17 吸血鬼の城
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───…。
[自らの零した言葉が、人ならざるものの聴覚に捉えられているとは思いもよらず。
けれども、思い描くのは──、]
マリーねえさま…、わたくしも「諦めない」
[囁くような、小さな呟き。 胸元に握ったのは、古びた一本のペン。 恐らくは銀の羽根飾りとほぼ同じ年月を過ごしただろう、今は持ち主を喪った形見でした。]
(85) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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執事見習い ロビンは、記者 イアンは果たして「黒薔薇」の入れ墨を知っているのか否か。
2010/06/23(Wed) 01時頃
執事見習い ロビンは、花売り メアリーに話の続きを促した。
2010/06/23(Wed) 01時頃
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[此処は血の匂いに満ちている。 心が乱れそうになるのはこの匂いのせい。 自らにそう言い聞かせセシルに頷き一つ向けて]
ええ、あまり此処に留まりたくないわ。 でも……、部屋に戻って一人きりになるのもいや。
[女の眼差しが吸い込まれるように天国の青を見詰める。 子供染みた我が儘な言葉を口にすれば 彼を困らせてしまうだけだろうか。 それでも言葉を取り消すことなく彼の反応をうかがう]
(86) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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―白薔薇の間―
[はじめてここに来た時、かけた場所、 そこには詩人がいて、何か嘆いていた。
その同じ場所に座ってみる。
そして、白薔薇の棘に指を押し当てた。]
ああ……
[つぷりと、指に咲くのは、 あの時の詩人の指と一緒で…。]
(87) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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>>71>>82 ……変わってしまった…… そういえば言っていた。あの城主が…… 喰らうだけじゃなくて力を分け与えることもできるって。
[不安そうに胸の銀の翼をぎゅっとにぎる]
……心は、同じ……?
[よく分からず首をかしげる]
(88) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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>>75 [貴族のような言葉遣いをするメアリーが こうも気丈に振る舞える様子に感心し 男は人の悪い笑みを浮かべる] おう、その通りだ。 嬢ちゃんは強いな。
[その強さが人知を超える力に打ち砕かれないことを少しだけ祈った。 祈ったところでどうにもならないのは理解しているが、それでも。
>>82]
だから―。 殺すのか?それとも共生の道を探す? [どちらも難しそうだと、男は思う。]
(89) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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ええ、お邪魔してます。
[取材への対応を――黒薔薇の従者には、いいですよと口元に笑みをよぎらせて答える。少女の身体から紋様じみたものが浮かび上がったのを、はっきりと目にした]
そちらもお忙しいでしょう。 俺はただ、俺の見た事を記録しているだけですから。どうぞお気になさらず。
[従者の腕に、黒い薔薇の刺青を見る。 ――薔薇の刺青? 話は聞いた事がある――かもしれない。だが、青年にとって彼はあくまでも一人の従者だった。僅かに首を傾げるにとどめ、ただその状況を見守り続けている]
(90) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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― 廊下 ―
[影に道案内を請いながら、城の廊下をゆっくりと歩む。
浴室まで来て、そこに目的の人がいないと知ると、 もう一度、城の中を探し始めた。
やがて、最初に来た白薔薇の間の扉を開く。]
――サイラス、様…?
