204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[トレイルの透明な言葉は 2人にはとどいていなかった。
当人を置き去りにして、話は進んでいく。
フィリップの ぬるい体温が、気持ち悪い。 キタナイ だって彼も彼と
身震いひとつ。 恐怖ではない**]
(422) 2014/11/23(Sun) 23時半頃
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トレイルは、もしもルーツの声が出ていたなら、刃物もきにせずその場から離れただろう
2014/11/23(Sun) 23時半頃
トレイルは、フィリップを蹴り飛ばした。五月蝿い
2014/11/24(Mon) 00時半頃
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[抱えられた腕 ナイフが皮膚を裂くくらい、大したことではない。 どんな手を使っても彼から距離を取ろうと動く]
(454) 2014/11/24(Mon) 00時半頃
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[片足では力が足りなかった。 だから。 トレイルは飛んだ。 両方の足で、体重をかけて。
ちょうど、フィリップが蹴りとばすために、片足に重心ののったタイミングで]
(458) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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[やらなくてはならない事があった 伝えなくてはならない事があった。
それを、思考に乗せるのは少し後。
今はそのために この場を
変えなくてはならない]
(460) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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[フィリップから抜け出す為に、どんな行動でもとった。 両足でダメなら、頭突き、噛み付き、片腕はまだ動く、動かない手も、使えるなら使う]
(463) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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トレイルは、後ろに何があるのか、把握できていない。恐らく階段か。
2014/11/24(Mon) 01時頃
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[ノックス。
透明な声で叫ぶが、聞こえるかどうかはわからない。 >>380傷口はさらされているまま。 其処にナイフが入ったものだから、紅が黒い衣服を濡らしている。
気持ち悪い猫なで声の内容は覚えていない。 ただ、ノックスがトレイルを呼ぶ音を 耳が覚えている。
都合よく扱われるのに、我慢がならなかった。 手を伸ばした先は、別段彼である必要はなく。
>>427此方を伺う声に、トレイルは答えたのだ。 透明な声で。 けれど彼からの返事はなかった。 そればかりか、トレイルを置いて彼らと話し始めた]
(467) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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[武器は無い。 故に、トレイルは
嘲笑を浮かべて、後ろに飛んだ。
階段。 下がるのではない。 片足を射抜かれた状態でまともに逃げられるとは思わない。 落ちるのだ ただ、一番したまで、早く
誰よりも早く]
(469) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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[ノックスに、伝えたいことができた。 ただ、今この状態で 声の出ないトレイルが伝える手段は
文字しかないのだ。 だから]
(472) 2014/11/24(Mon) 01時頃
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[肩を段差にぶつけたのは、二度。 結構な高さから落ちたわりに、まだ動ける。 ただ、全身がバラバラになりそうなくらい痛い。
頭が割れそうだ。 階段下、落ちて転がった姿勢のまま 駆け寄るフィリップに制止の意を込めて 手のひらを向けた。
自らの傷口から、指で血をすくい 床に文字を書く。
”とまれ。 さもなければ、このまま自害する”
脅迫にしてはおかしな文章を、血文字で]
(475) 2014/11/24(Mon) 01時半頃
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[弓矢。 思わず笑ってしまった。 随分都合がいい。 ああ、肋骨が痛い。
”逃げない。 その矢で死ぬのは、確定でいい。
だから、後にして”
肩を竦めながら そう、文字を書いた。 字が周囲に書ききれなくなるのが、早い。 少し文字を小さくしなくては そう思いつつ、矢の向う直線上をごろりと転がって移動して、次ぐ文字を書く場所を作る]
(479) 2014/11/24(Mon) 01時半頃
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[別段今更死が怖いわけでもなかった。 生きる選択は、二人の為。
其れも壊れた今、 何が惜しいだろう。
この身に残っているものは、何もなくて ニコラの提案で、嫌悪を覚えて けれど、実際傍で音を聞いて せめて と、思ったけれど
その希望がかなわなかった時が 何より恐ろしいから]
(481) 2014/11/24(Mon) 01時半頃
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[自らの声と同等の望みかもしれない
一階の冷えた空気は身体の痛みに酷くこたえる。 意識を失ってしまいそうで、 ノックスの姿を待ちながら トレイルは、思考を巡らせることで意識を保つ]
(484) 2014/11/24(Mon) 01時半頃
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[醜い音の羅列。 キタナイ感情をそのままのせた音は実に耳障りだ。
トレイルは、息を吐いた。 自らの鼓動が随分耳に届く。 さっさとしてほしいなら、ノックスを連れてくればいいのに。 トレイルはじっと待っている。 彼が文字を読みに来るのを]
(487) 2014/11/24(Mon) 01時半頃
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[走馬灯 その単語を、トレイルは知らない。
思考を続けようとする、頭の中に浮かぶのは ニコラに意地悪をされて泣いた日 ノックスの作った椅子に座っていた日 眠るときに、必ず傍にあったぬくもり それから、トレイルの名を呼ぶ、二人の声]
(493) 2014/11/24(Mon) 02時頃
