人狼議事


162 絶望と後悔と懺悔と

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視点: 人


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 陸軍駐屯地:東端傾斜地 ─

[その鬼は──見目は可憐な、
人形と見紛うほど美しい少女であるのに
そこに心があると信じられないほど冷たい声を出す。

だから──]

 …──よかった

[だから絢矢は──安心する。]

 ホリー・ニルヴァーナがオマエみたいな鬼で良かった。
 オマエが相手なら、
 優しいボクの仲間達でも、躊躇いなくオマエを殺せる。

(8) 2014/02/12(Wed) 00時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[止血する暇もなく加え続けられるダメージに
血は止め処なく溢れ続け、
絢矢の視界は既に夜が訪れたように暗い。

ホリーの声も、どこか朦朧とした意識の中
遠くから繰り返し響くよう。]

 …──そうなる前、に

 オマエを……

[嗚呼──鬼の、言う通りだ。]

 (円も、周ちゃんも、サミュエルも、
  涼ちゃんも、キャロも、みんな、優しくて──)

[──だからボクは、
一人でもみんなを殺せるようにと思ったのに──]

(30) 2014/02/12(Wed) 00時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 (…………ねぇ

  またいつもみたいにボクを撫でてよ……。

  キミが頭を撫でてくれたら
  ボクはどんなことでも頑張れるんだ……。

  ねぇ、リッキィ……)

[視界が霞む。

鬼の纏う漆黒のレースの裾も
我が身と大地を染め上げた真紅も

もう、見分けが付かない──。]

(37) 2014/02/12(Wed) 00時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[次第に遠くなる意識の中
眷属に──という少女の言葉を聞くと
絢矢は歯を食いしばり、首を横に振った。

日本刀が揮われるなら、抵抗もなく斬り伏せられるだろう。

けれど──、
鬼がその言葉を実行しようとするなら、
その前に、小太刀で己の喉を掻き切るつもり──。]

(45) 2014/02/12(Wed) 01時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 神……宿…──、

[離れゆく気配に、
疲弊しきった躰から力が抜けた。

それでも──意識だけは手放すまいと]

 直、おに、ちゃ──


 連れて、く

[血が滲むほど強く、己の手の甲を噛んだ。]

(49) 2014/02/12(Wed) 01時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[陸軍駐屯地の東の端──緩い傾斜を僅かに下った処。

転がる機動隊の亡骸に紛れるように、
虚ろに眼を見開いた首を抱いて
誰のものとも判然としない血溜りに臥した少女が一人。

──首のない躰に寄り添うように倒れている。

誰か駆け付けて声を掛ければ
白蝋のような面を上げて、直円の躰を指し示す。

意識を失っても、首だけは離そうとせず──*]

(55) 2014/02/12(Wed) 01時頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 01時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 帝都守護部隊隊員宿舎 ─

[救助された直後、
絢矢は多量の失血で病室に運び込まれ
それから一昼夜眠り続けた。

目を覚ましたのは深夜。

闇に眼が慣れるのを待って
絢矢はそっと点滴を外した。]

(64) 2014/02/12(Wed) 01時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 01時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[聖水銀──始祖の血を
僅かずつでも身に取り込み続けた影響で
傷の治癒は常人より遥かに早い。

それでも、酷く抉る為の武器に傷付けられた肩の傷は、
まだじくじくと膿み、高熱と痛みを発し続けている。]

 …──お兄ちゃん

[その手に首のないことを知ると
絢矢は周囲を見渡し
それでも見つからないと裸足のまま寝台を降りた。]

(68) 2014/02/12(Wed) 02時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[暗い廊下に、
ぺたりぺたりという足音が響く。

身に付けているのは手術用の簡素な貫頭衣一枚。
季節はまだ冬の最中。
膝上まで覗いた白い脚が、薄闇に浮かび上がっている。]

(73) 2014/02/12(Wed) 02時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[幽鬼のような足取りで
笑みを忘れた機械の少女は遺体安置所を目指す。

いる確約はない。
けれど──自分が守ろうとしたものを
安吾もジャニスも蔑ろにはしないだろうと
確信めいたものを抱いて、分厚い扉を開いた。]


