223 豊葦原の花祭
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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ちゃんとご注文通り、さまざまな人たちをお呼びしましたよ。 いたるところから…そう、地平の果てや、宇宙の彼方からも。
中には、主様を消してくださるような方もいらっしゃるかもしれません。
(0) 2015/04/16(Thu) 23時頃
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さら、さら。
春のはじめの、絹糸みたいに柔らかな、雨。
冬の名残の雪は疾うに溶け、まだ寒い頃に土を割った小さな芽たちは、今やしっかりと新緑の色で背を伸ばしている。
三寒四温も最早過ぎ。今は丁度、桜の季節。
山里は、人の住まう場所もそうでない場所も、そこかしこに咲いた花々でほのかに色づいていた。
時間と次元の交差する最果ての海。
そこに滔々と存在し続け、様々な世界線と時間軸の生物達が行き交う『豊葦原國』。そのとある平原に、伊那と呼ばれる村がある。
人の出入りも疎らな小さなその村では、農耕を主に生業とする村民たちが、穏やかな日々を送っていた。
目立った産業がある訳でもない、代わり映えの無い日常。
しかし、年に一度、そんな日々が「代わり映え」する時季が訪れる。それも、沢山のお客たちを引き連れて────。
(#0) 2015/04/16(Thu) 23時半頃
「 雨、ちゃんと降りましたね。うすずみ様──、あれ?」
凛とした少女の声が、朝靄の中に響く。
夜半に止んだ雨の名残りで、まだ湿った土に触れていた両手を軽く払って立ち上がる。年の頃、十ニ、三、だろうか。
キョロキョロと辺りを見回すも、目的の何某かは見付からないようで、気の強そうなその顔が困惑に曇る。
そうして眉を下げたまま、目の前の、凡そ木という言葉では足りそうもない程の巨木──花の咲かない桜の幹の周りを、ゆっくりと歩き出した。
「あれ。あれ。可笑しいな、さっきまで御姿見えてましたのに。
……うすずみ様!うーすーずーみーさーまーーーー!」
(#1) 2015/04/16(Thu) 23時半頃
くるり、少女が歩を進めれば、周囲の景色も変わる。
どうやらそこは村の外れで、北側を半周、堀で囲まれた空き地のようだった。
一周400メートル程度の円が引けるであろうその空き地は、ぐるりと満開の桜の木々に囲まれている。足元の土にはところどころ、苔生した石畳が一定の規則で持って並んでいた。
見るものが見れば、それが城址であることに気が付いただろう。
「隠れん坊なんて、今時流行りませんよ!近頃はもう妖怪集める時計のゲームが最先端で────、……ん?」
首を廻らせながら小言を宙に放つ少女の動きが、ぴたりと止まる。
堀の手前、今が盛りと咲き誇る花霞の下、降り積もった薄桃色の絨毯。その中に埋もれて、確かに人の影がある。あれは────、
(#2) 2015/04/16(Thu) 23時半頃
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「────────…誰…?」
(1) 2015/04/16(Thu) 23時半頃
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人か、けものか。はたまた鬼か。
(#3) 2015/04/16(Thu) 23時半頃
『 豊葦原の花祭 』
(#4) 2015/04/16(Thu) 23時半頃
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[薄桃に沈む紅は、確かに人の形をしているようだった。 それは年の頃十になるか否かというような、幼い少女の姿をしている。 柔らかい花びらに静かに埋もれる少女は、生きているのか死んでいるのかわからない。
…と、少女の瞼がぴくりと揺れた。 ひらり、舞い落ちる薄桃が一片、少女の鼻先に宿る。 それがこそばゆく感じられたのだろうか、幼い少女の細い眉がきゅうと寄せられると、ゆっくりと眼を開く。]
…ここ…?
[目に飛び込んできた色に、少女は戸惑いの声を漏らす。 少女は確かに、あの庭の片隅で眠ったはずだった。 彼と出会ったあの場所の…
恐る恐るといった調子で体を起こした少女が、困惑したようにあたりを見回す。
と、こちらを見つめる、きりりとした一対の眼に気が付いた。]
(2) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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[目に飛び込んできた色に、少女は戸惑いの声を漏らす。 少女は確かに、あの庭の片隅で眠ったはずだった。 彼と出会ったあの場所の…
恐る恐るといった調子で体を起こした少女が、困惑したようにあたりを見回す。 と、こちらを見つめる、きりりとした一対の眼に気が付いた。]
また一片、舞い落ちた薄桃が幼い少女の髪を彩るが、少女自身はそれには気づかず、ただただ無言で目の前の見知らぬ姿を見つめる。 花びらの舞い落ちる音さえ聞こえそうな、静寂。 しばらくして、ようやく少女は唇を開く。]
────────…だれ…?
[細い首を少しだけかしげると、おかっぱにした黒髪がさらりと揺れた。]
(3) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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[降り積もった薄桃色の中から、ゆっくり幼子の上体が起き上がる。紅色の着物から、はらはらと淡雪のように花弁が落ちるのを、息を飲んで見守った。 辺りを窺う様子からは、困惑が手に取るように伝わってくる。やがて聴こえた、だれ、と問う細い声に、まるで鏡合わせの様な奇妙な既視感。
僅かに傾いだ首の動きに、つられた黒髪が流れて落ちる。 はっとして居住まいを正した。幼子が状況を呑み込めていないらしいのに、心当たりがあったからだ。
出来るだけ怯えさせないように、柔らかい表情で少し距離を詰めてみる。敵意が無いことを示そうと、膝を抱えるようにしゃがみ、視線を合わせて言った。]
わたしは、小鈴。 伊那の村の樹医の娘で、今はお祭りの準備中。 あなたは────【別神(ことかみ)様】ね。外の世界からきたんでしょ?
[先程目の前の幼子がしたように、少し首を傾げて笑うと、よくある事なんだよ、と付け加えた。]
(4) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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[きりりとした眼差しの少女の懸念とは裏腹に、紅の少女には戸惑いこそあれ、およそ警戒だとか怯えだとか名のつくものはないらしかった。 どこかぼんやりとした様子で、歩み寄る姿を見つめる瞳に感情の灯ることはない。 薄桃の絨毯に半ば埋もれたまま、幼い少女は眠たげな眼をゆっくりと瞬いた。]
こす…ず…
[名乗られた名を小さく繰り返し。 幼い少女は一瞬その視線を落とす。 しかし言葉が続けられるのであれば、再度顔を上げて聞きなれない言葉を追いかけようとするようだった。]
じゅい…おまつり…こと…かみさま…?
