147 書架の鳥籠
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[私は書架の中、レティの名を呼んでいた。 いや、叫んでいたかもしれない。 薄暗い本の間を、ランタンの灯りを頼りに駆けていると>>2:204]
…っ!
[衝撃で後ろに仰け反ると本棚に背がぶつかる。]
―― ピッパ嬢か、失礼した。 私の不注意で…、怪我はないかな?
[口調はできるだけ平静を装うが表情は些か余裕はなく、]
…む、 うむ。 レティ嬢を探していてな。
[問われれば簡単に説明をし、レティを見ていないかをこちらも問う。そしてカトリーナの居場所と聞かれれば、サロンにいると教えた。]
(1) 2013/10/07(Mon) 09時半頃
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[気をつけて。>>2:208 その言葉に小さく頷いた後、ぴし、と背筋を正しく伸ばして]
ピッパ嬢も。 では、先を急ぐので、失礼する!
[私は再び書架の中へと迷い込んだ。 けれど、また、 鐘の音がひとつ、ふたつ]
(2) 2013/10/07(Mon) 09時半頃
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…!あれはっ
[迷路の中、金色の髪が最初に飛び込んだ。 積み重なる本が薄暗さを更に増していて、]
あぁ、ここにいたのか。 心配したよ、レティ嬢。
[むっつ、ななつ]
(3) 2013/10/07(Mon) 09時半頃
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会えて、よかっ ――――
[彼女と会話を交わす事も、顔も見る事ができないまま 私の記憶はここで途切れる事となる。
鐘は何度、鳴っただろうか。**]
(4) 2013/10/07(Mon) 09時半頃
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[目が覚めるとサロンの猫足ソファだった。 いつもと違うのは、目許を覆う帽子がないこと。
それから、―――]
…レティ嬢
[身体を起こして、サイモンの人形があった書見台へと向かう。足取りはゆっくりとしたものだ。]
―――…、
[ころりと、小さな小さな陶器の人形。 私は人形に固い指先を伸ばすとその温度が伝わる。]
冷たいな。
(5) 2013/10/07(Mon) 09時半頃
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呪いの事を、教えては…貰えなかったな。
[握れば壊れてしまいそうで、一度触れただけで指は離す。 けれど、私はその場から動けずでいた。
台の上に転がる2つの人形。 ひとつは友だと思っていたどこか不思議な男。 もう1人は娘のように思っていた可愛い依頼主。]
負けられないの… だよ。**
(6) 2013/10/07(Mon) 10時頃
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[私は、両腕を身体の横にだらりと垂らす。 それから、ゆっくりと手を握りはじめ、力を込めていく。
全てを掴みきれず、ほろほろと零れゆくもの。 それを――少しでも繋ぎ止めたくて、]
…、…
[唇を横にきつく結ぶ。 覚悟を、決意をと。浮かぶ表情はいつもより真顔に近い。]
(7) 2013/10/07(Mon) 13時頃
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カトリーナ嬢か…
[私は書見台の傍で、本に増えた名を知る。 黒い獣は、亡霊ではない者にも死を与えていく。]
獣に喰い殺されるのと、 亡霊に人形にされるのでは、
――…どちらが辛くないのだろうな。
[抑揚のない言葉を静かに紡ぎながら、私は一度天を仰ぐ。 偽物の星空が広がっている。 例え、偽りであったとしても 美しいと思える夜空。]
(10) 2013/10/07(Mon) 13時頃
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無論、私はどちらも御免だがな。
[見上げた顔を正面に戻せば、ぴしりと背を正す。 それからサロンにいる面々の顔を一人一人確かめるよう見ていく。]
(11) 2013/10/07(Mon) 13時頃
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サイモン君がのこしてくれた本。
[書見台の上、開かれた本の頁は 嵐のように舞ったとは思えないほど元通り。
私は背筋を正し、帽子の鍔をつまんだポーズをしたまま サロン全体に声を響かせる。]
レティ嬢の調査により、この中に何人かは亡霊に 対抗しうる力を持っているのだろうと私は考えていたが 申し出がないのは、何故だろうか。
犠牲なくして立ち向かえる程の相手ではないと もう既に我々は痛感しているはずだ。
恐れていては何もできないとは、思わないかね?
