60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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ルーカスは、イアンとフィリパが抱き合う姿をちらと思いだし、苦々しげに眼を伏せる。
2011/08/07(Sun) 20時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/07(Sun) 20時半頃
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──シャワールーム──
[一旦自室に着替えを取りに行き、急いでシャワールームに移動する。 丁寧にシャボンを泡立て洗えば、狭いシャワールームはあっという間に薔薇の香りに満たされた。]
……っはぁ、
[温かなお湯が触れれば幼いそこはたやすく反応を示す。けれど公共のスペースで慰めるのは躊躇われて、結局手は伸ばされない。]
『はやく。もっと貰わなきゃ』
『消されてしまう前に』
『疑われてしまう前に』
[それは、生き餌の鮮度を保ちたい薔薇の思惑かも知れなかったけれど。]
……喉、かわいた。
[よく跳ねる巻き毛はタオルで拭くだけでカールを取り戻す。暑いからと整えるのもそこそこに、食堂へ向かった。]
(116) 2011/08/07(Sun) 20時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2011/08/07(Sun) 20時半頃
イアンは、ルーカスの様子が気になるなら、探そうか?よフィリパに提案とかもしれみたり。
2011/08/07(Sun) 20時半頃
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──食堂──
[パントリーを目に入れないように、意識して扉を開ける。ふわりとコーヒーのいい香りを感じた。]
アディンセル先輩。
[ぺこりと頭を下げてから、共用のグラスの入った棚を開ける。少し埃の被ったそれを水でゆすいで、オレンジジュースを注いで。]
鳥……そっか、フィリップ先輩寝てるから。
[空いているテーブルの、隣の席を選んで座った。]
(117) 2011/08/07(Sun) 21時頃
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― 自室 ―
俺が身体を使ってタラシ込む? 冗談言わないでください。
[怒りに任せて、肩を押した人を見降ろして、哀しげに言う。]
愛情にも色んな愛情があります。 例えば、家族に愛情を感じても、それは肉欲には繋がらないでしょう?
[そうであった人がいることなど、少年の倫理観の中には居ないから。 あの人に肉欲を感じたことはないと、今後もそれはないと ――……今なら言えて。]
――……それに、俺の目には、 とても幸せそうに見えないですよ。先輩。
[壊れた笑みを浮かべる人の頬に、肩から外した片手を添えた。]
(118) 2011/08/07(Sun) 21時頃
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俺が、もし、男を抱いたり抱かれたりすることがあるとしたら 相手にとって、『テオドール=オリオル』でないと駄目な時です。
セシル先輩は、俺でなくてもいいんでしょう? だから、私と俺を使い分けるんだ ……きっと、本当の意味で傷つかなくていいように。
そんなのずるいじゃないですか。 俺の倫理観ぶち壊すつもりなら、 貴方の全てをくれないなら割に合わない。
(119) 2011/08/07(Sun) 21時頃
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[強い語調でいうのは、ともすれば薔薇の香りに誘われてしまいそうだから。
黄金に近い眸は、蜜のように揺れながら、セシルを見降ろす。 への字に結んだ唇が、先程紡いだ言葉は、裏を返せば目の前の人には肉欲を感じたことがあると、密やかな告白ではあるのだけれど。 強く結んだ唇が再度ほどける。]
それでも、俺をどうこうしたいなら、貴方を全てください。 そうでないなら、俺が壊れる前に、今は何処かに行って下さい。
(120) 2011/08/07(Sun) 21時頃
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……エミルトン?
[考え事をしていたせいか、その後輩の存在>>117に気付いたのは、彼がオレンジジュースを手に、隣に座ってからだった。 ふ、と笑みを漏らし珈琲を一口。]
……流石に鳥は飼った事がないからな…… 世話の仕方を聞いておくべきだったと、今になって、……
[浮かべていた苦笑は、次第に、疑いの色を含む。 す、と細められた青磁は、そのエメラルドをじ、と見詰める。]
どうして、ローウェルが眠っている事を、君が知っているんだ?
