56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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………………………。
[暫くの沈黙の後、女は静かに口を開いた。]
参謀殿はファイフと言う楽器をご存じですか? 簡単に言うと横笛です。 戦いの火蓋が切って落とされた日から数多の兵が亡くなりました。苦しいことですが…死者はもう戻って来ない。
[突然話出す脈略のない話。 風が優しく吹き始め、女の長い髪の毛を揺らした。]
楽器…好きなんです。奏でる人の心情がそのまま現れますから。 そして私はあの日から毎晩、ファイフを吹いています。
ここでは敵に見つかってしまうので奏でることは出来ませんけどね。
[女が毎晩奏でる音色。 それは死者を弔う優しいレクイエムだった。 女は願う、死者達の来世が今よりも少しでも良い世界になることを]
(56) 2011/07/03(Sun) 22時頃
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―― ミッシェルと話をしていた頃>>56 ――
ファイフ? ほう、横笛か。フルートのようなものかや?
[さほど楽器に詳しいわけではないが、どうやら小さな横笛のようだ]
然様か。……そうじゃな、砦内なら構わぬな。 隠れるも何もない場所じゃから、皆の休養の邪魔にさえならぬならば。
[そう、少しは――楽を楽しむくらいの余裕もなければ、戦にもいい結果は出ない]
(57) 2011/07/03(Sun) 22時頃
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ん?ペラジーが戻ってきてない? どこに行ったんだ?
[近くにいた看護師が話しているのが聞こえ、そちらを見る。 聞けば解毒剤がないからと森へ摘みに行ったという。]
森に? ……まさか!
[解毒剤になる薬草が生えている場所は、以前ペラジーに聞いたことがあった。 その場所は確か、先程ヴェスパタインが狙われた場所の近く。 嫌な予感がし、走り出す。]
(58) 2011/07/03(Sun) 22時頃
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― 回想・医務室 ―
[声を荒げる公女>>42には、 それ以上なにも言葉をやらなかった。
ただ、微かに聞こえた呟き。 「どちらも生き延びる」という言葉には 彼女の胸に潜む、“願い”が少しだけ、表れていた気がして]
(59) 2011/07/03(Sun) 22時頃
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― →医務室 ―
[>>41動けない、と言われれば どういう運び方をしたのかはご想像にお任せするとして、 とにかく彼を医務室まで連れて行っただろう。
そこには、もう公女の姿は無かっただろうか。]
…安静に、か。 疲れたんだろ、きっと。
[しかし診察中の彼をちらりと見れば、 血を伴った咳を何度かしていて。 それは、ただの疲労でないことは確かだった]
(60) 2011/07/03(Sun) 22時半頃
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―― 砦内・中庭 ――
[最初の激突があった夜。敵陣が退いた事を確認し、めいめい、砦に退却していた。緑騎士団長ダニエルの姿を見つけ、そちらへと向かう]
団長。…すみませぬが人払いを。
[周囲から他の騎士を遠ざける様願い、する話は多くない]
既にお聞きやもしれませぬが。副団長が、討たれました。……ヴェスパタインより、わっちも聞いておりますし、その上で推挙します。 次期副団長――幹部に、ヤニク・ヴァロキエをと。
(61) 2011/07/03(Sun) 22時半頃
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…副団長を看取ったのは彼でありんす。その時の冷静さと判断力は、十分信に足るものでありんした。
[至極真面目な表情で、淡々と続ける]
もう一点。どうも捕まえた捕虜が逃げているようでありんす。 …テオドール。セシルの近習の者との情報もありんす。
[まだこの時点では、それがオスカーにより討たれているという情報は、彼女までは入っていなかった>>38]
そして、ヴェスパタイン副団長を射た矢じゃが……クリストファーの部隊の印があったとの事。 また、副団長は…戦場で奴の姿を見なかったそうでありんす。 十中八九。森側に潜んでいるかと。
(62) 2011/07/03(Sun) 22時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2011/07/03(Sun) 22時半頃
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>>60疲れただけ…はは、体の中から溢れていく、漏れている何かを感じるん、ですよなぁ。
はは、ペラ殿だったら、はっきりと言ってくれる、だろうかなー。
[まだ見ぬ救護兵の姿を思い出して、自らの死期を悟った。]
寝てたって、ただ死ぬのを待ってるようなもんですわ…。わがまま一つ、させてもらいますよ。
[上半身に力を入れればを起こすことができた。誰かの手助けを借りたかもしれない。]
(63) 2011/07/03(Sun) 22時半頃
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最期なら、自室に。 描かなくちゃ、ならんです。
[おぼつかない足取りで地に立てば、歩は目指す場所に。
看護士が止めても、間際とは思えぬ力で、それを払い除けるだろう。]
(64) 2011/07/03(Sun) 22時半頃
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[額に手を当てながら]
…この辺りには、アメルンやララントといった町や村は無かったはず…じゃよな。
[どうも何か別の情報が混ざる。疲れているのかもしれない、と思う]
もし敵が補給拠点を隠しているのであらば、脅威になりんす。 ……相談なのじゃが。わっちの手勢の斥候数名と共に、調べてきてもよいじゃろうか。
[危険は承知の上だが、確実な情報が必要と、ソフィアは考えている事をダニエル団長に伝えた]
(65) 2011/07/03(Sun) 22時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2011/07/03(Sun) 22時半頃
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おいおい、大丈夫かよ。
[生気でも抜かれてるのでは無いか、 と思われる口ぶりに焦りを覚え。]
…そういや、さっきまでペラジー居たのにな。 どこ行ったんだ。
[きょろきょろと視線を動かしても、 見知った白フードは見つからなかった。 そうしている内、傍に居たバーナードがよろよろと医務室を抜け出していくのが見えて]
…って、おい! 安静にしてなきゃいけねーんじゃ…!
