289 【ペア】風邪引いたあの子ん家に行く村
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[馬鹿でも風邪は引くそうだから 息子の為か、目立つ場所にあった箱入りのマスクを一つ頂戴した。 荷物を置いている椅子にジャケットを掛けて、ニットは腕捲り そうして以前この場所に立った時のように、エプロンを借りる。
取り出した冷凍のご飯をレンジで解凍しつつ、再び冷蔵庫の前に 買ってきたものに使わせてもらうもの、一つ一つ確認しつつ並べていく。
その頃には離れていった感触も、おれは忘れて どんな風にその手が引かれたなど、知らないまま。 頭は今だけは別のことでいっぱいになる。]
(18) 2018/11/28(Wed) 12時半頃
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[豆乳を鍋に張り、中火で煮立つのを待つ。 その間に隣でも湯を沸かし、もう一つの準備を やがて鍋の火を弱めれば、味噌を溶いてからご飯を入れる。
溶き卵を入れ、固まるまで混ぜれば次はチーズだ チーズが程よく溶けたところにネギを散らせば、 卵の彩りを目立たなくさせてしまった見た目も少しは良くなるか。 盛り付けの前に今度は沸かした湯だ すり下ろした生姜を入れたマグカップに、控えめに注ぐ。 良い香りがマスク越しでも感じられた。
蜂蜜があったのは丁度良かった。星夏さんは流石である。 柊真がもし一人暮らしなら、多分無かったことだろう。]
(19) 2018/11/28(Wed) 12時半頃
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出来たよ、開けてくれる?
[チーズお粥を盛り付けた器、生姜湯のマグカップにスプーン 加えてスポーツドリンクを注いだグラスと二錠の薬。 反応を見るにやはり病院には行ってないのだろうか、 連れて行くべきだろうが今はこれを飲んでもらうしかない。 それはもう少し良くなった後のことだろう。 盆に乗せてそれらを病人の待つ部屋に運ぶ頃には、 時計はもう昼も近い時間を示していた。]
ごめんね、ありがとう。
[礼を言い、部屋に通してもらう。 病人の彼を出来る限り動かしたくないのだが、 熱いものばかり運んでいるのでこればかりは仕方ない。]
(20) 2018/11/28(Wed) 12時半頃
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鳴海家の味じゃなくてごめん。口に合うか、少し心配だ。 お粥なんて流石に習ったことはなくてさ。 [白くも黄色くもないお粥への反応はどうだろう。 判断は一口でも食べてもらってから、駄目ならうどんも買ってある。 テーブルに盆を置き、それを出来る限りベッドに近づけておく。
それから少しだけ、室内を眺めた ……足を踏み入れるのは何時ぶりだろうか。 きっと、こんなことが無ければもう来れはしなかった。 向き直り、呟くように彼に向けた言葉は────]
(21) 2018/11/28(Wed) 12時半頃
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ごめん
[どんな反応でも首を横に振り、深刻さの無い謝罪を一つ そして、冗談だと笑いを含む声で告げる。 ベッドに座るなら器とスプーンを彼に渡す、 そうでなければ少しだけ距離を空けて床に座ろうか。]
後でティッシュの箱、持ってくるよ。 あ、体温計ってどこかな?
[視線はゴミ箱に盛られたティッシュ、 その周囲にまで散乱したそれに向けられる。 薬の箱には鼻水に効くと書いてあったから 少しは良くなればいいけれど。]**
(22) 2018/11/28(Wed) 12時半頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2018/11/28(Wed) 12時半頃
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[うまそうだと言ってくれたのが嬉しくて>>56 軽口を向けてしまったのは、それも理由の一つだろう。 進学前は、星夏さんが忙しい時は弁当を作っていた>>55 言われた言葉は、そんなことは無いと笑って否定したけれど。 彼女に申し訳無い気持ちの中で、確かに喜んでいたんだ。
始まりは、そう。 自分が作らなければ、仕事で疲れた父親に作らせることになるから。 たった二人の家庭だ、自らの役割は自然と意識した。 大人の女性で頼れる相手といえば決まっていて、 彼女は喜んで空いた時間に先生となってくれたが。 しかし、幼馴染の反応はあまり良くなかった。>>54 そんな彼がつまみ食いでも、自分の料理を食べてくれて もっともっと上手くなりたいと思えたんだ。
それはともかく、今とても困っている。]
(58) 2018/11/29(Thu) 00時半頃
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えっ、あの……体温計の場所は…… [返らなかった答えに繰り返す問い掛けは 既に話題逸らしでしかないことなど、明白だ。
馬鹿だと言われても、少しも嫌では無かった。 しかしこれは予想外。病人だと、侮っていたか。 置かれたまま仕事を待っているスプーンと、 幼馴染の顔を交互に何度も見て、小さく唸り。]
わ、分かったよ……。
[口にした言葉には責任を持ちましょう 白旗を上げるまでの時間はそう長くは無かった。
────でも。なんて、密やかに思うこと一つ。 ……拒まれないことはこんなに幸せなのか。]
(59) 2018/11/29(Thu) 00時半頃
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どうかな……? 父さんは風邪の時、よくこれを食べてくれるんだけど。 重くない?まだ、食べられそう?
