは已む無しか。*]
(209) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/04/25(Mon) 00時頃
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……どうして…?
[血を捧げ、青く白くなった顔は志乃を見つめる。腕は無造作に巻いた赤がかった布と、脇に抱いた斧、杖代わりにむき出しの鞘刀を地面について彼女の前で立ち止まる。
もちろん伐るつもりなんてないものの、その心変わりに興味が沸いた。]
(210) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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[家路を辿る里道で、馴染みの猫の姿を見つける。 散歩にでも行くつもりであったのだろうか、村から外へ出る山道の入り口へと道を折れようとするから、思わず声を掛けた。]
そっち行ったら危ねえってよ。
[声に反応したのか猫はぴくりと耳を立て、 くるりと此方に向き直ると足元に寄り、にゃあと鳴く。]
先刻、聞いたんだ。 崖が緩んでいるかもしれないんだと。 これから恐らく雨足も強くなる。
(211) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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万一のことがあったら、戻れなくなってしまうぞ。 きっと、迎えに行ってもやれない。 お前の大事なもんを迎えに来ることも出来ない。 籠の外でひとりは、嫌だろう?
[分かっているのかいないのか、 猫は首を回し山道をじっと見詰めている。 すり、と足元に頬を摺り付けて、 なぁん、ともうひと鳴きすると、元居た道へと。]
……それでも、行くのか。
[徐々に小さくなる黒猫の背に声を投げる。 猫の様子から、ただの散歩や回り道でないと知れた。 諭し引き止める声は届きはしないだろう。]
(212) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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莫迦だな、おまえ。 **
(213) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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[泥を派ねて丘へと駆けていく。 一心不乱に他のことは目もくれず掛けられた声も構わず。 そもそも闇の中、それが誰なのかすらわかるはずもない。
ただ、ひたすらに丘へと駆けていく。
いつしか草履も脱げ素足のまま、ぬかるんだ坂道を駆け上る。 雨は止む気配もなく雷鳴はなおさらに鳴り響いている。]
(214) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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[投げた声は届く事なく、その足音は雨音の向こうに消えて行く。>>214]
……なんか、妙に、切羽詰まってたな。 つーか、あっちは……。
[丘へ向かう道のはず。 追うべきかそれとも、と思った矢先、雷鳴が轟いた]
……本格的に、荒れてきやがったな……。
[稲光を恐れるような性質ではないが。 先に聞いた話を思いだし、きつく眉を寄せた。*]
(215) 2016/04/25(Mon) 00時頃
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[いつもより蒼白く見える亀吉の顔>>210。 雨や気温のせいかと思ったが、腕に巻かれた布が目に入り思わず瞠る。 斧は桜を伐るためだろうけれど、杖代わりにしている鞘刀は、一体]
……桜は、 巫女さまは、ずっと待ってるんじゃないか、って。
今、咲いたのは、 待ってる人が来たからなんじゃないか…って、思って。
そう、考えたら、伐ってはいけないんじゃないかって、思ったの。
[根拠などまるで無い、願いにも似た漠然とした答え]
ずっと、寂しい想いをしていたはずなのに、 伐ってしまったら……可哀想 ───…
[ほんの少し、ほんの少しだけ、自分を重ねたが故の答え]
(216) 2016/04/25(Mon) 00時半頃
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─ 夜中 ─
………ぃ。
[中を確かめることなくその家の戸を開けた。 家の主はまだ起きていただろうか。 丁助はそっと小さな声で彼の名を呼ぶ。]
香兄……。
[返事はあるだろうか。 闇の中、時折光る雷が丁助の姿を影と映し出す。 全身がずぶ濡れとなったその姿はまるで幼子のようではないだろうか。]
助けてくれ、香兄……。
[泣き声を挙げることもできず、小さく弱弱しい声で縋る。 助けてくれと、かつて兄と慕った男に。]
(217) 2016/04/25(Mon) 00時半頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2016/04/25(Mon) 00時半頃
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待ってる人……?ああ…
そうだね…だから彼女はこんなにもいきいきとしてるんだ…
ありがとう志乃…きっと…君も待ってる一人だよ。
こんな雨……琴はもう弾けないか…
[ピシャリと響く雷鳴に… 二人の姿が白く光る
ゆっくりと鞘から刀を抜き、鞘と斧をぽとりと落とすと静かに志乃へと近づきゆっくりと刀を両手で持ち替えた。]
(218) 2016/04/25(Mon) 00時半頃
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─ 夜中 ─
[夜も更けたというのに、 一向に眠りに就くことが出来ずに寝返りを繰り返していた。 雨足は予測の通り酷くなっているようだ。 だから足音を聞き取ることも出来ず、 戸口が開いたのはひどく急なことのように感じられた。]
………丁助?
[跳ね起きて戸口へと寄る。 宵闇に背負う稲光で表情は見えぬ。]
お前、こんな夜更けに。 どうし………
[た、と、声は自然、密やかに落ちた。]
(219) 2016/04/25(Mon) 00時半頃
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