22 共犯者
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[引き戻そうとする腕も、所詮母のものだ。すぐに振りほどいて家を出ようとして――告げられる。最早取り下げは出来ないのだと。お前が行っても、二人目に追加されるだけなのだと]
母さん。 僕達は帰ってきますから。二人で、戻ってきますから。
[言い捨てて、再び広場へと走った]
― →広場―
(123) 2010/07/31(Sat) 16時頃
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―広場―
……すいません。ちょっと、休むどころじゃなくなりました。
[行って、すぐに戻った。ミッシェルの姿が目に入れば、そう声をかけただろう。 それからは、わき目もふらずに長老たちの前に進み出る]
オスカーです。アレクサンドルの。 ええ、知ってます。今聞きました。 ――ですが、僕も志願させていただきたい。出来ればホリーの届けを取り下げていただきたいのですが、それは不可能でしょう。だからこそ志願したいのです。
[母に迫った時と同じように、有無を言わさない調子で捲し立てる。 案外、あっさりと志願は受け入れられたかもしれない。妹とは裏腹に、村の掟に対して冷えた目を向ける彼もまた、老人達の間には厄介と思う者も居ただろう。 新たに一人の志願者が出た事が、その場で宣言されるだろうか]
(128) 2010/07/31(Sat) 16時半頃
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―広場―
確か、生贄には抵抗する権利もあったはずだ……
[断片的にしか耳にしていない祖母の話。 だが、その断片に今は縋るしかない。 向こうからやってくるのか、それとも人知れずいなくなってしまうのかは分からないが。 『ミツカイサマ』。森の神様。凝り固まった信仰。老人達。
ホリーが変わってしまったのは、誰のせいだ?]
……賭けるしかない。 賭けるしかない、けど。
[母に聞かされた事。このままいけば、次期の村役はアレクサンドルに回ってくる可能性がある。そのためにアレクサンドルは体面を保たねばならず、そして世継ぎを失う訳にはいかない、と。 ならば、と思った。それもまた、己が立候補するに十分な理由だったのだ。 冷静さは失っているが、自暴自棄にはなっていない――そう信じたい。
考えながら、群衆から離れた所で木に背を預け、広場の様子を見ている]
(158) 2010/07/31(Sat) 21時頃
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双生児 オスカーは、若者 テッドの方にちらりと視線を向けた。
2010/07/31(Sat) 21時半頃
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あれ、ヴェスパタインさん。
[イアンと共に広場にやって来た青年の姿に目を瞬かせる。 井戸で会った時の様子が気になって、ふと声をかけてしまった]
リンドクヴィスト家に? ……。
[何を話す事があるのか、少し気になって。 問いかける事はないが、不思議そうな視線を向ける]
(175) 2010/07/31(Sat) 22時頃
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双生児 オスカーは、ランタン職人 ヴェスパタインの視線を受け、彼の傍らの方へと。
2010/07/31(Sat) 22時頃
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ヴェスパタインさんが、気にする事はないのに。 何かあったんですか?