─→ 遺体安置所 ─

(75) 2014/02/12(Wed) 02時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[そこは気温だけは周囲より低く設定された
只々広いだけの部屋だった。

先日の戦いで出た死傷者の数は優に数十を超え、
通常の施設には収めきれなくなった遺体を
家族の元へ返すか、あるいは荼毘に付すまでの期間
置いておくだけの場所。

遺体を収める袋の数さえ足りず
布を掛けられただけの遺体が数十
横並びに寝かされていた。

中には──手足や頭など、
躰の一部が胴から分かたれたものも、多数。

絢矢はその中を、死臭に顔を顰めもせず
ぺたりぺたりと足音をさせて歩いて行った。]

(87) 2014/02/12(Wed) 02時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 02時半頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 03時頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 03時頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 03時頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 03時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 遺体安置所 ─

[吸血鬼とされた者の中には
隊員の家族だった者、知人だった者もいて
そういう者は、隊員の遺体と共に安置所へ運ばれる。

例えそれが味方を幾人も手に掛けていたのだとしても。
自分達は鬼とは違うと示すかのような“平等”を、
帝都守護隊は貫いている。

直円の遺体は、部屋の奥。
吸血鬼化させられた人間の安置された
少し他と隔てられた区画に横たわっていた。]

(105) 2014/02/12(Wed) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[白いシートの下には胴体の膨らみがあり
シートは少しだけ深く沈み込んだ後、
一抱えほどの丸いものの形に膨らんでいた。

中を見なくても、シートの端に
彼が使っていた鉤爪が置いてあり、
この遺体が直円のものだと示している。

絢矢はそれを一瞥すると
ぺたぺたとそこへ近付いて行ってシートを捲る。

直円の遺体は、血も埃も綺麗に洗い落とされていて>>85
その死顔はとても穏やかに見えた。

──例えそれが、唯の願望だったとしても。]

(106) 2014/02/12(Wed) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[絢矢は、冷たい床にぺたりと座り込み
暫くは兄の頭を無言で見下ろしていた。

閉じられた瞼の下に、忌まわしい紅の潜む。]

 ───…

[吐く息の白さと体感温度が比例しない。

感覚を失ったように何も感じない膚が
部屋の温度と同化するように冷たくなっても
絢矢はまだ、座り続けている。

やがて、直円を見るのをやめた絢矢は鉤爪を手に取った。]

(107) 2014/02/12(Wed) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[鈍い輝きを放つ凶悪な姿形。
抉った肉を更に掻き乱すように拵えられた形状。

この武器に抉られた肩の傷は一生残るだろう。
ともすれば痛みさえ。

熱と痛みを訴え続ける傷口は
兄が生きていた証のようで──]

 ──────、

[絢矢は──鉤爪の先端を、
己の頬へ引き寄せ、
爪の先の食い込むほどに強く押し付けた。

そのまま引き下ろせば、
きっと貌にも消えない痕が残る。

それは薄れない兄の記憶となり──]

(108) 2014/02/12(Wed) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[けれど────]

 …──直

[絢矢の手はそこで止まった。

成そうとする意思が、
止めようとする何者かの手に抗うように
鉤爪を掴んだ手を震わせる。]

 お兄ちゃ──……。

[今際の際に呟かれた直円の言葉>>428が絢矢を縛る。

傍目にはわからない攻防が数十秒続き
絢矢は諦めたように鉤爪を置いた。

鉤爪は僅かに頬の表面を傷つけ、
赤い玉を浮かせるに留まった。]

(109) 2014/02/12(Wed) 12時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[絢矢の手が、直円の頭部を抱え上げ胸に抱き寄せる。
髪を梳いて、そこに兄がいるように語りかけた。]

 直お兄ちゃんは本をいっぱい読んで賢いはずなのに、
 やっぱりちょっと抜けてるね。

 ボクの顔なんて大事にしてもしょうがないのに
 傷付けないように無理な戦い方までして。


 ……ごめんね、お兄ちゃん。


 ボクが誰かに嫁ぐ日は永遠に来ない。

 だって
 お兄ちゃんをこんなにしておいて
 ボクだけ幸せに、なれるわけがないでしょ───?

