91 時計館の魔女 ―始―
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― 客間、2-1(3日目早朝) ―
[ 夜じゅう、...は怪我人についていた。圧迫止血をした後は、血のにじむ包帯と寝間着を替えることしかできなかった。 シスター・ツェリは深く眠っているかと思うと、傷の痛みからか、ときおりうめき声を上げた。...はその手を握り、その耳に安心させる言葉をささやいた。幼い子どもに言い聞かせる母親のように。
やがて、静かになったシスター・ツェリのベッド脇から、窓際へと椅子を移動させた。カーテンの向こうはしらじらと明るい。...は腰かけ、膝の上で両手のひらを広げた。 そこに、1冊の本が現れた。]
便利。すっごく便利!
[ くすくす笑いながら、...は楽しげに本のページを繰る。]
(16) 2012/05/25(Fri) 04時頃
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[ いくらも読み進まないうちだった。異様な気配に顔を上げた...は、一瞬にして険しい表情になり、]
何者!
[と誰何したが、いらえはない。...は怒りを込めた鋭い声で言った。]
おまえは祖父ティモシー・エヴァンスを殺した!
[ 気配が震えた。どんどんと扉を叩く音が伝わってきた。不満げに。 ...は見えない力に向かって、いらだちを隠さない。仁王立ちになって、腰に手を当てる。]
うるさい、裏切り者! 家族殺し!
[ するすると手繰り寄せられる糸のように、気配が消えていった。]
(17) 2012/05/25(Fri) 04時半頃
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[ 長い間、あらぬかたを睨みつけていた...は、緊張した表情を緩め、膝から落ちた本を拾う。]
うん、あいつだったよ。あの裏切り者。
[ 語る相手はどこにもいない。シスター・ツェリは身動きもせず、ベッドで眠っている。]
そう、だね。本当に一族じゃなかったのかも。 ……ええ!? そこまではわかんないよ。
[ だが、...はまるで、相手がいるかのように会話を続けた。子どもじみた声で。]
だーかーら、わかんないの、もう! 何でもかんでも訊くのやめてよね、口うるさいだから。
(18) 2012/05/25(Fri) 04時半頃
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……あ、でも、イメージは伝わってきたよ。「高らかに月に吼える姿」だって。
[ ...はくすくす笑い始めた。本を椅子に置き、身振りで伝えようと子どものように腕を振る。]
ううん、そうじゃないの。普段はイメージってやつ? 今回は単語もね、わかったけど。 ……あ。
[ 笑顔を消し、固まった...は早口でつぶやいた。]
まずいよ、もう……。
[ 椅子に寄りかかったが、遅かった。へなへなと脱力した...は床にしゃがみ込み、椅子の座面に頭を乗せる。 本を枕に意識を失っていたのは、数秒か、数分か。肩をびくっと震わせた...は、自分の姿勢に気づいて、身を起こした。頭を緩く振りながら、ベッドへ近づく。
...はシスター・ツェリに異変がないことを確かめ、ほっと胸をなでおろした。椅子をベッド脇へと戻し、そこに腰かける。眠気のため、上半身はふらついていた。]
(19) 2012/05/25(Fri) 04時半頃
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― 客間、2-1(3日目朝) ―
[ ヤニクが来て、立ち去ってからも、シスター・ツェリは昏々と眠り続けていた。 仮眠を取りながらとはいえ、慣れぬ身に看病が簡単なわけはない。...はいつしか、椅子の上でまたうとうとし始めていた。]
来た! 祖父殺しのヴェスパタインの鎖が来た!
[ 突然、がばと顔を上げて何もない空間を睨む。そこを、ちらと青い色が横切った。]
祖父殺しのヴェスパタイン・エヴァンス! 返れ! 戻れ!