[今、パピヨンの元に話があるなんて。 宜しければ、と前置きし、理由を問おうとする。純粋な好奇心も僅かながら混じっていた]
(187) 2010/07/31(Sat) 22時頃
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―近くの林―
[生贄の話についての問いかけ。 真剣な視線に目を瞬かせ――そして、自嘲気味に口元を吊り上げた]
村の御老人方はそう信じていらっしゃるみたいですね。 そして、それぞれの家の方針という物は、中々抗えるものではないということでしょう。きっと。 ……ホリーは、気にしないでください。姉にはああいった面もあると、それだけの事だと思いますから。
[肩を竦め、続ける。憎悪にまみれた声音で吐き出した]
生贄を放り込むより、犯人を探した方が間違いなくこの村のためになるでしょうね。 でも、そうしないんです。この村は、そうしない。 これじゃあ、ただ死人が増えるだけなのに……
(197) 2010/07/31(Sat) 22時半頃
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……あ、ありがとうございます。
[少なからず、憧れの眼差しを向けていた相手。 思わぬ言葉に、どもりつつも礼を言って]
外からいらっしゃったヴェスパタインさんには、――やっぱり、おかしい村に見えますよね? 本当に生贄が捧げられるなんて事になった今、アルフレッドさんが亡くなってしまったことが……僕、それが、悔しいんです。
[死んだ時は、どうでもいいと思っていたけれど。 革新的な考えを持っていた村長。もっと、話しておけばよかったと後悔する。 ぐ、と拳を握りしめた]
(212) 2010/07/31(Sat) 23時頃
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パピヨンさん、は…… ごめんなさい。あんまり僕も、リンドクヴィストの家の事情には詳しくなくて。
[長老連中も一緒についてくる。 意識的に距離を置いてしまっていたのだ]
ですけど……お話してみる価値はあると思います。 アルフレッドさんに一番近い人ですし。
すぐに変えるのは、とても難しいと思いますけど……
[謝る事なんて無いですよ、と慌てて首を振りつつ]
(217) 2010/07/31(Sat) 23時半頃
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あ、ええ。もちろんです。 腐っても遠縁ですからね。 ……それぐらいなら、協力させていただきますよ。
[抑えた怒りを感じる。 こくりと大きく頷いて、それでは行きましょうかとリンドクヴィストの家へ足を向ける]
……?
[去り際に、一度だけ振り返った]
(228) 2010/07/31(Sat) 23時半頃
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あ、いえ。 何でもありません。
[誰かいたような気がしたんだけどなあと首を傾げたが、気のせいだろうと]
えっと、こっちですよね。 行きましょうか。
[ヴェスパタインを促し、自身もまた足を進める]
(235) 2010/08/01(Sun) 00時頃
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双生児 オスカーは、と思ったら姿を現したノックスに、ちょっとびっくりした。
2010/08/01(Sun) 00時頃
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え、……。
[ノックスの申し出にまた目を見開いて。 どうします、とヴェスパタインを見やった]
君にも用があるなら……別に僕は、何も。
(242) 2010/08/01(Sun) 00時頃
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……じゃあ、行こうか。
[話もまとまったみたいだし。 まあいっかとか思いながら、村長宅へと足を運ぶことにした。
先客が居る事は知らぬまま]
― →リンドクヴィスト家―
(253) 2010/08/01(Sun) 00時半頃
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―リンドクヴィスト家―
え、先にお客様が?
[女中からそう告げられただろうか。 少し待つか、それとも出直すか。どうしようかと同行者達に困った顔で問いかける]
(263) 2010/08/01(Sun) 00時半頃
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分かりました。
[ヴェスパタインの言葉に頷き、パピヨンの居場所を問いかける。 ノックスにもいいな?と確認して]
……すみません。お話し中失礼します。
[そして、書斎に踏み込んで行くだろう。 基本的には、ヴェスパタインの話を黙って聞いているが、彼が劣勢になるようならば、口添えする気は満々だった**]
(272) 2010/08/01(Sun) 01時頃
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祭が村を護る……
[そうして護られ続けてきた村は、これからも護られるために人を差し出すのだ。 うっすら口元に嘲りの笑みを浮かべつつ、村長夫人とヴェスパタインの会話を聞いていた。――が、ふと思い出したように]
パピヨンさん。 僕も生贄に志願させていただきましたので。
[必要な事かな、と思ったから。 それだけ言って、また様子を見守る]
(318) 2010/08/01(Sun) 11時頃
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ええ。 本当はホリー一人で良かったらしいんですけど。姉を送り出して、一人のうのうとする訳にも行きませんから。
[軽く吐き捨てると、あわただしい女中の気配。 振り向くと、どうやら自分に用があるらしくて]
――え、ホリーが!? どうして、何があって……はい、はい。わかりました。ありがとうございます。
[すみません、とその場に向き直り]
ホリーの様子を見に行かせてください。 ごめんなさい、ヴェスパタインさん。
[ヴェスパタインに謝罪の言葉を述べて、自身は広場へと飛び出した]
― →広場―
(330) 2010/08/01(Sun) 12時頃
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双生児 オスカーは、広場に戻ったら、ホリーの傍で彼女の様子を見守っているだろう**
2010/08/01(Sun) 12時半頃
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……ホリー、大丈夫?