(111) 2014/02/12(Wed) 12時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[もう戻れない。

彼らも、自分も。
直円の他にも、孤児院の子らを眷属とした──と
ホリーは円に告げていた。

ずっと考えていた可能性の最も避けたかった形での肯定。]

 ボクはこれからも──みんなを殺す。

[生き残ってしまったから。
他の誰にも同じ思いをさせたくないから。]

 ホリーも始祖吸血鬼も殺す。
 孤児院ではぐれた仲間も殺す。

 お兄ちゃんもお姉ちゃんも弟も妹も、
 鬼になっていたら──全部殺す。

(112) 2014/02/12(Wed) 12時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[例えばそれが、幼い憧憬の対象であった真弓でも。
小さな自分をすら女の子扱いしてくれた理依でも。
霧のように寄り添い体温を分けてくれた明之進でも。
穏やかで繊細で、顔を見ると少しだけドキドキした零瑠でも。

誰よりも長く、誰よりも近くにいて、
きっとお互い、誰よりも仲良しだったと思っている
大切な、大好きな──リッキィでも。]

(114) 2014/02/12(Wed) 12時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 待っていてね、お兄ちゃん。
 ボクがちゃんとみんなを解放してあげる。


 …──それで、


 全部の贖いが終わったら、
 “そっち” で会おうね?*

(115) 2014/02/12(Wed) 12時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 13時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 帝都守護隊隊員宿舎 ─

[陸軍駐屯地での衝突から三日後の朝。
周と涼平の失踪──鬼に連れ去られたとの目撃情報──を聞き
絢矢は隊員の止めるのも聞かず、単身宿舎を飛び出した。

最初に向かったのは激戦の爪痕色濃い陸軍駐屯地。
司令部と通信施設だけが辛うじて復旧していたが
急拵えのそれはいつ吸血鬼の襲撃に遭うとも知れず
近く、完全に放棄される予定だと聞いた。

再び陣を敷くほどの兵が、足りていないのだ。]

(117) 2014/02/12(Wed) 13時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[施設の撤去作業の傍ら、
破壊された対吸血鬼武器の回収も進んでいる。

建物の一つに集められたそれは、
持ち主が生きていれば宿舎に持ち帰られ、
持ち主に返還される予定となっている。

周の武器は、まだ駐屯地に置いてあった。]

 周ちゃん──。

[真ん中で見事真っ二つに断ち折られた刃と白鞘を
布に包んで胸に抱き、持ち主の名を呼ぶ。

厭な想像が過ぎる。
もし周と涼平が、鬼になって戻って来たら──。

そしてそれは、決して低い可能性ではない。]

(119) 2014/02/12(Wed) 13時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[これ以上何を捨てればいいと言うのだ。
何かと引き換えにしなければ、
今以上の強さを瞬時に得ることなど出来やしない。

笑うことはやめた。
泣くこともやめた。

次は痛みを捨てようか。
それとも書物に描かれた達人のように目を潰せば、
見たくない物を見ずに、
本当の機械のように敵を屠れる鬼になれるだろうか。

そう──それは鬼だ。

強さを求めれば求めるだけ、
斃すべきモノに近付いてゆくような────錯覚。]

(120) 2014/02/12(Wed) 13時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[内蔵を冷たい手で撫でられたような
悍ましい想像の感触。

絢矢は折れた長ドスをきつく握り締め、
それ以上の収穫の得られそうにない駐屯地を後にした。*]

(121) 2014/02/12(Wed) 13時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 14時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[周の武器を携え、次に向かったのは
駐屯地に程近い補給基地。

失踪者の情報を求め手当たり次第話を聞いたが
有力な情報は掴めなかった。

落胆を抱え補給基地を出る。

小袖の上には
丈の長いケープ風に改造を施した軍服。

さて次にどこへ向かおう──と辺り見渡して
見慣れない砂色の外套を纏った人影>>103を見つけた。]

(129) 2014/02/12(Wed) 18時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[砂色の外套の下から覗く色は赤。
隊の中に赤を好んで着るものはいない。

赤は──鬼の色だから。

しかし、敵地に一人で鬼が現れるとも思えない。]

 ───…

[自分の知らない隊員か、
隊員の身内だろうと推測しながら
念のため警戒を解かず、砂色の人影へと足を向けた。]

(135) 2014/02/12(Wed) 19時頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 19時半頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 19時半頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 19時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 補給基地 ─

[砂色へと、歩調変えず歩み寄る。
顔は端から隠していない。]


 ───ここに何か用?

