162 絶望と後悔と懺悔と
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[通信施設の不能、 ただならぬ事態であるのは明白だろうが、 新手の気配は今のところなく、 目の前には敵意のない存在しかいない。
――だから、 リカルダの言葉を黙って聞く。 苦しめないで、何も言葉は出てこない。 言葉の出てこないことで、 自らそれを肯定していることに気がついた。
>>383“養成所”キャロライナはそう言った。]
(417) 2014/02/11(Tue) 20時半頃
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[「生きて戻るから」とサミュエルと約束をして。 どんなことがあっても耐えてきて。 今その約束は既に果たした。 真弓も死なずに彼に会える筈。 その後のことは…あの2人次第だ]
…どうすればよかったんだろうね。 どうしたら、こんなことにならなかったんだろう。
ねぇ兄貴。教えてよ 俺はいつをやり直したら後悔しないで生きてこれたんだろう
もう、わかんないんだ。
[何合も切り結び、切り傷から血が流れる。 周りにいた下っ端吸血鬼や兵士は巻き添えをくったものも多かっただろう]
(418) 2014/02/11(Tue) 20時半頃
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……キャロライナ、 戦況はあなたたちの劣勢よ。 どうして、退却をしないのかしら。
今、いちばんえらい人はどこ?
[抑揚の無い声が問う、 ひとつ理解した、ぴしりと何かがひび割れる]
それと――……、 あなたたちにコレを与えたのは、誰?
(419) 2014/02/11(Tue) 20時半頃
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マユミは、リカルダの刃がキャロライナの武器を撃とうとするのを、見つめて。
2014/02/11(Tue) 20時半頃
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[『狂った』ように喚きながら 横薙ぎに振るわれる爪の一閃。
誘い通りの攻撃を直円が振り被った瞬間に 絢矢は強く地を蹴り上げ、 鋭い先端が絢矢のいた位置を通る時には、 絢矢は既にその懐にいる。]
直お兄ちゃん
[>>416否定されても兄と呼ぶのをやめない。 もう家族は死んだと、円に告げた言葉の矛盾。
再び直円の攻撃が来る前に、 絢矢は直円の背に腕を回し、 怖がらせないよう、そっと抱き締めた。]
どんなに変わってしまっても お兄ちゃんはボクのお兄ちゃんだ──。
(420) 2014/02/11(Tue) 21時頃
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一人で『陰謀』に立ち向かおうとしないで。 お兄ちゃんが今辛いのは、 あの日、ただ護られることしか出来なかったボクの罪。
その辛さ──ボクに預けて、
もう、楽になっていいんだよ───。
(421) 2014/02/11(Tue) 21時頃
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アヤワスカは、直円の背を撫でながら、漆黒の刃をその項へとあてがった。
2014/02/11(Tue) 21時頃
サミュエルは、アヤワスカと直円のやりとりを知ることはない。
2014/02/11(Tue) 21時頃
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……これはぁなんの「陰謀」だぁ?
[冷静さを失っているように見えた。 だが、それは敢えて「直円」ではなく、「御器被」として、 努めて「御器被」としてあろうとしているようで。]
………。
[背中に回された手。もう「御器被」は抗えなかった。]
(422) 2014/02/11(Tue) 21時頃
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誰の陰謀でもない
───ボクの、願いだ
[母を殺めた罪の名が──兄の頸へと深く沈み込む。]
(423) 2014/02/11(Tue) 21時頃
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………か……はぁ?!
[硬直したように口を大きく開く。 白眼を剥いて、がくがくと。その身体は痙攣している。]
……首級………持ってけよぉ。「御器被」の首級なんてぇ…… 何のぉ………価値があるかぁ…………だけどぉ。 軍功…………だぞぉ………………?
