199 Halloween † rose
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…………あっ。
[その途中、ニコラエとドナルドを見つけ、グレッグと同時に足を止めた。 自分達同様、ループから外れている彼らなら、もしかしたら存在に気付いてくれるのでは……そう、思いもしたのだが。
とてもじゃないが、声をかけられる雰囲気ではなかった。]
うん。
そうだね。
[そうだ、何も見なかった。 真顔で棒読みしたところで、不意に周囲の雰囲気が変化した。]
(65) nordwolf 2014/11/01(Sat) 00時半頃
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[思いっきり指差して、転げる勢いで笑ったのは、言うまでもない。*]
(66) nordwolf 2014/11/01(Sat) 00時半頃
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─ 街を駆けながら ─
[ドナルド達を散々指差し笑っていたら、傍にいた小さな少女に「Trick or Treat?」と声をかけられた。]
……ぅにゃ?
「あなた達、とつぜんここに現れたの。 ねぇ、どんな魔法を使ったの?」
魔法?
[ちょっと目を丸くした。 けれどすぐに微笑んで、少女の頭に手を伸ばす。]
それは内緒。 種を教えたら、魔法が解けちゃう。
魔法が解けたら、楽しい時間が終わっちゃうからね。
(114) nordwolf 2014/11/01(Sat) 21時半頃
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[だから種明かしの代わりにお菓子をあげよう。 でもカボチャバケツの中にあるのは、蜘蛛のゼリー1個だけ。 だから、グレッグを見て、ちょっとだけ耳を揺らして]
いいよな?
[グレッグとの繋がりを失いたくない。 そんな思いで、ずっと大切にしてきた蜘蛛ゼリーだけれど。 きっともう、その役目は終えたはずだから。]
ハッピーハロウィン♪ きみと、きみの大好きな人が、ずっと一緒にいられますように。
(115) nordwolf 2014/11/01(Sat) 21時半頃
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さっ、グレッグ行こう! 早くしないと、露蝶のお菓子がなくなっちゃうかもしれない!
[それに、お腹の虫も鳴いている。 昨日までとは違うお祭りの中、昨日と変わらぬ、きっとこれからも変わらず大切な人の手を握り、また笑いながら走り出した**]
(116) nordwolf 2014/11/01(Sat) 22時頃
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─ 1,November ホテル ─
[柱時計が、時が進んだことを報せる。 その頃、クシャミは……ミーは、まだ夢の中にいた。
ハロウィンの、楽しい夢。 ミケと遊び、露蝶の店でお菓子をねだって。 シーシャにクビを宣告されて縋ったり、ニコラエに赤い長靴を貰ったり。 そして、グレッグと一緒に……]
……………。
[街に響く鐘の音を拾ったか、黒い耳がぴくりと振れた。]
ぅ、にゃ……。
[昨夜の名残をまだ色濃く残したまま、気怠げに瞼をひらいたのは、そのすぐ後くらい。]
グレッグ……。
(137) nordwolf 2014/11/02(Sun) 01時半頃
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[はたして、今が”朝”と呼んでいい時間なのかは分からないが]
……おはよ、グレッグ……。
[まずは、目覚めのキスをねだる。
シーシャの聲>>*10が届いたのは、それから程なくのことか。]
(138) nordwolf 2014/11/02(Sun) 01時半頃
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[寝惚け眼がぱちりと開き、耳と尻尾がしゃんと伸びる。]
(140) nordwolf 2014/11/02(Sun) 01時半頃
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[長いキスが終わると、じっと、グレッグに真剣な眼差しを向けた。]
グレッグ……おれ。
ボスに……シーシャに、会ってきたい。 おまえと一緒に行くんだって、ちゃんと、会って伝えて……。
それから、他にも沢山、言わなきゃいけないこと、あるから。
(141) nordwolf 2014/11/02(Sun) 01時半頃
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[契約が解けたらどうなるのか。 最低限分かっているのは、もう自由に魔界へ行けなくなること。 昼間は人の姿になれず、魔力も殆ど無くなってしまうこと。 ほかは……多分、悪魔次第。]
うん。
おれ必ず、グレッグのところに帰ってくる。 約束だ。
[>>142けじめをつけに向かう為、強く合わさっていた視線を切る。 あとは振り向くことも止まることもなく、部屋を出て、シーシャのもとへ走り出した。*]
(143) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時頃
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─ どこかの屋根の上 ─
[”まだ”契約の切られていない今は、人々の目を盗んで、屋根から屋根に飛び移ってゆくことも容易い。
その間、眼下に広がる街並みに、何度足を止めたろう。 また、ここに戻ってこられることもあるのだろうか。 その時、この街はどんな風景を見せてくれるのだろうか。 それとも………]