[呼びかける声は小さくとも、 そこに、怯える色はもうなかった。]
(91) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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[>>81子供の思いまでは、城主とて読み取れない]
嗚呼、薄化粧か。 其の紋様で何処まで耐性がつくか…… さて、お前の心挫くのも愉しそうだ。
[施された術も全てお見通しだと、城主は哂う。 ロビンの血を口にするのは、初めてのことだった。 苛立ちも眩暈も、潤う身から徐々に薄れていく。 部屋に満ちた血臭も、満たされた今は心地好いだけ]
黒薔薇、取材にはどう対応するのが良いだろうな。 あれは見ているだけで良いらしいが。
[>>84彼を真似る風に首を傾ぐ。流れる銀糸に音は鳴らず]
(92) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 01時頃
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>>91
[呼ぶ声がする。 白薔薇の間、最初にユリシーズがかけていた席で、 声の方向に首を向けた。
そして、毒華の、葬列の乙女の姿…。]
――……どうしました。 何もないなら、逃げることを薦めます。
[そう、またいつ渇きがくるだろうか。]
(93) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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>>90 ……左様ですか。 情報収集というのも、いろいろな方法があるのですね。
>>92 申し訳ございませんが、私もいまいち分かりません。
人間同士の言付けと一緒で、そのまま伝えたい人間もいれば、聞いた言葉をねじ曲げてから他人に伝えるのを好む人間も居ると聞きます。
……さて、イアン様はどちらの部類の記者様なのでしょうか。
(94) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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>>86 [どこか縋るような翡翠の色、 紡ぐ言葉は子供に向けるもののようになる]
……何か悪い夢でも、ご覧になりましたか? お心が落ち着かれるまでは、お傍に――。
[微笑を向ければそれは肯定の意、 常のように手を差し伸べようとして、 けれどその白手袋にも両者の血の跡を見れば、手は留めた]
では、参りましょうか。
(95) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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執事見習い ロビンは、眼鏡の奥にある凍てついた青で、イアンのことをまじまじと観察している。
2010/06/23(Wed) 01時頃
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──…そう、でしたの。
わたくしも、どうしてそうなったかは存じません。 けれども、サイラスさまは──…
[言葉を切り、疑問を浮かべたベネットの瞳をじっと見ました。]
…こころも、記憶も、ひとのまま。
──わたくしには、そう見えましたわ。
[そうして、ドナルドへと視線を巡らせたのです。]
(96) 2010/06/23(Wed) 01時頃
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― 白薔薇の間 ―
… 、…… 。
お怪我は、ございませんか…?
[ゆっくりと近寄って。 あと2歩、というところに立ち止まり、 首を傾げて、問う。]
(97) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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>>92 居ないものとして扱ってくれれば結構ですよ? それとも、第三者に何かを勝手に記されるのはご不快でしょうか? どうせ何を書いた所で、俺はこの城から出られない。どうせ誰にも伝えられない――そうでしょう。ならば何か、お気になさる事でも?
それに、城主様は霧になってどこへでも行く事が出来るようだ。 ご不快なら、立ち去って下さればいい。ただ俺はその事実を記すだけです。『その時、城主は私の目の前から霧になって消え去ったのだ』と。
[当り前の事を確認するように。 城主と従者には、そう言葉を返す。手元のペンの動きは、一度止めていた]
>>94 そのままの事実を、そのままに記録し、そのままに残す。 俺のする事は、それだけですよ。従者さん。
信じられるとか、受け入れられるかとか、そういう事は――考えていません。ここから出られないんだったら、外の人間に受け入れられるも何もないですしね。
(98) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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[セシルの言葉に女は軽く頬を膨らませる]
悪い夢など見てないわ。 また、子供扱いする。
[拗ねた口調は女を幼くみせるだけなのに それには気づかないまま。 傍に、とそう言われれば嬉しそうに眸が弧を描いた]
ねぇ、セシルの部屋に行ってはダメ?
[緩く首を傾げ強請る。 紅い花咲く白手袋の男の手を自らの手を重ねようと そっと手を伸ばした]
(99) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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強くなど──…
[僅かに苦笑して、小さく首を振ります。>>89 けれどもふと止めて、そうして隻眼の青年を見上げました。]
強く、なくとも。 つよく──あれるように、在りたい。
そう、思うのですわ。
[そう言葉を切り、黙って此方を見つめる隻眼に微笑むのです。 無言の祈りは聞こえずとも、無骨に優しい気遣いは静かに伝わってくるようでした。]
…いいえ、いいえ。
(100) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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花売り メアリーは、一度言葉を切り───
2010/06/23(Wed) 01時半頃
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…解放、出来はしないのですか。
────「元」を断てば。
[ずっと考えていたこと。
ローズマリーの揺らぎ、その彼女が城主の魔力に一瞬で攫われたあの光景、サイラスの苦しげな表情を思い返して、そう真剣に口にしたのです]
(101) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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―廊下―
[マーゴットと別れると、踵を返し、自分の客室へと向かう。]
……私に、出来ることってなんなのでしょうか。
[歩きながら、一人ごちる。 自らの客室へと着けば、部屋の隅に膝をつき、祈るように目を閉じた**]
(102) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 01時半頃
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>>97
[目を丸くする。 怪我など………
肩の傷は、血はとっくに止まって、 そう、魔物として、治癒に向かっている。]
――…… 怪我は、たいしたことはありません。
もう、人ではない ですから
(103) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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……そうか、それでは見せるだけにしよう。
[>>94従者の説明を聞くと、一度部屋を振り返り]
既に終わった芝居をもう一度再現する事は出来ぬが 構わぬか?
