299 さよならバイバイ、じゃあ明日。
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─ 草屋 ─
[毛玉の問いに、答えが返る事はなく。 代わりに、コーラはただ一言だけ別れの挨拶を告げた。 そして、それから動くことはなかった。]
コーラ、コーラ。
[花と小瓶を置いて、コーラに近寄り身体を両手で揺すってみるが、やはり反応はない。 そこに在るのはコーラではなく、コーラだったものになってしまった。]
…ばいばい、コーラ。
[毛玉は少しだけしゅんとして、ンゴティエクと同じくコーラに別れの挨拶を告げた。]
(1) 2019/10/12(Sat) 00時半頃
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ギロ、モイさがしてくる。
[ンゴティエクにそう告げると、毛玉は小瓶を手にして。]
んあ。
[大きく口を開けた。文字通り、とても大きく。 身体がまるごと口になったのではないかという位に大きな口に小瓶を投げ込み口を閉じると、毛玉は何事もなかったかのように元のサイズに戻った。]
コーラとのやくそく、まもる。
[白い花を手にして、毛玉は黒くて細い足でてってけと駆け出した。*]
(2) 2019/10/12(Sat) 00時半頃
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─ 街の中 ─
[ぽつ、ぽつ。 静かに降り出した雨は、しとしとと街を濡らしていく。 花を持って走る毛玉の毛も水を吸って、少しだけ重い。 それでも、毛玉は走った。]
モイ、どこ。
[朝日が昇ってからもう随分経っている。 忙しい葬儀屋の事だ、もう家には居ないかもしれない。 しかし、闇雲に探すよりはと毛玉は葬儀屋の家を目指した。]
(18) 2019/10/13(Sun) 19時半頃
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[走っているうちに雨足は弱まって、雲間から陽の光も差し始めた。 雨はきっともうすぐ止む。 そう思った、その時だった。
とんてけとんとん、しゃんしゃん、ぴーひゃらら。
毎日誰かと別れ、見送るこの街に、楽しげな祝いの音が聞こえた。 この街の住人は、時折こうして唐突に祝賀会を開く事がある。 どういう風習なのか毛玉にはよくわからないが、”異邦人”である事がわかると盛大な祝賀会を開き、見送るのだ。 あの世にではなく、街の外へと。 それが、この街のもうひとつの別れのかたちだった。]
(19) 2019/10/13(Sun) 19時半頃
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おいわい、だれ?
[毛玉は思わず葬儀屋の家に向かう足を止めて、祝いの音に吸い寄せらるようにそちらへと走る。 路地を抜けた先、楽しそうな音に包まれているのは。]
イナリ!
[真っ白ふわふわの毛並みを見て、毛玉は大きく飛び跳ねた。 今日も身なりがキチンとしていて綺麗なのは勿論の事だが、きっと住人に飾られたであろう花や飾りものでより一層華やかに見える。 頭に乗せられた花冠がなんとも可愛らしい。]
(20) 2019/10/13(Sun) 19時半頃
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[音を奏でたり、歌ったり、踊ったり、飲んだり、食べたり、笑ったり。 街の住人がそれぞれ楽しそうに主役を囲んでいる。 毛玉はイナリの様子を見ようと飛び跳ねているが、中々よく見えず。 大きな人に踏まれそうになり少し空いた道の方に避難する。]
あ、ンゴティ。
[と、そこには見慣れた極彩色。>>25]
イナリ、いほうじん。 イナリ、いろいろすごい、なっとく。
[ただものではないと思っていた、というような口ぶりで毛玉は言った。 毛玉は”異邦人”が何なのかはよくわかっていない。 ただ、これだけ祝われて送り出されるのだ、きっとすごい人なのだろうという認識のようだ。]
(26) 2019/10/13(Sun) 20時半頃
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ん。
[かちゃり、という音が聞こえた気がしてそちらを向くと、耳長の鎧姿が見えた。]
ソルだ、ソルだ。
[毛玉はぽい〜ん、と飛び跳ねる。 ソルフリッツィは毛玉に気づいただろうか。 既に出来上がった住人に囲まれ、もう姿は見えなくなってしまっているが。]
(30) 2019/10/13(Sun) 20時半頃
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「あ〜、ホンマ清々しますわ!」
[今度はその反対側からとても大きい声が聞こえて、毛玉のごまつぶのような目はそちらに向く。]
「キナ臭いお人や思てましたけど、異邦人やったなんて…でもこれで街の中に仏壇みたいな匂いせんようになって快適になりはるわ」
[キンキンと囀る声の主は、美の研究家を名乗るタイムだ。 何かとイナリに突っかかる節がある事で有名であり、イナリの美貌(と人望)に嫉妬している、と誰かが噂話をしているのを毛玉は聞いたことがある。]
「さ、飲みましょ飲みましょ!今日はええ日やからね!」
[タイムは周りにそう煽り、手にした飲み物を一気に飲み干す。 そしてテーブルにグラスを置くと同時に俯いたまま、ぷはー、と大きな息を吐いた。 その時、足元の方に居た毛玉には聞こえた。 とても小さなか細い声で「…ホンマ、清々するわ…」とタイムは言った。 それはトゲトゲした言葉ではなく、何処か寂しそうだと毛玉は思った。]
(33) 2019/10/13(Sun) 21時頃
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ん!