[ どこか舌足らずな口調が、鋭い声音で命じた。 場の緊張が解けるまで、...は険しい顔つきを緩めなかった。だが、やがて全身の力を抜き、子どもっぽい態度で椅子に座り直す。]
(20) 2012/05/25(Fri) 05時半頃
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うん、来たね。……鎖だったよ、青色の。
[ ...は見えない相手に説明し始めた。]
ああ、だから、イメージが違うからなんだって。向こうは、「高らかに月に吼える姿」だと思ってるわけ。 うん、わかってないんだよ。ほんっとーに、知らないみたい。 きっと聞かされてないんだね。
よかった。
[ くすくす笑い出した。笑みは無邪気な子どものそれ。]
よかったね、知られてなくて。
(21) 2012/05/25(Fri) 05時半頃
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― 2-1前廊下(3日目午前中) ―
[ 廊下の掃除をするうち、...は気づいた。少しの時間なら、手を放してもモップを操れると。 いかなる魔法の力なのかはわからないが、壁を掃除するのに役立った。腕を伸ばしても届かなかったからである。
だが、中断して病人のようすを見ているうち、廊下の壁はふたたび赤く染められていた。]
こ……これは……。
[ 絵だとわかった。ダーラの描いた。 赤一色でも、力強いタッチの見事な風景画だった。山、川、海、草原、岩肌……。
廊下の向こう側で奇声めいた笑いが響き、...はぎくりと身を震わせた。]
(33) 2012/05/25(Fri) 11時半頃
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― 客間、2-1(3日目夜) ―
[ 怪我をしたシスター・ツェリの看病で徹夜し、疲れては転寝を繰り返す1日だった。カーテンの向こうが暗くなっているのは寝起きの頭でもわかったが、時間の感覚がなくなっていた。 ベッドの上に上半身を突っ伏して眠っていたらしい。頭痛にぼんやりしていた...は、自分の肩からぱさりと落ちたものを認識し、顔色を変えた。]
このストール! ……シスター!?
[ ベッドの上に怪我人はいなかった。]
(34) 2012/05/25(Fri) 12時頃
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― 2階廊下(3日目夜) ―
[ ...は廊下へ出たが、脚が思うように動かない。つんのめって危うく頭を壁にぶつけるところだった。]
シスター・ツェリ、どちらに?
[ 何度も呼びかけた。答えがなくても。]
(35) 2012/05/25(Fri) 14時頃
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― 大広間 ―
[ ...は人の気配をたどり、手すりにつかまりながら階段を下りる。急ぐ気持ちとは裏腹に、移動中はずっとふらふらしていた。
大広間の中央部分を歩いているとき、鐘が鳴った。>>#0
膝の力が抜け、...はよろけて床に片膝をついた。うまく立ち上がれず、もがくようにしてソファのひとつに近づく。肘掛にすがって、どうにか身体を引き上げた。]
まさか、シスターが……。
[ 不安に、胸をぎゅっとつかまれる感覚があった。それ以上に眩暈がひどく、シスター・ツェリを探す前に自分が行き倒れてしまいそうだ。...はソファの上で猫のようにうずくまる。
扉の開閉するかすかな音がした。方向からすると、1-3……つまり、地下室への階段に続く扉だろう。]
(36) 2012/05/25(Fri) 14時頃
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[ 何かの焦げる匂いが漂ってきた。
驚いた...が見つめていると、現れた人影は足早に大広間を横切り、1-8の扉から湖側の庭園へ出て行く。歩幅と、一瞬だけ浮かび上がったシルエットは、男性が小柄な女性――おそらくは少女――を抱き上げているものだった。
続いて、2階から階段を下りてくる複数の話し声。こちらも体格差のある3名だった。 先導する小柄な人影は、コツコツとヒールの音を立てながら歩いていた。>>10 彼らは1-3の扉へ姿を消した。扉の開閉で、また焦げ臭い空気が漂ってきた。]
……何が、あった、の……?
[ ...は回らない頭で考えるが、結論の出ようはずがない。]
シスター……シスター・ツェリは……。
(37) 2012/05/25(Fri) 14時半頃
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― 大広間→森側庭園 ―
[ 寝不足と疲労感から目が回っていた。だが、...はソファから身を引き離した。]
シスター・ツェリ……を、見かけ、た……。
[ 最初に見かけた場所を思い出し、おぼつかない足取りで1-4の扉へ向かう。 月のない夜空を、星々が飾っていた。風はなく、さほど寒くは感じない外気温だった。
探すまでもなく、人影が倒れていた。バラの茂みへ近寄ろうとしたのかもしれない。]
ここに……いらしたんですね、シスター・ツェリ。 あなたの記憶に刻まれたバラの花を見たくて……?