[目を覚ました様子の彼女に、ほっと安堵の息を吐く。 拒まれなければ、その身体を木陰に預けさせただろう]
ごめん。儀式、僕も参加することにしたんだ。
[そう告げて、隣のマーゴに向き直る。見ていてくれたのだろう。ありがとう、と頭を下げて]
……全部、ばあさんのせいさ。 ばあさんが、余計な話をしたからだ。
[ホリーには聞こえないように、マーゴに向けて吐き捨てた]
(350) 2010/08/01(Sun) 17時頃
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――さてと。 ホリー、ごめんね。ちょっと待っててくれる? 僕、家に忘れ物しちゃって。
[返事も聞かず、広場から駆け出す。 既に生贄を送る準備は出来ているようだ。急がなければ早速の逃亡者として換算されてしまう。
逃げるために参加するのではない。――最悪、逃げてやってもいいとは思っているが]
(351) 2010/08/01(Sun) 17時頃
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…………。
[未だ騒然としているだろう、エレクサンドルの家の裏庭。己の部屋がそちらに面していて、本当に良かったと心の中で思う]
まずは、今夜――
[18の誕生日の時に、記念に貰ったナイフ。眺めるだけでしかなかったそれ。 胸元に失敬すると、家族に悟られないよう家を出た]
僕達は、二人で帰ってくる――
[広場に戻れば、祭りの準備は完了していた頃合いだろうか。 導かれれば、ホリーの傍らに。 どこか挑戦的な笑みを口元に湛えて、長老連中達を見回していた]
(352) 2010/08/01(Sun) 17時頃
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うん、行こう。
[ホリーに手を取られ、エデンの園へと]
本?
[ふと思い出したホリーの言葉に眉を顰める。 ……彼女は一体何を見たと言うのだろう。 心当たりがあるとすれば――そういえば、いつからか祖母がとても口うるさく言うようになっていた――地下の、例の部屋。 胸元を掴んだ。ナイフの感触をもう一度確かめる]
……取材、ねえ。 そうか、取材か……あの人は、外から来た人だから……
[マーゴの言葉に、イアンの姿を認める。 訝しげに眉を潜めるが、呟いた声にはあまり嫌悪感はなかった]
(363) 2010/08/01(Sun) 19時頃
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ミツカイはまぎれている……
[マーゴの話を聞く。もう一度、胸元のナイフの所在を確かめた。 死ぬ気はない。 逃げる気もない――今は、まだ]
ホリーと二人で生きて帰るんだ。 そして、ミツカイサマにも……
[ぶつぶつと呟く。老人連中には、聞こえぬように。 だが、纏う雰囲気だけはごまかせないかもしれないが]
(390) 2010/08/01(Sun) 21時頃
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[座りこむト二―の姿を見つけた。 くじびきか、それとも志願なのか。 行く末を案じるまなざしは、自然厳しいものになる]
そろそろはじまるようだから、もし足りなくても、皆集まってくるんじゃないかな。
[何とはなしに声をかけた]
(398) 2010/08/01(Sun) 21時頃
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まさか! いつもこうじゃないよ。ここまでなったのは、何十年もあるなかで久し振りの事らしいよ?