[―――描く、最期に、何を?]
(66) 2011/07/03(Sun) 22時半頃
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― 砦外 ― [砦を出て森へ向かおうと足を向ければ、森の入り口付近で血まみれで倒れるペラジーとその体を助け起こす者の姿が見えた。>>44]
おい、どうした。 そこは危ないから中へ入れ。
[フードを被り、服もポンチョで見えない為にそれが公女だと気付かず声を掛ける。 辺りの気配を探り、敵が居ないのを確認し傍へと駆け寄る間に上がる声と音。>>45]
何やってるんだよ! 止めろ!
[駆け寄って見れば、ペラジーの首には矢が刺さり血が抜け白くなったその顔には僅かに涙の跡があったか。 光が消えたその黒い瞳は何も映さず、命が尽きていることが分かる。]
(67) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2011/07/03(Sun) 23時頃
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― 回想 ―
正解です。想像して頂いた姿で合っております。 大きさは丁度これくらいです。
[女性の返事はファイフの姿形とよく似ていた。 女は左右の人差し指で20p程間を開けて大きさを表した。]
はい。今夜は…ヴェスパタイン副団長の為に奏でようと思っております。 私はお世話になりっぱなしでしたから。
[思い浮かぶは父のように叱ってくれた彼の姿。 そして女は安否を心配してくれた大事な友人が亡くなっているとまだ知らない――]
(68) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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[滅多に話すことのない女性との会話。その最中に応援部隊が駆けつけた。 彼女の専属護衛も合流すれば、女は敬礼をしその場を離れる。]
(69) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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『無事に帰ってくるって信じてる。』 [急に思い出す友人の言葉。ヴェスパタインのことが頭を過ぎった。]
ペラジー…大丈夫かな。 彼女に限ってそんなことはないと思うけど。なんだろう…無性に逢いたい。
[虫の知らせとでも言うのだろうか。急に髪の毛を止めていた髪留めが壊れ、女の長い髪の毛がはらりと舞った。]
(70) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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― 医務室→自室 ― >>66絵を、描くんですよ。こんなときに、呑気、かも、しれませんけど…
[誰かの助けがあれば助けを受けて、でなければ一人で、自室に向かうだろう。]
(71) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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お前、何を考えている。 こいつが何をしたっていうんだ。
[と、そこまで話して相手が公女だと気付けば驚いたように固まる。]
げ!姫様?! 何でこんなところに。
[砦の中で守られているべき彼女が何故こんなところにいるのかとか、それよりも公女とは知らずに話しかけてしまいどうしたら良いのか分からず、視線が泳ぐ。]
(72) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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絵、絵か…。
[おぼつかない足元を見て、あー、と頭をかく。
―――彼の“最期”に、付き合ってみたいと思った。 自室へ向かうと言うならば>>71、それを手伝っただろう。]
(73) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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― 自室 ―
>>73はぁ、はぁ…ありがとう… さ、始めるんだよ。
[危篤に近い体とは思えない手際の良さで準備をする。
立て掛けられたのは見張り台に居たときに下書きし、その晩に筆を進めていた、戦場となった砦先の平原だった。]
(74) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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― バーナードの自室 ―
…
[絵を描く準備が進められれば、 そこに表れたのは、戦場となった平原で。 ベネットを始めとした、 そこで死んでいった仲間を思いだし、顔を歪めた。]
…おっちゃんそういえば、 騎士団に憧れてた、とか言ってたっけ。
[部屋の隅の椅子に腰かけながら、聞く。]
今でもそう思うか?
[戦が始まって、人が次から次へと死んでいく この平原を見ても、それは変わらないのかと尋ねた。]
(75) 2011/07/03(Sun) 23時半頃
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ローズマリーは、狼藉を働いたヤニクにも、何も言わないまま
2011/07/03(Sun) 23時半頃
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― 砦外 ―
[友人はいつも医務室へいた。 しかしこの戦では恐らく薬草も切らしていると女は思い、普段薬草を採っていると自慢げに話していた彼女を思い出す。]
ペラジー?いるか?