[急襲に対応出来る距離を保って、声を掛けた。]

(140) 2014/02/12(Wed) 20時頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 20時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ───?

[相手の息を呑む気配。
訝るように速度を落とし]


 ……───


[いたんだね、と言われ──悟る。
記憶の中と殆ど変わっていない声。
纏う空気は飄々と。]

 理、依──?

(142) 2014/02/12(Wed) 20時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[外套の下から、
五年の歳月を窺わせぬ幼さの残る容貌が表れる。

眇めた眼は理依の瞳へ。
虹彩の色を確かめようと視線が注がれる。]

 ───、

[ホリーがはっきりと名指しで眷属と呼んでいた理依。
確かめるまでもないけれど、僅か距離を縮めて]

 何をしに、来たの。

[感情の読み取れない、機械の貌で尋ねた。]

(147) 2014/02/12(Wed) 20時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 どうして?

[理依が殺し合いを否定した直後、絢矢は尋く。]

 直お兄ちゃんを、ボクは殺したのに。
 ボクを殺さなくて──いいの?

[構えはまだ取らない。
白い外套の下、周の白鞘を撫でて]

 円もサミュエルも、キャロも。
 みんないる。

[現状を説明しながらも
笑まぬ菫は無感情に瞬く。]

(149) 2014/02/12(Wed) 21時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ───…。

[変わったと言われると、
絢矢の視線は一度空へ彷徨いでるように揺れた。

けれどそれを知るのは本人だけ。
遠目には変わらぬ眸が理依を見据えている。

訊くべきことを訊け。
感情を凍り付かせて得た強固な理性が告げる。]

 周ちゃんと涼ちゃんは──どこ?

(150) 2014/02/12(Wed) 21時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 そう。
 でもボクは、

 ボクは──…


 望んで直お兄ちゃんを────狩ったよ。

[理依が目を閉じ溜息をつく間、
絢矢はその様子を眺め、再び目を開けると唇を開く。]

 明ちゃんと零お兄ちゃん。
 やっぱりいるんだね。
 まゆお姉ちゃんもいるんでしょ?

 周ちゃんと涼ちゃん、返して貰えない?
 家族──“だった”でしょ、ボク達。

(154) 2014/02/12(Wed) 21時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[絢矢は首を傾げた。]

 返してもらう。
 明ちゃんも、零お兄ちゃんも、お姉ちゃんも。

[リッキィも──。]

 理依のことも、ボクは取り戻す。

 ねぇ、どうやったら会えるかな。
 みんなに。

 周ちゃんと涼ちゃんを早く返してもらわなきゃ。
 鬼に──される前に。

(162) 2014/02/12(Wed) 22時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 出来るよ。
 直お兄ちゃんは帰って来た。
 他のみんなも、いずれ。

[刈り取った命をして帰って来たと称す。
歯車は狂い出した。

もう戻れないのは──絢矢も同じ。]

 二人──?
 支配しているのは始祖吸血鬼だけじゃないの?

[尋ねながら、浮かぶのは漆黒の少女の貌。
直円は彼女に従っているようだった。]

 もしかして、もう一人はホリー・ニルヴァーナ?

(171) 2014/02/12(Wed) 22時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 22時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[コクリ、頷く。]

 理依、真弓、零瑠は始祖に。
 明之進、リカルダはホリーに。

 憶えた。

 二匹を斃せばみんなは──

[今より楽に──逝けるのだろうか?
それはある意味、ホリーに手を出すという宣言。]

 ──ねぇ理依。

 ボクは今日ここで理依に会えて良かったと、思う。

(191) 2014/02/12(Wed) 23時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ここにはボクしかいない。

[仲の良かったサミュエルも周も見ていない。]

 ねぇ──…リィ

[直円を殺す所を円に見られなくて良かったと思う。
円は直円に懐いていたから、
あの時、円がすぐに戻って来なかったことを、
どこか安心していた。]