(12) 2013/10/07(Mon) 13時半頃
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うむ。
[1人だけの帰還となったけれど、帽子にかけた願いは叶う。
くるくると回転しながらこちらへ向かってくる帽子を、私は華麗に帽子の軌道と同じようにくるりと回りながらキャッチして、頭の上へ。]
無事、戻った。 [猫足のソファに腰を下ろしているルーカスへ、ぴしりと背筋を伸ばし、帽子の鍔をつまみながら、いつものポーズ。]
(15) 2013/10/07(Mon) 14時半頃
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[このままでは、―――終らない。 終らせない。 >>17ルーカスの言葉に、うむり、と大きく頷く。]
ほう。
[手を下し、顎鬚を撫ぜているとサロンに響く声。]
グロリア嬢。 それはつまり…
[見つけたのかい、と切れ長の瞳は言葉の続きを待つ**]
(24) 2013/10/07(Mon) 16時頃
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シメオン君が、亡霊と。 さて、弁明があるのなら―――
[言葉は、嘘つき、>>30という声でかき消される。 そして、もうひとりの占い師がレティーシャを見たと聞く。]
う、うむ?
[探偵らしくここは推理をしなければならない。 いや、私は探偵だ。]
(33) 2013/10/07(Mon) 18時頃
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占い師は、2人…ではなかったな、レ―――
[本の調査をした彼女の名を呼び掛けて、止まる。 もういないのだ。だから呼んでも意味のない事。]
――…、…む
うむ、実に、実に! 探偵が活躍するに相応しい状況が来たではないか。
[私は背筋を正して、グロリアとシメオンを交互に見てから]
グロリア嬢はシメオン君が亡霊で、 シメオン君はレティ嬢が亡霊ではなかったと…
(34) 2013/10/07(Mon) 18時頃
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ここでひとつ、思い浮かぶ事がある。
[ぴしりと人差し指を立てて、]
しかしどちらかが占い師でないのは確かな事。 そうなると、もう1人は一体“何”なのか。
私が推測するに、それは狂人、と呼ばれる配役ではなかろうか。 恐らく、我々の思考を乱そうとする者だ。
ふふ、だが、私はそのようなものには惑わされない。
[ち、ち、ち、とその指先を振りながら]
(35) 2013/10/07(Mon) 18時頃
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いいか諸君、今名乗りをあげた2人。 それは占い師と狂人の可能性が高い。
ならば、シメオン君は亡霊ではなく、占い師で グロリア嬢が狂人で偽りを言っている。 そう、結論がつけられる。
―― 以上が私の推理だ。**
(36) 2013/10/07(Mon) 18時頃
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>>39 さすがはルーカス君、といった所か。 探偵の穴を見抜くとは…
[相変わらず口調に弱みは見せないまま、 背筋を伸ばしたままルーカスへと身体を向ける。 どこか満足そうな表情を私は浮かべて、]
亡霊は身を潜めて隠れている可能性が高いから。 というのが一番の理由だよ。
[名を上げた3人の女性を省いた理由を簡潔に答えて、]
(50) 2013/10/07(Mon) 21時頃
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だが、グロリア嬢の言う事が本当で シメオン君が本当に亡霊だという事も当然ありうる。 しかしそうではなかった場合、 私達は本物の占い師を失う、という事をしてしまいかねない。
それを私は最も恐れたのだ。
(52) 2013/10/07(Mon) 21時頃
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――しかし、 仮説を立てれば、いくらでも立つ。 …推理というものを証明するのは こうも大変なものなのだな。
[探偵である私は名探偵とは程遠い呟きを溢しつつ、]
いくらでも喋れるが、これでは喉が枯れてしまう。
[ふぅ、と落ち着かせるように息を吐いてから ルーカスの推理>>43を聞き終えれば、ふむ、と口髭に触れながら]
成程。 筋が通っているな。
だが、それならば…、――
[口元を手で覆いながら、切れ長の瞳を細めて]
(56) 2013/10/07(Mon) 21時頃
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―――…、狂人はどこにいるのだろうな。
(57) 2013/10/07(Mon) 21時頃
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>>66>>69 ふぅむ。
ルーカス君がグロリア嬢を支持するというのなら 狂人の不在説は確かに有力か。
[口元に添えていた手を垂らしても背筋は伸ばしたまま。 私はグロリアの方へ顔を向けて、>>68]
狂人は亡霊が誰かは解らない… 故にそこは博打の可能性は否めない。 その可能性の天秤は、量るのは難しいな。
(108) 2013/10/07(Mon) 23時頃
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私は、今、正直なところ悩んでいるのだよ。 信頼をおける者が占い師と名乗るのなら そちらを支持するだろう。
だが、―――
[視線は、台の上に転がった2つの人形へと向けられる。]
(110) 2013/10/07(Mon) 23時頃
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…いや、それは推理ではない。 感情論だ。