[少女の連ねる言葉を一つ一つ、確かめるように繰り返す。 またしばらくの沈黙が落ちた。 ぱちり、ぱちりと静かに瞬きを繰り返し。]
ここ…知らない場所。 外の…世界…
(5) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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[独り言のようにつぶやくと、幼い少女は顔を上げ、あたりの景色を見回した。 広い空き地に、そこを囲うような満開の桜。 その中央に、未だ花をつけない巨木。 周りの桜と比べると、随分と物寂しい感じだ。 少女はゆっくりと確信する。 少女にとっての外、とは、あの庭の外側すべてだったけれど、なんだかここは、そんな話で収まりきらないような場所みたいだ。]
―――…。
[少女の唇が、音にならない誰かの名前を呟く。 その細い眉がきゅぅと寄せられ、ひどく心もとなさげな表情を生み出した。 まるで、親にはぐれた幼子のような。]
(6) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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そう。たぶん、ここはあなたが元いた場所とは違う世界。
[心許ない様子の幼子の呟きに、務めて優しげな声音で返す。 低い姿勢のままゆっくりと近付いて手を伸ばすと、小鈴は未だ少女の髪に残る淡い色の花弁をそっとつまみ上げた。]
ここはね、【豊葦原國(とよあしはらのくに)】。 いろんな世界と、いろんな時間の狭間にある、果ての海に浮かぶ島国なの。 人間も、神様も、けものも、あやかしも。結構、仲良くやってるのよ。
[あなたは、だあれ?お名前はなんていうのかな。
言って微笑みかけると、強い眼差しが柔らかく緩む。 少しは安心してくれただろうか。この国の住民は、外の世界から訪れた者達の扱いには、大抵が慣れたものではあるのだが。]
【外神様】っていうのはね。 外の世界から来た人たちの事を、わたし達はそう呼ぶの。この国には神様がたくさんいて、人との距離も近いから。 外から来た人たちも、かみさま、って呼んで、大切にするの。大切なお客様なんだよ。
(7) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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[元いた場所とは違う場所。 そう言葉にされてしまうと、やっぱり、と思うしかないのだけれど。 けれど自分にとってそれがどれほどの問題があるというのだろう? そう思うと、幼い少女は割合あっさりとその状況を飲み込んだようだった。 そっと寄せられる手を目で追い、その指先につままれる薄桃の一片をじっと見つめ。]
…とよあしはらのくに…
[告げられた地名は、やはり聞いたことはないのだけれど、耳に馴染みにくいということもない。 耳にした音をそのまま繰り返せば、ややたどたどしさは残ってしまうけれど。 なんだか不思議な場所だな、と思う。
人間、神様、けもの、あやかし。 それらは少女にとっても身近な者たちだ。 とはいえ、少女の居た世界では、彼らが密に交わることは、なかった。]
(8) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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へぇ…
[思わずこぼした声に、感嘆の色が混ざる。 それはつまり、人間と神様とか、けものとあやかしとか、種族の違う人同士でも、話したり触れたりできるということだろうか。 少女の瞳に、きらりとした輝きが宿る。 しかし名を問われると、口にしかけた言葉をいったん飲み込んだ。]
…えぇと… ………。 …夕顔…
[妙な間の後に、小さく呟く。 それは少女の住んでいた場所に咲く、白い儚げな花の名前。 それだけではぶしつけだと思ったのだろうか。 たぶん、あなたの言う、あやかしの一人…と付け足した。 続けられる説明の後、少女はゆっくりとした瞬きをふたつする。]
…わたし、神様じゃ、ないよ…?
[外から来たお客様、大事にしてくれる、それは分かったけれど、神様なんて言われてしまうとなんだか面はゆいようで、少女はほんの少し居心地悪そうに着物の裾を、きゅうと握りしめた。]
(9) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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夕顔、ちゃん。
[たっぷりと間を持たせた後で返る名に、小鈴はにっこりと微笑んだ。 反芻して舌の上を転がった響きは、夏の夕方に咲く淡い色の花を思い出させる。あやかしの一人、そう続くのに、内心なるほど、と得心する。少なくとも夕顔は、見た目通りの人の子であれば、不安で泣きだしても仕方がないような齢に見えた。]
ふふふ。 かみさま、って括りにするのはね。いろいろ都合がいいんだよ。 外から来た人たちって、どこから来たのか、どのくらい滞在するのか、いつどうやって帰るのか、ほんっとにバラバラだから。 ────見て、
[言って、振り返った小鈴の指が示すのは、桜の巨木の根元。 そこには、大人であれば少し身を屈めなければ通れないくらいの、朱塗りの鳥居がある。その少し奥に設けられた長方形の台の上には、菓子や食べ物、酒らしき瓶、衣類、ゲーム機らしきもの、果ては通貨らしきものまで、雑多に積み上げられている。]
(10) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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この伊那村だけじゃなっくて、豊葦原の神様のおうちの近くには、必ずアレがあるんだ。 それで、【おさがり】って言ってね。あそこにお供えされたものなら、外神さまは、何を貰ってもいいの。 ……ホラ、人間の外神さまの場合、なにはなくとも食べ物だけはどうしたって必要だろうから。
[せっかく来てくれたのに、飢え死になんてしちゃったら、ねぇ。
苦笑いを一つして、少女は顔を正面に戻す。 夕顔の視線が鳥居の方に移ったのを確認してから、小鈴は着物の裾を払って立ち上がった。 未だ薄桃色の中に埋もれたままの幼子へと、そっと近づいて、手を差し出す。]
ねえ、夕顔ちゃん。 今夜はね、わたし達の村は、特別なお祭りの日なの。 年に一度だけ、あの真ん中の桜の木────うすずみさまが、満開になる夜。 夕顔ちゃんも、お祭りに参加しよ!村の人も他の外神さまもたくさん来るの、ぜったいぜったい楽しいからさ!
(11) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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[少女の説明を受け、幼い少女はぼんやりと朧げながら、得心したようだった。 なるほど、かみさま、は、神様とは別物であるらしい。 橋と端が異なるようなものだろうか。 何と無く違うような気もするけれど、少女の説明はまるっとそのまま受け取ることにした。 差し出された手に一回り小さな掌を差し出すと、その手をぐいっと掴まれる。]
わっ…わっ…
[足元を薄桃に掬われて、転びそうになりながら立ち上がり、手を引かれるままに一歩を踏み出す。 た、たた、たたたんっ あっという間に歩調が早まれば、後は子供のように翔けるだけ。]
(12) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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待って、待って、小鈴ちゃん…
[しかし言葉とは裏腹に、その声に乗せられた色は、年相応に弾んだようだった。 うすずみさま… 少女がそう呼んだ巨木は、間も無く満開になるらしい。 不思議なことには慣れているとはいえ、その光景を想像すれば心踊らずにはいられない…!]
ふふ、お祭り、楽しみ。 わたし、お祭り、初めてかも。
[未だ花をつけない巨木を見上げ、少女は小さく微笑んだ。]
(13) 2015/04/17(Fri) 00時頃
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二人の少女は手を繋いで朝靄の中を歩き出した。
撫でるように吹いた風が、さやさやと未だ花をつけない巨木の枝を揺らす。枝の隙間で、人知れず誰かの影が笑う幻影。
それに気付く者もいないまま、徐々に日は昇っていく。
やがて小さな村が真昼の柔らかな陽光に包まれ、春雨で湿った土もすっかり乾いた午後。
村はずれの広場には徐々にひと気が増え、次々と屋台が組み立てられてゆく。
そうして、各所に吊り下げられた桜色のぼんぼりに灯りがともる頃には、伊那村に年に一度だけの「代わり映え」する一日──人や、けものや、あやかし──そして、外神たちが一斉に集う、花祭の夜がやってくるのだ。
(#5) 2015/04/17(Fri) 00時頃
双子 夕顔がいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(双子 夕顔は村を出ました)
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ちりぃ――――――……ん。
[微かな鈴の音が鳴る。 ざわり、と新芽の音がする。]
―――もうそんな時期かェ。早いもんだにィ。
[眩しそうに薄める目はどこか遠くを見つめていた。 黒い天鵞絨のような毛皮がぎらりと陽に当たったかと思ったのは一瞬。
長い黒髪をざくりと手櫛で掴むと、そのまま落ちていた小枝を差しまとめる。 手櫛にで掬い切れなかった髪の毛の束が幾筋か肩にかかる。
寝床をごそごそとまさぐって引っ張り出した臙脂色の振袖をまるで浴衣のようにだらしなく羽織ってみたが、2本の尻尾は布地の中でうまくおさまりがつかない。]
(14) 2015/04/17(Fri) 02時半頃
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ったく、化けないとすーぐ忘れちまうにィ。
[そう独り言ちるとこれまたざっくりと帯をまく。 着方はめちゃくちゃかもしれないが、適当に知っている人間の真似をしただけなのだ。 全くなんでニンゲンたちは着物をわざわざ着るんだろう。]
今年はどうなるかにゃァ。
[にぃにぃと少し粘つく語尾。 ニンゲンの言葉も手慣れたもんだ。
ねぐらから少し顔を出せば、鼻先を風がくすぐっていった。]**
(15) 2015/04/17(Fri) 02時半頃
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旅籠 おもんは、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 02時半頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 03時半頃
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ーーー…暑い。
[短く呟いて、童女は着物の袖で額の汗を拭った。 春の穏やかな陽気は、雪ん子には少々堪えるようだ。 白い頬は朱に染まり、ぐっしょりと濡れた前髪が顔に貼りついている。]
んーと…
[指で髪を梳かしながら、何かを探すようにキョロキョロと辺りを見回し、こっちだろうかと当たりをつけた方向へ、歩を進めた。]
(16) 2015/04/17(Fri) 04時半頃
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うわぁ。
[行き着いた先で目にした光景に、思わず感嘆の声を上げた。 満開の桜の木ー童女は桜を見たことはないが、きっとあれが桜に違いないーが、空き地を囲うように立っている。 気怠げに屈めていた背筋が、知らぬ間にしゃんとする。 話には聞いていたけれど、なるほどこれは美しい。]
(17) 2015/04/17(Fri) 04時半頃
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あれ?