 キミにその気がなくても──、ボクはキミを取り戻すよ。

(192) 2014/02/12(Wed) 23時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ボクはホリーを殺す。
 リィを取り戻す。

 だから── だからねぇ、リィ。


 ここで死んで──。


[そう言って、絢矢は
頬を引き攣らせるような無理やりの笑みを作り、
『菖蒲』を抜き放つと同時に、その懐へと切り込んだ。

──けれど。
直円から受けた治りきらぬ傷の痛みに、切れ味は鈍い。]

(193) 2014/02/12(Wed) 23時頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/12(Wed) 23時頃


アヤワスカは、トレイル(零瑠)への贈り物は、まだ鞘で揺れている。

2014/02/12(Wed) 23時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[完全に踏み込み切れなかった。
躱されることを予測し、
二撃目へ移るべく筋肉は動いていた。

なのに、返って来た肉を貫く手応え。
刺し貫くに適した造りの刃が理依の脇腹に埋まり]


 ────!!

[反応の遅れた腕ごと掴まれる。
人間相手なら容易く抜け出せただろうけれど
鬼の膂力を振り払えるに満足な距離はない。

もがく絢矢の耳許に落ちる声。
絢矢は一度、抵抗をやめた。]

(206) 2014/02/12(Wed) 23時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 今じゃなければ

[抑揚に乏しい声。
感情の代わりに記憶を掘り起こすように、絢矢は尋く。]

 ボクじゃなければ

[理依の言葉は、己の生の期限を定めているようで。]

 …──────、


 もしかしてリィにも、『特別』な誰かが見つかった?

[優しく突き放されたまま数歩後ろへよろけ
距離を取る理依を真っ直ぐに見詰めた。]

(207) 2014/02/12(Wed) 23時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ……───そう。

[その瞬間だけは
人形のように動かぬ絢矢の眉が
どこか淋しげに下がった。

理依の口振りは、やるべきことを終えたら
自分以外の誰かになら
殺されてもいいと言っているように聞こえたから。

例え──鬼になったとしても
特別を作ろうとしなかった昔よりも
彼は“幸せ”になったのではないかと、思った。]


      ボクも──ずっと、みんなが大好きだよ。

[絢矢も答える。
変わらぬ表情で、家族への愛情を。]

(218) 2014/02/13(Thu) 00時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ───わかった。


[伝えるよ、お兄ちゃん。
そう言って、別れを告げる理依へ
『菖蒲』の鞘から解いたものを投げる。]

 ボクからも、『お願い』。

 これを零お兄ちゃんに渡して。
 あの日渡せなかったプレゼント。
 お兄ちゃんの──誕生日の。

[投げ渡そうとしたのは
艶やかな若草色の菊結び。>>2:35]

 ボクはもう、きっと直接渡すことは出来ないから。

[出逢えばきっと、殺し合いになってしまうから。]

(221) 2014/02/13(Thu) 00時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[手品のように舞う砂埃。
晴れた後には誰の人影もない──*]

(223) 2014/02/13(Thu) 00時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[>>227伝言───]

 ───…

[思い浮かべ、絢矢は頭を振った。
切り揃えられた髪がふわりと舞う。

言葉になったのは別なこと。]

 連れて行った二人を返して。
 伝えたいことは──それだけ。


 …───っ

[そして、見えなくなった姿の代わりに残された言葉に
絢矢は強く、『菖蒲』の鞘を握った。]

(232) 2014/02/13(Thu) 00時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[零瑠に一番伝えたかったのは
馬鹿みたいに単純で、短い言葉。

文字にしてしまえばたった五文字の、他愛ない──。]


 …──おめでとうって、────……。


[毎年毎年言ってあげたかった。
祝われても嬉しくないと言われる歳まで、
飽きずに毎年言い続けたかった。

零瑠にも──、
明之進にも真弓にも理依にもリカルダにも直円にも。

結局──言えなかった言葉は吹き付ける冷風に掠れ
誰の元へも届くことなく、掻き消えた。*]

(236) 2014/02/13(Thu) 00時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[理依を見送ったその足で
絢矢は補給基地に駐留する将校へ、
吸血鬼が次に襲撃する地は
ここである可能性が高い──と報せた。