(121) 2011/08/07(Sun) 21時頃
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聞いたんです。
[素直に答えるけれど、青磁を見つめ返せずに、視線は手の中におちる。]
その、ええと……さっき。ヤニク先輩に。
[誤魔化そうと取り繕えば取り繕うほど、エメラルドはうろうろと揺らめいた。]
(122) 2011/08/07(Sun) 21時頃
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――……、……。……。
[見下ろす瞳。 強い口調。 なのにどうして頬に触れる手はそんなにも。 何かを言おうとして。 言葉にならなくて。 まるで呼吸に喘ぐ魚のように。 結局、相手に伝える言葉は出てこなくて。 漏れるのは]
……俺は……あの人にとって、俺は。 《セシル》じゃなかったんだ……
[震える声。 相手の手を払い、交差させた腕で顔を隠す。 気付かないままでいたかった。 否、本当は気付いていたけれど。 どうして、目を反らせなくなってしまったのだろう]
(123) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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……ごめ、ん…… テッド君……ごめん……ごめん、なさい……
[感情の昂ぶりに呼応するかのように。 意思とは無関係に薔薇の香りが強くなる]
[寂しい] [傍にいて] [自分を見て]
[本当の願いを叶えてあげると言わんばかりに。 根付いた薔薇は他者を惑わす毒を撒く。 空虚な心を支配した茨は、急速に力を増していく]
(124) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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[こんなからっぽのおれが]
[きみになにをあげられるというのだろう]
(125) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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[>>109強く目を閉じる姿、今度こそは間違えぬようと そう思ったのにまた何か間違えた気がして。 イアンが爪を立てる姿には気付かない。 ただ、室内では今まで呼ばれることのなかった 先輩という響きにつきりと胸は痛みを覚えて。]
――…いや、私が傷つくことなど…
[二度も拒んだ手はもう同室者に伸ばすことはできず、 イアンが暗室に居る間は握った拳に額を押し付けて。 どれくらいの時間が経っただろうか、 疼きは完全には拭えず、けれどイアンが出て来た時には セピアの潤みは落ち着きを取り戻し始めていた。]
……薔薇の香…が、原因…か。
[イアンの予測を瞳を伏せて反芻し逡巡の後立ち上がる。 髪を括ろうとしたら押されるシャッター音。 仕上がる写真にはどのような姿が写っていようか。 きっとそれは崩れていく何かを必死に留めようとする姿で。]
(126) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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[部屋の話、元の形に戻った筈なのに何かが違う。 セピアの瞳が僅かに俯くと髪を結わえた真紅が揺れる。]
――…出て行けとなど私が言う筈もない。 …そうだな。 卒業するまでの短い間になってしまうが…、 こちらこそよろしく頼む。
[返す笑みは微かに浮かぶ憂いを隠して。 ルーカスの名を出ると指先が微かに身じろいだが、 緩く首を横に振る。緩く、指先隠すように拳を握り]
……いや、 今は他にすべきことがある。
…眠ったものの様子が見たい… あと…薔薇の香の原因を…探さないと。
[真紅を揺らし、イアンへそう告げると部屋を出た。]
(127) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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カプランに、聞いた、か。
[揺らめくエメラルドの瞳>>122。 何だか、弱い者苛めをしているような気分になり、ばつが悪くなって視線を外す。
すぐにうろたえて、からかいがいがあるのだ、と。 ザックが武勇伝のように語っていた事をちらと思いだした。]
……先程、ローウェルを運んだ時、彼の傍に居たのはロイルだけだった。 それと、……生憎と、僕はカプランの姿を見ていなくてな。
………君は、……
[何か知っているんじゃないのか。 その問いかけは、砂糖も牛乳も含まない、熱い珈琲と共に、飲み込んで。]
(128) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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――……でしょうね。
[顔隠す人の上に落とす肯定の言の葉。 払われた手で、少年は今度は、ぽふぽふと相手の髪を撫でた。]
俺に謝る必要は、なくはないけど。 俺も先輩に謝らないと……ですね。
認めたくなかったこと、認めさせてごめん。
ただ、でも、俺は貴方に……―――
[香る薔薇に酔うように、日頃よりは軽やかに滑る唇。]
私という貴方も、俺という貴方も 全部ひっくるめて『セシル・リリー』という存在が大事なんだって 知って欲しかったんだ。
本人が、ぞんざいに扱うのみてるのは、痛いです。
(129) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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[悪いことをしているなんて思っていない。 けれど、知られてはいけないという思いは確かにそこに。]