[記者へ問う。 >>98彼が返すには、 飲み干したワイングラスの縁に残る紅を舐めながら 肩を揺らして笑った]
気に障りはせぬぞ? 可笑しな事をしているとは、思うが。 ……記者というのは、そのような種族なのだろう
(104) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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>>98 失礼ながら、貴方様のような方が、「届かぬ希望」の為に何かを一生懸命書く理由というものがよく分かりませんが……
無学な私には到底理解できぬものなのでしょうね。
[記者から逃げ回ったり彼らを追い払う術は知っていても、それなりに丁重に扱う術を、「黒薔薇」は知らないのだ。]
くれぐれも、城主様に失礼の無いようにお願いいたしますよ。
[…と言うものの、いつその情報が外に漏れ出るやら分からない気がして、ロビンは少し眉をしかめた。]
(105) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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>>68 [「泣くといい」というセシルの言葉に僅かに表情が歪んだ。 ヘクターの友達なのにどうして? ――問おうとして口ごもる。
もし彼の言う通り涙を零せば、自分を甚振りたい魔物たちを喜ばせるだけだから] ……涙なんか、出ない。
[唇を噛み締めてセシルから視線を逸らした]
(106) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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[>>92城主の語る通り、紋様の護りもどれくらい通用するかは分からない。次に睨まれれば、もう終わりかもしれない]
……私を殺したければ、殺せばいいよ。 どうせ、抗うことなんかできないし、生きてたって……何もないもの。
[黒薔薇が主に血を差し出す光景>>69を見せつけられれば、それだけで身体が竦んでしまうし、「心を挫く」と宣言されれば、恐ろしさに涙が零れそうになる。 きっと心を守り通すことすら、不可能事に近い絶望的な戦いになるだろう。 でもそれだけが、何も持たない自分に出来るただ一つの抵抗]
(107) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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>>99
――いえ、申し訳ございません。 ああ、そのように頬を膨らませては……
[その仕草も愛らしいものでしかなかったけれど。 そして請われた言葉には2度3度、瞬く]
それは……構いませんが、 ――面白いものなど、何もございませんよ。
[血の咲くその手に彼女の手が重ねられれば、 それについてはもう触れずに執事控室へといざなった]
(108) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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… そ、れは――
――よかった…です …。
[ほのりと、微笑んで。 一歩、近づく。]
たとえ、あなたが人でなくなっていても――
…いて、くださることが嬉しいと。
―― そう、思ってしまうのです。
(109) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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奏者 セシルは、靴磨き トニーの口唇をかみ締める姿に、一度、眼差しを伏せた
2010/06/23(Wed) 01時半頃
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嗚呼、その気が失せた。
[殺せば良いと言う子供へ、あっさりと言葉を返す]
そうだな、また 気が向けば遊んでやろう。
[くつくつと、浮かべる笑みは 黒薔薇の血で満たされたお陰で上機嫌。 艶を増した城主は、先刻までの暴言も水に流すと言う風]
(110) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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あ、ええ。構いません。 俺が辿りついた時には、もう惨劇は終わっていたんです。俺が書くのは、俺の見た事です。全てを知ろうなんて事は思いません。
[城主の問いかけ>>104には頷いて。 彼の笑い声は、こちらまで届くだろうか。とにかく、肩を竦めた]
俺も、あなた方『吸血鬼』を理解することはできませんし――したいとも思いませんが。 そういう種族なのだろうなとは、思うようには、しました。
(111) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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>>109 ――……ッ
[一歩近づく娘に、目を丸くする。 視線はそれから何か迷うように揺らめいて、
また床に落ちた。]
人でない、のなら まだしも 私は今、人を殺す……
魔物です。
[声が震える。]
なので、いて嬉しいなどは ありえない。
[微笑みを見ることはできない。]
(112) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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>>105 届かなくとも、残ればいいんです。
[ドナルドに、もう一度心の中で謝罪して告げた。 自分が生き残れるとは――到底思えなかったから]
はい。 まあ、人間の常識における『失礼』の範疇には触れないようにしますよ。俺は人間ですので、吸血鬼の流儀に関しては全くの無知ですからね。
(113) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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[謝りながらも窘めるような言葉に 気恥ずかしげに一度視線を落とし]
セシルの部屋だから行きたいの。 貴方が暮らしている場所を見ておきたいのよ。
[邪気無く微笑みセシルと手を繋いだまま 彼の部屋へと向かう]
(114) 2010/06/23(Wed) 01時半頃
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