3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[ケイトのために、彼女のために。]
『みんなを おくってあげないとね。』
[右腕が消失した時に落ちた、彼女が巻いてくれた包帯を拾う。 拾ってそれを 優 しげに見た青碧には 闇の 色。]
(31) 2010/03/05(Fri) 02時半頃
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飼育委員 フィリップは、包帯をポケットにしまいこむ。闇は左腕にも拡がっていた。[18]
2010/03/05(Fri) 02時半頃
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−図書室− [闇に、闇に飲まれていく。 闇に侵されてないのはもう、殆どない。 服の下、胴体も 一部欠けているかも知れない。]
『…… ン。』
[>>25携帯が震えてメールが届いた。 画面を開く。見て、薄く笑った。 もう 期待しない。望みもない。]
『ふぅん、赤い。盗み聞きの彼の話じゃなくて?』 『君がやっぱり覗き見しちゃう子なんだね。』
『そうだね、話、聞きたいなぁ。』
[自分を見たらどうなるか。 片手で携帯を操りながら、もう片方の手で、ビー玉を指で持つ。 指先の曲線が、まるで橙が嗤っている様に、見せた。]
(32) 2010/03/05(Fri) 02時半頃
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送信者:フィリップ 宛名:コールリッジ 題名:わかった 本文: 待ってるね
[相変わらず、簡素なメールを送って。 腰を掛けて眼を閉じる。 その間も闇は侵蝕を続けて*居た*]
(33) 2010/03/05(Fri) 03時頃
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−図書室⇒畑− [キーンコーン ……
懐かしい音、随分久しく聴いてない様な。 薄らと瞼を開ける 柔らかな日差しが見える。 見上げると あおい 空。 小鳥の囀り、多くの生徒の喧騒にも似た賑やかさ。
一瞬戻ったのかと錯覚するけど。 視界は狭く―― 闇 は濃い。]
『どうして……外。』
[図書室に居た、はずなのに。 畑の脇に佇んで、飼育小屋も無い。 見上げる校舎は記憶より低く、幅も――
おはよう、と声を掛けられる。
見える制服は 自分と違う。]
(75) 2010/03/05(Fri) 12時半頃
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『おはよ。』
[異形と化した自分に平然と話しかける違和感を抱くも。 青碧を細めて、笑い返した。
知らないTVの番組名を言われてから。 早く教室に行こうと 誘われる。
今までの様に 自分の教室に言って、そこで初めて。 右眼を、見開いた。]
『おはよう、セシル。』 『同じクラスだったっけ、ね。』
(76) 2010/03/05(Fri) 12時半頃
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−3年B組− [そもそも、過去の舞台で クラスが如何こう言う気は本当はないが。 同じクラスに居る 違和感。
同じクラスに居ない 違和感。 あの何時も、鹿爪らしい顔をした 眉間に皺を刻んでいた彼。
そして、 ここで最後に別れて 居なくなった、彼。
ちらりと視線だけ、黒板に向ける。 過去には流石に彼の絵は残って、無いか。]
(77) 2010/03/05(Fri) 12時半頃
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飼育委員 フィリップは、奏者 セシルに顔半分 闇 に覆われた顔で 笑い掛けた。
2010/03/05(Fri) 12時半頃
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−3年B組− [顔の半分は 左眼の、消失した所から、さらに闇が拡大し 顔左半分、首にまで至っていた。もう隠そうとも、していない。 隠したところで両手とも闇に覆われ始め、右手は半分近く消失しているのだが。]
『誰かと思ったら。何、暇なの?』
[>>78バーナバスの姿を認め、右手首しかないそれを上げる。 >>80複雑な表情に、くすり、と笑う。]
『元のクラスとか関係なさそうだね。』 『僕ら居る事になってる みたい だし。』
[本来居る筈のない存在が。 改竄されて。]
(82) 2010/03/05(Fri) 12時半頃
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−3年B組− [>>83こちらを見る姿に、青碧を細めて笑う。]
『…… そう。今日。』
[笑い掛けた青碧が冷えを帯びる。 ずっと、今日のままの、そして27年前の。]
『ケイト、思い出してきてるのかな。』
[彼女が同じクラス内に居るなら、聞こえない様声を潜めた。 >>85窓枠を直す男を見て、ぽつり。先ほど聴こえた声はそう言う意味かと。]
『…… 過去でも用務員の仕事はさせられるのな。』
[過去の用務員はどうなったのだろう。 書き換えられているのか。]
(89) 2010/03/05(Fri) 13時頃
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−3年B組− [>>91解けた包帯。手を貸そうか、と尋ねるも。 彼は手に触れられるのを厭うたか。]
『A君とかB君とかと、挿げ替えてるのかもね。』
[違和感はその度に書き換える、闇 が塗りつぶす。 >>92こちらに向いた視線に、頷いた。]
『そう、だって、さ。』 『そのまま、なら今日あの彼女は。』
[すうっと ひとり に されてしまう。]
(93) 2010/03/05(Fri) 13時頃
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−3年B組− [>>96過去の人たちは気にしないのに。小さく息を吐いて、わらう。 そうじゃない、きっと彼は 傷つけたくないと――。]