[しばらくその美しさに見惚れ、ふと、まだ花を咲かせていない巨木があることに気づいた。 大き過ぎて気がつかなかったのだろう。 不思議そうに、その木に歩み寄る。]
あんたは、まだ咲かないの? …っと。
[問いかけながら伸ばしかけた手を、思い留まったように引っ込める。 自分が触れたら、枯れてしまうかもしれない。]**
(18) 2015/04/17(Fri) 04時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 04時半頃
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――――………。
[ パチリ。
シャボン玉が潰れたような、そんな音を立てて、
泡沫の夢は 終わる。 ]
(19) 2015/04/17(Fri) 07時頃
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…………。
[瞬きをした。 酷く重たげな様子で一度、二度。 終えれば声を発そうとして 喉が張り付いたように枯れていたことを知る。
不思議なものだ。 何処かまだ朧気な視界の中、 上から降り注ぐ日の光が柔らかいことだけが確かで。
――――…ああ、何だか酷く懐かしいと思ったんだ。]
(20) 2015/04/17(Fri) 07時頃
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[柔らかそうな雲が浮かんでいる。 食べようとしたらきっと溶けてしまうんだろうけど。 その後ろに淀み一つない青が塗られている。 何色にも染まりそうにないくらい澄み切っている。
ふわりと髪の毛が頬を撫でた。 風が吹いんたんだろう。 視界の隅に見えた髪は長い。 成る程。 どうやらぼくは 茶色の髪をしているらしい。
何だか可笑しくなって、右腕を持ち上げようとした。 でも上手く力が入らない。
だから結局眺めるしかできない。 この感覚は知っている。馴染んでいる。
ああ、でも恐らく今日は違うんだ。 何と無く、そんな気がしている。]
(21) 2015/04/17(Fri) 07時半頃
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………、……。
[ほらね。鼻頭が擽られる感覚。 視界に飛び込むのは真っ白な四枚。
ふわふわの翅を閃かせては、気に入ったのか留まる“彼女”にぼくは、口元を緩めて、つい、腰を捩らせてしまって――――ぁ。]
……………。
[行ってしまった。 振り返ることなく、自由に宙へと向かって。
残念だとは思った。 だけどさっきよりは鮮やかに映る視界に、確かな指の感触に。
腹に、力を込めた。
酷く緩慢な仕草で、それでも、両足を地につけて、ぐっと力を入れて、身体を起こしたんだ。]
(22) 2015/04/17(Fri) 07時半頃
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………おはよう。世界。
(23) 2015/04/17(Fri) 07時半頃
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[押し出した声は掠れていた。 でも構わずぼくは上を向く。
まだ芽吹く様子のない大樹を遠目に、その頭上を、 ここから見上げた空は大きくて、眩しくて、…綺麗、で。
でも少しだけ、甘酸っぱい。]**
(24) 2015/04/17(Fri) 07時半頃
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あ、?ぁ、ぁぁあああぁああ………!!!!
……?…? …………?!?!?!?!
[ビクン、と体が跳ねる。どこまでもどこまでも果てしなく落ちる夢を見た、気がした、]
………ゆめ?…じゃない?…やっぱゆめ?
(25) 2015/04/17(Fri) 09時半頃
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ひぃ、ふぅ、みぃ、ゆきおちる
[こんこん]
よぉ、いつ、むらのこみち
[こんこん]
(26) 2015/04/17(Fri) 09時半頃
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[両の手で作った狐が、互いを突き合いながら、石段にゆらゆら影を落とす。 手から続くセーラー服の肩が、鳴き声とも笑い声ともつかぬ音にあわせ、時折揺れる]
夢よ、夢よ ずぅと続いておくれ ととさまもかかさまも、待ってはいないだろうから
[こんこん] [大きめらしい黒い革の靴から白い踵を覗かせながら、一段一段、上へ、上へ] [撫ぜるように吹いた風が、狐面の僅かな隙間を通り抜け、春めいた匂いを運ぶものだから]
あは いいところ
[嬉しくなって、右も左も見なくなるのは仕方のないこと] [数分後には小径の中、来た道も行く道もわからなくなって途方にくれるとは未だ知らず]
(27) 2015/04/17(Fri) 09時半頃
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…これ、ちっそ?さんそ?空気……勝手にあるんだ。 水も勝手にある…… 土に、木?くさ?はな?たてもの…?ふしぎな建物…。 地面がボコボコしてる…
ここ、もしかして地球? 地球はコンクリート?っぽい印象があったのだけど… こんなの、データでしか見たことない
[落ちた気がしたのに体のどこも痛くない。設定はスリープになってたはずで、軽く2、3年は寝ようと思ってたのだけど。]
…理解と計測不能だけど、うっかり時空、超えてしまったのかしら。 そんな設定してないんだけどな。
[ぐるりと辺りを見渡してから、もう一度突っ伏した。手当たり次第の土をさわさわと触ってみる。感触もにおいもする。データでもない映像でもない、とてつもない「生」の感覚。]
こんなのが夢オチは嫌だなあ…どうかうっかり体ごとここに来てますように……
[はたからみれば、行き倒れたた人だろう。けれどお構いなしに、もっと土を堪能したくて汚れることも厭わずに寝そべっていた。]**
(28) 2015/04/17(Fri) 10時頃
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[はらり と。 視界を横切った花弁に筆を滑らす手を止めて。 頬を撫ぜる風に窓辺をついと見遣れば、麗らかな日差し。 花々の香りをふうわりと引き立てます]
――嗚呼、 今年もきっと、無事に咲いてくださるでしょうね。
[微かに雨の匂いを帯びる土の匂いに、想うは先までの春雨。 隅々まで水を含んだ地から幾重もの根は養分を吸い上げ、 きっと真に美しき春を咲かせるのだろうと。 その予感だけで、長き雨による杞憂も又一興と思えましょう]
(29) 2015/04/17(Fri) 10時頃
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―ポーラ居住宅―
[土に顔をこすりつけているポーラとはよそに、すでに状況把握した両親は安穏と会話をしていた。 スリープになったはずなのに消えて、戸惑いと焦りがあって駆けつければ、なんてことはない移動と睡眠の設定ミスだった。行き先を一目見て安心してからはいつもの調子だ。]
『あいつ今地球かー。』
『そうねえ。設定間違えただけじゃなくて行き先お任せって、つくづくおばかさんなのかしらね。幸い滞在期間も「短い」だったし一ヶ月以内には戻ってくるんじゃないかしら。』
『地球いいなー、最近行ってないもんな』
『いいリゾート地よね、また大きなお休み取れたら行きましょうね。』**
(30) 2015/04/17(Fri) 10時半頃
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[したためていた手紙の終わりには、丁寧な結びの挨拶を。 机の上に積まれた状袋の束が、また一つ厚みを増しました。 こうして多くの方々と手紙を遣り取りするのが、楽しみの一つ。
ある方はすぐ隣の村に住む妙齢の方。 ある方は幾年か前に迷い込んだ別神様。 ある方は当て所も無く流した文に態々返書を下さった物好き様。
人も少ない、然程発展もしてない、 世界と時間の狭間に浮かぶ小さな島国。 幾ら年に一度多くの客人を招くとはいえど、 島の外の方々と文を交わすのが容易ではないのは事実。
島に住む方々への手紙は、飛脚様へお渡しを。 外に住む方々への手紙は、とある神様へお願いを]
(31) 2015/04/17(Fri) 11時頃
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――本日も、宜しくお願い申し上げます。
[恭しく頭を下げて文を差し出せば、手元から其れがふわり浮く。 上から毎度毎度堅苦しい奴だと笑う声が聞こえました。
声は聞こえど、宙に漂うその姿を見る事は叶わず。 それでも私には、其処に在られる事が分かるのです。
時を司る、聖神(ひじりのかみ)様。 この方は時と世界を自由に行き来する力を持ち。 こうして外に住む方々との文を届けてくださいます。
只の人間が遣いを神に頼むなど、罰当たりとも言えましょうか。 勿論我が家では聖神様に対するお供えを絶やした事はなく。 それでも。 人も、神も、あやかしも、けものも、 皆が仲睦まじく過ごすこの豊葦原國だからこそ、 こんな関係も、実現してしまうのでしょう]
(32) 2015/04/17(Fri) 11時頃
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[さて。 聖神様をお送りすれば、何をしましょうか。 最近の文には、専ら薄墨桜の事ばかり記してしまいましたから。 もしかすると、今夜訪れる方もいるかもしれません。
あの桜は一見の価値を十分に帯びる。 否、一見どころではない。 だからこそ毎年毎年、いくつ年が巡っても。 こんな辺境の地に、多くのお客様が参られるのでしょうから]
――今夜は、宴ですね。
[呟く声は、言葉とは裏腹に影を帯びて。 その事実を自覚すれば、つい零れるのは苦笑。
いけないと緩く頭を振って思考を追い出せば、 愛用の杖を手に外へ参りましょう]