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[ある程度まで降りなくては、小さな文字を読めはしない。 フィリップの位置で、フィリップの狩猟の目をもってして 読めるかどうかもわからない大きさに綴る文字 >>495 聞こえた音を拾って、トレイルは閉じそうになる目を 一度ギュッとつぶって、開いた。 彼の脳みそは筋肉でできているんだろうか。 頭が悪い]
(497) 2014/11/24(Mon) 02時頃
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[床の冷たさがわからなくなってきた。 文字を綴っているのは利き手ではないから 余計に、読みにくいだろう そう、思う]
(501) 2014/11/24(Mon) 02時頃
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[用心深いことだ。 そんな事しなくても、動けないのくらい 見てわからないのかな。
痛みや熱を感じる時期はとうに過ぎ 足の感覚は既にない。 手の感覚も、無い 無いが、まだ、動く]
(509) 2014/11/24(Mon) 02時半頃
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[トレイルはノックスに食べられる以外の死を選んだ。
彼等を残していくことに 罪悪感は少ない。
ニコラは、一番を別に決めた。
ノックスは
自分を一番と言い切れない彼に伝えよう。 この身が動かなくなっても 彼がトレイルの言葉を、願いを
ひとつだけ叶えてくれたなら]
(514) 2014/11/24(Mon) 02時半頃
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トレイルは、ニコラスの起こした行動を知らない。
2014/11/24(Mon) 02時半頃
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[ラルフを犯し 汚れた彼を 許せないけれど、
ほんとうは
食べられたい 頭の先から、爪先までぜんぶ
でも その大きな願いはきっとまた叶わないから
ひとつだけ]
(515) 2014/11/24(Mon) 02時半頃
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[ノックスがトレイルを一番だと 本当に思ってくれたら、叶うこと。
文字はちゃんと書けているだろうか。 目が霞んで、よくわからない。 小さな文字を、文字同士が重ならないように。
血は流れ続けている。 足から、鎖骨から、落ちた衝撃で インクには事欠かないが 広がって、文字を消してしまう前に 読んでもらえないと意味がない]
(517) 2014/11/24(Mon) 02時半頃
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[ノックスの音に、ノイズが混じっている。 >>513傍に居るのだと、気づくのに 少し時間がかかった。
トレイルは、ノックスの姿を見てから 文字を指差した。 我儘な子供から、最期のメッセージ]
(518) 2014/11/24(Mon) 02時半頃
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”ノックスがお風呂で食べてくれなかったのが、いけないんだ。 だから、僕を失うのは、ノックスの所為だ。
でも、可哀相なノックスに、チャンスをあげる。
その、唇から
もう、僕の名前以外の音は、出さないで。
永遠に、僕の名だけ呼んで 生き続けられたら
いつか”
(520) 2014/11/24(Mon) 02時半頃
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[―――――死んだあとの事は 今のトレイルにはわからない けれど、もし 幼い頃読み聞かせてもらった本の世界のように 死後にも世界が続いていたなら]
(522) 2014/11/24(Mon) 02時半頃
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[いつか僕もノックスを、一番だって 伝えるから。
そう、書きたかった。 書き切る途中でノックスが現れて 指さして、それから また続きを書こうとして
何処まで書き切れたかは、わからない。 指先は途中で動かなくなって
一階に転がったトレイルは そのまま目を閉じたのだから**]
(523) 2014/11/24(Mon) 02時半頃
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トレイルは、ノックスの声が聞こえているうちはまだ、生きているのだと思うけれど
2014/11/24(Mon) 02時半頃
トレイルは、ノックスの声は何処から聞こえていたのか――、距離感が消えてしまった**
2014/11/24(Mon) 02時半頃
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[トレイルの瞼が持ち上げられる前 音の羅列を言葉としてとらえるには きっと、時間が足りなかった。
ピアニッシモ カンタービレ コン・センティメント 苦痛にゆがんでいた筈の唇は少しだけ持ち上がる。
絡められたものに応える力もなく噛み切られた それは、うたう為に必要なもの 無意識にトレイルが守り通したもの
シノワズリはまだ、濁っていない。 ほろりとその目元から雫が落ちた**]
(557) 2014/11/24(Mon) 04時半頃
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[トレイルの名前ばかり呼んでいるノックスに ニコラが、拗ねた顔で腕を引く。 そんな大きな弟を、トレイルごと抱きしめて それぞれの頬にキスを。
寝ても覚めても 側にいた 三人で
共に旅する日常は、もう訪れない。
トレイルが諦めた 平穏な日常 絶望で始まる毎日は
存外幸せに満ちていたのかもしれない]
(561) 2014/11/24(Mon) 05時半頃
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[第一の人生では、父親の異常な愛が トレイルを狂わせた
第二の人生では、ノックスの異常な過保護が 二人を狂わせた
衝動故に、我が子を傷つけ 衝動を抑えたが故に、愛し子を失う
彼らの生涯は 果たして、どのようなものであるのだろう]
(562) 2014/11/24(Mon) 05時半頃
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[大人になることのないまま この世から去るトレイルには、わからない]
(563) 2014/11/24(Mon) 05時半頃
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[掌の文字は インクもなく
誰もそれを見たものは いなかった。
ただ、きっと]
(564) 2014/11/24(Mon) 05時半頃
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[神様は見ていたのだ**]
(565) 2014/11/24(Mon) 05時半頃
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