っ! ……違うんだ。
[隠しきれないと察して口を開いた。]
僕……フィリップ先輩に、フィリパ先輩にキスしたとこ、見られて、 黙ってて欲しかったらって、襲われて……! それで、そのあと……。
[自分でも驚くほど自然に口から出たのは、巧妙な言葉。嘘ではない、けれど真実でもない。
思い出したのは、恐怖ではなく快楽だった。]
(130) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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>>127
わかりました。
[フィリパの言葉に頷いて、カメラを持って立ち上がろうとして、そのフィルムの残数がないことに気づく。]
ちょっと、フィルム変えていきますね。 きっと、眠ってしまった者は医務室に運ばれたと思います。先に行っててください。
[フィリパの言葉に答えながら、ポケットに手を突っ込んだ。]
(131) 2011/08/07(Sun) 21時半頃
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― 自室〜フィリパが行ったあと ―
[フィリパが出て行ったあと、そのまま、また暗室に入る。 セーフライトを点けると、さっき暗室内のボードから外したプリントが一枚。 なんでもない、部屋の風景をとったもの。それを見て苦笑いをこぼす。]
さてと…。
[ポケットから手を出して、握っていた画鋲をまず置いた。 足にはさっきポケット越しにさしたから、少し、ぬれている気もするけど、たいしたことはないだろう。
そして、薔薇の香の届かない暗室内はやがて薬品の匂いであふれる。 さっき撮ったフィルムを現像して、それから、手早くプリントまで済ませていく。
といっても、それなりに時間はかかってしまうわけだけど…。]
あとは、乾かしてっと…。
[定着までが済むと、そのまま暗室内に洗濯物のようにプリントを干して…。 それから、暗室を出た。]
(132) 2011/08/07(Sun) 22時頃
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[ジョージの言葉を耳が拾う度に、青磁の瞳がゆっくりと、見開かれていく。]
……フィリパに、キス? ローウェルに、襲わ、れ……?
[その言葉を反芻しながら、少しでも彼の言葉を理解しようと。 それでもきっと、動揺は見てとれるだろう。
自分の裏の顔をフィリップが知らない様に。 フィリップの素性>>2:20も、自分は知らない。
目の前の後輩を脅し、襲うような者には見えていなくて。]
そのあと、何だ? 何が、あったんだ……?
[問いかける声は自然と強いものとなる。 この異常の“答え”が知りたくて、知りたくて。
聊か強引に、その小さな肩を掴もうと、手を伸ばした。]
(133) 2011/08/07(Sun) 22時頃
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……やだ。 やめて。 俺に、優しくしないで。
[髪に触れる手。 温かい。 縋ってしまいたくなる]
これ以上、触れてしまったら。 きっと俺は、君が欲しくなる。
[普段は滅多に聞かぬ砕けた口調。 それだけ、取り繕う余裕が無いのだけれど。 けれど言葉とは裏腹に。 花が蜜で虫を誘うように、甘い香りを漂わせ]
(134) 2011/08/07(Sun) 22時頃
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[そして、フィリパのいない部屋に一人。 白と黒にわかれた部屋の境に立った。]
――……恋、か。
[ヤニクに恋をしたと思っている。 ヴェスやルーカスは恋の話には俯き、背中を向けたけれど。
フィリパにも多分、恋になった。 だけど、薔薇の匂いがしなくても、この気持ちはもっていただろうか、と思うとわからない。
もしも、を考えるとキリがない。 だけど……。
今のこの悲しい気持ち。 通じない、通じない、通じない
これは気持ちは本当。 だから、それはきっと本当だと思う。]
(135) 2011/08/07(Sun) 22時頃
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いつか、くるかな。
[そして、憧憬する。 新たな憧憬。
自分が好きな人が自分を好きになってくれる。 そんなことがあれば、どんなに素敵だろう。 きっと、それは、とても難しくて…。
多分、今の自分にはまだ訪れない。]
――……
[しばらく黙って、床を見る。 自分の足が見える。それに苦笑い。
そして、自分の机に向かう。 新たなフィルムをカメラにはめ込んで………。]
(136) 2011/08/07(Sun) 22時頃
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イアンは、ポケットの中にはやぱり画鋲を忍ばせている。
2011/08/07(Sun) 22時頃
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――……さっきもいいました、けど。
[植えつけられた倫理観の端が、先程落としたマグのようにひび割れたのは 誘うような薔薇の香りの所為か 普段は聴けない、同室者の砕けた口調にか。]
貴方にとって、俺じゃないと駄目なら、いいです。 でも、そうでないなら、貴方が振りはらって下さい。
[再度紡ぐ言の葉。 髪に触れていた掌がそっと顔を覆う腕に触れる。
振り払うのは簡単。 捉えるのは、物理的には簡単で、精神的には……どうだろうか。]
(137) 2011/08/07(Sun) 22時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/07(Sun) 22時頃
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や……!!