あっ。
[露蝶の店も見えた。 街を離れる前に、もう一度、月餅が食べたい。 グレッグのところへ帰ったら、寄れるかどうか頼んでみよう。]
(144) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時半頃
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───あ、ボス。
[そして、行く先の屋根のひとつに、悪魔の姿を見つければ、一際大きく屋根を蹴り、黒い翼でふわりと身を浮かび上がらせ、ゆっくり、畏まるように、悪魔の元へ舞い降りた。]
(145) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時半頃
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……はい。
[悪魔の前に跪き、契約解除の言を、厳かに受け止める。]
おれはこの先、グレッグと一緒に、生きたい。 ……です。
[目前に現された黒い箱は、ずっとずっと以前、一度だけ見た記憶がある。 けれどそれが何なのかは、はっきりと覚えている。
顔の前で、シーシャの人差し指が揺れる。]
(149) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時半頃
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ありがとう、ボス。
41年間、おれ、とっても楽しかったよ。 おれ、ボスのこと、忘れないから。
[想いを伝え終えると、深く頭を下げたまま、金色の瞳を閉ざした。]
(150) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時半頃
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うん、わかったよ、ボス。
[>>151それが、ボスからの最後の命令ならば。
きちんと守ると伝えるように、指先に撫でられた黒い耳がぴくりと揺れた。
そこで一旦、意識は途切れ…………]
(181) nordwolf 2014/11/02(Sun) 17時半頃
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……ミァ?
[カボチャバケツの中に入れられた、体毛の湿った小さな黒猫は、不思議そうに悪魔を見上げて首を傾げた。
最後の命令の通りか、使い魔として、シーシャの傍にいた時の記憶は、完全に消え落ちている。]
(182) nordwolf 2014/11/02(Sun) 17時半頃
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─ ホテルの一室 ─
[トカゲ急便に運ばれながら、小さな黒猫は、タオルに包まりウトウトと眠りにおちていた。 なんの夢だかは分からない、けれど、きっと楽しい夢を見ていた。]
…………?
[誰かに、呼ばれたような気がした。 誰だかは分からないけど、とてもとても、大好きな声だった。
金眼をぱちりと開くと、かさこそと身動いで、バケツの縁から顔を覗かす。]
(183) nordwolf 2014/11/02(Sun) 17時半頃
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ミー……。
[明るい鳴き声とともに、小さな耳を動かすと、触れた鈴が、よく似た明るい音を鳴らした。*]
(184) nordwolf 2014/11/02(Sun) 17時半頃
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─ 海の見える街 ─
[黒猫は、今日も窓辺で海を眺めていた。 船が見えると、長い黒尾をゆらゆら揺らし、汽笛が響くと、尖った耳をぴくんと立てた。
あの日から、黒猫はちょっと大きくなった。 けれど変わらず、悪戯好きで甘えん坊で、猫のくせに中華菓子が大好きだった。]
……ミャ!
[そして、聞き慣れた足音が聞こえてくると、いつも一目散に扉の前まで迎えに出た。]
ミャーオ、ミャーオ!
[ぱりぱりと、いつもズボンの裾を引っ掻いては、抱っこをねだる。]
(197) nordwolf 2014/11/02(Sun) 21時半頃
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[黒猫の背中には、ちょっとだけ、他より長い毛が生えていた。 黒に混ざった黒が、なんとなく浮かび上がるのは、グレッグのもとで更に二十年近くが過ぎた頃。 その頃には、先代「ミー」は、もうこの世にはいなかったろうか。]
ミーャ。
[大切にされていた黒猫は、足腰こそ弱ったが、毛艶も爪も、とても綺麗なままだった。 けれど、その背中の毛の一部に、ちらほらと白いものが混ざりはじめた。
何かに似た白い毛は、年々、少しずつ増えていった。]
(198) nordwolf 2014/11/02(Sun) 21時半頃
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─ 2X年目の春 ─
[窓から差し込む柔らかな日差しを浴びながら、黒猫は、いつものようにカボチャバケツの中で眠っていた。 中に敷かれているタオルはもうボロボロだし、取っ手のリボンは色褪せている。 錆びた鈴は、もう何年も前から音色を無くしていたけれど、それでもまだバケツに結ばれたままだった。]
…………。
[いつの頃からだろう。 黒猫が、日々の大半を眠って過ごすようになったのは。 何か夢を見ているのか時折、耳や尻尾がぴくりと揺れた。