(33) 2015/04/17(Fri) 11時頃
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[数年前に自由を喪ったこの両脚では、 行ける場所など狭く限りがあろうとも]
(34) 2015/04/17(Fri) 11時頃
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[私は猫である。 名前はもうある。]
(35) 2015/04/17(Fri) 11時頃
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[どこで生まれたかはとんと検討がつかぬ。 気づけば親兄弟ともはぐれ、腹を空かしてもはや一寸たりとて動けぬといったところで、黒縁の瓶底をかけた小汚い男にひょういと拾い上げられた。 細かく生えた無精髭を撫でつつ橡色の眸でまじまじと此方を見詰めてくる。 不躾な生き物だと、胡乱に睨み返していれば、男はくっと一つ笑いを零し。
『気位の高そうな顔立ちだな』
などと、勝手に私の顔を評しては、 やたらといかめしい名前をつけのだ。 何とも己には不似合に思え、にぃにぃと文句を言えど届かぬようで、 その名で呼ばれるたびに居心地が悪くなったものである。]
(36) 2015/04/17(Fri) 11時頃
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[散々と世話を焼いた揚句に不意と旅にでた、 何とも身勝手なその名付けの親を探して、 数日前にこの村を訪れたのだ。**]
(37) 2015/04/17(Fri) 11時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 11時半頃
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[かつん、かつん。 響く杖の音以上に不恰好なのは、己の歩く姿でしょうか。 ゆっくり、それはもうゆっくりと、 ぎこちなく、それでも前に。 一歩一歩、足を運びます。
差異はあれど両脚に支障を抱えるならば車椅子にしろと、 身を案じてそう進言してくださる方々もいらっしゃいますが。
踏みしめる度草履越しに感じる地面の感触を、 雨水を含むか否か、日々の天候により異なる土の柔らかさを、 足裏で感じる愉しみをどうか、取り上げないでくださいませ]
……おや。
[村から外れた小径は人の目が届きにくいと思っていたのに。 今日は珍しく人が――いえ、お狐様>>27がお見えのようだ。 見慣れぬ装いに、思い浮かぶは今夜の祭。 この村で過ごせば、このような事態は慣れたものです]
(38) 2015/04/17(Fri) 12時頃
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――もし、そこ行くお狐様。 こんな場所でお一人で、余程何か良いものでも?
[草木を揺らす風に乗せて、一声を。 狐を模したらしき少女の耳に、確りと届きましたでしょうか**]
(39) 2015/04/17(Fri) 12時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 13時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 13時半頃
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―屋台めぐり―
[何やら仕事が残っていた様子の小鈴と別れ、一人あたりを見て回る紅の少女。 見るもの全てが珍しいようで、片端から覗き込んでは足を止める。 やきそば、いかやき、りんごあめ。 いまだ準備中のそれらの屋台、のれんを見るだけでも心が躍る。]
…?
[きらきらと光る小さな何かが、じゃらりと籠いっぱいに盛られている。 なんだろう、と眺めていると、屋台の主だろう、おじさんがそれを一つ、つまみ上げた。
――外神さまかい?
尋ねられ、一拍おいてから、こくりと一つ頷く。 するとおじさんは、内緒話でもするような按配で、持ってお行きよ、とそのきらきら光るものを少女の手のひらに置いてくれた。]
(40) 2015/04/17(Fri) 14時頃
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…!
[少女はそれを、息を飲んで見つめる。 きらきら、きらきら。 お日様に、かざして御覧、と言われ、そうっとその儚げなものを指先でつまむ。
きらきら。きらきら。 更に輝きが増したそれに、少女は感嘆の声を上げた。]
おじさん、これ、なぁに?
[尋ねると、ビー玉だよ、と言われる。 びぃだま…と繰り返しながらも、飽きることなく日にかざして喜んでいる少女に、おじさんも満足げであった。]
おじさん、ありがとう!
[もらったビー玉を、大切に袂にしまい、少女はひらひらと手を振った。]
(41) 2015/04/17(Fri) 14時頃
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びぃだま、びぃだま…
[少女は上機嫌で歩き出す。 少女の世界はひどく狭かったものだから、少し歩くだけでも目新しいものがいっぱいなのだ。 ついついはしゃぎすぎて、うっかり忘れてしまう。
…今の自分は、人の子と同じなのだった。]
わぷっ
[彼以外とは接触できず、もっと言えば大人になってしまった彼には見つけてもらえなかったものだから、すっかり忘れていて。 誰かのおなかに頭から飛び込んでしまい、しりもちをつく。 そのままぽかんと見上げてしまい… それからはっとしたように袂を確認して、ほっと息をついた。]
(42) 2015/04/17(Fri) 14時半頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 14時半頃
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世の中に たえて桜の ────…
(43) 2015/04/17(Fri) 15時頃
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なかりせば──……お。
[ぴちょん。と。 鼻先に落ちた雫を、人差し指で掬い取る。上を見上げると、視界いっぱいにさわさわと揺れる枝。降ってきたのは、夕べの雨の名残りだろうか。
ひときわ太い枝の付け根にしゃがみ込んだ男は、指の腹に留まった水滴を木漏れ日に晒す。きらきらと、陽の光の乱反射。 やがて重量が張力に勝った頃合いで、雫は指を離れていった。]
今年の催花雨は、あったかくて気持ちイイなぁ。
[ぐ、と伸びをする。高い場所にいるから、視線の少し先は桜色の雲のよう。目の前の枝にはまだ固い蕾だけれど、これもそのうち満開を迎えるのだ。少なくとも、今日の夜半には。]
(44) 2015/04/17(Fri) 15時頃
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[欠伸ひとつして枝を蹴ると、男はふわり地面へ降り立った。足の裏が土を踏む感触に、にんまりと唇は笑みの形。 深く息を吸い込めば、肺に満ちる匂いに酷く充足感を覚える。桜はあまり香らないけれど、春の匂いは分かるのだ。]
腹減った。 …さて、今年は誰に会えるかねえ。
[賑やかな音のする方へ歩き出す。着物の袖が描いた軌跡に、ゆらりと透けた蝶が舞って、消えた。
また、温い風が枝を揺らした。散った花弁がくるくると地面を踊って、男の唇が詩を詠む。]
(45) 2015/04/17(Fri) 15時頃
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世の中に たえて桜の なかりせば 春のこころは のどけからまし
(46) 2015/04/17(Fri) 15時頃
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[朗々と、少し錆のある音。 振り返ると眦をきゅう、と細めて、巨木を見上げた。] …全く、酷ぇこと言いやがる。
[そう言って心底楽しそうに笑った姿は、ひと気の増えつつある広場の喧騒へとやがて消えていった。]**
(47) 2015/04/17(Fri) 15時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 15時半頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 15時半頃
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-屋台へ続く道-
[かしゃりかしゃりと背負子から器が微かにぶつかる音がするが、気にせず歩く。 ひらひらと舞う着物の裾からはすらりとした白い足が伸び、踊るように歩を進めていた。]
――掻き入れ時だにィ。
[徐々に賑わいを増す屋台の群れに、思わず口元がほころぶ。
目的の場所は屋台街の一角。 周りの屋台の主たちにひらひらと手を振って軽く挨拶を済ませると、大きな背負子を地面におろし、手早く荷解きをしていく。 ござを広げ客席を作り、横に置いた七輪に火を入れた。
祭りの時に屋台を出すのは、趣味と実益を兼ねた商売だ。 いそいそと準備をする背に誰かから声を掛けられたなら、いつもの調子で返事をするだろう。]**
(48) 2015/04/17(Fri) 18時頃
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旅籠 おもんは、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 18時頃
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[夢は、ひとの記憶から生まれるという] [こんな場所見た事あったかしらんと、しかし今ここに在るという以上、忘れているだけなのだろうが]
どこでもいいのかも どこへでも行けるってことだから
[聞こえ良く朗らかに言ってみるが、正体はただのまよいご] [そもそも、どこに向かっていたのだっけ?]