[血を吐いた。凄まじく血を吐いた。 あくまで、「御器被」として逝くつもりか。]
(424) 2014/02/11(Tue) 21時頃
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和算家 直円は、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 21時半頃
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[何人殺したかを数える、という発想はなかった。 ただ、一人を殺せばその兵士には何人かの仲間がいる。 一人が喪われれば何人が怒りに叫びを上げ、 何人が死ねば何十人が復讐に刃を向けるのか]
――っ、
[さすがに血を流し過ぎたか、少しぼうっとする。 戦の途中ではあったけれど、背に腹は代えられない。
その他の何人と同じように心臓を突いた人間の 首筋にがぷりと噛みついた。 時間は掛けられない、一口啜って死体を振り捨てる。 喉を鳴らして、手の甲を雑に拭う]
(425) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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涼平君、少し移動しよう。……もう少し、安全な所に。
[不殺はある種、殺すよりも難しい。自分も手負いだ。 零瑠と合流して、敵の退路を塞ぐような真似をやめれば、 多少は継戦も楽になる筈。]
(426) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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[痙攣する躯を左腕で強く抱き、 耳許に唇を寄せて頷いた。]
貰うよ──首も躯も。 血の一滴さえ、もう奴らになんて渡さない。
[桜の花の舞うように、絢矢は上体を後方へ反らし]
一緒に帰ろう──みんなのところに。
[腰を限界まで捻り、 戻る勢いを利用して────一閃。]
(427) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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やれやれ……強く、綺麗になったな。絢矢くん。
嫁入る……までは、顔に気をつけ―……
[ザンッ―…… 世界が 逆さまに 見えた**]
(428) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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[鋭い切断面を晒す首筋から 噴水のように噴き上げる血飛沫を浴び
転がる兄の頭部を──絢矢は凝(じっ)と見詰めた。]
(429) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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[そして不意に切り結ぶ手を止める。 長い苗刀の太刀筋は何度かいなしたけれど 彼の実力はさすがというべきか。 刀を受けた圏の刃は所々欠けてしまっている]
さすがだね、兄貴。勝てないよ。俺は。 でもさ。
[また一度、後に大きく跳び]
死ぬにしても、殺されたい相手はアンタじゃないんだ。ごめんね。兄貴。 …そいつに殺されなかったらまた会おうよ。
[後世であれば雑技団にスカウトされそうな身のこなしでふわり跳ぶと、その姿を消す*]
(430) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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[結局、直円と絢矢の戦闘には介入せず。 と言うよりも、流石に懐に入ってから直円の事を切り裂くと言う行為に介入など出来る訳もない。
転がる直円の頭部>>429]
やってくれるじゃない、あたしの眷属を倒すなんて。
まぁ、あの子の甘さもあったみたいだけれどねえ。
(431) 2014/02/11(Tue) 21時半頃
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アヤワスカは、直円の首と躯を、ホリーから守るように抱き締めている**
2014/02/11(Tue) 21時半頃
サミュエルは、周を置いてどこかにいくことはできない。
2014/02/11(Tue) 21時半頃
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何の真似かしら?
……あたし達には渡さないとか言ってたっけ。
[直円の首と身体を守るように抱きしめる絢矢の事を蹴倒して。
それでも首や身体を手放さない彼女に何度も蹴りを見舞っていく。もちろん、大ダメージを与える事が目的では無いから加減しているのだけど。]
殺した相手の身体をそうやって守るとは。 良く分からない子ねえ……
(432) 2014/02/11(Tue) 22時頃
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まさか直円が今日まで何も悪事をしていないとか思ってる?
今まで、散々訓練や食事はしてきたわ。 とっくに血塗られた道を歩いてるのよ。
[絢矢を足蹴にしながら、そんな事を口にして。 そういえば、と思い出したように。]
ま、貴女にしたって直円を殺したのだもの。 ずっと孤児院で一緒だったのにね。
(433) 2014/02/11(Tue) 22時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 22時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 22時頃
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− 尖塔 −
[どうやら感動の再会はそこかしこで恙無く行われているようだった。 その結果がどうであろうとも、片方に与えられた命令は 残酷なもの。 決して手を取り合って逃げる事も、吸血鬼達に挑む事も 主達が生きている以上は不可能だった]
おや。 落ちたか。
[他の吸血鬼達が落ちても気には掛けなかったが、 初陣の雛達の気配には注意を向けていた。 この戦いで最も楽しみにしていた所だからだ]
(434) 2014/02/11(Tue) 22時頃
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和算家 直円は、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 22時頃
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すまねえ――。
[零瑠と対峙し、一歩も退く気配を見せないサミュエルに詫びる。 負わされた傷は重く、二刀は零瑠の手の内にある。 どうしたって足手まといににしかなれない。
五年前と、同じように]
(435) 2014/02/11(Tue) 22時頃
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――……理依も、かよ。
[サミュエルが告げる事実>>415に、重く呻いた。 他の仲間の行方を尋ねたとき、零瑠が言葉を濁した理由がわかった>>225
気になるのは彼女。周を慕い、手を取ってくれたリカルダのこと。 いつかの帰り道、周を最初に受け入れてくれた三人の少女のうち、彼女だけがいない。
無意識の裡に、重ねられた手の暖かさを思い出していた]
(436) 2014/02/11(Tue) 22時頃
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―戦場・司令部近く―
[外に出た明之進がどんな目にあったか覚えている。城の中で、吸血鬼達が何と言っているのか知っている。 わざと家畜に皮膚を浅く裂かせ、流血に気を失う零瑠にこれも教育だと嘲笑って居たことも。
お気に入りの『雛鳥』達は、 孤立していた。孤立させられていた。]
(437) 2014/02/11(Tue) 22時頃
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[もしも――…周が『自由』をくれるなら。 連れて行ってくれるのだろうか。
かつての孤児院のような、夢に表れる屋敷のような。そんな新しい場所に。]
(438) 2014/02/11(Tue) 22時頃
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『死体を捨てろ。』
[吸血鬼の助言に片眉が上がる。]
『遺体を返せ!』
[守護部隊員の脅言に眉が寄る。 何れも学帽の内側で。]
此はまだ生きている。 南方周は、『仲間』ではないのか?