情報源は明かせなかったけれど
直円を討ち取った少女の言葉は軽んじられることなく
その報せは通信で瞬く間に各地へと伝わった。]

(241) 2014/02/13(Thu) 00時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 補給基地 ─

[伝達を終えると、絢矢は補給基地の一室を借り、
戻りきらぬ体調の回復に励んだ。

痛みは薬で抑えられるが、
傷が塞がり切るまでは出来る限り動かない方がいい。

翌朝には、補給基地を守るための戦力が
各地から派遣されて来るだろう。
仲間には、必要なことはその時に伝えればいい。

サミュエルへの届け物も、その時に──。]

(249) 2014/02/13(Thu) 01時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[外套と小袖を脱ぎ、襦袢一枚で寝台に潜る。

薬の効果で真っ逆さまに落ちてゆく眠りの間際
理依と交わした会話を思い起こす。

願わくば理依の言葉が真実であるように。
信じた己の判断が過ちでないように。

絢矢は祈るように目を閉じた。*]

(250) 2014/02/13(Thu) 01時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 補給基地(三日後夕方) ─

[薬の齎した重い眠りから浮上し
開けた瞼の隙間から赤光が眼を射る。

窓から射し込む赤錆びたようなその色に
直円の、理依の、瞳を染めた紅を思い出す。

時は夕刻。
不意に──忘れたはずのものが込み上げて来るのは
間もなく来る日没に、
魔が勢いを増して来ているのだろう、と
時刻のせいにして絢矢は寝台をおりた。

簡素な窓を開けて風に眼を瞬かす。]

 ───…安吾さん?

[外から、聞き覚えのある声が聞こえて来る>>290
絢矢な部屋を出て、声のした方へ向かった。]

(306) 2014/02/13(Thu) 10時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 早いですね、安吾さん。

[急ぎ来たので、外套の下は襦袢のままだが
前を留めていれば周りからは見えない。]

 安吾さんにお伝えすることがあります。

 ──先日の駐屯地襲撃の折、
 新たに確認された複数の上級吸血鬼ですが
 その支配者がわかりました。

 理依、白兎真弓、都零瑠は始祖吸血鬼による支配。
 柊明之進、リカルダ・アーランは
 ホリー・ニルヴァーナによる支配下にあるようです。
 直円の吸血鬼化も、ホリーの手によるものです。

 つまり──どちらかを先に討てば
 実質、敵戦力は半減する。

(307) 2014/02/13(Thu) 10時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 安吾さん。

[淡々と、兵士の口調で告げた後、
息を吸い──]


 ホリー・ニルヴァーナを討ちましょう。


[決然と断言する。]

 子が親吸血鬼を守ることは周知ですが
 今ならホリーを守る戦力は一つ削れています。

 始祖を斃すには時間も人手も掛かる──。
 その間にホリーらに合流されれば
 今度こそ壊滅する危険性があります。

(308) 2014/02/13(Thu) 10時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 そうなる前に──
 こちらから先手を打って出ましょう。

[そこまで言い切ると、
一度自分を落ち着かせるように呼吸を整え]

 もう一つ──まだ誰にも伝えていない情報があります。

 先日の戦いで、ボクはホリーに言われました。
 自分と戦いたくば一人で神宿に来い──と。

(309) 2014/02/13(Thu) 10時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 安吾さん。
 ボクを囮に少数でホリー討伐隊を組みませんか。

 多人数で移動すれば察知されるかもしれない。
 だけど、限られた極小数の隠密部隊なら、
 ホリーにだって感知されずに動けるはずです。

 もし、この作戦が通らなくても
 明朝ボクは一人で神宿へ向かいます。

 これ以上、無駄な犠牲は出したくない。

(310) 2014/02/13(Thu) 10時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 
  
    例え一人でも、ボクは──ホリーを討つ。

 

(311) 2014/02/13(Thu) 10時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 …──突然、勝手を言ってすみません。