(49) 2015/04/17(Fri) 18時頃
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[彷徨うこと四半刻、ようやく首を回して見とめた先、零れ桜の花の雪が重なり積もる、少し離れた小高い場所] [一本ばかり裸の枝が見えたような、見えなかったような]
そう、あっちだ
[今決めたのでは、ない。きっと。 石段の半ばでは、遮るものが無いからよおく見えたのだ、薄桃色の山が]
「──もし、」
[驚いて、こん、こんと] [肩が揺れる] [声の主は、杖に支えられた見知らぬ男のよう。 品格のある和装は、目にしなくなって久しい姿] [父が年始の式の折、煌びやかな刺繍の羽織を纏っていたか]
(50) 2015/04/17(Fri) 18時半頃
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久々にお外に、 …ううん 初めて来たところだから、迷ってしまって
おにいさんは、お散歩?
[石段の手前には、屋台も点々と見えたから、そこへ行くのだろうか。 春の陽気と、暫く振りに話す"知らない人"に心躍らせながら、興味深いと言うかの如く、面付きの首を傾けた]
(51) 2015/04/17(Fri) 18時半頃
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[ 今は何時だろう?
時計を持ち合わせていなかったから分からなくて、首を傾げた。 前の方に聳え立つのは満開の桜の木。
何かを囲むように木々が連なっているようだけども、如何せん喉が渇いた。
誰かと会っても今じゃあ、嗄れた声しか出ないだろうからまずは人通りの良い場所を、探そう、と、し、―――…]
…………。
[土埃を立てる。
転けた、のだと知るのに十分な時間を要した。
膝丈のワンピースから覗く皿の部分に微かな痛み。 随分と久しい感覚に、追いついていなかったから。]
(52) 2015/04/17(Fri) 21時頃
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………ぃ、たい。
[ すごく、痛い。
耐えられない程じゃなかったけれど、視界が揺れる。 でもぼくは幼い子どもでは恐らくないだろうから立ち上がって。
とにかく人のいる場所を探して、 酷くぎこちない動作でつま先に力を入れてつま先を差し出す。
周囲に誰かいないか左右に瞳を揺らしながら。]
(53) 2015/04/17(Fri) 21時頃
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[背後から、どすん、と何かが倒れる音がした>>52 振り向けば、齢15ほどの少女が立ち上がるところだった。]
どっか怪我したの?
[声はかすれていたけれど、確かに「痛い」と聞こえた。>>53 あまりにもぎこちない動作で歩くその少女を心配そうに眺めながら、雪ん子は声をかけた。]
(54) 2015/04/17(Fri) 21時半頃
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[行きはよいよい、帰りはこわい。
こわいながらも––––]
(55) 2015/04/17(Fri) 21時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 21時半頃
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[ズッ……ズルッ……。
渇いた地面に、雨とは異なる濡れた匂い。 それは何かを引き摺ったような跡。
重たそうな草鞋のすぐ上で、しとどに濡れた錆鼠色の着物が衣擦れの音を立てる。 どことない生臭さは、左手に持っている何かから。
それは、魚の束。
ズル……ズル……。 蓄えた顎髭から、ぽとり、一雫。
折れ曲がった背中を更に曲げて、潜るは朱色の鳥居。 その奥、おさがりが積み上げられた机の前で歩を止める。
魚の口から繋がる縄を持ち上げて…]
(56) 2015/04/17(Fri) 21時半頃
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[びたん!
叩きつけられる魚達。 机の上に水が広がるのは見えているのか、いないのか。 こすり合わせた皺々の手を薄墨桜の方に捧げた。
目を閉じて頭を下げる事数秒。 懐から取り出した紙をびちゃびちゃな魚の上に乗せる。]
『今年も力をお借りしたく参りました。 何卒、宜しくお願い申し上げます。』
[魚の代わりに、机に置かれた白紙の束と、ふでぺんとやらを懐に入れる。 毎年のように誰かが用意してくれているから有難く借りよう。]
(57) 2015/04/17(Fri) 21時半頃
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[見上げた枝には、はち切れんばかりの蕾がふっくらと芽吹いている。 穏やかな顔で微笑むと、一際大きく息を吸った。
春の雨。雪。鈴の音。けもの。こども、ひと。
懐かしい。
何年か振りに来たこの場所の空気は、相も変わらず美しい。 先の濡れた様は何処へやら。 魚の匂いを纏うのも、今や卓上の魚自身のみ。
老人の身に残った老木の渇いた匂いと–––––
桜の香が、風に乗る。]
(58) 2015/04/17(Fri) 21時半頃
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ー巨木の下ー
[風に乗った桜の香り。 そして、風が運んで来た物はひとが怪我をした時に流す、あれに近い匂い。
周囲に首を廻らせる。 此の反対側だろうか。
今、まさに転げた女児の姿>>52が其処に在った。 それに寄るのは人の子>>54ではない童子。
これは大変だ。 緩慢な動作でおさがりの中に治療道具がないか漁り出す。 その間に、二人は何事か会話を成しているだろうか。**]
(59) 2015/04/17(Fri) 21時半頃
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釣り師 沼太郎は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 21時半頃
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[ まさに救いの声だった。
迷子みたいに忙しない様子で辺りを見渡すぼくは、滑稽にも思えたかもしれない。
思わず俯きがちになりそうな時 涼やかな声>>54につられて視線を移した。
そこには着物を召した女の子。 汗はもう渇いていただろうか>>16 もしまだ髪が張り付いているようなら、寧ろそちらの方が心配だと眉を寄せただろう。]
(60) 2015/04/17(Fri) 22時頃
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ひさびさに、 出かけたもの だから………。 足がうまく、動かなくて。
[それでも先に答えねばと捻り出した声はやはり掠れていて。 何か冷たい飲み物でもあればいいのにと願ってしまう。
こちらに来る気配>>59には気付かないまま、首を傾げて笑みを浮かべる。]
ちょうど迷子になっていたから 誰かに会えてよかった。
[ 現金だけど、そう思えば怪我も悪くないように思えて。
おかしそうに肩を揺らしては彼女へと視線を向けた。]
(61) 2015/04/17(Fri) 22時頃
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[土のにおいをひとしきり楽しんでのっそりと起き上がる。重力は不便だと感じつつも、足で立っていることはしっかり生きているみたいで心地のいい感覚だった。]
あー…んっふふ、 てかー、おなかすいたー。なんか?おいしそうな、におい…? あとなんか、浮き足立ってて、うるさくないうるささ…?
