88 吸血鬼の城 殲滅篇
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―― 物見塔の屋上 ――
[螺旋の階段の残る赤は人を誘う道標。 心の臓を掠めた刃の名残を感じながら 女はその胸を強く押さえ物見塔をのぼる。 屋上へと辿りつけば強い風が亜麻色の髪を浚う]
――…は、ぁ
[荒い吐息がやけに耳につく。 追っ手は現れるだろうか。 未だその姿は見えず女はずるりとくずおれるようにして 城壁にその背を預けた]
(137) 2012/04/29(Sun) 15時頃
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[ドナルドと出会うはヘクターとの再会果たす少し前。 城主ヘクターに憧れ抱く娘が人間であったあの頃 湖岸に佇む幼き少年を見つけたのは偶然。 草臥れた姿には逃げる過程の疲労が見えた。
“――大丈夫?”
ありふれたささやかな言葉を少年に向けて 彼の傍へと娘は歩み寄る。 案じるように手を差し伸べ彼の手に触れれば 疲労の為か病をえていたのか熱を帯びているよう。
名も知らぬ少年をほおってはおけずに 近く信頼のおける教会へ彼を預けることにした]
(138) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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[寝込む少年を看るは必然。 彼が目を覚ますまでは教会に泊り込み 幼きその傍らに付き添い夜を明かした。
次第に回復し元気になってゆく姿に 娘は安堵したのを覚えている。
“元気になってよかった” “私ね、クレアっていうの”
“あなたの名前、おしえてくれる?”
彼の過去は問わず名だけを尋ねた]
(139) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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[それは長いようで短い時間。 湖上の影を見詰めながら城主の事を少年に語る。
クレアが幼い頃に城に迷いこんだ事。 城の中庭に深紅の薔薇が咲いていた事。 薔薇の花がとても綺麗だった事。
城主がクレアの髪に薔薇をさしてくれた事。
嬉しそうに幸せそうに。 それはまるで夢見るような響き]
(140) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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[或る日、クレアは少年に言う。
“ドナルド、喜んで” “私、お城で働ける事になったの”
“きっと城主さまにもお会いできるわ”
娘は自らの身に起こることを知らぬまま 城にゆき城主に会えるだろうことをとても喜んでいた]
(141) 2012/04/29(Sun) 16時頃
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[城主ヘクターに見逃された幼き獲物は 蕾であった華を綻ばせて彼の手の内へと舞い戻る。
“――城主さま”
城内で彼の姿をみつけ娘は声を掛ける。
“覚えておられますか?” “以前迷い込んだクレアです”
ヘクターにとってはささやかな出来事だったろう。 覚えていて欲しいと思いながらも 覚えていない不安も確かにあり声が微か震えた。
“あの時は、薔薇の花を、ありがとうございます”
長く言いそびれていた礼の言葉を 娘は漸くヘクターへと伝え華の笑みを浮かべる]
(143) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[血に塗れたクラリッサの手には深紅の薔薇が一輪。 それは黒犬の残した薔薇の花。 傷を塞ぐ為の魔力を女は薔薇を手繰り寄せる為に使った。 愚かだと人は笑うかもしれない。 けれどクラリッサにとっては大事で――]
――…ヘクターさま
[二人きりの時にしか紡がぬ名を紡ぎ 薔薇の花を見詰める女は儚い笑みを浮かべた**]
(146) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
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[ヘクターに与えられた血が城へと還ってゆく。
薄れ掛けた意識に過ぎるのは血を与えられたあの日の事。 衝動の理由が語られていたなら 元より貴方のものだったと笑うのだろう。 血と共に奪われた生命。 血と共に与えられた二度目。 薔薇の香りに生々しい血の香が、混じる]
――…、
[もう一度音なく紡がれる『彼』の名。 別れの日に向けられた思念が真実であるなら――]
(166) 2012/04/29(Sun) 20時頃
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[手の内にある薔薇が花弁を散らす。 遅れて娘の身体に衝撃が伝わった。 刀子が浅く鎖骨の下の肉を抉る。
開かれたくちびるは音を結ばぬまま 悲鳴上げることを拒むように噛み締められた。
伏せ勝ちであった睫が持ち上がり 刀子を放った者をきつく見据える]
(168) 2012/04/29(Sun) 20時半頃
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逃げられない
私も、 あなたたちも
[追ってきたドナルドとラルフの二人に、告げた]
(169) 2012/04/29(Sun) 20時半頃
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[城を閉ざすだけの力は残っていない。 けれど主の気配は確かに近く感じられた。 予言めいた言葉を口にした娘は――
大きく成長したドナルドを前に、微笑む]
(170) 2012/04/29(Sun) 20時半頃
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追っ手があなたでなければ 反撃できるのに……
[過去の縁が情となり枷となる]
(171) 2012/04/29(Sun) 20時半頃
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――…私は あなたたちから逃げられない、でしょう ?
[ラルフの問い掛けに僅か首を傾けて]
あなたたちは……
[誰から、とは言葉にせぬままくちびるを結ぶ]
(177) 2012/04/29(Sun) 20時半頃
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[懐かしい名で呼ばれ 深紅の双眸がドナルドへと向けられる。
狙いを定める隻眼をじっと見詰めて 女は観念したのか 胸へと宛がっていた両の手を下ろした]
ドナルド
[応じるように名を紡ぐ]
(181) 2012/04/29(Sun) 20時半頃
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――嗚呼
そんなことまで覚えていたのね
[ドナルドのいう『あの人』は クラリッサが思い浮かべた者と同一だろう。 懐かしむように女は呟く。 レイピア構えるラルフが問う姿をちらと見遣るが 口を挟むことはしなかった]
(184) 2012/04/29(Sun) 21時頃
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――…あなたは自らの名誉の為に 手柄を立てずとも良いの?
