255 【RP村】―汝、贖物を差し出し給え―
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─ その後 ─
[あの館から帰ってきた後、わたしは娼婦をやめた。
数日も行方が知れなかったにもかかわらず、比較的身綺麗な様子で帰ってきたわたしを、修道院の人たちは少なからず訝しんでいた。
戻ってきたと思ったら突然辞めると言い出すわたしに、シスターのクソババアやその他食い物にしている聖職者らは「どうしたんだ」「何があったんだ」と訊ねたけれど、わたしにもその理由は分からなかった。
ただ今はもう、自分がなぜ娼婦を続けていたのかが分からない。 男に身を開くということ、男に抱かれるということ、男に触れるということが、ただひたすらに、たまらなく気持ちが悪かった]
(59) 殿 2016/10/14(Fri) 18時半頃
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[まぶしい日差しに眼を細める。 手のひらをかざしてみても、血潮など見栄やしない。 もうじき、コートを羽織らないとやり過ごせぬ季節が来るだろう。 視線を戻せば、太陽の光がまだ瞳に残っていてちかちかする。
あたたかくやわらかで、ふっくらとした手。 母性の塊のような低い声。 手のひらに触れた、小さなしわの走る痩せた頬。
>>0:-9>>0:-10>>0:-11 母がわたしと向き合った最後の瞬間を、わたしはもう覚えていない]
(60) 殿 2016/10/14(Fri) 18時半頃
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[コツ、とハイヒールの踵が鳴る。 ベルトを外して、道端に靴を脱ぎ捨てた。
小さな素足は長らくヒールを履く生活を続けていたせいで外反母趾になり、繰り返した靴擦れのせいで指の皮膚は厚くなっている。
髪を結わいているリボンを外す。サイドアップがほどかれて、ただのショートヘアになった。 肩を覆うケープを脱げば、開いた胸元から覗く白い肌があらわになる。
道に散らばる石を受け止める足の裏の痛みが心地よい。 髪の毛先が風に揺れて、裸の肩をたたく。
突然服を脱ぎ始めたわたしを、みんなが気まずそうに遠巻きに見ている。 ハイヒールも、ドレスも、もう必要ない。 薄いアンダードレスだけになって、裸足で歩く。
わたしは、公妾にはなれない。なりたいとも思わない。
それでも生きてゆく。 借金を返さなければならないから。 わたしを犯した父親と、蒸発した母親のために**]
(61) 殿 2016/10/14(Fri) 18時半頃
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