 実は、補給基地襲撃と支配者の情報は
 理依から直接聞きました。
 正午頃、彼はここに。

 目的は不明。
 目的はない──と言っていました。
 言葉通り、交戦はせずに彼は退いた。


 ──…。

 ボクからは以上です。
 後の判断は──安吾さんにお任せします。

[再び一気呵成に言い切ると、
ぺこりと頭を下げてその場を辞した。*]

(312) 2014/02/13(Thu) 10時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/13(Thu) 10時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 三日目深夜 ─

[それは深夜。
鬼も眠る丑三つ時。

寝入ったサミュエル>>237の部屋を、絢矢は訪れる。

ノックもなく、音もなく。
眠るサミュエルの口を、絢矢の手が塞ぐ。

恐らくは、気配に気付いたサミュエルの反応の方が先。
絢矢は唇の前に人差し指を立てて、
キャロライナを起こさないようにと視線で告げる。]

(313) 2014/02/13(Thu) 10時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[闇夜に静謐な瞳が、サミュエルを見下ろしている。]

 『俺を殺したいならホリーを狙えばいい。
  俺はあの子を守らないといけないから。』 

             ──理依からの伝言。

[絢矢は戦地で用いるような発声で
殆ど音を発さずに言葉を伝える。]

 それと、これ。

[外套の下から、適当な布切れに巻かれたものを
サミュエルの手に握らせる。]

 駐屯地から持って来た。
 折られてるけど──周ちゃんの、武器。

[手放す前に、一度鞘をぐ、と握り、
それから指を解いた。]

(314) 2014/02/13(Thu) 11時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[話にはまだ続きがある。
絢矢はサミュエルを部屋の外へと誘った。

扉を横に配し、サミュエルと向き合う。
見上げるサミュエルの表情は
年下の自分が言うのもなんだが
鏡で見る自分の顔とよく似て来ていると思う。

あまり笑わない。泣かない。
それを哀しいと思う心も麻痺して来ている。


──已む終えないことだと思うけれど。]

(315) 2014/02/13(Thu) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[感傷を断ち切り、絢矢は会話を再開する。]

 ボクは明朝、神宿に行く。

[安吾にも告げた言葉を繰り返す。
夕刻よりも、少し柔らかな声で。]

 本人直々のお招きだから、ありがたく受けるよ。

 サミュはどうするの?
 来てくれるならボクは嬉しい。

 安吾さんには話したけど、
 ホリーに気付かれずに行動出来る兵士は限られる。
 その点サミュなら何も問題ないから。

(316) 2014/02/13(Thu) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[サミュエルを見上げた視線は
迷うように一度床に落ちて、また、サミュエルを見上げる。]

 …──うぅん、出来たら一緒に来て欲しい。

 ホリーだけでもきついのに、
 理依まで来たら、一人じゃ絶対に勝てないから。

 (それに、来るのは理依だけじゃないかもしれない。)

 どうするかは任せる。
 来てくれるなら、日の出前に訓練場に来て。

 夜明けとともにボクは発つ。
 待ってるよ、サミュエル。

(317) 2014/02/13(Thu) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[サミュエルの返答がどうあれ、
絢矢はここでも確約を求めず、部屋を離れる。

次に円と共通で使っている部屋へ戻り
音を立てずにそっとその扉を開けた。]

─→ 自室 ─

(318) 2014/02/13(Thu) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[闇を縫うように、円の寝台へそっと寄る。
ホリーに削がれた耳には包帯が巻かれているだろうか。

絢矢は傷口に痛みを与えぬようそっと円の頬を撫でた。

見下ろす眼差しに
眠る円の顔を焼き付けようとするかのように
長い間、ただそうして、じっと見詰めていた。*]

(319) 2014/02/13(Thu) 11時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 四日目:夜明け前 ─

[地平線から陽は昇りしも、未だ暗い彼は誰時。

そこに誰が現れようと、現れまいと。

これ見よがしに白の外套を風に靡かせ
いつぞや戯れに隊員のくれた紅を唇に刷き。

絢矢は宿舎を出立した。**]

(320) 2014/02/13(Thu) 11時半頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/13(Thu) 12時頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/13(Thu) 12時半頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/13(Thu) 14時半頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/13(Thu) 19時頃


隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/13(Thu) 20時頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 早朝:神宿へ ─