[地べたに突っ伏してる間に周辺の装飾が華やかになって、明らかに人が増えていた。衣服が全く違う。異質なのはこちらだと一目で分かるけど、どう話しかけていいか戸惑いきょろりと見渡した。]
ええと…そもそも、
[昔読んだ記憶のある{地球-古き良きNIPPON、これからのNIPPON-} データの内容を思い出す。データの画像を切り出したかのような光景に無性に心が踊る。]
もしかしてこれって、OMATSURIってやつ?
[思考を巡らせつつも、においに反応したように、きゅるると体が空腹を訴えた。 どんなに進化したって、どんなに文明が進歩したって、動いてりゃお腹は空くもん、と開き直った。そうして今さらながら、泥だらけの自分が気になりだしてもいた。]
(62) 2015/04/17(Fri) 22時頃
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[彼方此方と探し歩けど、なかなか探し人に会うことも叶わず。 たまたま訪れたこの村で、どうやら近々祭りがあるらしい。 折角だ、ひとつ話の種にでも覗いてやれとこの村に居座ることしばし。
春雨もあがり、さらりと晴れた空を見上げる。 しかし、なんとも見事なものだ。 空色に向け伸びる枝葉。 淡い桃色が時折風に揺られはらりと宙を舞う。]
あの巨木も咲くのであろうか。
[阿呆のように口を開けたまま上を見上げていれば、 地べたに何やら珍妙なものが落ちている。>>28 一見すると人間のようである。 恐ろしいなどということはないが、しかし話しかけるのも躊躇われ、前足でつついてみようとそうと伸ばせば]
(63) 2015/04/17(Fri) 22時半頃
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[その影はむくりと立ち上がった。>>62 服装こそあまり見かけぬものであるが、 二本の足でたつ様も毛の生えていない顔からも、 どうやら人間のようである。 きょろりと辺りを見回しては、
『もしかしてこれって、OMATSURIってやつ?』
と言葉を発した。 此方に気付いている様子はなかったが、近くにいる生き物は私ぐらいしかおらぬ。 こくりとひとつうなずいて返事をしてやった。]
ああ、今宵祭りが始まるらしい。 私も来てそう間もない故に、 詳しいことは知らぬのだが。
[返した途端、きゅるる、と頭の少し上から 腹の虫の音が鳴くのが聞こえた。]
(64) 2015/04/17(Fri) 22時半頃
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ひさびさ? ずっと家にいたの?それとも冬眠?
[雪ん子が首をかしげると、汗でいくつかにまとまった前髪が、ぱらりと揺れた。
ここは時空の交わる場所。 ヒトの形をしていても、ヒトであるとは限らない。 現に自分がそうである。 彼女が雪ん子とは反対に、冬の間は眠っている動物や妖怪だとしても、おかしくはない。]
…あそこに飲みもんがあるよ。 お母ちゃんとはぐれたの?
[迷子という言葉に眉根を寄せながら、彼女の声がまだ掠れていて、酷く喋りづらそうだったので、>>61巨大な桜の根元の鳥居の奥に設けられた台>>10を指差した。]
歩ける?
[もしも少女が歩けなさそうなら、自ら飲み物を取りに行くつもりだ。]
(65) 2015/04/17(Fri) 22時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 22時半頃
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[重力と引力を体感しようと一歩踏み出そうとすれば、生き物の影>>64があり慌てて足を引っ込める。]
わ〜猫型のアンドロイドじゃないネコ型の生き物初めて見た〜。すご〜い。
……さわってもいいかな…
………。
[ヒト以外の生き物にほぼ触れたことがないため、触りたいような妙に怖いような引っ込みのつかない手をグーパーさせる。]
あー…フワフワモフモフっぽい毛皮なんだなあ…気持ち良さそう…
[そうして迷ってるうちに、こよい、という言葉が聞こえ、美しい言葉だとコヨイコヨイと繰り返してつぶやいた。]
コヨイ…てのは、今晩ということだったっけ?まつり…OMATSURIはまつりという発音なんだね。 Oまつり初めて経験するよ。楽しみだね!あ、お名前伺ってもいいですかー?私はポーラって言いまーす!あっ申し訳ないんだけど、私のことさわれるか確かめてもらっていいですか?夢か本当に移動しちゃったのかわかんないんだ!
[猫型のアンドロイドは話すため、普通なら猫が話したら驚いていたかもしれない。しかし、話すものが普通だと育ってしまったためこの特異な状況に不思議に思うことはなかった。]
(66) 2015/04/17(Fri) 23時頃
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[ 家にいたの? 冬眠?
どちらも違うし、どちらも正しいように思えて答えあぐねてしまう。]
………似たようなものかな。
[だから曖昧に誤魔化しながら、指差された先>>65を見つめて、首を傾げる。]
あんなところに飲み物があるなんて、初めて知ったよ。
[遠目からじゃ、あんまりとはっきりとは見えない根元部分。 ぱっと見では樹の根に飲み物なんて、と思いながらも足を動かす。
その度擦れた痕がじくりと熱を持つけれど、今は些細なものに思えて。 そういえば、はぐれたなんて聞かれていたから道すがら答えよう。]
(67) 2015/04/17(Fri) 23時頃
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きっと、はぐれた訳じゃないんだけどね。 ………何だろう。 何か忘れているんだろうね、ぼくは。
[緩やかに、一歩一歩踏みしめるように土を踏みつつ先程伝えられた場所へと向かって。]
君は…一人でここへ?
[そんなに距離が離れているようにも思えない。
やがて微かに見えていた景色が近くなれば飲み物は何処だろうと根元に視線を移しただろう。]
(68) 2015/04/17(Fri) 23時頃
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[どうやら、自分がこの地域のかなりハズレにいて、大きな大きな木があって、そこを中心にOMATSURIがあって、真ん中に向かって人が増えて可動式?の建物がズラリと並んでいるらしい。 そして今晩Oまつりがあるらしい。
とお腹空いたなあと思いながらも整理する。 夢ならかなり精密な夢だなあ、なんて呑気すぎるだろうか。]
(69) 2015/04/17(Fri) 23時頃
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[目の前の少女は猫を見るのは初めてだというからたまげた。 落ち着きなく結んで開いてを繰り返し、 何故だか私を触りたそうにしつつ、躊躇っているようだ。]
うむ、今宵とは今夜のことだ。 その出で立ち、その無知さ、そなたも私と同じく外から来た者だな。 此処では外神と呼ぶらしい。 祭りもそう滅多なことではないものだろうから、 存分に楽しむとよい。
[少女が自身の名を名乗れば、ああ、これは申し遅れたと恭しく頭を垂れた。]
(70) 2015/04/17(Fri) 23時頃
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―宇宙―
『―――ザッ―――ザザッ―――!』
[流れてくるレーザー通信信号を探知し、もう使い物にならないセンサーが不具合音(ノイズ)を立てる。 既に敗北したこの機体が、今更なんになろうというのか。]
敗者は死なず…ただ久遠の闇に消えていくのみ…か…
[少女、ミツボシ=アラハには夢があった。 与えられたこの鉄鋼の兵器で、敵を退け、弱きを助け、自国を守るという夢が。 その為なら、闇と同化するように機体を操った。付いた綽名は『機巧人軍』。一騎当千とも呼べるその功績により、幾度となく自国の危機を救ってきた。 ―――人と人が宇宙で争うようになり数十年が経った。 絶対零度の宇宙で鋼鉄の鎧に身を包み、それでも戦うことを止めなかった人類。 そんな人類の一人、ミツボシはもう母艦に戻る術を失った。機体は損壊、矜持も砕かれ。遠い時の果てに恒星へ導かれ魂まで焼かれるか、あるいは深淵の穴に引きずりこまれて骨まですり潰されるかのいずれかしか未来はない。]
(71) 2015/04/17(Fri) 23時頃
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―宇宙―
『―――ザッ―――ザザッ―――!』
[流れてくるレーザー通信信号を探知し、もう使い物にならないセンサーが不具合音(ノイズ)を立てる。 既に敗北したこの機体が、今更なんになろうというのか。]
敗者は死なず…ただ久遠の闇に消えていくのみ…か…
[少女、ミツボシ=アラハには夢があった。 与えられたこの鉄鋼の兵器で、敵を退け、弱きを助け、自国を守るという夢が。 その為なら、闇と同化するように機体を操った。付いた綽名は『機巧人軍』。一騎当千とも呼べるその功績により、幾度となく自国の危機を救ってきた。 ―――人と人が宇宙で争うようになり数十年が経った。 絶対零度の宇宙で鋼鉄の鎧に身を包み、それでも戦うことを止めなかった人類。]
(72) 2015/04/17(Fri) 23時頃
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我が名はアーサー。 ポーラだな。暫しの間、よろしく頼む。
[そうして唐突なお願い事に丸い目をさらに丸くした。]
ふむ、夢だと思っているのか。 触るぐらい、お安いご用だ。
[言うが早いか、するりと彼女の足元にすりよった。 透けることも突き抜けることもなく、少女の二本の足はしっかりと地面に立っている。]
どうだ、間違いなく触れているだろう。 それから、その泥は少し落としたらどうだ。 替えの服が欲しければ、そら彼処に鳥居があるだろう。 彼処にあるおさがりをいただくとよい。
[顎で少し離れたところにある朱塗りの鳥居をさした。]
(73) 2015/04/17(Fri) 23時頃
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[おさがりには、既に何度も世話になっている身である。 食べ物もあることは勿論知っているのだが。]
腹の虫の方は…… 祭りの屋台で何か見繕った方が、 珍しいものがあるかもしれぬな。
[思案を交えつつ先輩風をふかせながら、少女を見上げた。*]
(74) 2015/04/17(Fri) 23時半頃
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[辿々しくはあったが、少女が自らの足で歩き出したので、後に続いた。]
忘れてる…?