[嘗て魔女と呼ばれた者。 術に長けたエリアスが思案する様子にそと尋ねる]
(188) 2012/04/29(Sun) 21時頃
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ど、して…… そんな風に思うの?
[クレアだった者はドナルドの言葉を聞き ことりと首を傾げる。 討伐隊に加わった彼もまた手柄が必要なのだろうか。 彼の真意を知らぬまま不思議そうに瞬くが
ドナルド笑みが見えれば 少年であった彼の面影と重なり その提案を受け入れるように仄かにわらう]
(193) 2012/04/29(Sun) 21時頃
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[放たれた銀の杭が風をきる。 ジェフが貫いた其処に吸い込まれるように 銀は深々と女の胸を射抜いた]
――…、……ふ
[笑み声にも似た吐息とともに こみあげる赤が女のくちびるを染める]
(196) 2012/04/29(Sun) 21時頃
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[――あの日。 領主の計らいで匿われ今の地位についた娘は 王にクラリッサという名を与えられた。 それから娘をクレアと呼ぶ者はいなくなる。 クラリッサ、若しくは、アヴァロン伯、と。
討伐され眠りについた主に会いたいと何度も思ったが 血を注ぐべき『彼』の名残が見つけられず叶わぬまま月日が流れる]
(197) 2012/04/29(Sun) 21時頃
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[五年前、王への反逆を理由に討伐された領主の話を耳にした。 多くの者が犠牲になったと聞く。 反逆の真偽は定かではない。
アヴァロンの領地に妹を探す姉弟が来たのはややしての事か。 大事な者を探す二人の姿が 大事な者を失った自分と重なる。 話を聞き手を差し伸べて娘は二人を傍に置く。
何の疑いもなく慕ってくれる二人の存在が癒しだった。 主をなくした寂しさが少しずつ癒されて わらうことを忘れていた娘に その感情と表情を取り戻させた]
(198) 2012/04/29(Sun) 21時頃
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[エリアスの言う信用。 女もまたその信用を必要としていた。 五年の間、傍に居てくれた騎士の――]
……ッ
[名を紡ごうとくちびるが動くが 喉に詰まる赤がそれを邪魔する]
(200) 2012/04/29(Sun) 21時頃
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[ドナルドの答えが遠く聞こえる。 何をみたくなかったのか尋ねられない。 魔性として生きる私を見たくないのだろう、と そう思い至り女は目を伏せる。
銀に貫かれた心の臓からは 夥しい血が流れ出し城へと還ってゆく。
閉ざされた眸には何も映らない。 闇の気配が一層濃くなるを感じる。 城壁に凭れていた女の身体がずるずると頽れて]
(204) 2012/04/29(Sun) 21時半頃
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[女であったものは白き灰へと姿を変えて]
[一陣の風が白の全てを攫ってゆく]
[其処に残されるは女の大事にしていた紅玉の髪飾りのみ**]
(208) 2012/04/29(Sun) 21時半頃
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[器を失い魂だけの存在となった娘は 灰と共に地下聖堂へと運ばれて微睡の中。
城の主の思念が伝えば 生前と変わらぬ娘の表情が 安堵したかのように緩んだ]
(234) 2012/04/29(Sun) 22時半頃
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クラリッサは、ヘクターの呼び声に応えるように身じろぎした。
2012/04/29(Sun) 23時頃
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[クレアはドナルドの成長を傍で見届けられなかった。 それは領主のもとへゆくことを決めた娘の業。
教会で穏やかな日々を送っているものと信じていた。 逃げていた場所に連れ戻されようとは思わなかった。
だから――、討伐隊の一員になっていた彼が あの時の少年だったとはすぐに分からなかった]
(266) 2012/04/29(Sun) 23時頃
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[領主となったクラリッサは主の帰還を待ちながら ヒューたち姉弟と出会いその成長を傍らで見守った。 初めは見届けられなかったことへの後悔が何処かあったかもしれない。 出会った頃からヒューは歳の割にしっかりして見えたけれど 月日をおう毎に成長するその姿を眩しく思ったものだった。
騎士にと望んだのはクラリッサ当人。 自身の正体こそ彼には伝えられなかったけれど クラリッサはそれ以外を包み隠さず彼に語り聞かせていた]
(272) 2012/04/29(Sun) 23時半頃
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[王がアヴァロンの地を訪れたのは噂に依る。 どのような噂で興味を抱いたかは知れない。 曰くのある土地であったからか 広い土地をまだ若い女が治める事か。 何れにせよ、視察という名目であったのは確か。
アヴァロン伯として粗相なきよう 王らを丁重に持て成した。
宴の夜――。 アヴァロン伯の耳朶に王の声が触れる。 女の身でこの地を守るは大変だろう、と。 求めに応じれば全てを保障する、と――]
(291) 2012/04/29(Sun) 23時半頃
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[アヴァロン伯はたおやかに微笑み 王に礼の言葉を向ける。
“過分な御言葉痛み入ります” “その温かいお心遣いだけで――…”
主に代わり領地をまもる女は 王の申し出をやんわりと断って。
それが仇となったのは身近な者のみが知る事]
(292) 2012/04/29(Sun) 23時半頃
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[大事な騎士が傷ついて帰るまで クラリッサは王の申し出は親切心に拠るものと思っていた。
領内の橋の補修工事の許しを得にゆくヒューが 痛ましい姿となる事など想像だにしなかった。
分かっていれば騎士を往かせる事はなかったのに。 騎士の傷は愚かなクラリッサの落ち度による]
(298) 2012/04/30(Mon) 00時頃
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[城の深き場所で眠る女の耳朶に*騎士の想いが触れた気がした*]
(300) 2012/04/30(Mon) 00時頃
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