[神宿への道中、
はじめは、昇る朝日を見ながら速足で歩いた。

しかしアスファルトに刻む足音は徐々に早く、強く。
いつしか絢矢は駆け出していた。

一刻も早く、一秒でも早く。
ホリーを狩らなければ周と涼平が危ない。
彼らはきっと、今も吸血鬼の居城で抵抗を続けている。

一部でも鬼の支配が解ければ状況は好転する。
そうと信じて絢矢は走る。]

(367) 2014/02/13(Thu) 22時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[傷など──失血など
放っておいてもっと早く出立すれば良かったと
己を責める声が裡から湧いて来る。

サミュエルは、足音も聞こえない距離から
それでも自分を見失わずついて来てくれている。
姿が見えなくてもわかる。

サミュエルに同行を申し出た時、
絢矢には兄の答えがわかっていた。
それがどれほど危険なことかも。

だから──死地への連れ添いを頼むようで、
頼むと告げるのを躊躇した。

けれど、きっと。
話してしまった時点で、頼まずとも彼は付いて来た。
付いて来てくれていた。

サミュエルとはそういう兄だ。]

(373) 2014/02/13(Thu) 22時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[気配も音もなく、
それでも寄り添う心を背に感じながら──。

──結局、絢矢は神宿へのほぼ全行程を、
ひと時も休まず駆け抜けた。*]

(374) 2014/02/13(Thu) 22時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 神宿 ─

[そこは──一度震災で壊滅的な被害を被ったことなど
嘘だったかのように整備されていた。

それでも、建築物は高くとも二階か、三階。
──その程度の背の低い建築群の中に
天を衝く高さの巨塔が在った。]

 ───…、

[見慣れぬ高層建築を正面に据え
絢矢は立ち止まり、塔の天辺を見上げた。

純白の外套が風に裾をはためかせ、
それが軍服であると気付いた年若い着物姿の少女が、
何かに怯えるように路地へと消えた。]

(379) 2014/02/13(Thu) 22時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[慣れない紅を引いた唇で
通行人の一人を呼び止め、言伝を頼んだ。

ホリーの訪れを待つ間、
絢矢の左手はずっと鞘に結んだ下緒に触れている。

着物や帯や絹紐の感触は
忌まわしい記憶の引鉄であったが、
しかし同時に、幼心に馴染んだものでもあった。]

(384) 2014/02/13(Thu) 22時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[サミュエル(と、来ていたならば安吾)は
絢矢にも察知出来ない死角に潜んでいるだろう。

使いの鬼が現れれば、
躊躇なく後に従い建物の中へと進む。

後ろを気にする素振りなど見せない。
気にせずとも兄なら、
必ずなんとかすると信じている。]

(394) 2014/02/13(Thu) 23時頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 ───。

[中には思ったよりも人がいた。
鬼も何匹か。

人間が皆一様に浮かべる、
貼り付けたような笑みに恐怖の陰を感じ取る。

憐れみを瞳に浮かべぬように。
しかし決して眼を逸らさぬように。

意思の力で己を抑え込み、
家畜と蔑まれる人間の貌を眼に焼き付ける。]

(404) 2014/02/13(Thu) 23時頃

隠れん坊 アヤワスカは、メモを貼った。

2014/02/13(Thu) 23時半頃


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

─ 神宿:高層建築屋上 ─

 ───ッ

[最後の鉄の扉を抜けた瞬間
吹き抜ける風に髪がはためく。

その風をすら切り裂くように
鋭く前方を見据えれば、
蒼穹を背負って悠然と佇む、漆黒の少女がいた。]

(425) 2014/02/13(Thu) 23時半頃

【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[屋上の中央まで来ると白を脱ぎ捨てる。
風に舞い上げられた外套は屋上を越え、空へと。

白の下には禍刻の空に散る薄紅の花弁──。
小袖の花を風にはためかせ、
絢矢は『兄』と『妹』を鞘より解き放った。]

     ホリー──ニルヴァーナ。


               ボクがオマエを狩りに来たよ。

[戯言を視線で跳ね除け、凛と立つ。

菫の眼差しは揺るがない。
──例えその傍らに、紅の在ろうとも。]

(435) 2014/02/14(Fri) 00時頃

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