[よくわからない、とますます怪訝な顔をしながらも、忘れたというものを無理に思い出させることはできないので、それ以上問うのをやめる。]
ん、そうだよ。 ちょっと桜を見に、ね。
[目的の場所にたどり着いたのは、そう答えた時だっただろうか。]
ほら、あそこ。 鳥居の奥に台があるだろ? 「おさがり」って言うんだってさ。 あそこにあるものは、自由に食べていいし、好きに使っていいんだって。
[飲み物を探す少女に、ここに来る前に教わった知識を交えながら、指し示した。]**
(75) 2015/04/17(Fri) 23時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 23時半頃
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―――ああ、最期に…
[蒼く凍るこの宇宙を漂いながら、
春の美しい桜でも見たかった。
とミツボシは願ってしまうのだった。]
(76) 2015/04/17(Fri) 23時半頃
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―伊那村・村はずれ―
[もし村外れに人がいたならば、けたたましい轟音を響かせながらガラクタが突如崩れ落ちた音を聞いただろう。]
……イタタタタ…なんじゃこりゃー…
[ガラクタの山から吐き出されたミツボシは眩暈を覚えながら自身の背後を見た。 戦火を共にした愛機の無残な姿がそこに合った。 胸に去来する一抹の哀愁を掬いあげ、そっと目を閉じて機体の永久の眠りを祈る。 何度も自分の命を守ってくれた、武骨な機能美を追求したフォルムの鎧に。]
……アタシ、とうとう死んだのかな。
[鱗重(スケイル)式の宇宙服という珍妙な服装をした少女が、霞の残る古き和の空気の中へ、歩き出した。**]
(77) 2015/04/17(Fri) 23時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 23時半頃
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ー屋台街ー
[腹に飛び込んでしまう形になったのは、男の人だった。 それは多分、とても綺麗な顔立ちの、男の人。 袂の宝物が無事であることを確認してから、もう一度見上げ、少女は黙って見つめてしまう。 こう言う時に、言うべき言葉はなんだっけ?]
あ…えと…
[言葉を探して眉を寄せる少女が、泣きそうだとでも思ったのだろうか。 男の人は、優しく手を差し伸べて、少女を立ち上がらせてくれる。 全然似てないはずの、彼の面影が重なった。]
あ…ありがとう!
[今度は迷わず言えた。 同時に、出てこなかった言葉が“ごめんなさい”であったことを思い出す。]
(78) 2015/04/17(Fri) 23時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/17(Fri) 23時半頃
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[ 「 桜を見に。 」なんて
もしかしたら彼女は常連なのかもしれないと、頭の片隅にとどめておく。
共にたどり着いた場所へ頷きながら向かう。 そこには確かに鳥居らしき物があって、ぼくは何故これが鳥居だと知っているのかも分からないまま、膝を折る。]
………屈めば、入れるかな。
[ちょうど切り口が痛むけれど、 彼女に任せるのは申し訳ないから 身体を折ってその奥へ。
さすれば何ということだろう。
長机の上に置かれた数々の物資に道具。 思わず瞬きをして、暫く座り込んでしまう。]
(79) 2015/04/18(Sat) 00時頃
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よォ、姐さん。久しぶりィ! どうだい、繁盛してるかい?
[広場に連なる屋台の一角で、いそいそと荷物を広げる臙脂の後ろ姿に陽気に声を掛ける。>>48
広げられたござの傍にはまだ七輪があるのみで、彼女が振り返った頃になってようやく準備中であろう事に気が付いた。 久し振り。そんな言葉で再会を喜んでおいて、こちらを向いた女性の顔を見るなりひゅうと口笛を吹く。まるきり、初対面の相手への反応でその容姿を称えた。]
あんた、美人さんだなぁ。 その尻尾の毛並みも最高にイカしてるぜ。
[手放しで誉めそやし、少しだけその背後、腰元に視線を遣る。果たしてそこに揺れる二本の尾>>14はあっただろうか。どちらにせよ、男の目はそれを捉えていたようだが。
ぱちんと炭の爆ぜる音に、男は視線を七輪に移す。 解かれた荷>>48の中身はなんだったのだろう。近くの屋台から漂う食べ物の匂いに、すんと鼻を鳴らしてから、続けた。]
邪魔してすまねえ、まだ準備中だったか。 姐さんは何を出すんだい?
(80) 2015/04/18(Sat) 00時頃
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………あっ、
[そこから飴玉の入った袋と、少し温い水を拝借すれば、桃色の生地の着物まであって思わず見惚れてしまう。
さっきあの子が着物を召しているなんて思ったのは自分の無意識が原因なんじゃないかと思いつつ、「自由に」、「好きに」と言われても躊躇ってしまった。
結局最初の二つを抱えたまま鳥居を潜れば彼女の元へと戻って。]
…ありがとう。 誰の「おさがり」かは分からないけれど、有難く貰っておくよ。
(81) 2015/04/18(Sat) 00時頃
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………そういえば、君の名前は? ぼくは……、確か。
[今更に彼女とは呼びづらくて尋ねてみたのだけど、どうにも記憶が曖昧で。
なんて、呼ばれていたっけ?
薄ぼんやりとした映像。 一緒に並べられた椅子に腰掛けて、 本を、開いて。
綴られていた『Mary』に―――]
(82) 2015/04/18(Sat) 00時頃
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[ パチリ。
水泡が割れる。
ああ。そうだ。
確かこれの読み方は、]
………ぼくは、メアリー。
[ 息を吐き出す。
渇いた声だ。 早く手に入れた水を飲めばいいのに。 それと、怪我の手当てくらいすればいいのに。
それよりも、何故だろう。 自分を、自分だと、そんな欠片が指先に触れたような気がして、 瑞々しい気分に、酔ってしまう。]
(83) 2015/04/18(Sat) 00時頃
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[それでもいつまでも怪我を放置しておけないと、患部を水で洗い流すことにして。 残った水分はペットボトルを傾けて補給する。
あの中に救急器具もあったような気がするけれど、ぼくはすっかり他のことに気を取られているものだから、気にせず。]
桜の木………咲いているには咲いているんだね。 でも、どうしてかな。 咲いていないものもある。
君は、ここでまだ花見を楽しむの? ぼくは…ちょっと歩いてみようかと思うんだ。
[彼女の返答次第では共に同じ場所へ向かうかもしれない。
どちらにせよ、ぼくは星の形をした飴玉の入った袋を手にしつつ意気揚々と来た道を辿る。
そうしていれば、新しい人の姿>>59を見つけることもあっただろうか。]
(84) 2015/04/18(Sat) 00時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/18(Sat) 00時頃
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あの、さっき、ごめんなさい。
[ぺこりと頭を下げながら、その言葉を口にしてみる。 それは、少女の記憶にある限り、初めて言った言葉だった。 男の人は、許してくれたみたいだ。 はじめから、怒っていなかった気はするけれど。 問われた言葉に少女は首を傾げ。]
急いでたわけじゃないの。 ただ…慣れてなくって。
[果たしてその人は、納得してくれたろうか。 しばらくして、バイバイ、と手を振り、少女はまた歩き出す。 チョコバナナ、わたあめ、ベビーカステラ。 良い匂いがし始めた気がする。 あれは、焼きとうもろこし? それらを順に眺めながら、少女は人の隙間をすり抜けすり抜け、屋台街を進む。]
(85) 2015/04/18(Sat) 00時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/18(Sat) 00時頃
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アーサー?かっこいいし素敵な名前だね!うん、よろしくね! いろいろ教えてくれてありがとう!