[ンゴティエクに促されると毛玉は頷いて、ぴょんと椅子に乗った。 しかし、ンゴティエクのように胴が長い訳ではないのでテーブルまで届かず。 結局、もう一段上がってテーブルの上にお邪魔することにした。]
イナリ、すごい。 おいのりで、あめふる。 ギロにおみずくれる。
[毛玉はとても主観的なイナリのすごさを語る。]
餞別? わー。
[鮮やかな色の雨が、きらきらと陽光に煌めきながらテーブルに降り注ぐ。 弱まったり強まったりしていた雨はいつの間にか上がっていた。]
(34) 2019/10/13(Sun) 21時頃
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ギロチンは、ンゴティエクの背中をさすさす。
2019/10/13(Sun) 21時頃
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ンゴティのせんべつ、すごい。 せんべつ。 せんべつ…。
あ。
[自分も何かできないかと考えこんでいた毛玉は、何かを思いついた。 持っていた花をそっと横に置く。]
んん〜。 ん!
[毛玉は毛の中から伸びた細くて黒い手で自分の毛を一掴みして、ぎゅっと引っ張る。 毛はモッチリと毛玉の身体から離れ、毛玉はそれを丸くこねてテーブルに置いた。 すると、小さな毛玉にこれまた小さな黒い耳とごまつぶのような目がついて、ぱちぱちと瞬きをする。 毛玉が小さな毛玉に向かって敬礼のポーズを取ると、小さな毛玉も同じように毛から手を出して敬礼を返した。 挨拶を終えると、小さな毛玉は毛から足も出してイナリの元へ向かい、しゅっと荷物の中に潜り込んだ。]
(35) 2019/10/13(Sun) 21時半頃
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[これは毛玉がいつも誰かを送り出す時にやっている事。 あの人が死んでしまった時、あの人がどうか寂しくないようにと、棺に小さな毛玉を添えた。 それ以来、毛玉は送り出す時にこうして小さな毛玉を添えている。 この行為に意味があるのかと問われると、毛玉のエゴでしかないかもしれない。 でもこれが、毛玉なりの見送り方なのだ。
なお、毛玉がどういう構造なのかはきっと街の誰も知らず、もしかしたら毛玉も知らないかもしれない。 火葬の際に「あ゛ー」という声をあげる時もある事から、小さな毛玉とリンクしている可能性も考えられるが、実証はされていない。]
(36) 2019/10/13(Sun) 21時半頃
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[また、この小さな毛玉は言葉を持たない。 そして、動くのもこの街の中だけ。 だからイナリの荷物に潜り込んだ小さな毛玉も、この街を離れれば本当に”ただの毛玉”になることだろう。 それどころかもしかしたら、いつのまにか消えてしまう事だってあるかもしれない。*]
(37) 2019/10/13(Sun) 21時半頃
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イナリ、はねてる。 たかい、たかい!
[胴上げされているイナリを見て、毛玉は同じようにぽよぽよ跳ねる。 イナリがどんな心境なのか毛玉にはわからないが、みんなが笑って、楽しく見送る。 死ぬのも、街を出るのも、毛玉にとっては今生の別れ。 同じ別れなら、こちらの方がいいなと、毛玉は思った。 そして、別れの時は来る。]
イナリ、ばいばい!
[街を出るイナリの背に、ありったけの声をかける。 毛玉の声が届いたかはわからないけど、イナリの姿が見えなくなるまで毛玉は手を振り続けた。*]
(49) 2019/10/14(Mon) 00時頃
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