[ ようやく探し当てた女性を苦労しつつ抱き起こし、...はそう声をかける。涙が止まらなかった。]
(48) 2012/05/25(Fri) 17時半頃
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― 客間、2-6 ―
[ 怪我人を抱えて階段を上がるのは、それ以上の苦労だった。2階へ上がった...は、自分の部屋である2-6へ向かう。 清潔なベッドにシスター・ツェリを寝かせると、自分は扉の鍵をしっかり閉めてから、彼女の隣で横になった。
眠りに落ちるまでのわずかな時間、...は壁にかけた魔女とミケの肖像画を見ていた。**]
(49) 2012/05/25(Fri) 17時半頃
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[ シスター・ツェリを抱えてよろよろと歩きながら、耳にした「占い師」という単語に、...のスイッチが切り替わる。]
知ってるよ。
[ 短く言った。]
仕掛けてきたから。 ヴェスパタイン・エヴァンス。
[ くすりと笑おうとしたが、わずかな段差につまづいて自分とシスター・ツェリを支えきれず、...は大きく転んだ。]
(81) 2012/05/25(Fri) 22時半頃
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>>60 [ シスター・ツェリを抱え、...はよろよろと自室を目指す。大広間を横切ると、2階への階段が難関だった。何度も段を踏み外し、転びそうになった。]
>>63
[ 目覚めたとき、ベッド脇のチェストの上には、子どもの書きなぐったような字でメモが置いてあるだろう。そこには1行、
――占い師、仕掛けてきた
と。]
(96) 2012/05/26(Sat) 01時半頃
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― 回想 ―
[ 保護されてからの数ヵ月間、...の環境は一定しなかった。家から家へ、町から町へ、説明されず移されたからである。
9歳の本人は周囲の変化を認識せず、ぼんやりと過ごしていた。自分がどういう手続きで引き取られたのか、次の家庭へ預けられるのかもわかっていなかった。 移されるたびに暮らしがよくなり、町も大きくなっていったことが理解できたのは10歳になったころ。
そのランタンとの出会いは、最終的に...を迎えてくれた屋敷の主を「お父様」と呼ぶようになって2年後だった。 ある夜、主は秘密めかして...を手招きし、新しいコレクションを見せた。]
きれい……!
[ 感嘆して目を輝かせる...の反応が期待通りだったのか、主はその後、たびたびコレクションを自慢する。それぞれのランタンのいわくや逸話、作者の評価に加え、ときには真偽不明のあらぬ噂も含まれていたが……。]
(110) 2012/05/26(Sat) 19時頃
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[ ...のお気に入りは最初に見たランタンだった。
実用に耐えるシンプルなデザインでありながら、独特の安定感とちょっとした装飾のセンスに...は魅せられた。 持ち手の下には、意匠的なブドウのつるにシルエットだけの小鳥がちょこんととまっている。その控えめさも、作り手の堅実な性格を示すものだと思っていた。
傾倒ぶりが懸念されたのかもしれない。主から、実は……と打ち明けられた内容が、...を驚かせる。
――このランタンを作った職人は、孫に殺されたのだ、と。]
どうしてですか?
[ ...は当然の疑問を発した。祖父と呼べるような年齢差のある相手は、声を低めて言った。
――人狼だから。
それを孫に忌まれたのだろう、という説明は...を打ちのめした。]
(111) 2012/05/26(Sat) 19時頃
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[ 何の自覚もなかったが、自分が人狼だということは教えられていた。誰にも言わないよう注意されていたし、知られてはいけないと思い、秘密を守ってもいた。 しかし、人狼だから家族に殺される、という深刻な展開は...の予想を吹っ飛ばしていた。]
そんな……家族なのに……。 ……ひどい。
[ ランタン職人ティモシー・エヴァンスの名が、別の意味を持って...の脳裏に刻み込まれた。]
(112) 2012/05/26(Sat) 19時頃
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[ しかし、数年後に加えられたコレクションのひとつが、その話に疑問を抱かせる。]
すてきですね、繊細なデザインなのに、ちゃんと使い勝手を計算されていて……。
[ 披露された主の新しいコレクションをためつすがめつしていると、意外な名前が返ってきた。
――職人はヴェスパタイン・エヴァンスというそうだ。]
まさか! ……それは、本当に?
[ ...は驚愕した。ヴェスパタインの名は恐怖の対象だった。祖父ティモシー・エヴァンスを殺した孫の名として。]
……別の人かしら? だって、おかしいわ。
こんなに繊細な細工を施されて……使うときの配慮もされているのに……。
どうして?
(113) 2012/05/26(Sat) 19時頃
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どうして、これほどきれいなランタンを作る人が、同じランタン職人であるお祖父さんを殺したりしたの?
(114) 2012/05/26(Sat) 19時半頃
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[ ...の疑問は深く、答えを得られないまま、新しいランタンと、その職人にも魅せられていった。]
ヴェスパタイン・エヴァンス……お祖父さんを殺した……人狼を憎んでいる……。 でも、お祖父さんと同じランタン職人になって……繊細かつ、使い手に配慮したランタンを作っている……。
どうしてかしら。 どうして、殺したお祖父さんと同じランタン職人になったの?