[矢継ぎ早に飛ばした質問に確実に答えてくれ、かつ自分が気にしていた泥まで察してくれるあたり>>70>>73に性格がいいんだろうな、と感じて早々に懐いた。]
あ、さわれるんだ。よかったー。夢オチはいやだったんだよね。そっかよかった〜 うん。外…地球の外から来たよ。コトカミ…コトカミ?ふーん? アーサーはでも地球の生き物だよね?まあ難しいことばはよくわかんないけどさ、おまつり楽しみます! あ、おまつりってことはさ?WASSHOI!てあるの?エイヤー!とか。
[ピッと元気に返事をしてきょろきょろともう一度辺りを見渡す。]
泥のこと心配してくれて、ありがと〜。えへへ!あの変な建物はトリイって言うんだね。アーサー詳しいね!なんか先生みたい。
(86) 2015/04/18(Sat) 00時頃
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[驚かせてしまったでしょうか。>>50 それでも何処か愉しげに応える様子に心細さは感じられず。 初めての場所、迷ってしまったと仰るわりには、 まるで期待を胸に冒険に出たかのような幼さ。 一先ず心配は無用かと、問いへの答えを探って]
えぇ、そのようなものでしょうか。 今夜は年に一度の、お祭りですから… それも、色んな方々にお逢いする事の出来る、特別な。
[親しみすら感じる髪型や色、装い。 恐らく、そう歴然とした文化の違いはないのでしょう]
そう、例えば。 貴女のように、此処へ迷い込まれる方々も。 この日は毎年、よくいらっしゃるのですよ。
(87) 2015/04/18(Sat) 00時半頃
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[今度こそ、驚かせてしまうでしょうか。
自分も男らしからぬ肌の白さにとやかく言われますが。 明らかに其れ以上だと思われる彼女の肌が、 驚きで朱色を帯びるのであれば、それも良しとしてしまいましょう]
ようこそ、豊葦原國、伊那村へ。
[外神様へ、頭を垂れて。 歓迎の気持ち、少しばかりでも伝わればよいのですが。
彼女は何を求めるでしょう。 彼女は何を知りたいと思うでしょう。 自分に答えられるものならば、何なりと。
そんな心持ちで、さながら鏡合わせのように。 同じ方向へことりと、小首を傾げて反応を伺ってみましょうか]
(88) 2015/04/18(Sat) 00時半頃
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[『腹の虫』と指摘されれば>>74、髪の毛をぽりと掻いて笑う。]
ありゃ、聞こえてた?うんお腹空いてる〜。 えっとね、たぶんこっちの通貨もってないけどトリイに行ったらもらっていいの?ヤタイってあのおっきな木に向かって並んだ建物のことだよね?
[ふんふんと、脳内の地図をアーサーに言われたことを付け足しながら整理する。]
あ、ね、アーサー?良かったらトリイでどうやって貰っていいのか一緒についてきて、さらに言うと教えてくれない?というか着てるものが私だけ違いすぎてちょっと気になってたんだ〜。へへ
(89) 2015/04/18(Sat) 00時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/18(Sat) 00時半頃
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「よォ、姐さん。久しぶりィ! どうだい、繁盛してるかい?」
[いそいそと準備をしている背に掛けられた声>>80に振り向けば。]
にゃァ―――そろそろ開けるよォ。問題にゃァ。
[笑顔で答えるが顔を見れば、恐らくは去年も来ていただろう優男が口笛を吹いた。 美人と言われて悪い気はしない。 うっかり飛び出した2本の尾がぱたりぱたりと着物の中で上機嫌に揺れる。 何を出すのかと問われればごろろ、と少し喉を鳴らし答えた。]
(90) 2015/04/18(Sat) 00時半頃
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……今年は特に上物だにゃァ。 とっておきのマタタビ酒に、麦酒と、自家製の干物―――こっちは蜂蜜飴湯に金柑の砂糖漬け。 あァ、こっちは燻製に、あともうちょっとしたら甘酒も出すからにィ。
[周りはおさがりを調理している店も多いが、おもんの店はすべて自家製のものばかりだ。 誇らしげに、周りにいる客にも見えるように一つずつもったいぶって紹介する。]
どれも安くしとくよォ。
[あの背負子にどれだけ入っていたのか、まだまだ自家製の食べ物と飲み物は出てきそうだ。]**
(91) 2015/04/18(Sat) 00時半頃
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旅籠 おもんは、メモを貼った。
2015/04/18(Sat) 00時半頃
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[とりあえず、あごで示されたトリイに向かって歩き出す。お腹は空いているが、まずは服装の汚れをどうにかしたい。突っ伏して手に触れていた土と、服に付いた汚れが同じものに思えないほど、手触りが違っているように感じた。
共に歩んでくれる「先生」に目線を向けながらいいにおいの方向もクンクンと探した。]
アーサーが付いてきてくれるから心強いよ。突っ伏してた時に声かけてくれてありがと! えっとね、もらっていいってことはもらっていいってことだと思うんだけど……ってなに言ってるんだろ、つまりそこにあるものなら取ってって問題ないってことだよね! ちょっと探してみるね。分からないことがあったら呼ぶし、たぶん近くにヒトいそうだから知ってそうなヒト見つけて聞いてみるよ!
アーサー先生もおまつり楽しんでね!
[またね、ときりりとした猫先生に手を振った。きっとおまつりのどこかでまた会えるだろうし、特に不安にも感じていなかった。]
(92) 2015/04/18(Sat) 00時半頃
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うすずみさま、結局見つからないし……もう!
[屋台の傍に置かれた簡素な椅子に座って、樹医の少女はもしゃもしゃと口を動かす。 小さな口が頬張っているのは、伊那村特産のレタスを使った蟹レタス炒飯だ。 高温で炒めた具材と米、缶詰の蟹は少々値が張るが、独特の旨味がある。そして最後に軽く合わせたシャキシャキのレタスの、生とは違ったその食感と音は、見ている者の食欲を誘う。]
おいひぃ…、けど、なにもお祭りが始まる直前に隠れること、ないじゃない。
[不満げな声に、行き交う村の者達からは慰めの声が飛ぶ。相槌を打って、小鈴は手元に残ったもう一つの炒飯の包みを慎重に持ち上げた。 本当は直接渡したかったのだけれど。 朱塗りの鳥居に供えておこう。そう思い直して立ち上がると、不意に各所に吊り下げられたぼんぼりに、柔らかな灯りがともり始めた。]
ああ、いやだ、もうこんな時間。
[呟いて、ぱたぱたと鳥居へ向かって走り出す。 ちら、と今朝出会った夕顔の事を思い出した。お祭り、楽しめているだろうか。
いつの間にか傾いた日に、周囲もどこか薄暗い。 じきに笛や太鼓の楽隊が演奏を開始すれば、いよいよ――祭りの夜の、始まりなのだ。]*
(93) 2015/04/18(Sat) 01時頃
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