[肩を掴まれて、漏れ出た悲鳴は嬌声に近い。]
わかんない、お化けみたいな声が聞こえて…… 倒れて、怖くて、逃げちゃったもん……!
『そうだよこの子は何も知らない』
『かわいそうなただの被害者』
[薔薇の精は洗脳するかのように囁きかける。少年がほころびを出さぬようにと。それが正しいのだと錯覚するようにと。 潤んだエメラルドが眼鏡の奥から青磁を見上げた。]
(138) 2011/08/07(Sun) 22時頃
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……すまな、……
少し、……気が立っていた、すまない。 ………
[薔薇の香が強すぎて、頭が痛い。 苛立ちにも似た其れを紛らわす様に、こめかみをぎゅ、と押さえて、ゆるく、息を吐き出した。]
……その目で見るのを、……止めてくれないか
[潤み、此方を見上げるジョージの瞳。
其れに重なる様に脳裏に蘇るのは、似た様に潤み、熱を孕んだ“誰か”の瞳。
――― 誰の、だったか。
思いだせない程に、似たような瞳を、見てきた。]
(139) 2011/08/07(Sun) 22時半頃
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― 医務室 ―
[それから、医務室に向かう。 フィリパは先にきているはずだ。
他にも誰かいただろうか。
そして、ファインダーが見つめるのは、眠ってしまっている者たちの姿。]
(140) 2011/08/07(Sun) 22時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/07(Sun) 22時半頃
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……ずるい、よ。
[否。 分かっている。 卑怯なのは、自分だと]
そんな、事。言われても……っ!
[名前を呼んで。 自分を見てくれて。 嗚呼、あの時。男して抱かれた時。 あの時にも感じた。 心の隙間が埋められる感覚。 たとえそれがいずれ茨に埋め尽くされるのだとしても]
ずるい、ずるい…… 欲しく……なる。
――――テッド……
(141) 2011/08/07(Sun) 22時半頃
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[ゆるりと首を振る。気にしていないと示すように。]
せんぱい、熱い……。
[目を伏せても、もぞりと内股をすりあわせる様は、今まで彼の前を通り過ぎていった者たちと同じ、なのだろうか。 フィリップとのことを口に出せば思いの外ショックで。寂しさなのか熱なのかわからなくなって、ただ誰かに縋りたい気持ちを久々に思い出していた。]
(142) 2011/08/07(Sun) 22時半頃
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―廊下― [>>106 逃げるように走り去った下級生の背を一度見る。 植物に触れるようには、いかない。 過ぎっていたのは、過去でしかなかった。 どこか時を曖昧に感じ始めている、 昨夜は遠いのに、過去は鮮明で。現在は……どうだろう。]
――……せめて、 ランディみたいに穏やかな眠りなら、
[呟きながら、自室に戻り鉢に水をやった。 自室の花の香に、すこし落ち着きを取り戻したけれど、 そのささやかな願いはかなってはいないことを知らない。 花の手入れを済ませれば、また廊下へと出て、 ――現実を確かめるように、その足は医務室へと戻った]
(143) 2011/08/07(Sun) 22時半頃
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……其れで?
[口をついて出たのは、酷く、平坦なトーンの声。 嗚呼、結局、こんな時でも何時も通りだ。
誰であろうと、一緒だった。 潤んだ瞳で此方を見て、熱の籠った言葉で囁く。 「条件なら、守るから、早く」 と。
懇願するように、強請るように。]
其れで、君はどうしたいんだ?
[ジョージへ向ける問いかけもまた、何時も通りで。]
(144) 2011/08/07(Sun) 22時半頃
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―医務室― [医務室にはイアンと、 フィリパもヘクターもまだそこにいただろうか。]
……なにしてる。
[寝台へとファインダーを向けるイアンに、 咎めるような呆れたような声。 声より先に、かすかに茉莉花が香ったかもしれない]
被写体の許可を得ずに撮影するのは、 控えたほうがいいんじゃないか?
[寝台を遮るカーテンを閉めようとして、 うなされるような呻き声にはっとした。 声の聞こえた寝台の傍らには古いギター、一度躊躇いながらその寝台を覗き込む]
(145) 2011/08/07(Sun) 23時頃
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