35 WWV 感染拡大
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[バールでケイトの眼球を抉り出し、殺める、嬉しそうなグロリアの姿を、崩れるように倒れるケイトの姿を、男は黙って眺めていて]
……おや、まあ。 皆して目を失くしてしまって…… 些か、親近感を覚えてしまうな。……クク。
[それらの過程が終わってから、冗談じみた呟きを漏らし、小さく肩を揺らした。ゾーイに向けられる視線に、視線を返す。暗く強い視線。前髪の隙間から覗く偽りの右目は何処も見詰めず、だがやはりゾーイに向いているようでもあったか]
……君の体は…… 上手くメスが入るものかな?
[零し、白衣をポケットに手を入れる。銀色に輝く鋭いメスを取り出し、ひらりと振ってから、その切っ先をゾーイに向けた]
(8) 2010/11/03(Wed) 02時頃
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嗚呼。此処で逃げ出しても仕方がないだろうからね。 君が適応者なら、処分しなければならない。 そういう建前だ。 もし違ったとしても、……どうでもいい事だ。
[そう言う声色は穏やかな、瞳に湛える色とはそぐわない物で]
……大好き? ……クク。 切ろうとしている相手に、そんな事を言われたのは初めてだ。 調べてあげるとも。切り開いて、切り刻んで…… バラバラに、してあげよう。お父様と、同じように。
[そこまで言うと、男からも一歩、足を進めた。早足に、歩み寄っていく。偏執的な、己をも呑み込んでしまうように強い「愛」を、欲望を、狂気を以て――踏み込み、メスを薙いだ。 歪んだゾーイの体、何処に当たるかは判らなかったが]
(13) 2010/11/03(Wed) 02時半頃
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[刃が体に食い込む、確かな感触が手に伝わってきた。対象が異形であれ、刃を入れた時に生じる思いは変わらない。奥底から滲み溢れ出て来る興奮。愉悦。満たされている、という感覚。 眼球が転がり落ちるのが、視界の端に入った]
……クク、……
[愉しげに。ただ愉しげに笑いながら、手に力を込める。ゾーイの胸にめり込んだメスを、そのまま横に引く。 血が噴き出たとしても、目を瞑りもせずそれを浴びて。首を、腕を、脇腹を、切り裂こうと、男は次々と刃を奮っていっただろう]
……しあわせ、か。…… 私は…… ――幸せ、だ。
[ぽつりと、呟きながら]
(19) 2010/11/03(Wed) 03時頃
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