(115) 2012/05/26(Sat) 19時半頃
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人狼だからお祖父さんを憎んでいたの? ランタン職人としてはどうだったの?
……その前に、家族ではなかったの?
[ ランタンを見るたび、...は問いかけた。]
こんなに美しいランタンを作る手が、お祖父さんを殺したのかしら……? きっと、人狼だから憎んでいたのね……。 家族でも許せなかった……存在されることが……。
……けれど、それなら同じランタン職人になるかしら?
ランタンを見るたび、お祖父さんのことを思い出すはず。 別の仕事をしようとするのでは……。
(116) 2012/05/26(Sat) 19時半頃
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ミッシェルは、ランタンをながめて、ずっと考え続けた*
2012/05/26(Sat) 20時頃
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― 客間、2-6 ―
[ 目が覚めたとき、ベッドの隣にシスター・ツェリはいなかった。カーテンの外は明るい。正確な時間はわからないが、昼ごろだろうか。 周囲を見回した...は、1枚のメモを見つけて青ざめた。
"できるだけすぐに戻ります、心配しないで。 沢山の感謝を込めて ツェツィーリヤ">>118
問題なのは、シスター・ツェリが残したと思われる、女性らしく几帳面に整った2行ではなく、その上の短い文字列……。 子どもじみた、力任せに書きなぐったような筆跡には見覚えがあった。
...にとって、それは不吉な予告。 意味はわからない。誰が書いたのかも。 自分の筆跡ではないのに、それはつねに身近なところへ現れる。何かの予言か報告かはわからないが、告げられる内容は不幸なことばかりだった。]
どうしよう……。どうしたらいいのか……。
[ 不安にかられ、...は部屋を出た。その前に、魔法で身支度を整える常識はかろうじて残っていたが。]
(139) 2012/05/26(Sat) 22時頃
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― 2階廊下 ―
[ ...はおちつきなく廊下を見渡す。胸騒ぎがしてならなかった。 だが、どこへ行くかも思いつかない。シスター・ツェリの行きそうな場所に心当たりもない。]
どうしよう……お邪魔かもしれないし……。 シスターにだって用事がおありでしょうし……。
[ うろうろと廊下を歩いていると、ひとつの扉が気になった。2-9のプレートをつけた扉に。]
……お邪魔かもしれないけれど……けれど……。
[ ヴェスパタイン・エヴァンス。その名前を聞いて以来、ずっと意識していた相手だ。 部屋にこもりっきりか、たまに会えば用事があり急いでいる相手とは、1度もゆっくり話せたことはない。]
どうしよう……。 ……でも、今しか。
[ 不吉な予感に背を押されたのかもしれない。...は2-9の部屋の前に立った。]
(145) 2012/05/26(Sat) 22時頃
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[ ...は何度もためらったが、ついにノックをした。]
わたし、ミッシェル・ヴォーンです。大広間で、ランタンを見せていただきたいとお願いした……。 お邪魔してもよろしいでしょうか……。
[ 相手が扉を開け、応じてくれれば礼を述べ、室内へ入っただろう。]
(148) 2012/05/26(Sat) 22時頃
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― 客間、2-9 ―
[ 「構わない」>>151 という声は硬かった。当然だろうと思いつつも、...は言い訳をした。]
お休みのところ、申し訳ありません。 わたし、ずっと気になっていて……。
[ 少し開けられたままの扉を、若い女性への配慮だと思った。]
こんなときにお願いするのは……場違いで、本当に申し訳ないのですけれど……。 もう、何年も前から、あなたのファンでした。
[ ...は胸の前で手を組んだ。]
大広間でランタンを持っておられたでしょう? お見かけしてから、ずっと気になっていて……。 お願いです、見せていただけませんか?
(157) 2012/05/26(Sat) 23時頃
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[ 拒否されたくない一心で、...は言葉をつむぐ。]
わたしの養父がランタンをコレクションしていました。 あなたのお祖父様のランタンもあります。わたし、ずっと好きで好きで……。 でも、不幸があったと……ご家族に……。
……実は、あなたの、悪い噂も……。 お祖父様といさかいがあったと……。
でも、わたしは……。
(159) 2012/05/26(Sat) 23時頃
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わたしは、あなたのランタンを見たときから、信じていませんでした。 美しさと実用性と……これほどきれいな、繊細なバランスのランタンを作れる人が……。 わたしには信じられませんでした。
……だから。
[ ...は言葉を探し、黙り込む。]
お祖父様を……その、尊敬して、おられましたか?