『大きなゴム手とか軍手とかの方が、後でそこのおっさんに貰えば。』
[手の込んだ、その言葉に左手を口元に寄せる。]
『さぁ、彼女の仕業なら 何かのメッセージか。』
『無意識 かも、ね。』
[仲間に入りたいと、思って いた? 薄紫が彼女を見るのに続いて 眸を向ける。 狂気も 翳りも 無い ただの女子高生の姿。]
(99) 2010/03/05(Fri) 13時半頃
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−3年B組− [>>103否定を返されれば、やはり、わらい。 幾分か優しく青碧が彼を見た。]
『ま、片手じゃ難しいでしょ。』
[その手の状態なら尚更。 まあ、元々不器用なのかもしれないが、性格同様。 とは流石に思うだけにした。]
『ずっと、ひとりで ね。』
[揺れる薄紫を見て。]
『みつけよう。』
[くらいくらい意識の底 こえが きこえる あれは誰の――こえ。]
(106) 2010/03/05(Fri) 13時半頃
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−3年B組− [>>105携帯が震える。周りの目も気にせずに開く。 そもそも、携帯一つ気にするようなら、この姿を気にするだろう。
画面を見て、瞬く。会議室は確か三階に在った筈。 同じ所に居るのか、学校の造りが違うのか。後者だろうと。]
送信者:フィリップ 宛名:コールリッジ 題名:Re:さっきの話 本文: 会議室、北棟一階?三階じゃなくて? 変と言うか過去に飛ばされたみたい 今から行くよ、詳しくは会った時に話そう
[メールを返すと、ホームルームが始まる前か始まった後か。]
『先生、僕、左眼の調子がおかしいので保健室行ってくる。』
[断って、教室を出る。眼帯はしたままだから、まあ大丈夫だろう。]
(109) 2010/03/05(Fri) 14時頃
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− ⇒会議室− [南棟から渡り廊下を通って北棟に至る。 上に続く階段のない違和感を感じながらも階段を下りる。 白骨は無い。この光景も骨も、幻覚なのだろうか、消えた右腕を一度だけ見て。 階段を下りて会議室のプレートを見つける。その扉をノックする。]
『コールリッジさん…… 居る?』
[今更ながら同じ過去に飛ばされてるか怪しいと、思いつつ。 携帯が通じたのだから、そうだろうと、思いなおす。]
(115) 2010/03/05(Fri) 14時頃
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−会議室− [>>118返事が返る、教師に見つかると面倒だと、扉を開けると。 最初に届くのは濃密な花の匂い。そして、 全身に 黒 い花と 赤 い蝶をを咲かせた少女。]
『コールリッジさん、……授業サボると先生が嘆くよ。』 『なんて ね。』
[その彼女を見て青碧を細めた。 随分と自分は闇に喰われているが、隠そうともしない。 もう隠すことも出来ないが。]
『…… 大丈夫?』
[首を傾げて、そう尋ねた。]
(122) 2010/03/05(Fri) 14時半頃
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−会議室− [>>125少女は知らない。 闇 が蝕んでいるからこそ。 人が何人も 死 んでも、居なくなって も 、 冗句も言えるし、笑えもするのだと。 それこそが 狂気 なのだと。]
『……どうして。』
[笑う顔に、寂しげな視線を向ける。 つらいなら。 おくって、あげようか。 闇 が 囁く。]
『僕のほうが、無理 でしょ。もう 』
[消えてしまった。 いなくなってしまった ように。]
『君の、力……?』 『そう言えば、バーナバスのおっさんが、赤いビー玉持ってるって。』
『それに、遊びをやめさせる、って……?』
(129) 2010/03/05(Fri) 15時頃
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−会議室− [>>133悲しそうな、かお。眉を寄せる。]
『…… 君だって そうでしょ。』
[気味悪がらない。いつかの校長室で 笑い掛けてくれた。 お互い様、オスカーの声がどこかで聴こえた気がした。]
『闇の中で泣いてる子が居たら ほっとけないでしょ。』
[今も、哭いている子が居る。 どちらが大丈夫か、平行線だと思った。 もう 自分は 帰れない 自覚がある。 少なくとも、日常へ帰れる気がしない。]
『赤……?』
[黒ではなく、赤。 青碧を細める。]
(137) 2010/03/05(Fri) 15時半頃
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『信じる よ。』 『こんな状態の僕に嘘言うような人じゃないよ、ね。』
[だって知ってる、その人の持つビー玉が赤い事。 赤はもうひとりしか、居ない けれど。 鮮血に染まり、乾いた血の様な黒を持った 彼と彼女は もう 居ない。]
『赤を持つ…… 鬼 を、説得?』
[内容に、瞬いた。]
『それって 死ね ってこと?』
[そうしなければ、死ぬ。 そう言う話だった、はず。]
(138) 2010/03/05(Fri) 15時半頃
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[侵蝕する闇は続いて。 ズボンの下、左足が膝から下 闇 に消えた。 けれど倒れない。 闇 で繋ぎ止められているように。
遊びは止めるんじゃなくて。 終わらせるんだよ。
鬼 が 皆を見つけて それで、隠れ鬼 は終わる。
青碧 は、細く冷たく 闇 は拡がる。]
(139) 2010/03/05(Fri) 15時半頃