そして。 どんなに深く眠っていても、大好きな足音が近付いてくると、ゆらりと金色の瞳を開いた。 もう、駆け寄って飛びつくほどの体力はないけれど。 ゆっくりと歩み寄っては、ぱりぱりとズボンの裾に爪を立てた。]
(208) nordwolf 2014/11/02(Sun) 22時頃
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ミー…… ミャーォ……
[あたたかな腕の中で、喉を鳴らし、か細い鳴き声で甘える。 背中に生えた白い毛は、随分と増えていた。 それは、まるで………]
…………ャー、ォ
[か細かった鳴き声は、徐々に、更に小さく。 金色の瞳は、夢に誘われるかのように揺らめきはじめる。]
……ミー…… ァ……
[そして、瞼がゆっくりと落ちてゆき……]
(209) nordwolf 2014/11/02(Sun) 22時頃
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『 ありがとう、グレッグ。
おれ、先にいって、待ってるよ *』
(210) nordwolf 2014/11/02(Sun) 22時頃
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─ 天の三叉路 ─
[そこは本来、ふたつの路しか存在しない場所。 天国か地獄へ続く路がひとつ、現世へ続く路がひとつ。 けれど目の前には、路がみっつ。 それは、以前、魔の力に触れていたからだろうか。]
遅いなグレッグ。 おれ、待ちくたびれた。
[グレッグを出迎えたのは、あの日、初めて出逢った時の、悪戯好きな黒猫だった。 言葉とは裏腹に、嬉しそうに笑ってその手を握る。]
グレッグ、これからどうしようか。
[問いかけてはみるけれど、心はもう決まっていた。 見つめた先は、グレッグと同じ方向。]
(247) nordwolf 2014/11/03(Mon) 01時半頃
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うん。
おれも、もう一度グレッグに会いたい。 そしたらおれ、また、グレッグのこと好きになる。
[そのために、このやさしい温もりを忘れない為に。 現世への路へ足を踏み入る瞬間、手を握る力を一際強めた。*]
(248) nordwolf 2014/11/03(Mon) 01時半頃
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─ XX年、ハロウィン ─
おかーさんおかーさん、ぼく、かっこいい?
[母親に、黒い猫耳の付いたパーカーを拵えてもらった少年は、鏡の前で、嬉しそうにターンした。 背中には、ちっちゃな蝙蝠の翼、そして黒い半ズボンには、ふっわふわの黒猫の尻尾もつけてある。]
えーっと、とりっくちゃーとりー?
「Trick or Treatよ。 オバケに襲われないように気をつけて行ってらっしゃいね」
はーい!
(334) nordwolf 2014/11/04(Tue) 00時頃
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[この街に引っ越してきたのは、ほんの2ヶ月前のこと。 そして今年、4歳になった少年は遂にハロウィンデビューを果たした。]
とりっくりー とりーと!
……あれ?
[なんか違うなと時折首を傾げながら、カボチャバケツを抱え、大通を目指す。]
とりっく……えーっと
……あっ!
[行く先に見つけたのは、自分よりちょっと年上らしい少年の姿だった。 沢山のお菓子に引かれるように、その子の方へ駆けて行き]
(335) nordwolf 2014/11/04(Tue) 00時頃
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とりーとおあとりーと!
えーっと、おかしくれなりゃいたずらするぞ!
[まだ空っぽのバケツを掲げ、満面の笑みを向けた。]
(336) nordwolf 2014/11/04(Tue) 00時頃
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ちびねこじゃないよ! ぼくクシャミだよ! 何それへんなかっこー!
[>>342明らかにチビなのだが。 それでもチビじゃないと反論したあと、両腕を広げた少年の姿が、何だかおかしくて笑い出した。]
なーなー、おかしちょうだい!
[そう言って掲げたバケツの中に放り込まれたのは、蜥蜴の形のグミだった。 グロテスクな、けれど初めて貰った菓子である。 嬉しくて、目をキラキラさせて尻尾から摘み上げると、ゆらゆら揺らしてから早速口の中に放り込んだ。]
むぐ……ん?
[提案に首を傾げる。 そして、向けられた笑みを見つめ返し]
(346) nordwolf 2014/11/04(Tue) 01時頃
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うんっ!!
[黒猫は、少年に手を握られて走り出した。 あたたかな手は、初めて握ったはずなのに、なんだかとってもドキドキした。 これが恋だと気付くのは、まだまだずっと、先の話になるけれど]
はろいんってたのしいなー!
[楽しい思い出は、変わらない。 鐘の音は、いつかくる未来を暗示するかのように、軽やかに、明るく、街中に響き渡った**]
(347) nordwolf 2014/11/04(Tue) 01時頃
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猫の集会 クシャミは、メモを貼った。
nordwolf 2014/11/04(Tue) 03時半頃
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