[栄養を取って欲しい気持ちと、慣れたレシピ故の選択。 一般的な作り方では無いものなのも事実で 反応を見る時はやはり、少しの緊張があった。]
生姜湯は、蜂蜜も入れたんだよ。 温まるし、喉にもいいんだ。
[食事の合間には、そんな風に薦めてもみようか。]
(60) 2018/11/29(Thu) 00時半頃
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薬、ちゃんと飲んでから寝るんだよ。
[器が空になっても、ならなくても 彼が食事を止めたタイミングでそう言い立ち上がる。 グラスと薬を置き、盆の上のものを片付けに 放置されているペットボトルをついでに持って。 勿論馬鹿だと怒られないように、マスクを付け直しました。]
ねえ、柊真が風邪を引くなんて珍しいよね。 ……どうしたの?
[扉を開け、踏み出す前にふと振り返る。 湧いた疑問をそのままに口にしたように、口調は自然だ。 彼からの返事がもしすぐに返らないのならば その前にドアは閉じたことだろう。]*
(61) 2018/11/29(Thu) 00時半頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2018/11/29(Thu) 00時半頃
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[そこまでが、部屋を出るまでの出来事。 納得がいく返事──浮かれる頭では他の見方をすることは出来ない──へ、 短く相槌を残し、やはり頻繁な咳への気遣いの視線を扉が遮りって 閉じる音が空間を隔てる。>>65]
体温計、どこだろうなー……
[先程のやり取りを思い出しつつ、独りごちながら歩く 中々衝撃的な言葉だったけれど>>63まあ、確かにそうだ。 体調を崩すことが珍しいと思うなら、聞くべきでは無かった。 ペットボトルを片付け、食器を洗ってしまえば次は捜し物 星夏さんなら、と立てた予測は的中する。 きちんとしまわれていた救急箱の中に発見。]
(67) 2018/11/29(Thu) 04時頃
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柊真、入るよ。
[戻って来たときに持っていたのは、勿論体温計だ それに加え、新しい箱ティッシュにアイス枕とタオル。 本人に体温計を渡して、箱ティッシュはテーブルに そして彼の枕にタオルで包んだアイス枕を乗せておく。]
救急箱の中にあったんだ。 星夏さんがまとめておいてくれて、良かったよ。
[そう話しつつ、散らかった服を勝手にまとめ始める。]**
(68) 2018/11/29(Thu) 04時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2018/11/29(Thu) 04時頃
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[大きく吐かれた息が、耳に届く>>69
これは一日で完治する微熱では無さそうだ。 やはり、二人が帰ってくるまでいることになるか。 そう思いながら後程洗濯機に入れる衣類を隅に置き、 ふとその中の黒を目に留めて気づく。
このニットは一緒に買い物に行った時買ったものか。 記憶のものと同じなら、あれは高校生の時のことだろう。
中学も高校も、思い出に残る記憶の大半に柊真がいる。 こんなに大きくはなかった背に隠れて泣いていた頃は、 自分に友人と呼べる相手が多く出来るなど思いもしなかったが 彼らを幼馴染より優先したことは一度も無い。 幼馴染にしか話せないことを彼らに打ち明けたことも、また同じく。]
(84) 2018/11/29(Thu) 20時半頃
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ああ……やっぱり、高いな。 とりあえず、汗をかいたらすぐ着替えて 冷やすものも温くなったら取り替えるからね。
[やがて聞こえるのは小さな電子音、続いて呟きが落ちる。 それなりの温度でありながら、更に上がることを予期させる数値>>70 やはり、昔に近い接し方をしてくれるのも、弱っているからなのだろう。 あれやこれやと必要なことを頭に浮かばせていれば、視線が合った。]
(85) 2018/11/29(Thu) 20時半頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2018/11/29(Thu) 20時半頃
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[大分、先程とは違う冗談だった。 両目は視線を逸らされた後も>>88彼を映したまま。 ふ、とマスクの下で緩む口許。]
大丈夫さ、恋人とデートしてる充実した人達には おれなんかがどんな過ごし方をしても結局笑われるからね。
それに、…… ……一人で家で寝てるのも、そんなに変わらなくない?