[そういえば、前回の祭には出ていなかったなと思い当たる。 ふっと微笑んだ]
森の中を歩くらしいから、身の回りには十分に気をつけて。 夜だし、転んだりしたら大変だからね。
(411) 2010/08/01(Sun) 21時半頃
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[#7鐘が鳴り、号令が聞こえる。 静かに目を閉じ、胸元にもう一度手をやった。いつでも抜く準備は出来ている]
――いかなくちゃ。 ホリー、道には十分に気をつけて。
[ホリーの方を向いて、声をかける。 一団が足を踏み出すのならば、ゆっくりとそれに続くのだろう]
(420) 2010/08/01(Sun) 21時半頃
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[パピヨンの提案に目を見開く。 そして、感嘆とも嘆息ともつかない息を吐き出す。
村長夫人が居てくれて、よかった。 思う。そう思う。強く思う]
言い伝えも、伝統も―― 怖がらせて、脅して、縛りつけて、歪ませて、殺して……
[気がついたら口から言葉を吐いていた。 呪詛にも似た呟き。――生贄に選ばれてから、こんなことばっかりだ]
ぶっ壊れちまえばいいのに。こんな村。
[く、と喉の奥で一度だけ笑う。ざくざくと、足音だけが耳の中に木霊する]
(435) 2010/08/01(Sun) 22時頃
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双生児 オスカーは、双生児 ホリーの傍らへと。
2010/08/01(Sun) 22時半頃
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そうだね。 だけどほら、森の中じゃない?根っことか見にくいからさ。躓いて、遅れたりすると尚更ね。
[だから転ばないように注意しないと、と付け加えて笑う。 そして――しばらく、考えていた。何も言わずに、ホリーの顔を見ていた。
だが、やがて、意を決したように]
……ホリーさ。 ゼルダおばあちゃんに『話』をされたのって、どうしてだったんだっけ。僕、ゼルダばあちゃん怖くて逃げちゃったからさ、そこらへんよく覚えてないんだ。
[昔話をするように問いかけた]
(448) 2010/08/01(Sun) 23時頃
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そう、お祭の話。 お祖母ちゃんに呼ばれて――どうして、呼ばれちゃったのか。覚えてない?
あ、いいんだ。別に、覚えてないなら。 そういえば、お祖母ちゃんの言ってた、地下室って……
[そこまで言った所で、背後から聞こえた叫び声。 さっと顔いろをかえて、振り返り、睨みつけた――ヘクター!]
(461) 2010/08/01(Sun) 23時頃
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儀式を予定通りに遂行したら、確実に一人、人が死ぬんです、ヘクターさん!
[ホリーの傍から一歩離れて、パピヨンとの間に入る。そして、ヘクターに向かって声を荒げた]
……パピヨンさんの提案は、巡礼の伝統に則ってる! 誰も死なずに戻ってくればそれでおしまいなんだ!
誰かが死ぬって――誰かが死んだら、その分村人は一人いなくなるんですよ? 正体も分からないミツカイサマのために、僕達は村を構成する人を一人完全に失うんだ……
[言外に宣言してしまった事を自覚した。 己は、この儀式に大人しく従う気はないのだと言う事を]
(473) 2010/08/01(Sun) 23時半頃
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[ホリーの方を振り返る。 ぎりりと奥歯を噛んだ。頭が痛そうだった。何かを押し殺しているように見えた。
姉は変えられてしまった。 伝承のせいで。伝承を尊ぶ年寄り共のせいで。伝承に縛られた村のせいで。
村が憎い。 歪ませ、苦しめ、そして――殺そうとする村が憎い。 ヘクターの瞳の向こうに長老の姿を。ゼルダの姿を見て。
憎悪の籠った視線を、ぶつけた]
(476) 2010/08/01(Sun) 23時半頃
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ミツカイサマの怒りって、それ、誰から聞いた話?ヘクター。 長老様の言ってる事って、本当に本当なの?ミツカイサマが怒ると、本当に村は滅ぼされちゃうの?
もっとも……生贄を供えなければ『続かない』村なんて、僕は無くなっても良いって思ってるけどね!
[銃口を睨みつけながら言い放った。 広場に響いてしまったかもしれない。だが――本心だった]
(488) 2010/08/01(Sun) 23時半頃
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