[微かな声で友人の名を呼ぶ。その声も何処まで届いていたかわからない。 先程の襲撃を思いやれば足取りは慎重に進むだろう。]
(76) 2011/07/03(Sun) 23時半頃
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[描きかけのそれは、澄みわたる空と碧に萌える平原、深緑の清々しいの様。]
>>75…こんな年になってもね、騎士団に入りたかったんですよ。
[イアンの質問に応えるように、言葉を出していく。
キャンパスでは、その澄みわたる空を少しずつ澱ませていく。]
だからね、こんな年でも、どんな形でもあれ、騎士団に関われるのは嬉しかったんですよ。
(77) 2011/07/03(Sun) 23時半頃
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[無礼な言葉>>67は、聞こえていなかった ただ目の前の彼女に対する憎しみと妬み、嫌悪感が優っていただけで]
別に……少し、外の空気を、吸っていただけですわ
[問い>>72には、曖昧に笑んで答える 視線が泳いでいる事には気付かない 普段なら乱暴な言葉遣いに怒りを顕にするところだが、今はそんな気分でもない
死んでも良かった、などと公女の立場で、言えはしない]
愛する方が、向こうに居ますの 会いたくなった、だけですわ
[向こう、と言いつつ、具体的な場所を指し示す事は無い 言ってはならない、最後の礎 腕の中のペラジーを、ぐ、とヤニクに押し付ける]
彼女は……何でも、ありませんわ 連れて行ってくださる?
(78) 2011/07/03(Sun) 23時半頃
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[一つ大きく息を吸い、内心の動揺を隠す。]
姫様、此処は危険なんで中に入ってくれ。 先程副団長――ヴェスパタイン副団長もやられた。
今のところ気配はないが、いつまた来るかわからない。
[向こう、と公女は言ったが>>78、それが敵の方を指しているとは思わず、しかし何か記憶のどこかに引っかかるものを感じる。 しかしそれが何か思い出そうとしても、崇拝している公女が目の前に居るためにどこかまだ冷静になれないでいた。
押し付けられる形でペラジーの体を受け取れば、その開いたままだった瞳を閉じてやる。]
(79) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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…そうか。
[キャンパスに広がるそれは、 空の青や平原の深緑といった色ばかりで。 あの時、あの平原で見た“赤”は無かった。]
俺も、嬉しいな。
[自分達が此処に在るのは、彼らのお陰でもあると。 一人じゃない、とそう言った衛生兵の言葉が頭に過る。]
(80) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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や、られ…… セドリック・ヴェスパタイン副団長様が……?
[思わぬヤニクの言葉>>79に、すう、と瞳が細くなる 無事でない、そう、分かってしまった]
う、そ……そん、な、何故……?
[頭の中をぐるぐると駆け巡る恐怖 愛するものが、壊れていく 愛する国が、愛する騎士団達が、壊れていく
中に入ってくれ、との言葉も、もはや頭に残っていない]
どうして、そんな、どうして……ベネット様にひき続いて、セドリック様まで! 何故、こんな事に――こんな事、願ってなんか、おりませんわ……!
[幾度目かの涙だろうか その顔がまた涙に彩られると同時、顔を抑えながらその場にかたんと膝をついた]
(81) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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>>80イアン殿の言う通りですよ。
現実は……町での華やかな物とは違う、血と死が入り乱れた。親しき仲間が死んでいった。
[深緑の森はより重厚に、互いの心算が交錯するように。]
でも、その様を見ても、やっぱり変わらないんですよ。
(82) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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―― 森周辺の草むら ――
[いくつかの問答の後、結局彼女が動く事になっていた]
…3手に分ける。3名ずつ3方へ。 敵の布陣、そして攻撃の角度から考えてこの範囲じゃ。
[さっと地図を開き、手勢の者に簡単に説明をする。彼女も今は頭巾を被っていた。今は参謀職であるが、元々は諜報員だったのだ]
鉄と竹がそれぞれ指揮を執れ。辰と藤がわっちと参る。――目的は敵の隠し陣の発見じゃ。よし、散れ。
[位置は、ペラジーが襲われた場所からはやや離れていた]
(83) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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― 医務室 ―
[主の姿を探して医務室まで来てはみたものの、部屋の中を探しても彼の姿は見当たらず。]
おい、イアン・レッドフィールドの姿を見なかったか?
[その辺にいた看護師などに問いかけただろうか。 ペラジーの姿も探すけれど、見つからない。]
(84) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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戦の現実を見てね、最初はすくみました。
でも気づけたです、不謹慎かもしれませんがね、初めて騎士と肩を並べられた、なんて、思うんですよ。
[平原は碧から少しずつ、踏み荒らされ荒地化された色を交えていく。]
この絵はね…それでも―ぐぶっ!
[込み上げる何か。 せりあがる、恐らくは血だろう。]
(85) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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