[本当は、暇をしている奴も連絡すればいるだろうけれど。 言いかけて止めた言葉と共に、それは隠しておくことにした。]
(89) 2018/11/29(Thu) 23時半頃
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[会話の区切りかどこかのタイミングで、席を立ち スポーツドリンクの1.5リットルのペットボトルを一本 持ってきたのならば、グラスに注いでベッド脇のテーブルに。 水分を取ることは病人には何より重要だ。 まだ飲むなら再び注ぎ、そうでなくともこれは置いておくことにする。 時刻を確認しつつ、ふと呟くように一言落ちる。]*
(90) 2018/11/29(Thu) 23時半頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2018/11/30(Fri) 00時頃
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ああ、うん……いたけどね。
[こちらについて触れられたのなら、言葉少なく肩を竦める。 それで伝えたいことは伝わるだろう。
高校からの付き合いの女子に、好かれていたのは知っていた 柊真に遠ざけられ、他の人間といることが増えていけば 彼女からのモーションは露骨になり、やがては告白を受けて。 そうして流されるまま、交際を始めたのは去年の今頃。 「私のこと、好きじゃないよね。」 彼女は最後に寂しそうにそう言って、 結局その関係は春を迎えることもなく終わってしまった。]
(102) 2018/11/30(Fri) 02時頃
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柊真……!
[咳き込み、グラスの中身を飲み干す姿>>95 背も摩れない自身にもどかしさを覚えつつ、見守っている 複雑な感情も、目の前の相手への心配ですぐ途切れるのは つまり、……彼女の言葉に間違いは無かったということ。 好かれているのなら、気持ちに応えられるように頑張らないと。 何人もと付き合っては分かれるのを繰り返すより、 その考え方のほうが罪深いのかもしれない。]
(103) 2018/11/30(Fri) 02時頃
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[家を出る母親に置いて行かれた子供にとって 当たり前のようにいつも傍にいてくれる存在は、とても大切なものだった。 いつか体験する楽しみを、更に嬉しいものとした約束は>>96 自分にとってはそれだけじゃなく、 大人になっても一緒だという意味も含んでいた。
関係がないと優しく切り捨てられ打ちひしがれても、 彼の世界から、弾き出されたように思えても 話し掛けられることはなくても>>97 未だ、果たすことを諦められないまま。]
(104) 2018/11/30(Fri) 02時頃
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身体が怠くて疲れているんじゃないか。 少し、寝たらどうかな?夕飯は作って持って来るからさ。
[弱っているのか、やはり普段と違うのは確かだろう。 このやり取りをそんな風に解釈し気遣いを向けた。 それからベッドのすぐ傍に移動して、手を伸ばす。]**
(105) 2018/11/30(Fri) 02時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2018/11/30(Fri) 02時頃
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[柊真が従っても従わなくても、 夕飯は宣言どおりに運んでくる。
今度はうどんだ。 スープは市販のものだけれど、白だしと鰹だしを入れて。 溶き卵に生姜湯に使った残りでおろし生姜を加える。 ゆで麺にそれらを掛けた後、トッピングには大根おろしとネギ。 もし味が分からなくても、少しでも栄養は多く取ってほしい。
服薬も見届け、片付けていればやがてはいい時間にもなるだろう。 飲み物を新しく持ってきたり、 アイス枕の取り替えにあれこれ歩き回り、夜も更けていく]
(106) 2018/11/30(Fri) 02時半頃
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──── そして ────
君が寝たら、おれもリビングで寝るよ。
[夜にまた熱が上がるであろう彼が心配で、 そう言い世話をしながら長い間部屋に居座っていたわけだけれど。
結局、眠ったことを見届けた後 眠気に負けて傍らに雑魚寝してしまった。]**
(107) 2018/11/30(Fri) 02時半頃
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