56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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[何故、と泣き崩れる公女>>81へ静かに声を掛ける。]
これが戦だからだ。 こんなこと、誰も望んでなんかいない。 ただ、戦だからなんだよ、姫様。
[冷たくなったペラジーの体。 戦が終わってから彼女の料理を食べようと約束した相手ももういない。]
姫様、俺たち騎士団は貴女の、この祖国を守るために戦っているんだ。 頼むから中に入ってくれ。 ここであんたが襲われたら、皆無駄死にだ。
[泣いている彼女から視線を逸らす。 直接話してみたいと思っていたが、こんなことではなくもっと違う話が良かったと小さく苦笑した。]
(86) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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―― 回想:砦にて ――
ああ――団長殿。さすがに、万一のときは。ヴァロキエだけでは難しいじゃろうから、赤の参謀府を頼ってくりゃれ。
[さらりと、書付を渡す。越権を避けるため、お互いに避けていた行為を覆さねばならない時が来る時のために準備していたものだ]
……同じ領主を戴く者達、もっと一つになって協力できるものじゃと、わっちは思いんす。 今のうちから、そういう努力を続けていれば、あるいは、わっちらが戦争すること、も……? …はは、すまぬ。まだ何か混乱しておるようじゃ。 じゃが、団長、赤ともっと協力を考えても、良い時が着ていると、わっちは思いんす。
[それだけは団長に告げておいて、彼女は砦を出ていた]
(87) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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変わらねーってのは、良いことだ。
[深緑の森を、視線の先に映しながら]
その絵は、その“現実”を描いてるんじゃないんだな。
[現実>>82を突き付けられ 思いだすのは、赤く染まる、大地。 ふと、視界にも赤が見えた気がして>>85]
…おい、だから安静にって…っ!
(88) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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[遠くで人の声が聞こえる。 近づいて見ればローズマリーとヤニクの姿が見えるだろう。
二人の光景にちくんと胸が痛んだ。]
なんで公女様が泣いてるの? ヤニクが泣かせたの?
[頭の中を駆けめぐる余計な思考。 二人の会話は僅かに聞こえる程度だった。 物言わずぐったりと幼馴染みの腕に収まる目を閉じた友人を目にする時もあと僅か。]
(89) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2011/07/04(Mon) 00時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/07/04(Mon) 00時頃
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>>88違い…ますよ。
この絵は、肖像とかじゃなくて。
そんな本当の騎士の戦いを、生き様を、後世に…残したかったです。
[最後に、荒地を交えた草原に紅を混じらせていく。]
それが、変わらぬ心と、騎士団に従軍し貢献できた…と思う、証にした、い、んで。
[絵筆で描いているのか自分の手で描いているのか、絵の具か血かもうわからない。
ひたすらに。]
(90) 2011/07/04(Mon) 00時半頃
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バーナバスは、何度か吐いている血は手についたまま。
2011/07/04(Mon) 00時半頃
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[そして――予見していた化の様に、彼女が帰ることはなかった]
…ふふ。ああ、失敗した、のぅ。
[そこは読み通りの隠し陣の傍。辺りは、『敵兵の血』で赤く染まっていた]
そりゃあそうじゃな。一番ビンゴじゃと思ってる場所に、わっちが行ってしまっては――。いかん。
[辰と藤には、情報を持ち帰ることを優先させ、逃がした。彼女は――足に矢が刺さっていた。毒矢だ]
逃げられなければ――殲滅するのみ、じゃったな。はは、は。なんじゃあ、わっちも、やれば出来るでありんした。
[隠し陣地に居た敵兵は少なかった。ほんの9名ほどだ。だがその全てを、ソフィアは絶命させ、事実上陣を破壊していた]
(91) 2011/07/04(Mon) 00時半頃
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[白いフードは友人のトレードマーク。 そのフードが幼馴染みの腕から見えれば思わず目を見張る。 友人は呼吸もしていないかのように何も動かない。]
ペ…ラジー?嘘でしょ? 寝てるだけだよ…ね。
[とっさに考えた有り得ない思考。
有り得ない。有り得ない。有り得ない。 女の思考も彼女の死も。 女はその場を立ちつくした。]
(92) 2011/07/04(Mon) 00時半頃
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ローズマリーは、泣きながら、横に現れた女性に、顔を向ける
2011/07/04(Mon) 00時半頃
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…後は、と。
[発破を取り出す。大きな音と光を出すタイプだ。これで大まかな位置と、何があったかを、他の2隊にも伝えられよう。…当然、自分は無事ではすまないが]
…なんじゃろうな。何故か、怖くないのは…。 本当に、生まれ変わりがある様な気が、しているから、かの。 ――彼らに、会えるならまあ。どちらでも、良いか。
……済まぬな。団長。ヤニク――
[震える手で火打ち石を打つ。発破に着火して――真上に放り投げた]
(93) 2011/07/04(Mon) 00時半頃
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[最後の紅混じりの一筆を入れると、その手を落とした。]
――これ、残せるなら残して、無理そうなら、埋めてください。
[顔を上げた。 見届けてくれたイアンに最期の言葉を言いたくて。]
見届けてくれて、あり―**
(94) 2011/07/04(Mon) 00時半頃
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ソフィアは、森の一角で、大きな爆発が起こった――**
2011/07/04(Mon) 00時半頃
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