―――君たちの、『家族』ではないの、か?
(439) 2014/02/11(Tue) 22時半頃
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>>435
おまーは謝るな。
[詫びる周にそう言い捨てる。 こいつは変わらない、でも、その変わらないこそ、 俺らが惹きつけられるヤツだと、知っているから]
零留、とりあえず、周を置いて退け。
[零留の姿、そして、リーの姿。 ホリー・ニルヴァーナの笑みから、きっと あの5年前、孤児院から消えた面々は、吸血鬼にさせられている。 それを想像するのは容易かった。
表情には出ていないけれど、その事実は重い。 一人の時だったら、きっと涙がこぼれ出る。
だから、今は逃避を選ばせようとする。自分にも周にも、零留にも]
(440) 2014/02/11(Tue) 22時半頃
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[問うのは白の集団へ。対吸血鬼用の武器を零瑠と周に向け、振るってくる。
それがどういう代物か。 知る故に、右の手で纏めて握った。 こんなもの、折れてしまえば良い。] ! こ、のっ!
[躱しきれない斬撃。ぽたり、血の落ちる音を聞いた。]
(441) 2014/02/11(Tue) 22時半頃
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[白の手袋は周の血で赤に染まる。 呼び掛けた明之進からの応答はまだ、ない。 耳元、今度は音と為った言葉に>>267>>332、零瑠は1度笑みを消し。 声をかけようとした口が開き、そして閉じる。>>347 後方に居るのは誰か、確かめずとも双方の声で知る。>>355 訛りの強い、独特の。]
(442) 2014/02/11(Tue) 22時半頃
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愉しみが1つ減ってしまったな。 この罪は重いぞ、貴様ら。
[罪は家畜から生まれたのだから、家畜に返す。 当然の思考に金色の風が尖塔から舞った]
勿論愉しませてくれるのだろう?
[白の服を纏っているのは紅く染まる為だろう]
やはり白には紅がよく似合う。
[隠しもしない気配に守護部隊は武器を構え、待ち構えていた。 地に爪先が触れた瞬間、懐に踏み込んで来る者もいた。 だが踏み込んで来た彼の白の制服は、 金の鬼が手にしたサーベルで紅に染まる。 彼の血では無い。 まだ幾らか残っていた陸軍の残党だ。
守護部隊の間を縫う様に、わざわざ雑魚だけ選んで斬り捨てる]
(443) 2014/02/11(Tue) 22時半頃
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[涼平は恐らく躊躇しただろう。 家族と言えど、吸血鬼となった少年について行けば 完全な裏切りを意味する。
ひと思いに解放してやるのが情けだと、 誰か、白い外套の兵士が叫んだ]
……早くっ。
[無理矢理ではあったが、涼平のコートの裾を引く。 その所為で、投げ放ったクリスナイフは拾えないまま、 零瑠の声があった方へと退いて行った]
(444) 2014/02/11(Tue) 22時半頃
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サミュエルは、零留が兵士たちに、問うているときは、まだ到着していなかった。
2014/02/11(Tue) 22時半頃
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ほら、早く止めなければ死体が増えるぞ。
[振り返る事無く、背後の守護部隊に声を投げた。 耐えかねた様に声を上げた男に視線を向けた瞬間、 隙を取ったとばかりに潜んでいたのだろう、 隊員が頭上に降って来る]
こんな風に。
[陽動、奇襲、悪くは無い]
どうだ? 血潮は温かくて甘いだろう?
[跳んだ男の首は空中で消え、 紅の雨が白い隊員達に降り注いでいた。 男の首を落す為に跳んだ金と言えば、既に屋根の上にいる]
(445) 2014/02/11(Tue) 22時半頃
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[もしも周が生き延びていたら……。 守護隊の一員になったのは想定内。
零瑠の一言がどれ程彼に響いたのかは知れないが、孤児院を訪れる事の多かった安吾とジャニスであれば、力の振るい方を示すだろうと思っていた。
けれど、サミュエルも、とは。 ひゅうと鳴る息を隠すように飲み込み、ゆるく首を振る。]
此処では、無理。 俺がこうして押さえてないと、 ……血が。
[もっと流れてしまう。>>364 死んでしまう、かも知れない。]
(446) 2014/02/11(Tue) 22時半頃
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