(161) 2012/05/26(Sat) 23時頃
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[ ヴェスパタインに持ち上げられたランタンは、近くで見ると、独特の安定感あるデザインだった。 ...はやっと宝物に出会った思いで、それを見つめる。]
この、持ち手のところ。 少し出っ張りがつけてあって……持つ人の、指が滑らないように……。 わたし、これが大好きです。
だから、あなたのランタンにも、お祖父様と同じ工夫がされていると気づいたときから、嘘に違いないと思っていました。
あなたが……あなたが、お祖父様を殺した、だなんて。
(167) 2012/05/26(Sat) 23時半頃
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[ 「当然だ」>>164 との断言に、...は安堵してうなずいた。]
きっと、誰かが悪意で、そんな噂を流したのだと……。 わたしは、そう信じて……。
[ 込み上げる涙をハンカチで拭う。感情のままに、言葉を続けた。]
……でも、でも……怖かった。 あなたのランタンは優しい灯りで……好きでしたけれど……。 あなたはお祖父様を嫌っていたのかも……憎んでいたのかも、と思うと。
(169) 2012/05/26(Sat) 23時半頃
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だって……。 あなたのお祖父様、は……。
人狼、だから……だったから。
わたしも……。
(171) 2012/05/26(Sat) 23時半頃
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[ ヴェスパタインの反応は短く、途切れがちだったが、「誇り高い獣」>>179 という表現に、...は涙をこぼしながら言った。]
わたしも、そうだから……。
[ ...の唇は、とりとめもなく言葉をつなぐ。]
9歳のときに、そう教えられて……。 でも、誰にも言ってはダメだ、と。 血族だけが仲間なのだ、と
あなたのお祖父様もそうだと聞かされたときは、どれほど誇らしく思ったか……。 でも、孫に殺されたという噂が本当なら、わたしは……怖い。
(184) 2012/05/27(Sun) 00時半頃
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誰も襲ったことはないのに……そのはずなのに、記憶がなくなって。 皆、心配するなと言うんです。おまえは気にするな、考えなくてよいと。 でも……でも。
何かがおかしいんです。 わたしの中の、何か……どこかが。
[ ...は目の前の相手を見つめた。
祖父殺しだと聞かされていた。一時はそれを信じ、恐怖していた。 けれど、あのランタンを見たときから、違うと思った。 これは、そんな人の作品ではない、とわかった。
同じ説明を繰り返し、いくらか冷静さを取り戻した...は、ぶしつけな訪問に対する謝罪と、祖父の遺品を見せてもらった礼を述べ、丁寧にお辞儀をした。]
(185) 2012/05/27(Sun) 00時半頃
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[ 部屋を出ようと、ドアノブに手をかけた瞬間、...の身体は大きく揺れた。 ドアノブにすがって倒れまいと支える。
身体を起こして、振り向いた。]
ヴェスパタイン・エヴァンス?
[ 問う声色が変わっていた。 ...はその名前の持ち主を押し倒そうとするだろう。]
(187) 2012/05/27(Sun) 00時半頃
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[ ...の手には魔法で出したティーポット。その注ぎ口から、熱湯がヴェスパタインの顔めがけて落ちていくところだった。]
やめろ!!!>>188
[ 大声と、人影の乱入に...の手が滑った。熱湯が向かったのは、その乱入者のほう。]
(194) 2012/05/27(Sun) 00時半頃
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[ ヤニクがいることに気づいたのは、その手から放たれたナイフが>>196 自分の胸に刺さったことを認識した直後だった。]
……あ……わたし、わたしは……。
[ ...はよろよろと立ち上がった。床に広がる熱湯の量は、ティーポットに入るはずのない多さだ。 自分の指をも赤く腫らしている。...はそれを見つめながら、部屋にいるふたりを振り向きもせず、廊下へと出た。]
(204) 2012/05/27(Sun) 01時頃
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― 大広間→森側庭園 ―
[ ...は手すりにつかまりながら階段を下りた。胸にはまだナイフが入っている。呼吸するたびに痛んだ。
が、それよりも重要なことがあった。 急がなければならなかった。――この意識が途切れる前に。
...は大広間を抜け、1-4の扉を通って森側の庭園へ進む。涙でかすれた眼にも、森の緑と花壇の花の色が見えた。
一角に座り込んだ...は、胸のナイフをそのまま、両手で、深く、押し込んだ。]
(214) 2012/05/27(Sun) 01時頃
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