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−会議室− [>>142大丈夫。何が、解らない。 晴れやかな笑顔に、色のない、作っただけの笑顔を向けた。]
『…… 何、が』
[言っては 。 では、思ってはいるのだ、と、そう思えば緩やかに笑む。 真摯な瞳、青碧が見つめ返すが、そこに熱は、無い。 もう手遅れだと思っているなら――闇が誘おう と。]
『―― ミッシェルさん、や、あいつ?』
[出た名前を鸚鵡返しに、口にして。 手を取ろうとされれば、するりと、掴まれないように逃げた。]
(148) 2010/03/05(Fri) 16時頃
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『 …… 帰れるだなんて 思って、無いから。』
[期待なんて もう しない。 何も。 一歩、二歩、離れて 顔を背けて俯いた。 俯いて陰になった唇は その容だけで “殺した のに” そう呟いて 嗤みに変わった。]**
(149) 2010/03/05(Fri) 16時頃
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−回想− [>>157少女の内心など知らず 嗤う。 >>158謝られて、礼を述べられた後、長机に置かれる あお。]
『汚い ……?』 え。
[逃げ出すように去る少女を見る、少し、丸い青碧は。]
ああ……『ホラ。』 『やっぱりね。』
[嗤う 自嘲にも、似た。 そんなつもりなんて、あっても無くても――
そして 闇 は侵蝕を続けて、霧のようにシャツからも 漏れ出でる。]
(275) 2010/03/05(Fri) 23時頃
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[暫く 薄暗い教室の中から、明るい そら を眺めて。]*
(276) 2010/03/05(Fri) 23時頃
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飼育委員 フィリップは、美術部 ミッシェルと一緒に言われたあいつは誰だったのだろうと。
2010/03/05(Fri) 23時半頃
飼育委員 フィリップは、用務員 バーナバスを 思って 一言「……ばか じゃ ないの?」{5}×{3}(大)
2010/03/05(Fri) 23時半頃
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−会議室− [くすり、と嗤う。 青碧 に熱は無い、ただ、暗 い 闇 が宿る。]
『汚れてる、なんて…… あの花が咲いた時より、泣いてるね。』
[顔には出なくても。]
『辛いなら、送ってあげるよ。』
[声は優しげに。]
『それ に ――』
[けれど青碧に宿る闇は冷たく 昏い]
(326) 2010/03/06(Sat) 00時頃
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−会議室⇒屋上− [先程見上げた空。 あおい、あおい、そら。 少女が纏う あか が隣の棟の上 ちら と見えた。]
『そろそろ、闇 が深まる 頃合だね。』
[踵を返す。 ゆっくり、ゆっくりと 会議室を出て、階上へと向かう。]
(333) 2010/03/06(Sat) 00時半頃
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−南棟 屋上− [屋上へ続く階段を上り、扉を開ける。 広がる一面の あお。]
『み ぃ つ け た。』
[鬼 は 今までに無い爽やかな笑みを湛えて。 けれどその 瞳 に宿るのは 深い 闇。]
(338) 2010/03/06(Sat) 00時半頃
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−南棟 屋上 給水塔− [出入り口脇の梯子に手を掛けてゆっくりと、登る。]
『ここに居たんだね、探したよ。』
[梯子を登り切ると。]
『また、泣いてた?』
[首を傾げて、尋ねた。 青碧を細めて笑うも、その あお は 闇 を纏う。]
(347) 2010/03/06(Sat) 00時半頃
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『辛いなら、送ってあげるよ。』
『僕は 鬼 だからね。』
[見つけて 送るんだ。 皆 皆 送ってやる。]
(348) 2010/03/06(Sat) 00時半頃
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『今、皆がバーナバスを追い詰めてる。』
[にっこりと、微笑を向けて。]
『君が“ケイトの手先”だなんて、 鬼 だなんて言った、彼が。』
『…… ねぇ、満足?』
[笑顔を向けながら、ひどく冷たい 瞳 を 向けた。]
(350) 2010/03/06(Sat) 00時半頃
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−南棟 屋上 給水塔− [>>359静かに微笑む その顔。 >>362どうでもいい、その言葉に、闇に繋がれた右腕を伸ばす。 首元を目掛けて。]
『終われる?』 『違うよ、寂しくない所へ、送ってあげるんだ。』 『皆、居る。』
[それは、今まで闇が塗りつぶしてきた、詭弁。 腕に力を篭める。呪 われた 闇 の力のせいか、常よりもずっと強い、力。]
『…… 俺 は満足だよ、キャロライナ。』
[彼女の言葉に 愉悦を うかべた。]
(370) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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『もう お前ら 全員 殺してやる。』
(371) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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