それでは、探偵とは いえない。
(111) 2013/10/07(Mon) 23時頃
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オズワルドは、その場で、ふる、と首を一度振った。
2013/10/07(Mon) 23時頃
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ピッパ嬢。 仮にまだ霊能者が人形にもされず獣にも喰われていないならば 霊能の力が必要なのは―――…、っ
だが、そのために本当の占い師かもしれないシメオン君を… あの獣に、と、言うのか。
[眉間に皺寄せながら、そう言うが 切れ長の瞳を、つ、とピッパに向けて>>58]
霊能者、という配役は …―― 必要だが、辛いのだろうな。
[彼女に向けて言葉を返した。 死が、ありふれ始めている。 それが快く思えず表情は険しいまま。]
(115) 2013/10/07(Mon) 23時頃
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オズワルドは、ルーカスに話の続きを促した。
2013/10/07(Mon) 23時頃
オズワルドは、ホリーに話の続きを促した。
2013/10/07(Mon) 23時頃
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ボリス君。 まず、私は即断したわけではない。 ―― と、言っておこう。
[ピッパから今度はボリスに顔を向けて>>119 背筋をぴしりと伸ばして胸をはったまま]
仮説を幾つか考えて、そう上で 私なりに最も皆に考慮して欲しい推理を伝えた。
目の前に出された、亡霊、という答え。 それに簡単に食い付いて思考停止など、探偵のすべき行為ではない。
視野を広くして物事を考えなければ 本当の答え、真実には辿りつけない。 そう ―――私は考えている。
[と、ボリスへと言った後に、私はシメオンの声を聞く。>>116]
(132) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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…シメオン君?
[サロンから走り去る金の髪、その背が 一瞬、レティーシャと重なって 息が詰まった。]
(133) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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>>124 さて、どうかな。
[私はグロリアの言葉に曖昧な言葉を返す。 解らないと言うのを避けただけともいうが、 無論、表情になど出さずに]
しかし、…皆に死ねと言って走り去る占い師よりも ここに最後まで覚悟を決めて立ち続けている占い師の方が ――― 好ましくは思うよ。
(138) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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だが、…本当に サイモン君は――― 酷い男だ。
[>>131 辛い、と言うピッパの言葉に同意を示すよう]
けれど、
[小さな魔女の人形になってしまった彼、 いつも変わらない会話をしていた日々を思いだしながら]
…嫌いではなかったのだよ。 むしろ、その逆だったというのに―――
[言葉の最後は 小さく。]
(139) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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[ぐさり、とルーカスに背を刺されて以来、言葉に刺された事はなかったが、ボリスの 『馬鹿にもわかるように言わないと、 どんな推理も説得力がないッスよ。』 は、探偵の心を見事に刺し貫いたようだった。]
っ、… 精進 する。
[シメオンを追い掛ける面々は、見送るつもりで]
(143) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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[グロリアに手を差し伸べるルーカスの姿を切れ長の瞳は捉える。彼は亡霊ではない。自称占い師達が証明せずとも、そう思っていた相手。]
ルーカス君、どこか行くのか?
(152) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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成程。
では、この帽子は私がここで預かっておこう。 ルーカス君が、無事に戻ってこれるように願いを込めて。
[彼の帽子は随分と自分の頭に馴染んでいた。 ルーカスの優しいまなざしに、うむりと、頷きを返す。
―――それから、 少しだけ、無言でそのまなざしを見つめ返す 間。]
グロリア嬢の手を、離すなよ。**
(160) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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>>162
…ルーカス君、 私の仕事で猫探しの次に多かった依頼は 浮気調査だった事をなぜか、今、思い出したよ。
[既婚者であるルーカスが、グロリアの身を寄せる姿を見れば 切れ長の瞳はやや大きく見開くが、オホン、と咳払いひとつ。]
―――うむ。 幸せとは、愛なくして語れないものだ。
[満足げに頷いて、自分はサロンに留まるを選ぶ。 身体はまだ書見台の傍。 ころりと転がる2体の人形の 傍**]
(170) 2013/10/08(Tue) 00時半頃
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